小学生までつなげた新育成構想も悲願の全日本タイトル奪取を目指す 宇都宮ブリッツェンが2016年チーム発表会を開催

by 米山一輝 / Ikki YONEYAMA
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 栃木県宇都宮市を拠点とするUCI(国際自転車競技連合)コンチネンタルチーム「宇都宮ブリッツェン」が2月20日、宇都宮グランドホテルで2016年体制のチームプレゼンテーションと、サポーターを招いてのチームプレゼンテーションパーティーを行った。設立8年目となる今シーズンは、チームスローガンを「Go For」と定め、日本人選手のみの体制で、悲願の全日本タイトル奪取と、2年ぶりのJプロツアー総合優勝奪還を目指す。

宇都宮ブリッツェンの2016年メンバー。(後列左から)阿部嵩之、鈴木譲、鈴木真理、増田成幸、大久保陣、小坂光、(前列左から)飯野智行、堀孝明、雨澤毅明、小野寺玲 Photo: Ikki YONEYAMA宇都宮ブリッツェンの2016年メンバー。(後列左から)阿部嵩之、鈴木譲、鈴木真理、増田成幸、大久保陣、小坂光、(前列左から)飯野智行、堀孝明、雨澤毅明、小野寺玲 Photo: Ikki YONEYAMA

8年目のシーズンは全日本が第1目標

 昨年12月に発表された通り、選手はロードチームが昨年より1人増えて9人、シクロクロス契約選手の小坂光(27)と合わせて10人体制となる。新たに加入するのは、那須ブラーゼンから移籍する雨澤毅明(21)、小野寺玲(20)と、2年ぶりに現役復帰する飯野智行(26)の3選手だ。キャプテンは元全日本・アジア王者の鈴木真理(41)。廣瀬佳正ゼネラルマネジャー(GM)は、「“最強”と謳った2015年よりも強いブリッツェンを見せられるのでは」と自信をみせた。

 今シーズンのスローガンとなる「Go For」は、「〜を求める」「〜を目指す」といった意味で、貪欲に結果を求めて前進する意識が込められている。

チーム方針などが発表された Photo: Ikki YONEYAMAチーム方針などが発表された Photo: Ikki YONEYAMA
廣瀬佳正ゼネラルマネジャー Photo: Ikki YONEYAMA廣瀬佳正ゼネラルマネジャー Photo: Ikki YONEYAMA

 チームはすでに沖縄で合宿を行うなど順調にトレーニングを重ねており、3月6〜10日のツール・ド・台湾(UCIアジアツアー2.2)でシーズンイン、国内での初戦は3月20日のJプロツアー開幕戦、宇都宮クリテリウムとなる。台湾は増田成幸(32)、鈴木譲(30)、阿部嵩之(29)、大久保陣(27)、堀孝明(23)が出場して、増田の上位入賞とUCIポイント獲得を目指す。宇都宮クリテリウムはスプリンターの大久保、小野寺を軸に、地元での初優勝を厳命として臨む。

 増田へUCIポイントを集中させる戦略は、リオ五輪代表選考を意識してのものだが、現時点で明確に五輪代表選出が目標になっているわけではないという。

エースの増田成幸は今季は全日本やUCIレースなど、大きなレースに集中したいという Photo: Ikki YONEYAMAエースの増田成幸は今季は全日本やUCIレースなど、大きなレースに集中したいという Photo: Ikki YONEYAMA
キャプテンの鈴木真理。地元宇都宮でのJプロツアー開幕戦は「チームで優勝するので期待して」と話す Photo: Ikki YONEYAMAキャプテンの鈴木真理。地元宇都宮でのJプロツアー開幕戦は「チームで優勝するので期待して」と話す Photo: Ikki YONEYAMA
大久保陣はJプロツアー開幕戦、宇都宮クリテリウムで勝利を狙う Photo: Ikki YONEYAMA大久保陣はJプロツアー開幕戦、宇都宮クリテリウムで勝利を狙う Photo: Ikki YONEYAMA
3年目となる清水裕輔監督 Photo: Ikki YONEYAMA3年目となる清水裕輔監督 Photo: Ikki YONEYAMA

 シーズンの目標としてJプロツアー優勝、UCIレース優勝、ジャパンカップ表彰台(3位以内)などを挙げるが、最上位に掲げたのは全日本選手権(エリート、U23、タイムトライアル)での優勝だ。過去7シーズンで何度も逃してきた全日本のタイトルを、今年は「何としても取りたい」と清水裕輔監督は意気込む。

 エースの増田も全日本選手権をこれまで以上に狙い、国内レースの出場を一部絞って、タイトル奪取に向け集中したいという。「オールラウンダーとしてさらに強い選手になりたい」と話す増田は、全日本個人タイムトライアルでの優勝も目指す。

 またU23のナショナルチーム遠征に雨澤が参加し、3〜4月の欧州でのネイションズカップ(国別対抗戦)に出場する。雨澤はすでにナショナルチームの合宿などで高いポテンシャルを見せており、結果を期待される存在だという。

チーム3年目の鈴木譲。今季は全日本を目標に、自分のためにも走りたいという Photo: Ikki YONEYAMAチーム3年目の鈴木譲。今季は全日本を目標に、自分のためにも走りたいという Photo: Ikki YONEYAMA
昨年けがに泣いた阿部嵩之。全日本個人タイムトライアルを狙う Photo: Ikki YONEYAMA昨年けがに泣いた阿部嵩之。全日本個人タイムトライアルを狙う Photo: Ikki YONEYAMA
2年ぶりの現役復帰となる飯野智行。徐々に往時の力が戻りつつあるという Photo: Ikki YONEYAMA2年ぶりの現役復帰となる飯野智行。徐々に往時の力が戻りつつあるという Photo: Ikki YONEYAMA

