中盤にアタック、圧巻の逃げ切り「弱虫ペダル サイクリングチーム」が宇都宮クリテリウムE1で初陣飾る 岡篤志が独走優勝

by 福光俊介 / Syunsuke FUKUMITSU
  • 一覧

 3月20日に開催されたロードレース国内シリーズの開幕戦「JBCF宇都宮クリテリウム」では、プロチームを中心とする「Jプロツアー」のほかに、アマチュアチーム・選手がしのぎを削る「Jエリートツアー」のレースも行なわれた。アマチュア最上位カテゴリーにあたるE1では、今シーズンに発足したばかりの「弱虫ペダル サイクリングチーム」がレースを席巻。中盤から抜け出した岡篤志が独走勝利を飾り、チームの初陣を飾った。3回目を迎えた宇都宮クリテリウムには過去最高の1万3000人が詰め掛け、沿道から大声援を送った。

JエリートツアーE1を制し、チームの初陣を飾った岡篤志(弱虫ペダル サイクリングチーム) Photo: Syunsuke FUKUMITSUJエリートツアーE1を制し、チームの初陣を飾った岡篤志(弱虫ペダル サイクリングチーム) Photo: Syunsuke FUKUMITSU

4周目で早くもアタック

中盤以降、岡篤志(前、弱虫ペダル サイクリングチーム)と渡邉正光(LinkTOHOKU)がレースをリード。総北高校風ウェアの弱虫ペダルチームに対し、LinkTOHOKUは今シーズン、箱根学園風のウェアで対抗 Photo: Syunsuke FUKUMITSU中盤以降、岡篤志(前、弱虫ペダル サイクリングチーム)と渡邉正光(LinkTOHOKU)がレースをリード。総北高校風ウェアの弱虫ペダルチームに対し、LinkTOHOKUは今シーズン、箱根学園風のウェアで対抗 Photo: Syunsuke FUKUMITSU

 E1クラスは、宇都宮市清原工業団地に設けられた1周3.0kmの周回コースを9周する27kmで争われた。107人が一斉にスタートし、序盤は様子見の展開で推移した。

 レースが大きく動いたのは4周目。弱虫ペダル サイクリングチームの岡篤志が早くもアタックを決め、逃げの態勢を整える。これに渡邉正光(LinkTOHOKU)が続き、2人は中盤にかけてメーン集団に対し約30秒のリードを築いた。

 7周目に入ったところで、先頭の2人に北澤竜太郎(イナーメ信濃山形-EFT)が合流。これに入れ替わる形で渡邉が脱落。メーン集団とは依然20秒から25秒のリードを保ち、岡と北澤のマッチレースの様相を呈する。

岡篤志(左、弱虫ペダル サイクリングチーム)と北澤竜太郎(イナーメ信濃山形-EFT)がメーン集団に約20秒のリードでラスト1周を迎える Photo: Syunsuke FUKUMITSU岡篤志(左、弱虫ペダル サイクリングチーム)と北澤竜太郎(イナーメ信濃山形-EFT)がメーン集団に約20秒のリードでラスト1周を迎える Photo: Syunsuke FUKUMITSU

 そして迎えたラスト1周。昨シーズン、ロード世界選手権アンダー23で日本代表として走った実績を誇る岡が地力を発揮。持ち前の独走力を武器に北澤を振り切ると、その脚は最後まで衰えなかった。メーン集団は5秒差に迫るのが精一杯。最後は余裕のガッツポーズで岡が勝利のフィニッシュラインを通過した。

 弱虫ペダル サイクリングチームでは織田聖も5位でフィニッシュ。大場政登志、西島優太郎も終始メーン集団の前方に位置し、アシストとして逃げる岡とのタイムコントロールを担った。

戦況を見つめる渡辺航さん(右)と弱虫ペダル サイクリングチーム・佐藤成彦ゼネラルマネージャー Photo: Syunsuke FUKUMITSU戦況を見つめる渡辺航さん(右)と弱虫ペダル サイクリングチーム・佐藤成彦ゼネラルマネージャー Photo: Syunsuke FUKUMITSU
メーン集団は弱虫ペダル サイクリングチームのチームメートが前方に位置し、ペースをコントロール Photo: Syunsuke FUKUMITSUメーン集団は弱虫ペダル サイクリングチームのチームメートが前方に位置し、ペースをコントロール Photo: Syunsuke FUKUMITSU

