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福光俊介の「週刊サイクルワールド」<148>春のクラシックは激戦必至 BMC、ロット・ソウダル、ロットNL・ユンボ 2016年シーズン展望

by 福光俊介 / Syunsuke FUKUMITSU
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 1月にツアー・ダウンアンダー(オーストラリア)で開幕したUCI(国際自転車競技連合)ワールドツアーは、第2戦となるパリ〜ニース(3月6〜13日)で再開し、いよいよシーズンが本格化する。各チームとも、春のクラシックやその先のグランツールを見据えて調子を上げてくる時期だ。今シーズンの戦力を分析すべく、昨年11月から続けてきたチーム展望は、今回で18のUCIワールドチームすべての紹介を終える。最後を飾るのは、BMCレーシングチーム、ロット・ソウダル、そしてチーム ロットNL・ユンボだ。

BMCレーシングの絶対エースのティージェイ・ヴァンガードレン(左)、ロット・ソウダルの顔とも言えるアンドレ・グライペル(中)、チーム ロットNL・ユンボでグランツールエースを担うロベルト・ヘーシンク Photo: Yuzuru SUNADABMCレーシングの絶対エースのティージェイ・ヴァンガードレン(左)、ロット・ソウダルの顔とも言えるアンドレ・グライペル(中)、チーム ロットNL・ユンボでグランツールエースを担うロベルト・ヘーシンク Photo: Yuzuru SUNADA

北のクラシック“本命”に躍り出たヴァンアーヴルマート

順調にコンディションを上げているヴァンアーヴルマート Photo: Yuzuru SUNADA順調にコンディションを上げているヴァンアーヴルマート Photo: Yuzuru SUNADA

 スイスのバイクブランド、BMC社がメーンスポンサーを務めるBMCレーシングチーム。メーカー直属チームに特有の豊富な資金力をバックに、年々その戦力を高めている。

 シーズン序盤の主役は、フレッヒ・ヴァンアーヴルマート(ベルギー)だった。2月8〜12日のツアー・オブ・カタール、同16〜21日のツアー・オブ・オマーン(ともにUCI2.HC)でステージ上位フィニッシュを連発すると、同27日に行われた石畳系セミクラシック初戦のオムループ・ヘット・ニュースブラッド(ベルギー、UCI1.HC)で優勝をもぎ取った。

 世界王者のペテル・サガン(スロバキア、ティンコフ)ら5人によるゴールスプリントを制した背景には、スピードだけでなく加速のタイミングやコースのライン確保の巧みさが挙げられる。近年のクラシックでは上位の常連だったが、30歳と脂の乗り切った年齢となり、いよいよ「北のクラシック」と呼ばれる最も格式の高いワンデーレース、ツール・デ・フランドルやパリ〜ルーベでの優勝が現実味を帯びてきた。好調さを見れば優勝候補筆頭に挙げられ、まさに“本命”に躍り出たと言えるだろう。

 同国のライバルでもあり、盟友でもあるフィリップ・ジルベール(ベルギー)は、ヴァンアーヴルマートと比べると落ち着いたシーズンインとなった。2月13日のブエルタ・ア・ムルシア(スペイン、UCI1.1)では、アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター チーム)らを破って優勝しているが、オムループではパヴェ(石畳)で落車しリタイア。大事には至らず、3月19日のミラノ〜サンレモや4月のアルデンヌクラシックを目標に、これから調子を上げてくることだろう。ツール・デ・フランドルではヴァンアーヴルマートとのダブルエースで臨む公算だ。

 クラシックと同様に、グランツール路線もリッチー・ポート(オーストラリア)の加入で戦いの幅が広がっている。そのポートは、1月のツアー・ダウンアンダーで総合2位と好発進。2月は調整に主眼を置いたが、前回覇者として出場するパリ〜ニースをシーズン序盤最大の目標としてスタートラインに立つ。

今季よりBMC加入のポート。ツアー・ダウンアンダーでは、上りフィニッシュの第5ステージで、力でライバルを振り切り優勝 Photo: Yuzuru SUNADA今季よりBMC加入のポート。ツアー・ダウンアンダーでは、上りフィニッシュの第5ステージで、力でライバルを振り切り優勝 Photo: Yuzuru SUNADA

