多彩なステージ “2つの海のレース”ニバリらビッグネームが参戦 ティレーノ~アドリアティコがイタリアで3月9日開幕

by 平澤尚威 / Naoi HIRASAWA
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 UCI(国際自転車競技連合)ワールドツアーのステージレース「ティレーノ~アドリアティコ」が3月9~15日の7日間にわたってイタリアで開催される。過去2度の総合優勝を誇るヴィンチェンツォ・ニバリ(イタリア、アスタナ プロチーム)や、アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター チーム)、ファビアン・カンチェッラーラ(スイス、トレック・セガフレード)といったビッグネームが参戦する。

ツアー・オブ・オマーンで総合優勝を飾ったヴィンチェンツォ・ニバリ =2016年2月19日 Photo: Yuzuru SUNADAツアー・オブ・オマーンで総合優勝を飾ったヴィンチェンツォ・ニバリ =2016年2月19日 Photo: Yuzuru SUNADA

難関山岳ステージやチームTTも

 第51回目を迎えるティレーノは、イタリア半島の西から東へと向かうことから“2つの海のレース”と呼ばれている。閉幕後、スプリンター向きコースのクラシック「ミラノ~サンレモ」(UCIワールドツアー)が同国で開催されることから、以前はスプリンターにチャンスの多いステージレースという位置付けだった。

前回大会はナイロアレクサンデル・キンタナ(コロンビア、モビスター チーム)が総合優勝(ティレーノ~アドリアティコ2015第5ステージ、2015年3月15日) Photo: Yuzuru SUNADA前回大会はナイロアレクサンデル・キンタナ(コロンビア、モビスター チーム)が総合優勝(ティレーノ~アドリアティコ2015第5ステージ、2015年3月15日) Photo: Yuzuru SUNADA

 しかしここ数年は、難関山岳ステージや個人タイムトライアル(TT)が設けられ、1週間のステージレースながらチームTTも盛り込まれるなど、バリエーション豊かなステージが設定された。こうした変化を受け、グランツールライダーの参戦が増加している。ミラノ~サンレモが控えるため、平日に開幕するのも特徴だ。

 今年のコースは、唯一の山頂ゴールとなる第5ステージと、2つのTTが総合争いを大きく左右しそうだ。初日の第1ステージ・チームTTは22.7km、最終日の第7ステージ・個人TTは10kmで争われる。第3、4、6ステージはスプリンター向けのステージといえるが、多くの起伏や、上り基調のゴールがあるため簡単なレイアウトではない。第2ステージは残り4kmから急勾配の上りが1kmにわたって続くため、パンチャー向けと言える。

ベテランのバルベルデが初参戦

 総合争いで注目されるのは2012、13年に連覇を達成したニバリ。昨年は不調が続いたが、シーズン終盤に勝利を量産し、今年2月16~21日のツアー・オブ・オマーン(UCI2.HC)では総合優勝とステージ1勝を飾るなど勢いを取り戻しつつある。13年はティレーノを制覇したあと、ジロ・デ・イタリアで初の総合優勝を飾った。今シーズンのニバリはジロをターゲットにしており、その再現を狙いたい。

ティレーノ~アドリアティコに初出場するアレハンドロ・バルベルデ(ツール・ド・フランス2015第17ステージ、2015年7月22日) Photo: Yuzuru SUNADAティレーノ~アドリアティコに初出場するアレハンドロ・バルベルデ(ツール・ド・フランス2015第17ステージ、2015年7月22日) Photo: Yuzuru SUNADA

 総合の有力選手では35歳のベテラン、バルベルデも注目される。今シーズンはキャリア初のジロ出場を予定しており、ティレーノにも初参戦する。シーズン序盤から終盤まで強さを維持し続ける選手として知られるが、今年も2月17~21日のルタ・デル・ソル(スペイン、UCI2.1)で総合優勝を飾り、その能力を発揮している。

 大会常連のホアキン・ロドリゲス(スペイン、チーム カチューシャ)は、過去にステージ4勝を挙げているものの総合表彰台の経験はない。新加入したチームメートのユルヘン・ヴァンデンブロック(ベルギー)とどのように役割分担をするか。

