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栗村修の“輪”生相談<68>10代男性「借り物の自転車でロードレースに出るのですが、壊さず走れるか心配です」

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中3男子です。

 来月、初めてロードレースに出ます。僕はまだロードバイクを持っていないので、ペアの人に借りることにしました。身長や脚の長さはだいたい同じなのでそのまま乗れるのですが、やはり借り物なので壊さず走れるか心配です。

 集団の落車は仕方ないですが、単独での落車などを防ぐ方法など教えてください。

(10代男性)

 最近、機材関係の質問が続きますね。落車防止策を知りたいとのことですが、「人に借りる」というテーマについてもさらっと触れておきましょうか。

 プロも人にバイクを借りることがあるんです。機材というと、プロはものすごくこだわっているイメージがありますよね。サドルの高さが1mm変わるだけですぐにわかる、とか。しかし実は、気にしない選手もけっこういるんです。それに、レースによっては繊細になれない事情があったりもします。

 というのも、アジアツアーなどでは、選手の数だけスペアバイクを用意できないことがよくあるからです。スペアバイクが1、2台だけ、ということもあります。

 すると当然、複数人で1台の自転車をシェアしなければいけません。なので、身長が近い選手をグループにすることが多いですね。サドルの高さを選手ごとにマーキングしたりと、様々な工夫をしながらバイクをシェアするんです。

Photo: Ikki YONEYAMAPhoto: Ikki YONEYAMA

 ちなみに、金属製フレームが主流だった時代は、シートピラーに直接傷をつけて高さをマーキングしていましたが、カーボンを傷つけるのはちょっと怖いですよね。落ちにくいマーカーなどを使うことが多いです。まあ、ともかくプロも自転車を共有することがあるという話でした。

 さて、肝心の落車防止策ですが、残念ながら100%はありません。よそ見をしない、集団の前のほうに位置どる、スピードを出しすぎない…など、基本を守るしかありません。

 ただし質問者さんの場合、「借り物」という特殊事情がありますよね。このことは落車とも関係しています。というのも、まずはバイクの癖を把握しなければならないからです。

 ロードバイクには一台一台、癖があります。ハンドリング、ブレーキの利き具合、直進安定性などなど。そういう癖を知っておかないと、落車につながりかねません。
 
なので、しっかりと「ウォーミングアップ」を行ってからレースに出てください。ここでいうウォーミングアップとは、よくあるフィジカルのためのウォーミングアップではなく、ロードバイクの癖を体に覚えこませるためのウォーミングアップのことです。テクニック面のウォーミングアップとでも言いましょうか。

 急減速をしたり、スラローム走行をしたりと、安全な場所であえて極端な挙動をとってみてください。癖がよく理解できるはずです。そして、コントロールできるまで十分に自信がついたら、走りだしましょう。

(編集 佐藤喬)

回答者 栗村修(くりむら おさむ)

 一般財団法人日本自転車普及協会 主幹調査役、ツアー・オブ・ジャパン 大会ディレクター、スポーツ専門TV局 J SPORTS サイクルロードレース解説者。選手時代はポーランドのチームと契約するなど国内外で活躍。引退後はTV解説者として、ユニークな語り口でサイクルロードレースの魅力を多くの人に伝え続けている。著書に『栗村修のかなり本気のロードバイクトレーニング』『栗村修の100倍楽しむ! サイクルロードレース観戦術』(いずれも洋泉社)など。

※栗村さんにあなたの自転車に関する悩みを相談してみませんか?
ml.sd-cyclist-info@sankei.co.jpまでお寄せください。

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