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福光俊介の「週刊サイクルワールド」<2016新春特別編・後編>ツール・ド・フランス2016を大予想 注目選手たちの各ステージの戦いを占う

by 福光俊介 / Syunsuke FUKUMITSU
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 1月2日にお届けした「週刊サイクルワールド」新春特別編・前編では、ツール・ド・フランス2016の4賞ジャージ候補や、日本人選手の出場可能性について触れました。今回の後編では、あくまでも筆者の独断ではありますが注目ステージを中心にレース展開を予想し、マイヨジョーヌの行方やステージ優勝者を占います。注目選手を余すところなく挙げていくので、彼らの動向をシーズン序盤から押さえながら、ツール本番での活躍に思いを馳せてみてください。

ツール・ド・フランスのプロトンは2016年もパリ・シャンゼリゼ通りに凱旋する(写真はツール・ド・フランス2015) Photo: Yuzuru SUNADAツール・ド・フランスのプロトンは2016年もパリ・シャンゼリゼ通りに凱旋する(写真はツール・ド・フランス2015) Photo: Yuzuru SUNADA

←<前編>4賞ジャージ有力選手をチェック 日本人選手の出場は?

第1週から総合優勝候補が動き出す

 現時点では全ステージ分のコースレイアウトが出揃っていないこともあり、ステージごとの細かい予見は難しいが、ポイントとなるであろうステージを軸にレース予想をしていきたい。

 モン・サン・ミシェルをスタートする第1ステージ(モン・サン・ミシェル~ユタ・ビーチ サント・マリー・デュモン、188km)は、スプリンターによるステージ優勝争いに。ここはマーク・カヴェンディッシュ(イギリス、ディメンションデータ)が勝利し、悲願のマイヨジョーヌを獲得。ここから、ディメンションデータのスプリントトレインが勢いに乗ると見る。

マイヨジョーヌに袖を通すことが悲願でもあるマーク・カヴェンディッシュ(写真はツール・ド・フランス2015) Photo: Yuzuru SUNADAマイヨジョーヌに袖を通すことが悲願でもあるマーク・カヴェンディッシュ(写真はツール・ド・フランス2015) Photo: Yuzuru SUNADA
世界王者のペテル・サガンは、スプリントだけでなく、勝負どころでの強烈なアタックにも注目(写真は世界選手権ロード男子エリート2015) Photo: Yuzuru SUNADA世界王者のペテル・サガンは、スプリントだけでなく、勝負どころでの強烈なアタックにも注目(写真は世界選手権ロード男子エリート2015) Photo: Yuzuru SUNADA

 第2ステージ(サン・ロー~シェルブール・オクトヴィル、182km)は、フィニッシュ前3kmが最大勾配14%の急坂。ここでペテル・サガン(スロバキア、ティンコフ)が格の違いを見せる。3年ぶりのステージ勝利、そして世界王者の証・マイヨアルカンシエルとマイヨジョーヌを同時に着用する栄誉にあずかる。

 フランス西部を南下する第3ステージ(グランヴィル~アンジェ、222km)、第4ステージ(ソミュール~リモージュ、232km)は、スプリントチームがプロトンをコントロール。第1ステージの勝利で勢いづくカヴェンディッシュに、アンドレ・グライペル(ドイツ、ロット・ソウダル)、マルセル・キッテル(ドイツ、エティックス・クイックステップ)のジャーマンスプリンターが対抗する。マイヨジョーヌのサガンは危なげなくジャージを守りつつも、確実に上位入りしてスプリント賞ポイントも稼ぐことだろう。

 中央山塊に入る第5ステージ(リモージュ~ル・リオラン、216km)は、この大会最初の山岳ステージ。総合優勝候補たちが動き出すには早いことから、有力選手たちはお互いの様子を見ながらフィニッシュを目指すだろう。その間隙を縫って集団から飛び出した選手が、数秒のリードを保ってステージ優勝を果たすか。新人賞のマイヨブラン候補の1人、アダム・イェーツ(イギリス、オリカ・グリーンエッジ)が得意とする混戦からの抜け出しで、ツール初勝利を飾る。サガンが遅れることで、マイヨジョーヌも舞い込んできそうだ。