 絶対エースのティージェイ・ヴァンガードレン(アメリカ)は、3月9〜15日のティレーノ〜アドリアティコに回る。昨年のツール・ド・フランスでは順調に戦いを進めていながら、第17ステージで突然の体調不良に泣いて大会を去った。その後、ブエルタ・ア・エスパーニャでも途中リタイアを喫した。そのリベンジとなる今年は、ポートとの両輪でツール上位進出を目指す。自己最高の総合5位を上回る走りが期待される中、山岳での安定感と個人タイムトライアル(TT)の確実性を考えると、総合表彰台の可能性も大いにある。

 昨年のジロ・デ・イタリア総合8位のダミアーノ・カルーゾ(イタリア)、戦い方を知り尽くす38歳のサムエル・サンチェス(スペイン)、総合力ではポートやヴァンガードレンに匹敵するローハン・デニス(オーストラリア)と、グランツールの走りが楽しみな選手がまだまだ控える。

 そのほか、個人TTや北のクラシックでの走りが楽しみなテイラー・フィニー(アメリカ)、逃げのスペシャリストであるアレッサンドロ・デマルキ(イタリア)、シルヴァン・ディリエ(スイス)と、タレント性十分のライダーたちが活躍のチャンスをうかがう。

■BMCレーシングチーム 2015-2016 選手動向

【残留】
ホンダルウィン・アタプマ(コロンビア)
ブレント・ブックウォルター(アメリカ)
マルクス・ブールクハート(ドイツ)
ダミアーノ・カルーゾ(イタリア)
アレッサンドロ・デマルキ(イタリア)
ローハン・デニス(オーストラリア)
シルヴァン・ディリエ(スイス)
ジャンピエール・ドリュケール(ルクセンブルク)
フィリップ・ジルベール(ベルギー)
ベン・ヘルマンス(ベルギー)
シュテファン・キュンク(スイス)
アマエル・モワナール(フランス)
ダニエル・オス(イタリア)
テイラー・フィニー(アメリカ)
マヌエル・クインツィアート(イタリア)
ジョセフ・ロスコフ(アメリカ)
サムエル・サンチェス(スペイン)
ミヒャエル・シャール(スイス)
マヌエル・センニ(イタリア)
ディラン・トゥーンス(ベルギー)
フレッヒ・ヴァンアーヴルマート(ベルギー)
ティージェイ・ヴァンガードレン(アメリカ)
ペテル・ヴェリトス(スロバキア)
ロイック・ヴリーゲン(ベルギー)
ダニロ・ウィス(スイス)
リック・ツァベル(ドイツ)
 
【加入】
トム・ボーリ(スイス) ←BMCデヴェロップメントチーム(アマチュア)
フロリス・ゲルツ(オランダ) ←BMCデヴェロップメントチーム(アマチュア)
リッチー・ポート(オーストラリア) ←チーム スカイ
 
【退団】
カデル・エヴァンス(オーストラリア) →引退
キャンベル・フレイクモア(オーストラリア) →引退
クラース・ロードヴェーク(ベルギー) →引退(BMCデヴェロップメントチーム スポーツディレクター就任)
ピーター・ステティナ(アメリカ) →トレック・セガフレード

グライペルとガロパンが柱のロット・ソウダル

アルデンヌクラシックに照準を定めるガロパン Photo: Yuzuru SUNADAアルデンヌクラシックに照準を定めるガロパン Photo: Yuzuru SUNADA

 エティックス・クイックステップと並び、ベルギーの雄として確固たる地位を築いているロット・ソウダル。その中心に立つのは、アンドレ・グライペル(ドイツ)とトニー・ガロパン(フランス)だ。

