産経新聞阪神版【ひょうごの宝】より「BMXの魅力伝えたい」 世界王者3度の内野洋平さん、神戸大会の主宰にも手腕

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 小さめの車輪がついた自転車を操り、華麗な技を競うフリースタイルBMX(バイシクル・モトクロス)の世界大会「FLAT ARK」(フラットアーク)。世界5カ所を転戦する同大会の1つが毎年、神戸港(神戸市中央区)で開かれている。神戸大会を主宰したのは、自身も2012~14年の3度年間王者に輝いた神戸市出身のプロライダー、内野洋平さん(33)。「世界で最高の大会にすることが僕の役目」と熱く語る。(産経新聞神戸総局 佐藤祐介)

「フラットアーク2015」で演技を披露する内野洋平さん © Jason Halayko / Red Bull Content Pool「フラットアーク2015」で演技を披露する内野洋平さん © Jason Halayko / Red Bull Content Pool

選手権主宰者「全然疲れない」

 フラットアークは、フリースタイルBMXのうち、平らな地面を舞台とする種目「フラットランド」の年間王者を決める世界シリーズの最終戦だ。昨年10月24、25日、神戸港で開かれた大会には4連覇をかけて挑んだが、準々決勝で敗退した。

 だが、ほかのライダーたちが華麗な技を決める度に大きな歓声と拍手で沸き上がる会場を感慨深く見つめた。選手兼主宰者。負担は相当だろうが、「全然疲れない。他の選手が『良い大会だった』と感じてくれればうれしいし、忙しい中で勝つのはかっこいいこと」と、意に介さない。

BMXフラットランドの世界一を決める「フラットアーク」の2015年大会 =神戸市中央区の神戸港 © Jason Halayko / Red Bull Content PoolBMXフラットランドの世界一を決める「フラットアーク」の2015年大会 =神戸市中央区の神戸港 © Jason Halayko / Red Bull Content Pool

 BMXとの出会いは偶然だった。旧御影工業高(現神戸科学技術高)2年の頃、当時流行っていたスケートボードの大会を観戦しようと、同級生とメリケンパーク(神戸市中央区)を訪れたが、同級生の勘違いで、大会はスケボーではなくBMXのものだった。

絶えず新しい技を開発

 「なんだこれ⁉」

 戸惑いの中、小さな自転車にまたがる選手たちが華麗に宙を舞うおしゃれな姿に、一気に魅了された。

 BMXフラットランドの世界大会「フラットアーク」で華麗なパフォーマンス披露する内野洋平さん =2015年10月24日 Photo: Shigeru AMARI BMXフラットランドの世界大会「フラットアーク」で華麗なパフォーマンス披露する内野洋平さん =2015年10月24日 Photo: Shigeru AMARI

 所属していた水泳部の部活後に練習を重ね、月に1度、仲間と技を見せ合って成果を競った。高校卒業後、いったんは会社勤めをしたが、プロになる夢をあきらめられず、20歳のころ、会社を辞めて競技一本に絞り込んだ。

 国内のトップツアーに参戦すると、2003、21歳ですぐさま一つの大会に優勝。2005年に年間王者になると、その年のうちに世界進出し、2008年に米国で国際大会で初優勝。2012年には3戦で優勝し、世界王者にまで駆け上がった。

 ほかの選手が既存の技を高めたり、アレンジしたりする中、絶えず新しい技を開発するスタイルは、オリジナリティあふれるとして評価が高いという。

子どもたちに道筋を作るのがトップの役割

 競技者として頂点を極めた。だが「世界1位になってからがスタート」という。BMX界の第一人者として、競技の将来を見据えているからだ。

フリースタイルBMXライダーで「FLAT ARK」主宰者でもある内野洋平さん =2015年9月 Photo: Yusuke SATOフリースタイルBMXライダーで「FLAT ARK」主宰者でもある内野洋平さん =2015年9月 Photo: Yusuke SATO

 国内のジュニア層のレベルは世界でもトップレベルになってきたとはいえ、まだまだ発展の余地があるといい、「世界王者になって初めて、言葉に説得力が出てくる。チャンピオンをとり続けないことにはBMXの魅力を伝えられない」と、力を込める。

 昨年の神戸大会で賞金を増額したのも、未来を見据えてのこと。「子供たちが『プロライダーになりたい』と思ったときに、やっていける道筋を作ってあげたい。親も背中を押せる競技環境を作っていくのがトップの役割だから」

内野 洋平(うちの・ようへい)

1982年生まれ。神戸市東灘区出身。「Ucchie」(ウッチー)の愛称で世界中のフリースタイルBMXライダーから親しまれている。後輪を軸に連続して回転するオリジナル技「ウッチースピン」は多くのライダーの間で取り入れられるなど、BMX界をリードし続けている。

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