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ジロ・デ・イタリア2016 第1ステージデュムランが個人TTを僅差で制しマリアローザ獲得 総合争いはニバリが好発進

by 平澤尚威 / Naoi HIRASAWA
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 3大ステージレース「グランツール」のシーズン初戦となる「ジロ・デ・イタリア」(UCIワールドツアー)が5月6日、オランダのアペルドールンで開幕した。第1ステージは9.8kmの個人タイムトライアル(TT)で争われ、開幕地・オランダ出身のTTスペシャリスト、トム・デュムラン(チーム ジャイアント・アルペシン)が11分3秒(平均時速53.212km)で優勝を飾り、総合リーダージャージのマリアローザを獲得した。今大会唯一の日本人選手で、ジロ初出場の山本元喜(NIPPO・ヴィーニファンティーニ)は1分30秒遅れの190位でゴールした。

総合リーダージャージのマリアローザを着用した・トム・デュムラン(チーム ジャイアント・アルペシン) Photo: ANSA - ZENNARO総合リーダージャージのマリアローザを着用した・トム・デュムラン(チーム ジャイアント・アルペシン) Photo: ANSA - ZENNARO

 コースは数カ所に鋭角コーナーがあるものの、ほぼ平坦なTTスペシャリスト向けのレイアウト。22チーム198人の選手たちが1分間隔でアペルドールンのヴェロドローム(競技場)をスタートし、清々しい青空の下で市街地を駆け抜けた。

ウォーミングアップするマルセル・キッテル(ドイツ、エティックス・クイックステップ) Photo: Aki KARASAWAウォーミングアップするマルセル・キッテル(ドイツ、エティックス・クイックステップ) Photo: Aki KARASAWA
レース前のファビアン・カンチェッラーラ(トレック・セガフレード) Photo: Aki KARASAWAレース前のファビアン・カンチェッラーラ(トレック・セガフレード) Photo: Aki KARASAWA

 この日はトビアス・ルドヴィグソン(スウェーデン、チーム ジャイアント・アルペシン)が叩き出した11分11秒がターゲットタイムになった。有力スプリンター、マルセル・キッテル(ドイツ、エティックス・クイックステップ)は持ち前のパワーを生かした走りを見せるが、わずかに及ばなかった。

トップタイムを叩き出した・トム・デュムラン(チーム ジャイアント・アルペシン) Photo: Yuzuru SUNADAトップタイムを叩き出した・トム・デュムラン(チーム ジャイアント・アルペシン) Photo: Yuzuru SUNADA

 ルドヴィグソンの暫定トップの座が続くなか、プリモシュ・ログリッチェ(スロベニア、チーム ロットNL・ユンボ)が8秒更新する11分3秒を記録した。このタイムを脅かす選手は現れず、昨年のジロで総合4位だったアンドレイ・アマドール(コスタリカ、モビスター チーム)が好走を見せたものの、6秒遅れでのゴールとなった。

 ステージ優勝の最有力候補としてオランダの期待を背負ったデュムランは、ヴェロドロームに集まった観客たちからの大声援を受けてスタートした。深い前傾姿勢で大きな身体をコンパクトにしながら、コーナーも果敢に攻め残り5kmの中間計測でトップタイムをマーク。1分前にスタートしたミケル・ランダ(スペイン、チーム スカイ)がゴールする頃には、デュムランもゴール目前に迫っていた。最後まで踏み抜き11分3秒でゴール。ログリッチェと同タイムだが、コンマ差で上回り首位に立った。

7年ぶりにジロ・デ・イタリアに出場するファビアン・カンチェッラーラ(トレック・セガフレード) Photo: Yuzuru SUNADA7年ぶりにジロ・デ・イタリアに出場するファビアン・カンチェッラーラ(トレック・セガフレード) Photo: Yuzuru SUNADA

 ステージ優勝争いで最後に注目されたのは、今シーズン限りでの引退を表明し、2009年以来のジロ出場となったファビアン・カンチェッラーラ(スイス、トレック・セガフレード)。過去にUCI世界選手権個人TTを4度制しているTT巧者だが、体調が万全ではないなかでのチャレンジとなった。中間計測のタイムは伸びず、最終ストレートではダンシングでもがいたが、14秒遅れの8位だった。最終走者もトップタイムを上回ることはできず、デュムランのステージ優勝が確定した。