地元での選手育成を小・中学生まで拡大

 レースに向けての発表と合わせて、廣瀬GMは、宇都宮ブリッツェンが目指す新たな育成システム構想「アップビーリングシステム」も明らかにした。今季のメンバーのうち、堀、雨澤、小野寺が下部育成チームのブラウブリッツェン出身となり、地元選手育成の成果は上がりつつあるが、これをさらに下の世代まで広げる。

堀孝明はツール・ド・台湾で初の海外レースに挑む Photo: Ikki YONEYAMA堀孝明はツール・ド・台湾で初の海外レースに挑む Photo: Ikki YONEYAMA
U23ナショナルチームにも参加する雨澤毅明。アジア選手権U23では6位だった Photo: Ikki YONEYAMAU23ナショナルチームにも参加する雨澤毅明。アジア選手権U23では6位だった Photo: Ikki YONEYAMA
ブラウブリッツェン出身の小野寺玲。「赤く染まった自分に感激」 Photo: Ikki YONEYAMAブラウブリッツェン出身の小野寺玲。「赤く染まった自分に感激」 Photo: Ikki YONEYAMA

 具体的には、ロードレーサーを夢見る少年たちの発掘・育成を目的とした、小・中学生向けの「ジュニアクラブ」を2017年に設立。これをブラウブリッツェンや、今年からスタートする県内初の本格的な大学競技部となる作新大学自転車部とリンクさせることで、有望な選手がトップチームのブリッツェンまで、栃木県内でステップアップできる道筋を作る。

今季もメリダのバイクを使用。写真の軽量モデルのスクルトゥーラと、エアロモデルのリアクトが、全選手に用意される Photo: Ikki YONEYAMA今季もメリダのバイクを使用。写真の軽量モデルのスクルトゥーラと、エアロモデルのリアクトが、全選手に用意される Photo: Ikki YONEYAMA

 ブリッツェンは栃木県内の学校などで行う自転車安全教室で、年間5〜6000人の参加者にアプローチ。自転車選手に憧れを持った際の入口としてジュニアクラブを用意することで、才能ある少年の自転車競技への誘導を図っていく。

 ジュニアクラブの詳細は未定の部分も多いが、廣瀬GMは、安全上の理由などから学校の部活動として成立しにくい自転車競技を、安全に指導できる環境を構築していきたいと話している。

パーティーでサポーターと交流

 報道陣向けのプレゼンテーションを終えた後、支援者、サポーターを集めたチームプレゼンテーションパーティーが、引き続き開催された。この日公開された今シーズンの公式プロモーションビデオが上映され、約300人の参加者の拍手に包まれて選手が入場。選手はサポーターと交流を楽しみながら、間近に迫ったシーズンでの活躍を力強く誓った。

選手とサポーターがともにシーズンの活躍を祈っての乾杯 Photo: Ikki YONEYAMA選手とサポーターがともにシーズンの活躍を祈っての乾杯 Photo: Ikki YONEYAMA
“自転車のまち・宇都宮”を推進する佐藤栄一宇都宮市長。ブリッツェンの活躍に「期待大」とスピーチ Photo: Ikki YONEYAMA“自転車のまち・宇都宮”を推進する佐藤栄一宇都宮市長。ブリッツェンの活躍に「期待大」とスピーチ Photo: Ikki YONEYAMA
メーンスポンサーのミヤタサイクル、高谷信一郎社長は「赤い稲妻をJプロツアーを轟かせて大活躍してほしい」とエール Photo: Ikki YONEYAMAメーンスポンサーのミヤタサイクル、高谷信一郎社長は「赤い稲妻をJプロツアーを轟かせて大活躍してほしい」とエール Photo: Ikki YONEYAMA
記念写真やサインなど、参加者はそれぞれお目当ての選手と交流 Photo: Ikki YONEYAMA記念写真やサインなど、参加者はそれぞれお目当ての選手と交流 Photo: Ikki YONEYAMA
2年目を迎えるブリッツェンフェアリー自転車部。県内のサイクルイベントなどを盛り上げる Photo: Ikki YONEYAMA2年目を迎えるブリッツェンフェアリー自転車部。県内のサイクルイベントなどを盛り上げる Photo: Ikki YONEYAMA
下部育成チームのブラウブリッツェンは今季新たに女子選手も加入した Photo: Ikki YONEYAMA下部育成チームのブラウブリッツェンは今季新たに女子選手も加入した Photo: Ikki YONEYAMA
チームサプライヤーからの農産物の贈呈式 Photo: Ikki YONEYAMAチームサプライヤーからの農産物の贈呈式 Photo: Ikki YONEYAMA
チームが使用するメリダのバイクが飾られた Photo: Ikki YONEYAMAチームが使用するメリダのバイクが飾られた Photo: Ikki YONEYAMA
会場にはチームカーも展示 Photo: Ikki YONEYAMA会場にはチームカーも展示 Photo: Ikki YONEYAMA
最後は恒例、参加者全員が肩を組んでの「ブリッツェン!3・2・1・アレ!」のコール Photo: Ikki YONEYAMA最後は恒例、参加者全員が肩を組んでの「ブリッツェン!3・2・1・アレ!」のコール Photo: Ikki YONEYAMA
パーティー終了後は、選手が出口で出席者とハイタッチ Photo: Ikki YONEYAMAパーティー終了後は、選手が出口で出席者とハイタッチ Photo: Ikki YONEYAMA

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