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栗村修の“輪”生相談<73>30代男性「自転車の交通ルールのおかしな点が気になります」

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最近、自転車で車道を中心に乗り始めて「あれ?」って思うことが増えました。

 例えば狭い道路の「一方通行」や「進入禁止」に自転車は除くと書いてあったり、逆に広くて自転車にとって安全そうな道路に軽車両進入禁止があったりします。ほかに、歩車分離式なんかも、歩行者用信号に従うと軽車両なのに縦横無尽に走れてしまいますよね?(解釈が間違ってたらすみません)

 これらは一例で、他にも挙げればキリがないです。自転車視点から見れば、まだまだ道路は「あれ?」と思うような現状が多いです。

 現状の交通ルールのおかしな点を、頑張って陳述したりしている自転車団体はあるのですか? このままだとルールばっかり追加されて、走りにくくなってしまうと危惧しています。

(30代男性)

 今の日本で自転車に乗るうえで、もっとも重要な問題に関するご質問だと思います。

 要は、自転車は車両なのか歩行者なのか?ということですよね。一方通行だが自転車は除く。よく見かけるこういう看板の背景には、自転車が車両ではなく歩行者の一部だという解釈があると思います。徐行ならば歩道を走ってもいいよ、というのも、同じでしょうね。

 しかしご存じのように、歩道上での自転車と歩行者の重大事故も多発しています。矛盾が噴出しているわけです。それが、質問者さんがおっしゃる「あれ?」ですよね。

 さて、ご質問にある、そういった矛盾と向き合っている団体には、たとえば「自転車活用推進研究会」があります。質問者さんが考えている団体に近いと思います。ハイレベルな、いろいろな議論がなされていますよ。

近年は自転車ナビラインなど、自転車の走行空間を整備する取り組みが行われているが、まだ車道や歩道を無秩序に走る自転車利用者が少なくない Photo: Keisuke SETO近年は自転車ナビラインなど、自転車の走行空間を整備する取り組みが行われているが、まだ車道や歩道を無秩序に走る自転車利用者が少なくない Photo: Keisuke SETO

 僕の意見としては、今の日本の自転車を巡る状況は過渡期にあると思います。ただしそれは、良い方向へ向かいつつある過渡期です。

 僕らが子供のころは、自転車が車道を走るとクルマから怒鳴られる時代でした。いろいろな意味で無秩序な時代でした。インターネットなどが普及しておらず、恐らく表面化していないだけの問題がたくさんあったはずです。それがだんだんと変わり、歩道をかっ飛ばしていたら、歩行者ににらまれる時代になりました。自転車が歩道から車道に移行しつつあるんですね。つまり、過渡期です。

 過渡期に矛盾が噴出するのは、やむを得ないでしょう。歩道を走っていた乗り物が車道に出るというのは大変な改革ですから、一朝一夕にはいきません。ルールを知らない方も多いでしょうし、「自転車は歩道だろ」という偏見も根強い。だから混乱も生まれます。

 まずは、われわれサイクリストが考え、そして行動し、粘り強く改善を続けていくことが重要なのだと感じます。

(編集 佐藤喬)

回答者 栗村修(くりむら おさむ)

 一般財団法人日本自転車普及協会 主幹調査役、ツアー・オブ・ジャパン 大会ディレクター、スポーツ専門TV局 J SPORTS サイクルロードレース解説者。選手時代はポーランドのチームと契約するなど国内外で活躍。引退後はTV解説者として、ユニークな語り口でサイクルロードレースの魅力を多くの人に伝え続けている。著書に『栗村修のかなり本気のロードバイクトレーニング』『栗村修の100倍楽しむ! サイクルロードレース観戦術』(いずれも洋泉社)など。

※栗村さんにあなたの自転車に関する悩みを相談してみませんか?
ml.sd-cyclist-info@sankei.co.jpまでお寄せください。

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