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栗村修の“輪”生相談<69>30代男性「モトライダーやカメラマンの育成や研修ってあるんでしょうか?」

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最近? やっと地上波等でサイクルロードレース並びにレーサーのニュースが流れるようになり、知名度も少しずつ上がってきたように感じます。そこで質問です。

 モトライダーやカメラマン(映像)の育成または研修等ってあるんでしょうか? 色んな動画で国内サイクルロードレースの映像を拝見するのですが、やはり本場の長年の経験や歴史から生まれた映像方法やアングル等の迫力が凄い印象です。

 個人的な偏見では、綺麗な映像や迫力ある映像を見て、それから生で見るっていう人が多いような気がするので、オートバイとカメラマンの撮影技術はかなり重要な気がします。

 レーサーを育成するのも大切だというのは重々承知していますが、見るのも好きな自分としてはこちら方面もかなり気になっています。

(30代男性)

 とうとう、来ましたね。この様なご質問が。

 選手以外にも、メカニックやチーム運営、コックを志望される方がいて嬉しかったのですが、そこにきてついにモトドライバーやカメラマン関連のご質問。いいですね。
 
ただ、僕も選手や監督時代には、モトドライバーや動画のカメラマンさんとはあまり接点がなかったんです。スチール(静止画)のカメラマンさんとはレース会場でよく一緒になったんですが。でも僕は今、レースを主催する側に立っていろいろな世界があることを知り始めていて、その中にはご質問の方々も含まれています。

 まず、養成所というのは、聞いたことがありません。たぶん世界的にもないんじゃないでしょうか。おっしゃるように撮影技術は大切ですし、レースの中を走りながら撮るという点で専門性も高いと思うんですが、学校はないはずです。

 国内に関しては、ほとんどの方が仕事を持ちつつ、ボランティア的に行ってくれています。もちろん大きなレースではスポーツ先般を扱っているプロの方が登場することもありますが、自転車という特殊なコンテンツについては皆さんあまり経験がないのが実情です。

迫力ある映像を届けるためには、カメラマンとモトドライバーの力量が欠かせない Photo: Yuzuru SUNADA迫力ある映像を届けるためには、カメラマンとモトドライバーの力量が欠かせない Photo: Yuzuru SUNADA

 専門技能が求められるのはもちろん、危険が伴いますし、体力も必要です。それにボランティア的にご協力いただいている方々についてはお金(自腹)もかかります。大変な距離を走りますからタイヤは1レースで相当摩耗しますし、オイル交換も必要になります。だから、本来は高額なギャラを受け取らないと割に合わないはずなんですが、皆さん、情熱でやってくださっている状況です。

 質問者さんがおっしゃる通り、本場の映像の迫力は凄いですよね。一目で「あ、本場だ」ってわかります。でも、ああいう映像を生み出すためには、優れた機材に、モトドライバーやカメラマンに長年の経験が必要になってきます。僕ら主催側がもっと予算を用意して、良い条件を提示し、とにかく経験の場を提供しなければいけないんです。

 けれど、僕らだけがバタバタしても全然効果はありません。サイクルロードレース界全体にお金が回らなければいけないし、そのためには、日本におけるこのスポーツの認知度、価値を高めなければいけない。

 だから、結論は常にひとつなんです。全体として、サイクルロードレースの価値を高めなければいけない。ここに尽きるんです。

(編集 佐藤喬)

回答者 栗村修(くりむら おさむ)

 一般財団法人日本自転車普及協会 主幹調査役、ツアー・オブ・ジャパン 大会ディレクター、スポーツ専門TV局 J SPORTS サイクルロードレース解説者。選手時代はポーランドのチームと契約するなど国内外で活躍。引退後はTV解説者として、ユニークな語り口でサイクルロードレースの魅力を多くの人に伝え続けている。著書に『栗村修のかなり本気のロードバイクトレーニング』『栗村修の100倍楽しむ! サイクルロードレース観戦術』(いずれも洋泉社)など。

※栗村さんにあなたの自転車に関する悩みを相談してみませんか?
ml.sd-cyclist-info@sankei.co.jpまでお寄せください。

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