渡辺航監督「作戦がピッタリとはまった」

 人気漫画「弱虫ペダル」の作者で、弱虫ペダル サイクルロードレースチームの監督も務める渡辺航さんは、現地で戦況を見つめ、レース直後は開口一番に「素晴らしい。最高の結果だ」と喜んだ。

 スタート前のチームオーダーは、「エースの岡で優勝を狙う」。一方で岡へのマークが厳しくなることも予想されたが、「勝ちを狙ううえで、逃げることができれば落車の危険性も減り、より攻撃しやすくなる」と、当初から逃げ切りの戦術を思い描いていたという。

 その岡が上手く集団を抜け出し、他のメンバーが集団をコントロール。渡辺さんは「作戦がピッタリとはまった」と手放しで評価する。

レース後取材に応じる渡辺航さん Photo: Syunsuke FUKUMITSUレース後取材に応じる渡辺航さん Photo: Syunsuke FUKUMITSU

 大会を前にCyclistのインタビューに応じた渡辺さんは、「開幕戦なので落車やけがに気をつけてもらいたい」と述べていた。初レースを終え、自チームの選手たちがトラブルなく走りきったことはもとより、レース全体でも大きなクラッシュが起きなかったことも指摘して「素敵なレースだった」と目を輝かせた。

 初陣の圧勝劇によって次戦以降への期待も高まった。渡辺さんは「もちろん勝利を量産したい」とキッパリ。「もっともっと注目してもらいたいし、僕たちががんばれば他チームも負けられないとの思いに駆られると思う。そうやってレースを盛り上げていきたい」と、ロードレース界の発展も見据えている。

 選手たちの戦いぶりを見守る間も、弱虫ペダル読者へのファンサービスを欠かさない渡辺さんの気さくな人柄と合わせ、強力メンバーをそろえたチームの快進撃が今後のレースシーンで話題を振りまくことだろう。

E1結果(27.0km)
1 岡篤志(弱虫ペダル サイクリングチーム) 37分23秒
2 松木健治(クラブシルベスト) +5秒
3 井上人志(クラブシルベスト) +5秒
4 内山雅貴(Pinazou Test Team) +6秒
5 織田聖(弱虫ペダル サイクリングチーム) +6秒
6 伊藤卓馬(なるしまフレンド) +6秒
7 内山靖樹(湘南ベルマーレサイクル) +6秒
8 雑賀大輔(湾岸サイクリング・ユナイテッド) +6秒
9 茂越龍哉(モジュマ エリアゼロナナゴ) +6秒
10 山田大介(スミタ・エイダイ・パールイズミ・ラバネロ) +6秒

併催の「宇都宮自転車王国」も盛況

 宇都宮クリテリウムに合わせて会場で開催されたイベント「宇都宮自転車王国」では、地元・栃木県の味が楽しめるフードゾーンや、自転車関連ブランド各社のブースが展開され、来場者はレースの合間に買い物へと足を運ぶなど、“王国”のビッグイベントをそれぞれに楽しんだ。

宇都宮クリテリウムと併催された「宇都宮自転車王国」。各種ブースやイベントで大いに賑わった Photo: Syunsuke FUKUMITSU宇都宮クリテリウムと併催された「宇都宮自転車王国」。各種ブースやイベントで大いに賑わった Photo: Syunsuke FUKUMITSU

 またイベントステージでは、レース解説でおなじみの今中大介さんと栗村修さんによる「宇都宮クリテリウム大予想」、サイクルナビゲーターの絹代さんと元バレーボール日本代表の益子直美さん、そしてブリッツェンフェアリー自転車競技部による「サイクルガールズトークショー」などが催され、会場を盛り上げた。メーンレースのP1(Jプロツアー)決勝の前には、出場チームによるポディウムサインやインタビューも行われた。

この記事のコメント

利用規約順守の上ご投稿ください。

関連記事

この記事のタグ

JPT2016・Jエリートツアー Jプロツアー2016 弱虫ペダル

  • 一覧

新着ニュース

もっと見る

ピックアップ

e-BIKE最新特集

スペシャル

自転車協会バナー

ソーシャルランキング

インプレッション

インプレッション一覧へ

連載