 ジロで2度の総合2位を経験しているリゴベルト・ウラン(コロンビア)は、移籍したキャノンデール プロサイクリングチームでエースを務める。ティージェイ・ヴァンガードレン(アメリカ、BMCレーシングチーム)はTT巧者のチームメートが多く、2つのTTが総合争いを左右しそうだ。

 そのほかにも、ティボ・ピノー(フランス、エフデジ)、バウケ・モレマ(オランダ、トレック・セガフレード)、ミハウ・クフィアトコフスキー(ポーランド、チーム スカイ)、ドメニコ・ポッツォヴィーヴォ(イタリア、アージェードゥーゼール ラモンディアル)ら有力選手がそろっている。

カヴェンディッシュ vs ガヴィリア

ツアー・オブ・カタール第1ステージを制したマーク・カヴェンディッシュ =2016年2月8日 Photo: Yuzuru SUNADAツアー・オブ・カタール第1ステージを制したマーク・カヴェンディッシュ =2016年2月8日 Photo: Yuzuru SUNADA

 スプリンターでは、マーク・カヴェンディッシュ(イギリス、ディメンションデータ)とフェルナンド・ガヴィリア(コロンビア、エティックス・クイックステップ)が注目を集めそうだ。ガヴィリアは昨年1月の「ツール・ド・サンルイス」(UCI2.1)で、当時エティックス・クイックステップに所属していたカヴェンディッシュを相手に2勝を挙げ、8月に研修生として同チームに加入。カヴェンディッシュは今シーズンからディメンションデータに移籍した。

 今シーズンは、カヴェンディッシュが2月8~12日のツアー・オブ・カタール(UCI2.HC)でステージ1勝と総合優勝、ガヴィリアはサンルイスの2勝を含む3勝を挙げている。また、3月2~6日にイギリス・ロンドンで開催されたトラック世界選手権では、カヴェンディッシュとブラッドリー・ウィギンスのイギリスチームが優勝したマディソンで、ガヴィリアのコロンビアチームは6位。ガヴィリアが制したオムニアムでは、カヴェンディッシュが6位だった。ロードレースでは、今シーズン初めての直接対決となる。

トラック世界選手権のマディソンで優勝したマーク・カヴェンディッシュ(左)とブラッドリー・ウィギンスのイギリスチーム =2016年3月6日 Photo: Yuzuru SUNADAトラック世界選手権のマディソンで優勝したマーク・カヴェンディッシュ(左)とブラッドリー・ウィギンスのイギリスチーム =2016年3月6日 Photo: Yuzuru SUNADA
トラック世界選手権のオムニアムを制したフェルナンド・ガヴィリア =2016年3月5日 Photo: Yuzuru SUNADAトラック世界選手権のオムニアムを制したフェルナンド・ガヴィリア =2016年3月5日 Photo: Yuzuru SUNADA

 イタリア人スプリンターにも、エリア・ヴィヴィアーニ(チーム スカイ)、ジャコモ・ニッツォーロ(トレック・セガフレード)、サーシャ・モドロ(ランプレ・メリダ)らステージ優勝を狙える選手がそろう。1月19~24日の「ツアー・ダウンアンダー」(UCIワールドツアー)で2勝したカレブ・イーウェン(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ)も争いに加わりそうだ。

2015年のティレーノ~アドリアティコでは、ファビアン・カンチェッラーラが最終ステージの個人タイムトライアルを制した =2015年3月17日 Photo: Yuzuru SUNADA2015年のティレーノ~アドリアティコでは、ファビアン・カンチェッラーラが最終ステージの個人タイムトライアルを制した =2015年3月17日 Photo: Yuzuru SUNADA

 3月から4月にかけてのクラシックシーズンで主役となりそうな選手たちも多くエントリーしている。ファビアン・カンチェッラーラは2008年の総合優勝者。昨年はけがに泣いたが、今年は個人TTを含めすでに3勝を挙げて好調を示している。フレッヒ・ヴァンアーヴルマート(ベルギー、BMCレーシングチーム)は今季1勝を挙げ、世界王者のペテル・サガン(スロバキア、ティンコフ)はまだ優勝こそないが、ともに上位フィニッシュが多く安定した強さを見せている。

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