ジェラジャ・マレーシア 2015 第3ステージ逃げる阿曽圭佑に痛恨のパンクトラブル マレーシアの英雄マナンがスプリント勝利

by 福光俊介 / Syunsuke FUKUMITSU
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 マレーシアで行われている5日間のステージレース「ジェラジャ・マレーシア」は3日目の12月11日、首都クアラルンプール近郊のバンダルバルバンギからプトラジャヤまで103.3kmで第3ステージが行われ、大集団によるスプリントをアヌアル・マナン(マレーシア、テレンガヌ サイクリングチーム)が制した。日本から出場しているキナンサイクリングチームでは、阿曽圭佑が中盤から4人の逃げ集団に乗って見せ場を作ったが、パンクにより集団に吸収され、チーム最高位はジャイ・クロフォード(オーストラリア)の27位だった。

逃げ集団で健闘しながらパンクで後退し、タイヤ交換を済ませて単独でゴールを目指す阿曽圭佑 Photo: Syunsuke FUKUMITSU逃げ集団で健闘しながらパンクで後退し、タイヤ交換を済ませて単独でゴールを目指す阿曽圭佑 Photo: Syunsuke FUKUMITSU

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 第3ステージは中盤に2つのスプリントポイント、後半に4級山岳が1カ所設定。高低差数十mのアップダウンが終始連続するが、コース距離が短いこともあり、スプリンターを擁するチームが中心のレースになると予想された。

スタート前にコース図をチェックするジャイ・クロフォード Photo: Syunsuke FUKUMITSUスタート前にコース図をチェックするジャイ・クロフォード Photo: Syunsuke FUKUMITSU
チームバスの中で戦術を最終確認するキナンサイクリングチームの選手たち Photo: Syunsuke FUKUMITSUチームバスの中で戦術を最終確認するキナンサイクリングチームの選手たち Photo: Syunsuke FUKUMITSU

 日本から唯一参戦するキナンサイクリングチームは前夜のミーティングで、好調の伊丹健治と阿曽が逃げを狙い、野中竜馬はチームメートのサポートに徹することを確認。第2ステージを終えて総合19位につけるクロフォードは、リーダーチームのスカイダイブドバイ プロサイクリングチームが簡単に逃げを容認するようであれば、自身でもステージ優勝を狙っていく考えを示した。

サインボードにサインする野中竜馬 Photo: Syunsuke FUKUMITSUサインボードにサインする野中竜馬 Photo: Syunsuke FUKUMITSU
第3ステージのサインボード。キナンサイクリングチームから出走した4人は(21番から順に)ジャイ・クロフォード、阿曽圭佑、野中竜馬、伊丹健治 Photo: Syunsuke FUKUMITSU第3ステージのサインボード。キナンサイクリングチームから出走した4人は(21番から順に)ジャイ・クロフォード、阿曽圭佑、野中竜馬、伊丹健治 Photo: Syunsuke FUKUMITSU
ジェラジャ・マレーシア第3ステージがスタート Photo: Syunsuke FUKUMITSUジェラジャ・マレーシア第3ステージがスタート Photo: Syunsuke FUKUMITSU

 総合リーダージャージを着るフランシスコ・マンセボ(スペイン、スカイダイブドバイ プロサイクリングチーム)は、総合2位に約1分半もの差をつけている。このためアクチュアルスタート(正式スタート)から次々と逃げ狙いのアタックが散発。最大で10人の逃げグループが形成される場面もあったが、スカイダイブドバイやチーム ホンコンチャイナのコントロールによって吸収されていった。

キナンサイクリングチームの指揮を執る石田哲也監督 Photo: Syunsuke FUKUMITSUキナンサイクリングチームの指揮を執る石田哲也監督 Photo: Syunsuke FUKUMITSU

 50km地点を通過後、ボトルを受け取るためチームカーまで下がった野中が「スカイダイブドバイがメーン集団を徹底してコントロールしている」と報告。石田哲也監督は「そのまま働かせて消耗を待とう」と指示を出す。

 その後もアタックと吸収が繰り返され、66km地点でレースは大きく動いた。集団から飛び出した3人を阿曽が追随。スカイダイブドバイのコントロールが緩んだ絶妙なタイミングでのアタックに成功し、4選手の逃げグループが形成された。

