国道246号にバイシクルハイウェイを提案東京・青山の街に映える自転車パーキングを発表 ガードレールや歩道橋下の活用も

  • 一覧

 東京・青山の街に映える自転車駐輪施設や自転車通行レーンのアイデアを競うデザインコンペティション「Bicycle street Design competition AOYAMA」(BDA)が2月29日夜、東京都港区の自転車情報発信拠点「ライフ・クリエーション・スペース OVE(オーブ)」で開かれた。指名形式で参加した5つのデザイン・建築事務所の案を公開審査した結果、ガードレール(ガードパイプ)を活用した駐輪施設などを提案した千葉学建築計画事務所(東京都渋谷区)の千葉学氏が最優秀賞を受賞した。

既存のガードパイプ(車両用防護柵)をそのまま使用する高い具体性が評価された(千葉学建築計画事務所作成)既存のガードパイプ(車両用防護柵)をそのまま使用する高い具体性が評価された(千葉学建築計画事務所作成)

青山を「自転車に優しい街」に

 青山は自転車利用者が多いが、歩道上への違法駐輪が通行を妨げ、景観を悪化させていると問題になっていた。そこで、青山商店街連合会が2009年に「自転車に優しい街」を宣言し、2012年にBDAをスタートした。コンセプトは、景観を損なわず駐輪自転車を美しく見せる「トメル+ミセル」。2年ぶりの開催となった今回は、オーブが主催し、港区や青山商店街連合会などが後援。国道246号「青山通り」をテーマにアイデアを競った。

コンペ作品とプレゼンテーションを熱心に聞く来場者 Photo: Shusaku MATSUOコンペ作品とプレゼンテーションを熱心に聞く来場者 Photo: Shusaku MATSUO

 コンペに参加したのは、千葉学建築計画事務所、手塚建築研究所、SUPPOSE DESIGN OFFICE(サポーズデザインオフィス)、OOPEAA(オオペアー)、ツバメアーキテクツの5社。審査委員長は自転車専門誌を発行する八重洲出版の宮内忍・チクリッシモ編集長、また審査委員は東京芸術大学の松下計教授ら3人が務めた。

 5社はそれぞれ5分の発表時間と5分の質疑応答の中でデザインをアピール。約70人ほどの来場者たちは、スクリーンに披露された斬新なアイデアを、写真を撮るなどして熱心に聞いていた。

中央分離帯を自転車専用レーンに

最優秀賞を獲得した千葉学氏 Photo: Shusaku MATSUO最優秀賞を獲得した千葉学氏 Photo: Shusaku MATSUO

 千葉氏は、既存のパイプ式ガードレール(ガードパイプ)にフロントタイヤを固定するラックを取り付け、歩道の一部を駐輪施設にする案を提唱。省スペースで、自転車を“魅せる”街づくりに貢献できるとアピールした。

 また、青山通りの中央分離帯を自転車専用レーンに転用する案も披露した。自転車が、左折するクルマや、わき道から大通りへ出入りするクルマと干渉することを防ぎ、都市を走る楽しさを提案するデザインだ。大きな交差点には、自転車専用の右左折用信号機を設置して、交通のスムーズな流れを確保する。公開審査の後に、これらの案が最優秀賞に選ばれた。

千葉学氏による、青山通り中心に設けた自転車専用レーンの案(千葉学建築計画事務所作成)千葉学氏による、青山通り中心に設けた自転車専用レーンの案(千葉学建築計画事務所作成)
千葉氏の案は、現在通りの中心にある生垣をバイシクルハイウェイにする案(千葉学建築計画事務所作成)千葉氏の案は、現在通りの中心にある生垣をバイシクルハイウェイにする案(千葉学建築計画事務所作成)
千葉氏と同じく、青山通りの中央に自転車専用道路を作る提案をした手塚氏(手塚建築研究所作成)千葉氏と同じく、青山通りの中央に自転車専用道路を作る提案をした手塚氏(手塚建築研究所作成)

人が集まる駐輪場を

次点を獲得したサポーズデザインオフィスの作品(サポーズデザインオフィス作成)次点を獲得したサポーズデザインオフィスの作品(サポーズデザインオフィス作成)

 サポーズデザインオフィスの谷尻誠代表は、「現状の駐輪場は自転車しかなく、人が集まらないし集まろうと思わない」と話し、駐輪可能なベンチをデザイン。人が集まる店先などに配置し、人と自転車が共存可能なスタイルを示した。また、立体的な道路を作ることでスペースを有効活用する案を提言した。谷尻氏の作品は次点に選ばれた。

立体的な路面によるスペース作りが提案された(サポーズデザインオフィス作成)立体的な路面によるスペース作りが提案された(サポーズデザインオフィス作成)
サポーズデザインオフィス代表の谷尻誠氏 Photo: Shusaku MATSUOサポーズデザインオフィス代表の谷尻誠氏 Photo: Shusaku MATSUO

 質疑応答や公開審査の際には、審査委員からコンペ参加者に対し、多様な自転車の機能に合っているのか、実現可能なのかといった質問が投げかけられ、デザイン性や具体性が厳しく審査された。一方、松下審査委員は「実現性から入るデザインには限界があり、一見すると現実的ではないと思われるデザインを行政のルールや考え方に落とし込んでいくことも求められる」と総括した。

自立し、状況によって移動可能な自転車スタンド(OOPEAA作成)自立し、状況によって移動可能な自転車スタンド(OOPEAA作成)
ツバメアーキテクツによる、街中のデッドスペースの有効活用を示したデザイン(ツバメアーキテクツ作成)ツバメアーキテクツによる、街中のデッドスペースの有効活用を示したデザイン(ツバメアーキテクツ作成)
施錠が可能なスペースを作り、高額なスポーツバイクでも止めることができる(ツバメアーキテクツ作成)施錠が可能なスペースを作り、高額なスポーツバイクでも止めることができる(ツバメアーキテクツ作成)

 第1回目からアドバイザーを務める建築ジャーナリストの中崎隆司さんは、「今回は実力がある事務所と、若い事務所を指名しました。青山通りの真ん中を走る自転車専用道路の案など、素晴らしい作品がそろった。まずは発信していきたい」と話し、コンペの作品の実現を期待した。BDAは今後も継続的に開催していく予定という。

関連記事

この記事のタグ

イベント 自転車レーン 駐輪場

  • 一覧

新着ニュース

もっと見る

ピックアップ

e-BIKE最新特集

スペシャル

自転車協会バナー

ソーシャルランキング

インプレッション

インプレッション一覧へ

連載