ツール・ド・フランス2015ではステージ4勝を挙げたアンドレ・グライペル(写真はツール・ド・フランス2015) Photo: Yuzuru SUNADAツール・ド・フランス2015ではステージ4勝を挙げたアンドレ・グライペル(写真はツール・ド・フランス2015) Photo: Yuzuru SUNADA
新人賞候補のアダム・イェーツはツール初勝利なるか(写真はツール・ド・フランス2015) Photo: Yuzuru SUNADA新人賞候補のアダム・イェーツはツール初勝利なるか(写真はツール・ド・フランス2015) Photo: Yuzuru SUNADA

 カヴェンディッシュを支えるディメンションデータのスプリントトレインは、ベルンハルト・アイゼル(オーストリア)、エドヴァルド・ボアッソンハーゲン(ノルウェー)、タイラー・ファラー(アメリカ)、そして発射台のマーク・レンショー(オーストラリア)の超豪華布陣。第1週最後のスプリントステージとなる第6ステージ(アルパジョン・シュル・セール~モントーバン、187km)の頃には、プロトン最強のホットラインとしてライバルチームを寄せ付けない状況が生まれているかもしれない。

ロマン・バルデら総合上位を狙うクライマーが多いフランス勢 (写真はツール・ド・フランス2015) Photo: Yuzuru SUNADAロマン・バルデら総合上位を狙うクライマーが多いフランス勢 (写真はツール・ド・フランス2015) Photo: Yuzuru SUNADA

 第7ステージ(リル・シュルダン~ラク・ド・パヨル、162km)から始まるピレネー3連戦。第2週に控える長距離個人TTを見越すと、TTでの分が悪いクライマーたちは先手を打って少しでもリードしておきたいところだ。

 第7、第8ステージ(ポー~バニェール・ド・リュション、183km)は、総合上位を狙うフレンチクライマーたちが攻撃。ティボ・ピノー(エフデジ)、ロマン・バルデ(アージェードゥーゼール ラモンディアル)、ワレン・バルギル(チーム ジャイアント・アルペシン)らがステージ優勝とあわせて、マイヨジョーヌに袖を通せるか。下りにも自信を見せるバルデにとっては、フィニッシュ前14.5kmがダウンヒルの第8ステージは絶好のチャンス。

 だが、第1週目最終日の第9ステージ(ヴィエラ・ヴァル・ダラン~アンドラ・アルカリス、184km)で、早くもマイヨジョーヌ争いの形勢が見えてくることだろう。大会最初の頂上フィニッシュであの男が爆発する。そう、クリストファー・フルーム(イギリス、チーム スカイ)だ。

 スペイン、アンドラと入国するこの日は、5つの上級山岳を越える難関ステージ。終始チーム スカイがレースをコントロールし、フルームの動きをお膳立てする可能性が高い。ナイロアレクサンデル・キンタナ(コロンビア、モビスター チーム)、アルベルト・コンタドール(スペイン、ティンコフ)、ファビオ・アール(イタリア、アスタナ プロチーム)らは何としても食い下がりたいが、トップギアに入ったフルームからは数秒開けられてしまいそうだ。

 マイヨジョーヌはフルームへと渡り、第1週を終える。

大会最初の山頂ゴールから力を見せつけるであろうクリストファー・フルーム(写真はツール・ド・フランス2015) Photo: Yuzuru SUNADA大会最初の山頂ゴールから力を見せつけるであろうクリストファー・フルーム(写真はツール・ド・フランス2015) Photo: Yuzuru SUNADA

モン・ヴァントゥ、個人TTで優位に立つのは?