 グライペルは今年もエーススプリンターとして勝利の量産を図る。今年はすでに2勝を挙げ、上々のシーズンイン。2月17〜21日のヴォルタ・アオ・アルガルヴェ(ポルトガル、UCI2.1)では落車負傷するアクシデントに見舞われたが、軽症で済み、レースプログラムの変更は避けられた。これまで同様、ステージレースのスプリントステージを中心に力強い姿を見せるだろう。発射台を務めるグレゴリー・ヘンダーソン(ニュージーランド)らとのホットラインも楽しみだ。

 ガロパンはアルデンヌクラシックに照準を定める。昨年はアムステルゴールドレース6位、リエージュ〜バストーニュ〜リエージュ20位だったが、勢いに乗れば優勝戦線にも名乗りを挙げるはずだ。クレバーなレース運びも魅力で、2013年のクラシカ・サンセバスティアンや、マイヨジョーヌを獲得した2014年ツール第9ステージのような走りが見られれば、ビッグレースでの勝利も数多く見られるだろう。アップダウンの激しい難コースで行われるリオデジャネイロ五輪ロードレースでも、フランス代表のエースを担う可能性がありそうだ。

 北のクラシックに向けては、まもなく22歳を迎える成長株のティシュ・ブノートと、2013年のツール・デ・フランドル3位のユルヘン・ルーランツ(ともにベルギー)が上位を狙う。ブノートは27日のオムループで3位に入ったばかりか、積極的な仕掛けでレースを盛り上げた。また、スプリンターとしても実力のあるイェンス・デビュッシュール(ベルギー)も存在感をみせたいところだ。

“鉄人”ハンセンはグランツール13大会連続完走中 Photo: Yuzuru SUNADA“鉄人”ハンセンはグランツール13大会連続完走中 Photo: Yuzuru SUNADA

 ユルヘン・ヴァンデンブロック(ベルギー)のチーム カチューシャ移籍にともない、グランツールの総合成績を狙える選手の養成が急務だが、ランプレ・メリダから移籍加入したラファエル・バルス(スペイン)がその重責を任されることになりそうだ。クライマーのバルト・デクレルク(ベルギー)や、UCIワールドチーム復帰を果たしたトマシュ・マルチンスキ(ポーランド)もエース候補に名乗り出る。グランツール13大会連続完走中の“鉄人”アダム・ハンセン(オーストラリア)も忘れてはならない。

 なお、チームは2月20日にトマス・デヘントとヘルト・ドックス(ともにベルギー)が、トレーニングキャンプを行っていたスペイン・カルペでのライド中に自動車と接触する事故に巻き込まれたと発表。ともに複数個所を負傷したものの、数日でトレーニングを再開している。

 また、ヴォルタ・アオ・アルガルヴェでグライペルとともに落車したイェール・ワライス、ショーン・デビー(ともにベルギー)、マルセル・ジーベルグ(ドイツ)も負傷。さらには、スティグ・ブルークス(ベルギー)は2月28日のクールネ〜ブリュッセル〜クールネでモーターバイクに接触され、鎖骨と肋骨を骨折し緊急手術。ワライスはレース復帰しているが、デビーとジーベルグ、ブルークスは回復具合を見ながら戦線に戻ることになる。

■ロット・ソウダル 2015-2016 選手動向

【残留】
サンデル・アルメー(ベルギー)
ラースユティング・バク(デンマーク)
ティシュ・ブノート(ベルギー)
クリス・ブックマンス(ベルギー)
スティグ・ブルークス(ベルギー)
ショーン・デビー(ベルギー)
ジャスパー・デブイスト(ベルギー)
バルト・デクレルク(ベルギー)
トマス・デヘント(ベルギー)
イェンス・デビュッシュール(ベルギー)
ヘルト・ドックス(ベルギー)
トニー・ガロパン(フランス)
アンドレ・グライペル(ドイツ)
アダム・ハンセン(オーストラリア)
グレゴリー・ヘンダーソン(ニュージーランド)
ピム・リヒトハルト(オランダ)
マキシム・モンフォール(ベルギー)
ユルヘン・ルーランツ(ベルギー)
マルセル・ジーベルグ(ドイツ)
トッシュ・ヴァンデルザンド(ベルギー)
イェール・ヴァネンデル(ベルギー)
ルイ・ヴルヴァーク(ベルギー)
ティム・ウェレンス(ベルギー)
 
