「後ろとの差を気にせず走れた」全日本制覇から2カ月、坂口聖香に早くも貫禄 「シクロクロス東京2016」CL1詳報

by 澤野健太 / Kenta SAWANO
  • 一覧

 20歳の新女王が、圧巻の走りを見せた。2月14日に行なわれた「シクロクロス東京2016」の女子トップカテゴリー、CL1を制したのは、2カ月前の全日本シクロクロス選手権で初優勝したばかりの坂口聖香(パナソニックレディース)。「まだ恥ずかしい」という全日本チャンピオンジャージを着ての初レースで、1周目の途中からトップを譲らず、2位の與那嶺恵理(FORZA・YONEX)を1分引き離しての完勝だった。

林の区間を駆け抜ける坂口聖香 Photo: Ikki YONEYAMA林の区間を駆け抜ける坂口聖香 Photo: Ikki YONEYAMA

5周目のスパートで一気にリード拡大

スタートダッシュで飛び出した今井美穂(右) と集団 Photo: Ikki YONEYAMAスタートダッシュで飛び出した今井美穂(右) と集団 Photo: Ikki YONEYAMA

 CL1は、午前中降り続いた雨がようやく上がったお台場海浜公園で午後0時45分にスタート。最初の砂浜エリアの90度コーナーでは集団落車が発生したが、大事には至らず、林間エリアには今井美穂(CycleClub.jp)がトップで突入した。しかし坂口がすぐに逆転してトップに立つと、そこからは與那嶺と一騎打ちの様相となった。

スタート直後の砂浜エリアに向かう90度コーナーでは集団落車が発生 Photo: Kenta SAWANOスタート直後の砂浜エリアに向かう90度コーナーでは集団落車が発生 Photo: Kenta SAWANO
スタートダッシュから1周目のシケインをトップで通過する今井美穂 Photo: Kenta SAWANOスタートダッシュから1周目のシケインをトップで通過する今井美穂 Photo: Kenta SAWANO
2周目、レインボーブリッジをバックにデッドヒートを繰り広げる坂口聖香(手前)と與那嶺恵理 Photo: Kenta SAWANO2周目、レインボーブリッジをバックにデッドヒートを繰り広げる坂口聖香(手前)と與那嶺恵理 Photo: Kenta SAWANO

 わずか3秒差で2周目の林間エリアに入ったが、坂口は「担ぐ区間と、乗ったまま走る区間のバランスがうまくつかめていた」と振り返るように、2周目も落ち着いて走り続け、徐々に差を広げていく。

 2周目の砂浜区間では、與那嶺が波打ち際のラインを選んだのに対し、坂口はエンデューロクラスのレースで踏み固められた内側のラインを選択。2周目の中盤で2人の差は15秒に広がった。

東京湾に面した砂浜区間を力強く走る坂口聖香 Photo: Ikki YONEYAMA東京湾に面した砂浜区間を力強く走る坂口聖香 Photo: Ikki YONEYAMA
2周目で砂浜区間を走る與那嶺恵理 Photo: Kenta SAWANO2周目で砂浜区間を走る與那嶺恵理 Photo: Kenta SAWANO
「シクロクロス東京2016」CL1を制しガッツポーズでゴールする坂口聖香 Photo: Kenta SAWANO「シクロクロス東京2016」CL1を制しガッツポーズでゴールする坂口聖香 Photo: Kenta SAWANO

 レースは6周回とアナウンスされたが、與那嶺との差は3周目終了時点で11秒差、4周目終了時は18秒差と一進一退が続いた。しかし「5、6周目は上げよう思っていた」という坂口が、プラン通り一気にペースアップ。5周目終了時点でその差を30秒に広げた。

 最終周回の6周目にはさらに踏み込み、與那嶺を1分引き離してガッツポーズでゴール。「後ろとの差を気にせず、落ち着いてミスせず走れた」とレース展開を振り返る様子には貫禄さえ感じられた。

20歳になったばかり うれしいビールかけ

 2月5日に20歳になったばかりで、表彰台のビールかけと乾杯もぎこちなかった。しかし全日本選手権に続くビッグレース制覇に、「観客も雰囲気もいつものレースとは違うシクロクロス東京で勝ててうれしい」と笑顔を見せた。