 タイム差は徐々に広がり、最大で1分に。78.1km地点に設けられた4級山岳ポイントを阿曽は2位で通過した。その後、メーン集団が徐々に迫ってきたが、逃げメンバーもペースを落とすことなく先を急いだ。

 メーン集団に残ったキナン勢3人は終盤に備える。再びチームカーへと下がった野中が、クロフォードと伊丹はスプリント勝負に賭けていることを告げると、石田監督からゴーサインが出された。

チームカーから補給を受ける野中竜馬 Photo: Syunsuke FUKUMITSUチームカーから補給を受ける野中竜馬 Photo: Syunsuke FUKUMITSU

 阿曽を含む先頭の4人は、メーン集団に30秒ほどのタイム差を保ち残り10km地点を通過。逃げ切りのわずかな可能性を信じて走り続けたが、残り8km地点で阿曽がパンクのためストップを余儀なくされた。

パンクでストップし、ホイールを交換して再スタートをきる阿曽圭佑 Photo: Syunsuke FUKUMITSUパンクでストップし、ホイールを交換して再スタートをきる阿曽圭佑 Photo: Syunsuke FUKUMITSU

 今大会は荒れた路面に多くの選手が悪戦苦闘し、パンクトラブルが多発している。快走を続けてきた阿曽にとって、不運なタイミングでのアクシデント。悔しさをにじせながら、フィニッシュに向かって再スタートを切った。

 その後、2人に絞られた逃げもメーン集団に吸収され、最後は集団スプリントとなり、マレーシアロードレース界の英雄、マナンがステージ優勝を果たした。

 総合争いには大きな変動がなく、マンセボが首位をキープ。キナン勢はクロフォードが順位を1つ上げ、マンセボから2分53秒差の総合18位となっている。

ゴール後にサプリメントをとる野中竜馬 Photo: Syunsuke FUKUMITSUゴール後にサプリメントをとる野中竜馬 Photo: Syunsuke FUKUMITSU
ゴール後、悔しそうな表情で石田哲也監督と話し合う阿曽圭佑 Photo: Syunsuke FUKUMITSUゴール後、悔しそうな表情で石田哲也監督と話し合う阿曽圭佑 Photo: Syunsuke FUKUMITSU

 12日の第4ステージは、クアラルンプール市内のベルジャヤ・タイムズ・スクウェアからプトラジャヤまでの115.3kmで争われる。序盤にスプリントポイントが1カ所、3級山岳が2カ所待ち受け、中盤は下り基調だが、後半には4級山岳が1カ所登場。その後もフィニッシュまで細かなアップダウンが繰り返され、今大会のクイーンステージとの呼び声も高い。

キナンサイクリングチーム 監督・選手コメント

●石田哲也監督
「レース内容は想定通り。阿曽が逃げに加わることができたのは、経験値を上げていくうえで大きな収穫となった。これまでたびたび逃げに入るタイミングを模索してきたが、この走りでつかんだものがあるのではないか。第4ステージも引き続きステージ優勝を狙って積極的に動きたい」

●ジャイ・クロフォード
「スカイダイブドバイの強さを改めて痛感したよ。みんなと同様にボクも逃げにトライしたけれど、まったく上手くいかなかったんだ。第4ステージは序盤の3級山岳2つで集団が割れるかもしれないけれど、中盤にひとまとまりになってレースがふりだしに戻るかもしれない。そうなるとスプリンターが有利になってしまうので、何とか自分たちでチャンスを作り出したいね」

●伊丹健治
「序盤からアタック合戦で、チーム4人で交代をしながらすべての動きをチェックしていた。逃げが決まった瞬間は、みんな脚にきていて誰も追えるような状況になかった。ゴールスプリントも頭にはあったが、集団が混乱していたので無理はしなかった」

●野中竜馬
「少しずつ体が動いている実感がある。スタート直後から激しい展開だったが、スカイダイブドバイのコントロールによって逃げが全然決まらなかった。チーム ホンコンチャイナがスカイダイブドバイに協力していたことも関係していたと思う」

●阿曽圭佑
「本当に悔しい。4人で後ろとのタイム差を確認しながら逃げ切りを目指していた。自分でもしっかり踏めている実感があったし、一緒に逃げていたインドネシア人選手が苦しそうだったので、このまま逃げれば上位フィニッシュができる確信もあった。この経験を今後に生かしていきたい」