【加入】
フレデリック・フリソン(ベルギー) ←ロット・ソウダルU23(アマチュア)
トマシュ・マルチンスキ(ポーランド) ←トルクセケルスポル
ラファエル・バルス(スペイン) ←ランプレ・メリダ
イェール・ワライス(ベルギー) ←トップスポルト ヴラーンデレン・バロワーズ
 
【退団】
ヴェガール・ブリーン(ノルウェー) →フォルチュネオ・ヴィタルコンセプト
ケニー・デハース(ベルギー) →ワンティ・グループゴベール
ボリス・ヴァレ(ベルギー) →フォルチュネオ・ヴィタルコンセプト
ユルヘン・ヴァンデンブロック(ベルギー) →チーム カチューシャ
デニス・ヴァネンデル(ベルギー) →未定

悲願のパリ〜ルーベ制覇を目指すヴァンマルク

石畳系クラシックで勝利を狙うヴァンマルク Photo: Yuzuru SUNADA石畳系クラシックで勝利を狙うヴァンマルク Photo: Yuzuru SUNADA

 UCIワールドチーム唯一のオランダチームであるチーム ロットNL・ユンボにとって、シーズン最初の山場となるのが北のクラシック。この時期に絶対的なチームリーダーとなるのがパヴェのスペシャリスト、セップ・ヴァンマルク(ベルギー)だ。

 2010年以降、石畳系クラシックでは欠かさず上位に顔を出す彼だが、いまだUCIワールドツアーレースでの勝利経験がない。もちろんターゲットとなるのは、クラシックの“王様”ツール・デ・フランドルと“女王”パリ〜ルーベだ。難易度の高いパヴェでの圧倒的なアタックは、ライバルを蹴散らすうえで大きな武器。今年も破壊力十分の仕掛けが見られそうだ。

 シーズンインを2月中旬に据え、過去に優勝経験のあるオムループを回避。ゆっくりとした調整で、調子のピークを3月下旬から4月上旬に持っていく構えだ。このスタンスが奏功するかどうかは、今後の走りで明らかになる。

 北のクラシック同様にチームが最重要視するグランツールは、ロベルト・ヘーシンク、ウィルコ・ケルデルマン、スティーフェン・クルイシュウィック(いずれもオランダ)が中心となる。3人の棲み分けをどうするかは、首脳陣の腕の見せ所だ。この中でもっとも実績が豊富なヘーシンクがツールで総合エースを務めることが有力。心疾患を乗り越えて臨んだ昨年のツールでは総合6位と華麗な復活を遂げた。総合トップ5に食い込めると自負しており、その実現に期待が高まる。

 スプリンターでは、今シーズン加入の新鋭、ディラン・フルーネウェーヘン(オランダ)が2月5日のボルタ・ア・ラ・コムニタ・バレンシアナ(スペイン、UCI2.1)第3ステージで優勝、第5ステージでも2位と活躍した。その後のクールネでも4位に入るなど、弱冠23歳が見せる可能性に注目が集まっている。

 新加入組はフルーネウェーヘンをはじめ、ジロのステージ優勝経験を持つエンリーコ・バッタリーン(イタリア)ら8選手にのぼる。昨年のUCIヨーロッパツアー個人ランキング10位のプリモス・ログリッチ(スロベニア)は、ヴォルタ・アオ・アルガルヴェで総合5位と好走。オールラウンダーとして押さえておきたい存在だ。

■チーム ロットNL・ユンボ 2015-2016 選手動向

【残留】
ジョージ・ベネット(ニュージーランド)
ロベルト・ヘーシンク(オランダ)
マルク・ゴース(オランダ)
モレノ・ホフラント(オランダ)
マルティン・ケイゼル(オランダ)
ウィルコ・ケルデルマン(オランダ)
スティーフェン・クルイシュウィック(オランダ)
トム・レーゼル(オランダ)
ベアトヤン・リンデマン(オランダ)
ポール・マルテンス(ドイツ)
ティモ・ローセン(オランダ)
ブラム・タンキンク(オランダ)
マイク・トゥニスン(オランダ)
マールテン・チャリンギ(オランダ)
トム・ヴァンアスブロック(ベルギー)
ヨス・ファンエムデン(オランダ)
デニス・ファンウィンデン(オランダ)
セップ・ヴァンマルク(ベルギー)
ロベルト・ヴァーグナー(ドイツ)
マールテン・ウイナンツ(ベルギー)
 