レース直後、冷静にレースを振り返る坂口聖香 Photo: Kenta SAWANOレース直後、冷静にレースを振り返る坂口聖香 Photo: Kenta SAWANO
2位の與那嶺恵理もガッツポーズでゴール Photo: Ikki YONEYAMA2位の與那嶺恵理もガッツポーズでゴール Photo: Ikki YONEYAMA

 2位の與那嶺は、3位の宮内佐季子(Club La. sista Offroad Team)に16秒差にまで迫られたが、きっちり逃げ切った。「砂の区間が難しかったです。もっともっと経験を積まないといけない」と今後の課題を話した。

終盤、與那嶺恵理を追い上げた宮内佐季子 Photo: Ikki YONEYAMA終盤、與那嶺恵理を追い上げた宮内佐季子 Photo: Ikki YONEYAMA
昨年の女王だった豊岡英子は5位 Photo: Ikki YONEYAMA昨年の女王だった豊岡英子は5位 Photo: Ikki YONEYAMA
CL1の表彰式でチャンピオンジャージを着て笑顔を見せる坂口聖香(中央)。左は2位與那嶺恵理、右は3位宮内佐季子 Photo: Kenta SAWANOCL1の表彰式でチャンピオンジャージを着て笑顔を見せる坂口聖香(中央)。左は2位與那嶺恵理、右は3位宮内佐季子 Photo: Kenta SAWANO

■シクロクロス東京2016 CL1(女子トップカテゴリー)結果
1 坂口聖香(パナソニックレディース) 39分07秒
2 與那嶺恵理(FORZA・YONEX) 40分07秒
3 宮内佐季子(Club La. sista Offroad Team) 40分23秒
4 武田和佳(Liv) 41分46秒
5 豊岡英子(パナソニックレディース) 44分54秒
6 今井美穂(CycleClub.jp) 45分48秒

◇         ◇

 今大会は日本シクロクロス競技主催者協会(AJOCC)が主催する「ジャパンシクロクロスシリーズ(JCXシリーズ)」の最終戦に設定されており、與那嶺は首位を争っていた宮内、武田和佳(Liv、今大会4位)を上回ったことで、シリーズ総合優勝に輝いた。

「弱虫ペダル」渡辺先生も大活躍

漫画「弱虫ペダル」のジャージを着たファンの応援を受ける渡辺航先生。シクロクロスのファン拡大に貢献している Photo: Kenta SAWANO漫画「弱虫ペダル」のジャージを着たファンの応援を受ける渡辺航先生。シクロクロスのファン拡大に貢献している Photo: Kenta SAWANO

 「シクロクロス東京2016」では、自転車ロードレースを描いた漫画「弱虫ペダル」が大会のサブスポンサーとして協賛した。その「弱虫ペダル」の作者、渡辺航先生が、午前中のエンデューロ(耐久レース)と、CL1の直前に催された華やかなスポンサーレースに出場。作品中に登場する「総北高校」のウェア姿で力強い走りを披露して会場を盛り上げた。

渡辺航先生はエンデューロで大歓声を受けながらガッツポーズでフィニッシュ Photo: Kenta SAWANO渡辺航先生はエンデューロで大歓声を受けながらガッツポーズでフィニッシュ Photo: Kenta SAWANO

 「エンデューロは林間エリアで頑張って、砂浜はリラックス走っていいリズムで走れました。スポンサーレースはみなさんに楽しんでもらえばうれしいですね」
恒例となったチャリティーサコッシュ販売やサイン会でファンとの交流を深め、表彰式ではプレゼンターとして活躍。さらに「弱虫ペダル サイクリングチーム」設立を発表するなど、大忙しの1日だった。

この記事のコメント

利用規約順守の上ご投稿ください。

関連記事

この記事のタグ

シクロクロス シクロクロス東京

  • 一覧

新着ニュース

もっと見る

ピックアップ

e-BIKE最新特集

スペシャル

自転車協会バナー

ソーシャルランキング

インプレッション

インプレッション一覧へ

連載