栗村修さんらの指導で「楽しさ」体感基礎から学んで本格サーキットも満喫 「初めてのスポーツ自転車教室」伊豆で開催

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 スポーツ自転車の基本的な乗り方や、安全のためのルールなどを学ぶ「”Safety & Fun”Sports Ride School 初めてのスポーツ自転車教室」が3月5日、静岡県伊豆市の日本サイクルスポーツセンター(日本CSC)で開催された。自動車メーカーの富士重工業が展開する体験企画「スバルアクティブスクエア」が主催し、参加者たちはすがすがしい晴天のなか、日本CSCの5kmサーキットで実技指導を受け、体験走行会も満喫した。

急ブレーキをかける練習を指導する栗村修さん Photo: Kenta SAWANO急ブレーキをかける練習を指導する栗村修さん Photo: Kenta SAWANO

クルマや歩行者とのコミュニケーションが大切

スポーツ自転車の安全な乗り方講座で話す栗村修さん(左)と河西啓介さん Photo: Kenta SAWANOスポーツ自転車の安全な乗り方講座で話す栗村修さん(左)と河西啓介さん Photo: Kenta SAWANO

 イベントの第1部として室内で開かれた安全な乗り方の講習では、ツアー・オブ・ジャパン大会ディレクターの栗村修さんとサイクルライフナビゲーターの絹代さんが自転車について説明。また、オートバイ専門誌「MOTO NAVI」や自動車専門誌「NAVI CARS」の編集長を務める河西啓介さんが、クルマ側の立場から意見を加えていった。自転車とクルマ双方の視点から安全について学べる機会に、参加者たちは熱心に耳を傾けた。

 自転車はクルマと同じ道路を走るべき乗り物だが、標識を学んでいない人も乗れるという問題について、河西さんは「原付バイクはペーパーだけでも試験を受けている。自転車でも教育をするとしたら学校でしょうか」と投げかけると、絹代さんは「自転車先進国のオランダの学校では毎週25分の自転車に関する授業がある」という例を紹介した。

スポーツ自転車の安全な乗り方講座で熱心に聞き入る参加者 Photo: Kenta SAWANOスポーツ自転車の安全な乗り方講座で熱心に聞き入る参加者 Photo: Kenta SAWANO
熱心に講義する河西啓介さん(左)と絹代さん Photo: Kenta SAWANO熱心に講義する河西啓介さん(左)と絹代さん Photo: Kenta SAWANO

 手信号や声かけといったコミュニケーション方法については、栗村さんがわかりやすく実演を交えて説明した。後方から迫ってくるクルマに対しては、ハンドルを握っている右手を少し広げて見せるだけでも、「クルマの運転者は『こちらに気付いているな』と認識できる」のだという。

スポーツ自転車の安全な乗り方講座でバイクに乗って実演する栗村修さん Photo: Kenta SAWANOスポーツ自転車の安全な乗り方講座でバイクに乗って実演する栗村修さん Photo: Kenta SAWANO

 路肩の駐車車両を避ける場合も、首を少し右に振るだけでもジェスチャーとしては充分だ。栗村さんは、より高度なテクニックとしてクルマが道を譲りたくなるような「スマートなジェスチャー」を披露して笑いを誘いながら、簡単な合図を送るだけで「クラクションを鳴らされることがグッと減ります」と話した。

 栗村さんは、クルマとのコミュニケーションを図るサイクリストが増えた一方で「歩行者とのコミュニケーションは足りていない」と語った。ジェスチャーだけでなく声でコミュニケーションをとったり、周囲に気付いてもらったりすることも重要になる。走行中に歩行者に向けて声をかけるのは恥ずかしいと感じる人も多いが、そんな人には「仲間同士で会話しているような話し方」で、周りの人に気付いてもらうテクニックが使えるという。