【加入】
エンリーコ・バッタリーン(イタリア) ←バルディアーニ・CSF
クーン・ボーウマン(オランダ) ←SEGレーシング
ヴィクトール・カンペナールツ(ベルギー) ←トップスポルト ヴラーンデレン・バロワーズ
トワン・カステリンス(オランダ) ←ベビーダンプ サイクリングチーム
ディラン・フルーネウェーヘン(オランダ) ←チーム ロームポット・オラニエペロトン
スティーフェン・ラメルティンク(オランダ) ←SEGレーシング
プリモス・ログリッチ(スロベニア) ←アドリアモービル
アレクシー・バーミューレン(アメリカ) ←BMCデヴェロップメントチーム(アマチュア)
 
【退団】
ブリアン・ブルハック(オランダ) →チーム フォアアールベルク
リック・フレンス(オランダ) →未定
バリー・マルクス(オランダ) →ロームポット・オラニエペロトン
ローレンス・テンダム(オランダ) →チーム ジャイアント・アルペシン
ニック・ファンデルレイク(オランダ) →ロームポット・オラニエペロトン

今週の爆走ライダー-マルクス・ブールクハート(ドイツ、BMCレーシングチーム)

「爆走ライダー」とは…

1週間のレースの中から、印象的な走りを見せた選手を「爆走ライダー」として大々的に紹介! 優勝した選手以外にも、アシストや逃げなどでインパクトを残した選手を積極的に選んでいきたい。

今季開幕戦のツアー・ダウンアンダーで骨折したブールクハートだが、周囲を驚かせる回復を見せた Photo: Yuzuru SUNADA今季開幕戦のツアー・ダウンアンダーで骨折したブールクハートだが、周囲を驚かせる回復を見せた Photo: Yuzuru SUNADA

 1月に肘を骨折したにもかかわらず、きょう3月2日にプロトンへと戻ってくる。チームスタッフも驚く早期のレース復帰だ。

 シーズン開幕戦のツアー・ダウンアンダー第3ステージで落車。この日は完走こそしたものの、肘の骨折が判明してレースを去った。自身もチームも、一度は春のクラシックの欠場を覚悟した。

 復帰戦となる3月2日のル・サミン(ベルギー、UCI1.1)は、伝統の石畳系レース。彼が主戦場とするパヴェとあって、モチベーションは高い。「プロトンに戻るのが待ちきれないよ。なかでもベルギーの観客とレースの雰囲気は最高だからね」と気合い十分だ。

 2007年にヘント〜ウェヴェルヘムを制覇。以後、数年は自ら勝利を狙うこともあったが、近年はアシストに徹してきた。189cmの大きな体に宿るパワーは、長時間の集団牽引の源となっている。

 彼が戻ったことで、ジルベールやヴァンアーヴルマートら強力リーダーを支える足並みがそろった。32歳とベテランの域に入り、チーム内でもキャプテンとしての働きが期待されている。これからの季節は特に、チームの浮沈は彼の仕事ぶりにかかっているといえよう。“真のプロフェッショナル”が見せる堅実な走りに、エンジンがかかろうとしている。

福光俊介福光俊介(ふくみつ・しゅんすけ)

自転車ロードレース界の“トップスター”を追い続けて十数年、気がつけばテレビやインターネットを介して観戦できるロード、トラック、シクロクロス、MTBをすべてチェックするレースマニアに。2011年、ツール・ド・フランス観戦へ実際に赴いた際の興奮が忘れられず、自身もロードバイク乗りになる。自転車情報のFacebookページ「suke’s cycling world」も充実。本業は「ワイヤーママ徳島版」編集長。

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