 アンドラで1回目の休息日を過ごしたプロトン。英気を養い、アルプスへ向けて東へと針路をとる。

2016年はランプレ・メリダへ移籍した新城幸也。得意の中級山岳ステージで歴史的1勝なるか(写真はツール・ド・フランス2014) Photo: Yuzuru SUNADA2016年はランプレ・メリダへ移籍した新城幸也。得意の中級山岳ステージで歴史的1勝なるか(写真はツール・ド・フランス2014) Photo: Yuzuru SUNADA

 第2週の初日にあたる第10ステージ(エスカルデス・エンゴルダニ~ルヴェル、198km)は、この大会唯一の中級山岳ステージ。序盤のアップダウンを利用して、総合争いには関係のない10人前後の逃げグループが形成され、逃げ切りが容認される。この中には、ランプレ・メリダのジャージを着る新城幸也の姿も。きっと…歴史的な1日となるに違いない。

別府史之の巧みな集団コントロールが総合争いを左右する可能性も(写真はジロ・デ・イタリア2015) Photo: Yuzuru SUNADA別府史之の巧みな集団コントロールが総合争いを左右する可能性も(写真はジロ・デ・イタリア2015) Photo: Yuzuru SUNADA

 総合上位陣にとっては、この週のヤマ場を前に無茶は避けたい。平坦の第11ステージ(カルカソンヌ~モンペリエ、164km)は本来ならスプリンターチームにコントロールを任せ、平穏な1日としたいところ。だが、南フランス特有の地方風・ミストラルが猛威を振るい、これを利用した集団分断が発生。ここで力を発揮するのは、この地域を本拠地とし、あらゆる特徴を知り尽くす別府史之だ。自ら集団を指揮し、有力選手をふるいにかけることに成功する。

 ステージ優勝は、こうした展開を得意とするグライペル。総合上位陣は、コンタドールやバウケ・モレマ(オランダ、トレック・セガフレード)、ティージェイ・ヴァンガードレン(アメリカ、BMCレーシングチーム)らが前方でフィニッシュした一方、フルームやキンタナ、アールが後方に取り残され、約1分の遅れを喫する波乱のステージに。マイヨジョーヌは、フルームからコンタドールへと移る。

ライバルたちを引き離す爆発的なアタックを見せるナイロアレクサンデル・キンタナ(写真はツール・ド・フランス2015) Photo: Yuzuru SUNADAライバルたちを引き離す爆発的なアタックを見せるナイロアレクサンデル・キンタナ(写真はツール・ド・フランス2015) Photo: Yuzuru SUNADA

 7月14日のフランス革命記念日は、“死の山”モン・ヴァントゥの頂上を目指す第12ステージ(モンペリエ~モン・ヴァントゥ、185km)。フレンチクライマーに期待が集まるが、前日に遅れを喫した総合優勝候補が怒りの攻撃を繰り出し、フランスのファンの希望を打ち砕く。いよいよエンジンがかかり始めたキンタナがラスト4kmで早めのアタック。これに追随するのは、やはりフルーム、コンタドール、アールの3人。それでも最後はキンタナがライバルを振り切り、この大会最初のステージ優勝を飾る。数秒差で続いたフルームが、1日でマイヨジョーヌを奪還するだろう。

 ツール2016において、確実にカギを握るステージとなるのが、第13ステージ(ブール・サン・タンデオル~カヴァルヌ・ドゥ・ポンダルク、37km)の個人TT。この長距離TTで、マイヨジョーヌ争いの有資格者がはっきりするはずだ。トニー・マルティン(ドイツ、エティックス・クイックステップ)が順当に勝利するが、これに肉薄するのはフルーム。このステージの走りに総合争いの行方かかっていたコンタドールはフルームに及ばず、逆にその差が広がってしまう。第13ステージを終えた時点で、フルームとライバルとの差は1分程度にまで拡大する可能性が高い。

大きなカギを握る第13ステージでクリストファー・フルームが優位に立つだろう(写真はツール・ド・フランス2015) Photo: Yuzuru SUNADA大きなカギを握る第13ステージでクリストファー・フルームが優位に立つだろう(写真はツール・ド・フランス2015) Photo: Yuzuru SUNADA

