バイクインプレッション2016「PINARELLO RAZHA K」 抜群の安定感を誇る、扱いやすいロングライド向け中級モデル
伝統と技術を長年受け継いできた歴史あるイタリアの老舗バイクブランド、ピナレロ。世界のトップレースシーンで最も活躍してきたブランドの一つだ。毎年多くのサイクリストで賑わうグランフォンド・ピナレロを開催する同社は、ロングライド向けのバイクにも自信を持っている。今回試乗したのは「ROKH」と同じ金型を採用し、カーボン素材を変えた「RAZHA K」で、ホビーサイクリストに嬉しい中級グレードだ。
PINARELLO RAZHA K(ピナレロ ラザ K)
価格:298,000円(完成車、税抜)
サイズ:43SL、46SL、49SL、52SL、53.5SL、55SL、57SL
カラー:ブラックレッド、ホワイトブラック
問い合わせ先:ピナレロジャパン http://www.riogrande.co.jp/pinarello_opera/
スペック
フレーム:Carbon 24HMUD
フォーク:ONDA™ K Carbon 24HMUD
変速機:シマノ・105(F)&(R)
ギヤ:シマノ・FC-RS500 50×34T、シマノCS−・5800 11-28T(11s)
ホイール:シマノ・WH-RS010
重量:8.45kg(完成車実測値)



インプレッション BY 松尾修作・米山一輝

米山 現在のピナレロのラインナップは、半分くらいがドグマF8系統のフォルムになっているよね。その中で、ラザKは1世代前のドグマの系統で、ONDAフォークも含めてより複雑な造形は今なお魅力的だ。
松尾 コンセプトは振動吸収性を高めたモデルでしたが、いい意味であまりそれを感じさせない走りができました。毎度のことながらピナレロの直進安定性は高く、このバイクにも当てはまります。やや後ろに重心があったことも、安定感を高めている要因だと思います。
米山 うん。ピナレロの定評のあるハンドリングなど、安定性の高い乗り味はまさにロングライド向きだ。それに、またがって走り出した瞬間、タイヤの空気が抜けているのでは?と一瞬止まって確認してしまったくらい、乗り心地がマイルド。
松尾 剛性感は、踏み込んだ際の反発は高くはないですが、ビギナーに丁度良いと思えるものでした。バックステーは振動を吸収し、コンセプト通り乗り心地も悪くなかったです。

米山 ロングライドを楽しむ人向けで、踏み味はマイルド系。急加速を繰り返すようなシチュエーション向けではないとはいえ、レーサーで培った走りの確かさは継承されている。上のグレードに比べてターゲットの速度域は低めという印象で、良い意味で中級者にちょうど扱いやすいバイクになっていると思う。
松尾 そうですね。それでもトップチューブを中心に芯のある加速感と身のこなしができるので、グレードを下げたカーボンを使っているとはいえキビキビ走ります。上りでは重量をそれなりに感じましたが、芯がしっかりしているのでパワーをかければ応えますし、下りの安定感は高いです。
米山 グランフォンド向けには大事な要素だよね。あとは、完成車のアッセンブルは、105をメーンにしているものの、若干安価なパーツも使われているので、使っていくなかでアップグレードしていきたい。
松尾 ええ。ラザKは見た目も質感もとても良いので、このままでも楽しめますが、さらに磨けますね。
(編集 齋藤むつみ)
