じてつう物語<8>都内の移動はすべて自転車! 声優界の自転車伝道師 野島裕史さん

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声優の野島裕史さん(39)声優の野島裕史さん(39)

 「じてつう物語」で今回ご紹介するのは、声優・ナレーターとしてご活躍中の野島裕史(のじま・ひろふみ)さん。仕事柄、毎日決まった場所に通勤……というわけではないが、雨が降らない限り、都内のスタジオへの移動は自転車でこなしているという。一方で、170kmのサイクリングや、ヒルクライムレースなども楽しむサイクリストだ。

仕事が忙しくても身体を動かせるのがいい

 都内に在住する野島さんの移動の足は、基本的に自転車。今はチネリのロードバイク「スーパーコルサ」をメインの愛車とし、自宅と各スタジオへの行き来に利用している。もちろん、はじめから自転車を移動の足にしていたわけではなかった。

 「もともとは、電車と徒歩が主な移動手段でした。スケジュールが詰まっているときは、タクシーを利用することも多かったです。自転車に乗ろうと思ったきっかけは、声優の間で自転車が話題になっていたこと、そして身体を動かしたかったこと。声優という仕事はあまり身体を動かさないので、運動不足になるんです。そこでスポーツジムに通ったりもしていたのですが、スポーツジムは、通うための時間を作らなくてはなりません。しかし、自転車なら移動しながら身体を動かすことができる。これは一石二鳥だと思ったのです。」

愛車はチネリ・スーパーコルサ。5年の付き合いになる愛車はチネリ・スーパーコルサ。5年の付き合いになる

 声優の仕事場はスタジオだ。人気声優の野島さんともなると、毎日数カ所の仕事が入っているのは当たり前。だから1日に何カ所もスタジオを回らなくてはならない。しかし、その移動がすべて運動になるというのは、野島さんにとって魅力的だったわけだ。そして、実際に自転車で移動を始めてみると、いろいろなメリットがあることがわかった。

 「移動の効率は良くなったと思います。都内には、100カ所以上はスタジオがあるので、出かける前にそのつど地図を見てルートを考えるのですが、都内を縦(南北)に移動するときなどはとくに、電車よりも効率が良いなと思います。場合によっては、タクシーで渋滞にはまっているよりも、自転車のほうが早いこともあるくらいです。」

 効率だけではなく、移動の合間や仕事のあとの楽しみも見つけた。

 「ちょっと裏道に入ったり、寄り道をしたりすることで、新しいお店の発見がとても増えましたね。そういったお店でおいしいものを食べるのも楽しみのひとつです。」

 実際、野島さんのTwitterアカウントをフォローしていると、仕事の合間に新しいお店を見つけてひと休み……なんていうことも多い。

 体調管理面ではどうだろうか。身体を動かしたいというのが自転車に乗る目的のひとつだった野島さんだが、逆に疲れてしまったり、例えばノドをやられてしまったりといった心配はないだろうか。

 「そういった心配はとくにないですね。むしろ自転車に乗ることが、仕事に入る前のよいウオーミングアップになっていると思います。冬の寒い時期でも、自転車に乗れば身体が温まりますし。肺活量も増えましたし、以前よりも健康的になったと感じています。もちろんノドには気を遣いますが、自転車に乗っていると、電車よりも不特定多数の人との接触がないからでしょうか、風邪はひかなくなりました。」

お酒が大好きだから「急な飲み会」に備えて輪行袋を常備

取材時のスーパーコルサは街乗り仕様。カタチが好きで使っているスピナジーのフロントホイール取材時のスーパーコルサは街乗り仕様。カタチが好きで使っているスピナジーのフロントホイール

 自転車で転んで仕事に穴を開けるわけにはいかないから、安全には気を遣っている。出かける前にとくに気にするのは、天気。

 「雨の日は乗らないことにしているので、毎朝テレビの天気予報とネット上の天気予報、大雨の接近を知らせてくれる防災情報などを活用しています。出先で雨に降られたときは、仕方なくどこかに駐輪してタクシーで移動することもあります。」

 さらに、自転車に乗ることができない状況になったときのために、輪行袋も常備している。実は野島さん、Wikipediaの記事にも記述されてしまうほどのお酒好きだ。

 「出先で急に、みんなで飲みに行こう!となることもあるので、そういうときのために輪行袋はいつも持っているんです。200gくらいのとても軽い輪行袋があるので、それを使っています。これがあれば、いざとなれば電車でもタクシーでも乗ることができますからね。」