 パリ・シャンゼリゼを前に、残されたスプリントチャンスは第14ステージ(モンテリマール~ヴィラール・レ・ドンブ パルク・デ・オワゾー、208km)、第16ステージ(モワラン・アン・モンターニュ~ベルン、206km)の実質2日間のみ。カヴェンディッシュやグライペルといったベテランだけでなく、アルノー・デマール(エフデジ)やナセル・ブアニ(コフィディス ソリュシオンクレディ)といった若いフレンチスプリンターにも奮起を期待したい。

ゴールスプリント以外での“ポイント貯金”でマイヨヴェールを引き寄せるぺテル・サガン(写真はツール・ド・フランス2015) Photo: Yuzuru SUNADAゴールスプリント以外での“ポイント貯金”でマイヨヴェールを引き寄せるぺテル・サガン(写真はツール・ド・フランス2015) Photo: Yuzuru SUNADA

 この頃には、中間スプリントポイントを利用し「ポイント貯金」を積み重ねたサガンがマイヨヴェールを確かなものにしているだろう。また、急坂を繰り返す第15ステージ(ブール・ガン・ブレス~キュロズ、159km)は、山岳賞のマイヨアポワを狙った数人が逃げ切るか。このような展開で本領を発揮する選手といえば、トマ・ヴォクレール(フランス、ダイレクトエナジー)だ。

 この週を終えてのマイヨジョーヌはフルーム。ライバルたちは、アルプスへと舞台を移す第3週での逆転を狙うことになる。

総合優勝をかけてアルプス頂上決戦

 スイス・ベルンでの2度目の休息日を経て、運命の第3週を迎える。戦いの地はアルプス。山岳4連戦で2016年のツール王者が決まる。

アルベルト・コンタドール擁するティンコフがチームで逆襲に出るか(写真はツール・ド・フランス2015) Photo: Yuzuru SUNADAアルベルト・コンタドール擁するティンコフがチームで逆襲に出るか(写真はツール・ド・フランス2015) Photo: Yuzuru SUNADA

 第2週までどれだけ好調だったとしても、第3週で崩れてしまっては水の泡だ。「バッドデイ」が訪れる不安や恐怖とも戦わなければならない。そうした中で迎える第17ステージ(ベルン~フィノー・エモッソン、184km)は、マイヨジョーヌ奪取をかけてコンタドール率いるティンコフ勢が総攻撃。アシストが逃げグループに入り、メーン集団でレースを進めるコンタドールを待つ。目論み通り終盤にコンタドールが合流し、勝負どころまでの動きを整える。勾配が10%を超えるラスト2kmでアタックを決め、トップを譲らず頂上のフィニッシュへ。調子を上げてきたキンタナが同タイムで続くが、フルーム、アールらを数秒ながら引き離すことに成功。マイヨジョーヌこそフルームが守るが、残る山岳3ステージに期待を抱かせる。

得意のタイムトライアルで総合上位を狙うティージェイ・ヴァンガードレン(写真はツール・ド・フランス2015) Photo: Yuzuru SUNADA得意のタイムトライアルで総合上位を狙うティージェイ・ヴァンガードレン(写真はツール・ド・フランス2015) Photo: Yuzuru SUNADA

 12年ぶりに復活する山岳TTは、第18ステージ(サランシュ~メジェーヴ、17km)に設けられる。最大勾配11%の緩急入り交ざった上りは、平坦でのTTとは異なるリズムが要求され、登坂力と独走力を兼ね備えた選手が有利だ。そうなると、やはりフルームが実力を発揮する。15km地点の頂上をトップタイムで通過すると、ラスト2kmの下りも問題なくこなして貫録勝ち。ここまで淡々と好位置をキープしてきたヴァンガードレンが得意とするステージで上位に浮上。総合表彰台に望みをつなぐ。キンタナはフルームから数秒差、コンタドールとアールも30秒以内に遅れをとどめる。

