溝畑宏のサイクルツーリズム <番外編>おにぎりに変身、なまはげ館を中継… 「みちのくひろし旅」を体感

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 いつも当サイトに旅の連載記事「溝畑宏のサイクルツーリズム」を寄稿してくださっている元観光庁長官の溝畑宏さん。ただ、「Cyclist」編集部は電話やメールでやりとりをしており、これまで実際にお会いしたことがなかった。そこで編集長から「溝畑さんに会ってこい」との指示が言い渡された。…でもどこへ? 「秋田を走るらしいぞ」と編集長。今年4月に福島県から旅を始め、いまは秋田県を移動中の一行を追って、記者も愛車とともに新幹線に乗り込んだ。(柄沢亜希)
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稲穂と森の道――1,600kmの道のり中で

今回の旅を走るメンバー、(左から)棚橋麻衣さん、溝畑宏元観光庁長官、Cyclist記者柄沢今回の旅を走るメンバー、(左から)棚橋麻衣さん、溝畑宏元観光庁長官、Cyclist記者柄沢

 この日は、秋田県北秋田市の山中を出発し、日本海側の秋田市方面へ30~40km下るルート。人里離れたスタート地点を不思議に思ったが、前回走り終えた場所からルートをきっちりつなぐためなのだそうだ。

 今回、記者以外にも同行メンバーがいらっしゃった。テレビやラジオで活躍する棚橋麻衣さんは、埼玉県のFM放送局「NACK5」の企画で参加をしていて、これが3度目の同行だそうだ。お供の初代愛車のANCHOR(アンカー)が、カスタムカラーで素敵だ。

 ひろし旅の“主人公”である溝畑さんが目指すのは、「東北観光博」を実施中の6県1,600kmを自転車で走破するというもの。東北観光博は、震災によりダメージを受けた観光業を盛り上げようと企画されたイベントで、各地でガイドや案内設備を設けて観光客らを迎える。来春まで行なわれている。

 旅では自転車のスピードやフレキシビリティを生かし、各地の街角や観光スポットで人々にエールを送りながら進んでいく。溝畑さんは、「福島・宮城・岩手・青森と回ってきた中で、各地域の魅力を多角的に語れるようになった」と話す。採れたて野菜のまるかじりも女将のおもてなしもとびきりフレッシュなソフトクリームも、全部が魅力なのだとか。

“黄金色のじゅうたん”の中を走る“黄金色のじゅうたん”の中を走る

 「あきたこまち」の産地・秋田では、10月はコメの収穫真っ盛り。たわわに実る稲穂の横を走っていると、本当に“黄金色のじゅうたん”に見えてくる。「田植えの時期から開始したひろし旅の思い出も重なり感慨深い」と稲穂に目を細める溝畑さん。ちょうど収穫作業中の稲田を通りかかると、迷わず声をかけに行き――「ミスターおにぎり」に変身を遂げた。

稲穂を背景に「ミスターおにぎり」の登場稲穂を背景に「ミスターおにぎり」の登場

スポーツ先進県、秋田

 秋田県では、バスケットボールやラグビーといったスポーツが盛んだ。また冬場には、ウィンタースポーツを目的に海外からも観光客が訪れる。

 自転車競技では、八郎潟の干拓地で知られる大潟村で毎年、全日本選手権個人タイムトライアルのレースが開催されている。実は今回、そのことを知らずにこの地を走り、「平坦で直線的な道。TTによさそうだなぁ」と思いながら通り過ぎてしまった…。また今年9月には男鹿(おが)半島で「東北サイクリングフェスティバル」が開催され、海岸線を走るコースをおよそ250人が楽しんだという。

秋田県庁を自転車で訪問秋田県庁を自転車で訪問
秋田県のゆるキャラ「スギッチ」。秋田杉が由来の人気者秋田県のゆるキャラ「スギッチ」。秋田杉が由来の人気者

 秋田市内で一泊した後、一行が向かったのは秋田県庁。佐竹敬久(のりひさ)知事は溝畑さんとの対談の中で、「『動きたい』という本能を発揮することができるスポーツは、文化と並ぶ観光資源。スポーツを観光に活用するため、県には『観光文化スポーツ部』がある」と意欲的に語った。

寄り道は旅の醍醐味

 旅の間、USTREAMを活用してご当地の名所や観光スポットを紹介することも、みちのくひろし旅の使命だ。先の「ミスターおにぎり」も頻繁に登場し、各地の紹介に余念がない。今回は自転車を離れ、男鹿半島の伝統を紹介する「なまはげ館」(男鹿市)と1852年創業の老舗酒蔵「新政(あらまさ)酒造」(秋田市)を中継した。

歴代・各地のなまはげがずらりと並ぶ=「なまはげ館」(秋田県男鹿市)歴代・各地のなまはげがずらりと並ぶ=「なまはげ館」(秋田県男鹿市)

 なまはげ館で圧巻だったのは、これまで使われてきたなまはげがずらりと並んだ光景だ。各地域によってずいぶんと表情が異なる。鬼のような面のなまはげだが、「神」として人々に敬われ、現在では大晦日の夜に迎えられているそうだ。

 新政酒造では、ちょうど新米を蒸らす作業を行なっていた。大きな蒸し器から立ち上る湯気で、工場内いっぱいにお米の少し甘い香りが漂っていた。全工程を踏んで、このお米がお酒としてビンに詰まるのは11月頃。今から待ち遠しい。

新米を蒸す工程を見学=「新政酒造」(秋田市)新米を蒸す工程を見学=「新政酒造」(秋田市)
道すがら出会ったサイクリスト、根田文平さん道すがら出会ったサイクリスト、根田文平さん

 そろそろこの日の行程も終わりという頃、サイクリストに遭遇した。地元の高校2年生で、台湾の短期留学から帰ったばかりという根田文平さん。留学先で手に入れた愛車は、もちろんGIANT(ジャイアント)。まだロードバイクを始めて間もないと話すが、楽しそうに走る軽快な姿が印象的だった。

 そんな一期一会のふれ合いを重ねつつ、ひろし旅は進んでいく。今後、山形県を通過し、10月末をめどに最終地点であるいわき市を目指す。旅の様子は、引き続き当サイトコラムへ連載していく。
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