 その他の野島さんがよく持ち歩いているのは、身だしなみ関係。夏であれば暑さ対策グッズが加わる。

リアホイールは古いカンパニョーロ・シャマルリアホイールは古いカンパニョーロ・シャマル

 「着替えやタオル、デオドラントスプレーは持ち歩いています。服装に関しては自由であることは確かですが、コマーシャルの仕事などでは、クライアントがいらっしゃる場合もあります。そういったときは早めに現場について、着替えて身だしなみを整えてから仕事に入るようにしています。暑い季節は熱中症予防に保冷剤を持って行って、出先で首筋の動脈のあたりにあてたりすることもあります。」

ヒルクライムレースにもチャレンジ

 「ロードバイクの魅力を教えてくれたのは、アニメ“Over Drive”の監督だった加戸誉夫さん。加戸さんがご自身のロードバイクを触らせてくれたのが、きっかけなんです」と語る野島さん。チネリ・スーパーコルサを手にしてからは、仕事の移動以外に、趣味としての自転車にもすっかり魅了された。

 「仕事仲間と軽井沢に旅行に行ったときなどは、自分だけ都内から軽井沢までロードバイクで自走しました。距離にして170kmほどなのですが、最後の30km、碓氷峠がきつかったですね。でも走っていることが楽しかったし、何よりも達成感が大きかったです。」

かなり使い込んだサドル。そろそろ交換したいが愛着もあるかなり使い込んだサドル。そろそろ交換したいが愛着もある

 そして取材時は、週末にヒルクライムレースを控えているというタイミングだった。

 「山道は自然の音が気持ちよいので好きなんです。鳥の鳴き声や、川のせせらぎが聞こえてきたりして。そして、そういった場所の空気感も好きですね。体型的には小柄で軽量なので、ヒルクライムには向いていると思うんです。知り合いに誘われたこともあり、“嬬恋・万座ハイウェーヒルクライム”にエントリーしました。」

 今後は「オリンピックディスタンスのトライアスロンにもチャレンジしたい」そして「旅も好き。自転車で沖縄を一周してみたい」と話す野島さん。走ることへの興味は尽きない。

仕事を通じて自転車の楽しさとルールの大切さを伝えたい

出先での自転車の置き場所は、OKがもらえれば建物の中。建物の外に駐輪する場合は「二重の地球ロック」出先での自転車の置き場所は、OKがもらえれば建物の中。建物の外に駐輪する場合は「二重の地球ロック」

 自身が自転車にハマることで、メディアの中で自転車について話すことも多くなった。「出演するインターネットラジオではたびたび自転車の話をしています」と言う。また、11月16日に発売される、「声優の知られざるパーソナルを描き出す」ことをテーマとしたDVD「声宣!Vol.1」では、野島さんと吉野裕行さん、保村真さんの声優3人で、ポタリングと称して都内から江ノ島まで65kmを走った。

 「3人で自転車に乗るという企画自体はすでに用意されていたのですが、打ち合わせをしている内にポタリングと言いつつ長めの距離になってしまいました。もともと彼らに自転車を勧めたのは私なんです。でも長い距離の経験が少ないようだったので、今回は良い経験になったと思います。65kmと言いつつ最後はかなり強い海風で、前には進みにくいし、横風も激しいし、砂が身体中に当たって痛いしで、かなりテンションは上がりましたよ(笑)」

 仕事にもどんどん自転車を絡めていきたいと話す野島さん。自転車のルールやマナーについても、発信していきたいともいう。

 「幸いにして発信することができる職業なので、自転車のことをもっと発信していきたいですね。自転車の良さはもちろん、ルールやマナーといったことも。自転車がもっと認められるように、手伝いたい。ふだん仕事の移動で自転車に乗っていても、車道の逆走、携帯電話を使いながらの運転、夜間の無灯火は本当に危険だと感じます。そして、それをやっている人がとても多いことに驚きます。この3つに関してはとくに、やめてほしいですね。」

 声優界の自転車伝道師とも言える野島さん。自転車に対する興味は、移動の足をきっかけとして、趣味やスポーツはもちろんのこと「社会の中の自転車」にまで広がってきている。

職業:声優
ルート、時間:現場によってそのつど異なる
頻度:ほぼ毎日
マシン:チネリ・スーパーコルサ
じてつうの工夫:テレビやWeb等で天気予報はこまめにチェック!

野島裕史プロフィール
http://www.sigma7.co.jp/profile/m_27.html

野島裕史ツイッター
@nojimahirofumi

声宣!
http://www.kaga-create.co.jp/seisen/

TEXT&PHOTO BY Gen SUGAI

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