 第19ステージ(アルベールヴィル~サン・ジェルヴェ・モン・ブラン、146km)は、最後の頂上フィニッシュとあって、攻撃的なレースが期待される。総合上位の選手たちがジャンプアップをかけて捨て身のアタックを見せることも考えられる。だが、マイヨジョーヌがすべて一蹴してしまうだろう。王者は自分だとばかりに、フルームがサン・ジェルヴェ・モン・ブランの上りを独走。キンタナ、コンタドールらも必死の追撃を見せるが届かず、フルームが山頂を征服する。

ファビオ・アール(中央)はアグレッシブな走りが期待される(写真はジロ・デ・イタリア2015) Photo: Yuzuru SUNADAファビオ・アール(中央)はアグレッシブな走りが期待される(写真はジロ・デ・イタリア2015) Photo: Yuzuru SUNADA

 総合優勝争いが事実上、決着する第20ステージ(メジェーヴ~モルジヌ、146km)。最後の勝負がスタートすると、序盤に20人以上の逃げが形成され、ティンコフやモビスター、アスタナのアシスト陣が複数乗り込む。エースの合流を待つ選手たち。山岳賞や逃げ切りを狙う選手たちも先を急ぐ。後半に入ると、大人数の先頭グループがいくつかに分散。逃げ狙いの選手を容認し、メーン集団に控えるエースを待つアシスト陣は、各グループに待機して来たる勝負のときを待つ。

 迎えた最後の上り。はじめに攻撃を仕掛けるのは最後のツールとなるコンタドール。これはフルームがしっかりとチェック。続くキンタナのカウンターアタックもフルームが対応する。前方で待っていたアシストを利用しアールが先行を開始するが、フルームが自ら追うことで大きな差には至らない。

今年も総合上位勢が熾烈な戦いを繰り広げる(写真はツール・ド・フランス2015) Photo: Yuzuru SUNADA今年も総合上位勢が熾烈な戦いを繰り広げるだろう(写真はツール・ド・フランス2015) Photo: Yuzuru SUNADA
クリストファー・フルームは総合優勝を決めてのガッツポーズなるか(写真はツール・ド・フランス2013) Photo: Yuzuru SUNADAクリストファー・フルームは総合優勝を決めてのガッツポーズなるか(写真はツール・ド・フランス2013) Photo: Yuzuru SUNADA

 フルームはこの段階で、マークの対象をキンタナ、コンタドール、アールに絞り、その他選手の動きは容認。マイヨジョーヌを守る走りに終始しそうだ。再三の攻撃にも耐え、一団のまま頂上通過。フィニッシュ手前までの下りは、栄光の“ウイニングダウンヒル”となりそうだ。最終ステージを前に総合優勝を確定させガッツポーズ。

 ステージの勝利は、逃げを狙って序盤から動いた選手のものとなるだろう。新城や別府が勝負に食い込めるか。また、総合トップ5をターゲットとする選手がフルームらから数十秒先行。この中にヴァンガードレンやモレマ、バルデらが入り、上位進出をかけたもう1つの戦いも見られるはずだ。

 最終ステージ、しばしのパレード走行を行った選手たちは、シャンゼリゼ通りでのフィニッシュへ。ここで真価を発揮するのは、ディメンションデータのスプリントトレイン。完璧な演出のもと、カヴェンディッシュが“完全復権”を果たす。サガンも上位を堅実に確保し、マイヨヴェール5連覇を達成する。

「週刊サイクルワールド」ツール・ド・フランス2016 順位予想

※2016年1月3日現在

・個人総合時間賞(マイヨジョーヌ)
1 クリストファー・フルーム(イギリス、チーム スカイ)
2 ナイロアレクサンデル・キンタナ(コロンビア、モビスター チーム)
3 アルベルト・コンタドール(スペイン、ティンコフ)
 
・ポイント賞(マイヨヴェール)
ペテル・サガン(スロバキア、ティンコフ)
 
・山岳賞(マイヨアポワ)
トマ・ヴォクレール(フランス、ダイレクトエナジー)
 