 総合勢では、2013年の総合王者ヴィンチェンツォ・ニバリ(イタリア、アスタナ プロチーム)がデュムランから19秒遅れの16位という好成績をマーク。ニバリのライバルと目されるアレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター チーム)は24秒遅れの23位、ランダは40秒遅れの67位でゴールした。

総合争いのライバルを上回る結果を残したヴィンチェンツォ・ニバリ(イタリア、アスタナ プロチーム) Photo: Yuzuru SUNADA総合争いのライバルを上回る結果を残したヴィンチェンツォ・ニバリ(イタリア、アスタナ プロチーム) Photo: Yuzuru SUNADA
ジロ・デ・イタリア初出場を果たした山本元喜 Photo: Yuzuru SUNADAジロ・デ・イタリア初出場を果たした山本元喜 Photo: Yuzuru SUNADA
「自分のマックスを出しきった」と語ったトム・デュムラン(チーム ジャイアント・アルペシン) Photo: Aki KARASAWA「自分のマックスを出しきった」と語ったトム・デュムラン(チーム ジャイアント・アルペシン) Photo: Aki KARASAWA

 デュムランはレース後、「タイムトライアルでパーフェクトだったことは一度もない。どんなによかった時でも『このコーナーはもっとうまくできたはず』という悔いは残る。今回は自分のマックスを出しきり、自分を信じただけ。それに運が良かった」と語った。

 第2ステージはオランダのアーネムからナイメーヘンまでの190kmで争われる。終盤に距離の短い4級山岳があるが、ほぼ平坦なスプリンター向けのコースだ。

第1ステージ結果
1 トム・デュムラン(オランダ、チーム ジャイアント・アルペシン) 11分3秒
2 プリモシュ・ログリッチェ(スロベニア、チーム ロットNL・ユンボ) +0秒
3 アンドレイ・アマドール(コスタリカ、モビスター チーム) +6秒
4 トビアス・ルドヴィグソン(スウェーデン、チーム ジャイアント・アルペシン) +8秒
5 マルセル・キッテル(ドイツ、エティックス・クイックステップ) +11秒
6 モレーノ・モゼール(イタリア、キャノンデール プロサイクリングチーム) +12秒
7 ボブ・ユンゲルス(ルクセンブルク、エティックス・クイックステップ) +13秒
8 ファビアン・カンチェッラーラ(スイス、トレック・セガフレード) +14秒
9 マティアス・ブランドレ(オーストリア、イアム サイクリング) +14秒
10 シルヴァン・ディリエ(スイス、BMCレーシングチーム) +16秒
190 山本元喜(日本、NIPPO・ヴィーニファンティーニ) +1分30秒

個人総合(マリアローザ)
1 トム・デュムラン(オランダ、チーム ジャイアント・アルペシン) 11分3秒
2 プリモシュ・ログリッチェ(スロベニア、チーム ロットNL・ユンボ) +0秒
3 アンドレイ・アマドール(コスタリカ、モビスター チーム) +6秒
4 トビアス・ルドヴィグソン(スウェーデン、チーム ジャイアント・アルペシン) +8秒
5 マルセル・キッテル(ドイツ、エティックス・クイックステップ) +11秒
6 モレーノ・モゼール(イタリア、キャノンデール プロサイクリングチーム) +12秒
7 ボブ・ユンゲルス(ルクセンブルク、エティックス・クイックステップ) +13秒
8 ファビアン・カンチェッラーラ(スイス、トレック・セガフレード) +14秒
9 マティアス・ブランドレ(オーストリア、イアム サイクリング) +14秒
10 シルヴァン・ディリエ(スイス、BMCレーシングチーム) +16秒
190 山本元喜(日本、NIPPO・ヴィーニファンティーニ) +1分30秒

ポイント賞(マリアロッサ)
1 トム・デュムラン(オランダ、チーム ジャイアント・アルペシン) 50pts
2 プリモシュ・ログリッチェ(スロベニア、チーム ロットNL・ユンボ) 35pts
3 アンドレイ・アマドール(コスタリカ、モビスター チーム) 25pts

新人賞(マリアビアンカ)
1 トビアス・ルドヴィグソン(スウェーデン、チーム ジャイアント・アルペシン) 11分11秒
2 ボブ・ユンゲルス(ルクセンブルク、エティックス・クイックステップ) +5秒
3 ダミアン・ホーソン(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ) +11秒

チーム総合
1 チーム ジャイアント・アルペシン 33分33秒
2 チーム ロットNL・ユンボ +15秒
3 エティックス・クイックステップ +20秒

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