スポーツ自転車の安全な乗り方講座では(左から)栗村修さん、河西啓介さん、絹代さんが楽しく講義した Photo: Kenta SAWANOスポーツ自転車の安全な乗り方講座では(左から)栗村修さん、河西啓介さん、絹代さんが楽しく講義した Photo: Kenta SAWANO

 また、スポーツ自転車愛好者だけでなくクルマの運転者にとっても曖昧になりがちな交通ルールとして、「左折レーンを直進する場合の走り方」について紹介し、参加者に安全な走行への注意を喚起した。

 左折するクルマと直進する自転車が共存することになるが、栗村さんは円滑に進みだすためには「ジェスチャーや位置取りで、直進する意思を見せることが大事。対向の右折車にも」とアドバイスを送った。絹代さんは走行中や信号で止まっている際の位置について、「自分がクルマから見えるように意識してください」と呼びかけた。

乗り方が「わかってきた!」

実技講習で話す今中大介さん(左)と絹代さん Photo: Kenta SAWANO実技講習で話す今中大介さん(左)と絹代さん Photo: Kenta SAWANO

 第2部の実技講習では元プロロードレーサーの今中大介さんと絹代さんが講師を務め、栗村さんも時おり練習メニューの実演で参加した。まずは空気圧のチェックや、クイックレバーが閉まっているかなどをチェックしてから、サーキットの傾斜を利用して、上りで軽く、下りで重く、とギアチェンジを丁寧に練習。今中さんが乗車フォームを実演しながら「腕力をあまり使わない」「ポケットに引っ張られているように、背中でアーチを作る」といったアドバイスを送り、参加者たちのフォームをチェックしていった。

 スポーツ自転車に初めて乗る参加者たちには、まずは自転車に慣れるための時間を設けられ、絹代さんが機材のセッティングや操作法、ペダルの漕ぎ出し方など基本からレクチャーした。

スバルサイクルクラブの部員も丁寧なサポートで初心者も安心だった Photo: Kenta SAWANOスバルサイクルクラブの部員も丁寧なサポートで初心者も安心だった Photo: Kenta SAWANO
白線の上を走る練習をする参加者 Photo: Kenta SAWANO白線の上を走る練習をする参加者 Photo: Kenta SAWANO
実技講習で話す今中大介さんと参加者 Photo: Kenta SAWANO実技講習で話す今中大介さんと参加者 Photo: Kenta SAWANO

 基本技術を学んだあとは、8の字やスラローム走行を練習。「路面も見ながら視線を遠くに」などとアドバイスを送り、「(走り方が)わかってきた!」という、うれしそうな声が参加者から挙がった。スバルの社員らで結成された自転車部「スバルサイクルクラブ」のメンバーも練習をサポート。休憩時間にも練習に励む参加者に対し、メンバーがマンツーマンでアドバイスを送る姿も見られた。

スラロームの練習をする参加者 Photo: Kenta SAWANOスラロームの練習をする参加者 Photo: Kenta SAWANO
今中大介さんの指導で実走する参加者 Photo: Kenta SAWANO今中大介さんの指導で実走する参加者 Photo: Kenta SAWANO

初心者も5kmサーキットに挑戦

5kmサーキットの上りを走る参加者たち Photo: Kenta SAWANO5kmサーキットの上りを走る参加者たち Photo: Kenta SAWANO

 最後に催された走行体験会では、参加者たちが日本CSCの5kmサーキットへ一斉に駆け出していった。走行中にも今中さんの指導を受けながら、初心者には難しいアップダウンが続くコースのため、途中からは思い思いのペースで走ることに。

 スポーツ自転車に慣れた参加者たちがコースをに堪能するなか、最後尾の初心者たちは、並走する今中さんや絹代さんに見守られながら走り応えのあるコースに挑戦。急勾配の上り坂では、初めてスポーツ自転車に乗った参加者がたまらず降りて歩いたり、最後まで足をつくまいと意地を見せたりと、奮闘する姿が見られた。