・新人賞(マイヨブラン)
アダム・イェーツ(イギリス、オリカ・グリーンエッジ)
 
・チーム総合時間賞
アージェードゥーゼール ラモンディアル

熾烈な総合争いはフルームに軍配か

 いまや恒例となった(?)、新年早々の筆者による妄想…。細かいレースの流れを読むのは難しいが、各ステージごとに攻撃に出る選手や各賞予想は自信を持ってお届けしたい。

強力なアシスト陣がクリストファー・フルームを守る(写真はツール・ド・フランス2015) Photo: Yuzuru SUNADA強力なアシスト陣がクリストファー・フルームを守る(写真はツール・ド・フランス2015) Photo: Yuzuru SUNADA

 マイヨジョーヌは、2年連続でフルームのもとへ。2連覇、そして3回目の総合優勝を果たすと見る。強力なアシスト陣に支えられるだけでなく、自らもレースを組み立て、大きなピンチに陥ることなく3週間を終えるのではないか。

 一方で、キンタナはマイヨジョーヌに近づくも、今年も総合2位。このポジションが“定位置”となってしまいそうだ。差を詰めるには、登坂力だけでなくTT能力の向上も求められるだろう。総合3位のコンタドールは、最後のツールで有終の美こそならずとも、シャンゼリゼでの総合表彰台は確保。3週間の戦いでは、ステージ優勝やマイヨジョーヌに袖を通したこともあり、セレモニーでは満足そうな表情を浮かべていることだろう。

 頂上フィニッシュが4つと、近年と比較して少なめに設定されたことから、総合上位陣のタイム差は大きくならないと見ている。昨年のツールは、総合優勝のフルームから2位キンタナまでが1分12秒、3位アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター チーム)までが5分25秒だったが、今年はトップ5が5分以内にひしめくかもしれない。

逃げを得意とするトマ・ヴォクレールは山岳賞の有力候補か(写真はツール・ド・フランス2015) Photo: Yuzuru SUNADA逃げを得意とするトマ・ヴォクレールは山岳賞の有力候補か(写真はツール・ド・フランス2015) Photo: Yuzuru SUNADA

 ポイント賞のサガンは、お得意の「ポイント貯金」でマイヨヴェールを防衛。山岳賞は、逃げを得意とする選手へ。ヴォクレールやトマス・デヘント(ベルギー、ロット・ソウダル)らが熾烈な争いを繰り広げるのではないか。

 新人賞のマイヨブランは、大会序盤の快走で勢いに乗ったアダム・イェーツがゲット。双子の兄弟であるサイモンも好走し、イェーツ兄弟が話題を獲得する3週間となりそう。チーム総合は、バルデやドメニコ・ポッツォヴィーヴォ(イタリア)、アレクシー・ヴュイエルモーズ(フランス)ら、能力の高い選手を有するアージェードゥーゼール ラモンディアルが獲得。フランスのファンや関係者を喜ばせることだろう。

◇         ◇

 今年も「週刊サイクルワールド」では、世界各地のレースを追い、その結果や戦いの傾向を分析してお届けします。ぜひ参考にしていただき、読者の皆さんなりのツール予想を組み立ててください。また、2016年シーズンはリオ五輪も控え、大きな盛り上がりを見せることは間違いありません。新たな歴史が刻まれる瞬間や、ニュースターの誕生に心を躍らせながら、激動のサイクルロードレースシーンを堪能していきましょう!

福光俊介福光俊介(ふくみつ・しゅんすけ)

自転車ロードレース界の“トップスター”を追い続けて十数年、気がつけばテレビやインターネットを介して観戦できるロード、トラック、シクロクロス、MTBをすべてチェックするレースマニアに。2011年、ツール・ド・フランス観戦へ実際に赴いた際の興奮が忘れられず、自身もロードバイク乗りになる。自転車情報のFacebookページ「suke’s cycling world」も充実。本業は「ワイヤーママ徳島版」編集長。

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