ジェラジャ・マレーシア 第3ステージリザルト
1位 アヌアル・マナン(マレーシア、テレンガヌ サイクリングチーム) 2時間14分43秒
2位 パク・スンベク(韓国、KSPO)
3位 ハリフ・サレー・モハド(マレーシア、テレンガヌ サイクリングチーム)
4位 アンドレア・パリーニ(イタリア、スカイダイブドバイ プロサイクリングチーム)
5位 パク・サンホン(韓国、韓国ナショナルチーム)
6位 ソー・ジュンヨン(韓国、KSPO)
7位 チェ・ク・モハンマド・シャミル・チェ・ク・ロムリ(マレーシア、マレーシアナショナルチーム)
8位 アリン・イスワラ(インドネシア、ペガサス コンチネンタルサイクリングチーム)
9位 コー・シウワイ(香港、チーム ホンコンチャイナ)
10位 アブドゥル・ガニ(インドネシア、KFCサイクリングチーム)
27位 ジャイ・クロフォード(オーストラリア、キナンサイクリングチーム)
38位 伊丹健治(キナンサイクリングチーム)
70位 野中竜馬(キナンサイクリングチーム)
82位 阿曽圭佑(キナンサイクリングチーム) +45秒

個人総合時間賞
1位 フランシスコ・マンセボ(スペイン、スカイダイブドバイ プロサイクリングチーム) 6時間06分24秒
2位 チュン・キンロク(香港、チーム ホンコンチャイナ) +1分26秒
3位 アンドレア・パリーニ(イタリア、スカイダイブドバイ プロサイクリングチーム) +1分33秒
4位 キム・オクチョル(韓国、韓国ナショナルチーム) +1分56秒
5位 ソーフィアン・ハディ(モロッコ、スカイダイブドバイ プロサイクリングチーム) +2分17秒
6位 ディラン・ニューベリー(オーストラリア、データ#3シマンテックレーシング p/b スコディ) +2分18秒
7位 リュン・カユ(香港、チーム ホンコンチャイナ) 2分19秒
8位 サイフル・アヌアル・アジズ・モアド(マレーシア、テレンガヌ サイクリングチーム) +2分21秒
9位 マフディ・ラジャビカブードシェスメフ(イラン、ピシュガマン・ジャイアントチーム) +2分25秒
10位 マルセロ・フェリペ(フィリピン、チーム セブンイレブンロードバイクフィリピンズ) +2分28秒
18位 ジャイ・クロフォード(オーストラリア、キナンサイクリングチーム) +2分53秒
50位 阿曽圭佑(キナンサイクリングチーム) +12分58秒
68位 伊丹健治(キナンサイクリングチーム) +15分35秒
69位 野中竜馬(キナンサイクリングチーム)

ポイント賞
1位 フランシスコ・マンセボ(スペイン、スカイダイブドバイ プロサイクリングチーム) 18pts
2位 チュン・キンロク(香港、チーム ホンコンチャイナ) 17pts
3位 パク・スンベク(韓国、KSPO) 17pts

山岳賞
1位 アミルル・マズキ・ヌル(マレーシア、テレンガヌ サイクリングチーム) 8pts
2位 アグング・アリ・サーバナ(インドネシア、ペガサス コンチネンタルサイクリングチーム) 4pts
3位 ハミド・ベイッコルミジ(イラン、ピシュガマン・ジャイアントチーム) 4pts

ヤングライダー賞(25歳以下)
1位 キム・オクチョル(韓国、韓国ナショナルチーム) 6時間08分20秒
2位 ディラン・ニューベリー(オーストラリア、データ#3シマンテックレーシング p/b スコディ) +22秒
3位 リュン・カユ(香港、チーム ホンコンチャイナ) +23秒

チーム総合時間賞
1位 スカイダイブドバイ プロサイクリングチーム 17時間43分04秒
2位 チーム ホンコンチャイナ +2分26秒
3位 データ#3シマンテックレーシング p/b スコディ +3分23秒
12位 キナンサイクリングチーム +24分43秒

アジアチーム総合時間賞
1位 スカイダイブドバイ プロサイクリングチーム 17時間43分04秒
2位 チーム ホンコンチャイナ +2分26秒
3位 チーム セブンイレブン ロードバイクフィリピンズ +3分40秒
11位 キナンサイクリングチーム +24分43秒

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キナンサイクリングチーム ジェラジャ・マレーシア2015 ロードレース

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