スバル自動車の自転車部員も5kmサーキットを走る参加者をサポート Photo: Kenta SAWANOスバル自動車の自転車部員も5kmサーキットを走る参加者をサポート Photo: Kenta SAWANO
5kmサーキットの急坂を笑顔で上る絹代さん(右) Photo: Kenta SAWANO5kmサーキットの急坂を笑顔で上る絹代さん(右) Photo: Kenta SAWANO

 続々とスタート地点まで参加者たちが戻ってくると、2周目に突入する人や、走りきった心地よい疲れのなか1周で終える人もいて、それぞれが心ゆくまでサーキットを堪能した。

女性参加者と栗村さんが“山岳バトル”

上り坂を懸命に上る駒走聡昭さん Photo: Kenta SAWANO上り坂を懸命に上る駒走聡昭さん Photo: Kenta SAWANO

 通信業の駒走聡昭(こまはしり・としあき、50)さんは、静岡県沼津市から1人で参加した。1カ月前から自転車通勤でスポーツバイクに乗り始めたそうで、広々としたスペースでの講習やサーキット走行について「安心して走れますね。普段はここまでロードバイクを満喫できません」と満足した様子。また「栗村さんのような有名な方々がとてもフレンドリーで、身近に感じられてよかった」と話した。

 この走行会では、ヤマハ発動機の電動アシストロードバイク「YPJ-R」に試乗することもできた。

YAMAHAの電動ロードバイク「YPJ-R」の試乗も大盛況だった Photo: Kenta SAWANOYAMAHAの電動ロードバイク「YPJ-R」の試乗も大盛況だった Photo: Kenta SAWANO
5kmサーキットでYPJ-Rの試乗を楽しんだ佐久間奈々さん Photo: Naoi Hirasawa5kmサーキットでYPJ-Rの試乗を楽しんだ佐久間奈々さん Photo: Naoi Hirasawa

 友人2人に誘われて東京から参加したという佐久間奈々さんは、走行会の2周目でYPJ-Rを試乗し、思いがけず栗村さんと一緒に走ることになったという。走り終えた佐久間さんは、「すごく楽しかったです。やみつきになりそう」と笑顔。実技練習では体幹の使い方などの難しさを実感したというが、それらを通して自転車の楽しさを存分に味わえた様子だった。「プロと同じような速さを体験できたこともよかった」と、栗村さんとの“山岳バトル”を振り返った。

(左から)今中大介さん、絹代さん、参加者の佐久間奈々さん、佐久間さんとの“山岳バトル”で足を痛めた(?)栗村修さん Photo: Naoi Hirasawa(左から)今中大介さん、絹代さん、参加者の佐久間奈々さん、佐久間さんとの“山岳バトル”で足を痛めた(?)栗村修さん Photo: Naoi Hirasawa

イベントを継続して身近な存在に

 今回のように、スバルが自転車教室を開催するのは初めての試み。スバルを展開する富士重工のスバルネクストストーリー推進室の小島敦室長は、スポーツ自転車の安全な乗り方講習のなかで、走行中のマナーなどについて「自分でも気が付いていないことが多かった」という発見があったと話し、安全な走り方を学べる場の重要性を実感したという。

参加者に向けてあいさつしたスバルネクストストーリー推進室室長の小島敦さん Photo: Kenta SAWANO参加者に向けてあいさつしたスバルネクストストーリー推進室室長の小島敦さん Photo: Kenta SAWANO
会場にはSUBARU XVが展示された Photo: Kenta SAWANO会場にはSUBARU XVが展示された Photo: Kenta SAWANO

 今後のイベント展開については「ルールを覚えることも必要だけれど、『楽しい』ということにフォーカスを当てたい。改善を加えながら続けていき、自転車好きのみなさんにもっと身近な存在になりたいと思っています」と豊富を語った。

SUBARU XVと記念写真に納まる参加者 Photo: Kenta SAWANOSUBARU XVと記念写真に納まる参加者 Photo: Kenta SAWANO

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