ジェラジャ・マレーシア 2015 第1ステージ5日間のステージレースにキナンが出場 初日はジャイ・クロフォードが6位でゴール

by 福光俊介 / Syunsuke FUKUMITSU
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 マレーシアの首都・クアラルンプールと近郊都市を舞台に全5ステージで開催される「ジェラジャ・マレーシア」(Jelajah Malaysia、UCIアジアツアー2.2)が12月9日に開幕。日本からはキナンサイクリングチームが唯一出場し、第1ステージではジャイ・クロフォード(オーストラリア)が6位に入った。

ジェラジャ・マレーシア第1ステージ、ジャイ・クロフォード(オーストラリア、キナンサイクリングチーム)=左から2人目=が4位争いのスプリントで6位に入った Photo: Syunsuke FUKUMITSUジェラジャ・マレーシア第1ステージ、ジャイ・クロフォード(オーストラリア、キナンサイクリングチーム)=左から2人目=が4位争いのスプリントで6位に入った Photo: Syunsuke FUKUMITSU

五輪と世界選に向けポイント獲得のチャンス

キナンサイクリングチームが使用するヨネックスのロードバイク Photo: Syunsuke FUKUMITSUキナンサイクリングチームが使用するヨネックスのロードバイク Photo: Syunsuke FUKUMITSU

 この時期のサイクルロードレース界はおおむねシーズンオフで、来シーズンに向けた準備を進めるチームが多いが、来年8月のリオ五輪出場枠に関わるUCIポイントは12月31日分までとされている。また、UCIアジアツアーは世界の他の地域に先駆けて2016年シーズンのレースが始まっており、今大会での獲得ポイントは来年のUCI世界選手権ロードレースの出場枠にも影響する。それだけに、日本選手は貴重なチャンスを生かし、少しでもUCIポイントを獲得したいところだ。

 第1ステージはクアラルンプールをスタート後、南のプトラジャヤを目指す152.9km。反時計回りで半円を描くようなルートは、序盤に4級山岳とスプリントポイントが1つ、また中盤から後半にかけて2つ目の4級山岳と2回のスプリントポイントを迎える。終盤にはアップダウンが待ち受けており、フィニッシュの手前約2kmでは高低差約50mの上りを2回越えなければならない。

キナンサイクリングチーム出場選手

ジャイ・クロフォード、伊丹健治、野中竜馬、中西重智、阿曽圭佑

キナンサイクリングチームの選手・スタッフ。(選手左から)伊丹健治、野中竜馬、阿曽圭佑、ジャイ・クロフォード、中西重智 Photo: Syunsuke FUKUMITSUキナンサイクリングチームの選手・スタッフ。(選手左から)伊丹健治、野中竜馬、阿曽圭佑、ジャイ・クロフォード、中西重智 Photo: Syunsuke FUKUMITSU

 キナンサイクリングチームは、経験豊富なオーストラリア人ライダーのクロフォードを軸に、日本人選手たちも活躍のチャンスを狙う布陣だ。第1ステージ前のミーティングでは、好調な選手が積極的にレースを動かし、他の選手がそれをサポートをすること、逃げや追走には確実に乗ることをチームオーダーとして確認した。

ホテルからスタートへと向かう選手たち Photo: Syunsuke FUKUMITSUホテルからスタートへと向かう選手たち Photo: Syunsuke FUKUMITSU
チームカーのボンネット Photo: Syunsuke FUKUMITSUチームカーのボンネット Photo: Syunsuke FUKUMITSU

エースのクロフォードが先頭集団に

スタート前に笑顔を見せる伊丹賢治 Photo: Syunsuke FUKUMITSUスタート前に笑顔を見せる伊丹賢治 Photo: Syunsuke FUKUMITSU

 レースは序盤からアタックの応酬となり、決定的な逃げが決まらないまま1つ目の4級山岳と1回目のスプリントポイントを通過。キナン勢は山岳やスプリントの争いに絡まず、次なる展開に備えた。レースが動いたのはスタートから約70km地点。最大31人の先頭集団が形成され、そこにはスカイダイブドバイ プロサイクリングチーム、チーム ホンコンチャイナといった有力チームが複数の選手を送り込んだ。次々と合流した選手の中には、クロフォードの姿も見られた。

 結果的に、この集団がそのままステージ優勝争いに突入。クロフォードを除くキナン勢4選手は後方集団に留まり、完走を目指した。

 残り20kmを切ると、先頭集団では勝利を目指してのアタックが次々に発生。これにクロフォードも加わったが、他チームのマークが厳しく、抜け出すには至らない。そして、残り10kmを切りアップダウンが激しくなったところで、フランシスコ・マンセボ(スペイン、スカイダイブドバイ)ら3選手がアタックに成功。さらに残り3kmを目前にマンセボが再度アタックを仕掛け、独走態勢へと持ち込んだ。

 かつてグランツールで総合優勝争いを繰り広げるなど、実績では出場選手の中で群を抜く存在のマンセボ。ペダルをを回す足を緩めることなく、そのままフィニッシュラインを駆け抜け、2位に1分以上の差をつけてステージ優勝を決めた。

第1ステージを独走で制したフランシスコ・マンセボ(スペイン、スカイダイブドバイ プロサイクリングチーム) Photo: Syunsuke FUKUMITSU第1ステージを独走で制したフランシスコ・マンセボ(スペイン、スカイダイブドバイ プロサイクリングチーム) Photo: Syunsuke FUKUMITSU

早くも22選手が失格

 終盤までステージ優勝争いに加わったクロフォードは第3グループで4位争いを展開。最後はスプリントで他の選手に先行を許したものの、トップから1分21秒差の6位でフィニッシュした。

 後続のキナン勢では、それぞれグルペットでこのステージを終えた。阿曽はトップから10分41秒差の43位、伊丹と野中は14分03秒差でそれぞれ75位、84位。なお、このステージでは伊丹と野中のグループまでが完走を認められ、35分29秒遅れでフィニッシュした中西はタイムアウトにより失格となってしまった。

ゴールする野中竜馬 Photo: Syunsuke FUKUMITSUゴールする野中竜馬 Photo: Syunsuke FUKUMITSU
初日でタイムアウトになってしまった中西重智  Photo: Syunsuke FUKUMITSU初日でタイムアウトになってしまった中西重智  Photo: Syunsuke FUKUMITSU

 出走109選手中、完走が87人と、第1ステージから早くもサバイバルの様相を呈している。東南アジア特有の暑さに加え、12月という時期からコンディショニングが不十分な選手が多いことも、レース内容に影響しているとみられる。そうした中で、キナン勢はクロフォードが個人総合で1分33秒差の7位と好スタートを切った。第2ステージ以降は、ステージ順位はもとより、クロフォードの総合成績も意識しながらのレースとなるだろう。

 10日に行われる第2ステージは、プトラジャヤでの16.5kmチームタイムトライアル。終始細かいアップダウンがあり、チーム力がそのまま反映されるコースレイアウトだ。キナンのスタートは現地時間午前10時12分(日本時間午前11時12分)の予定。

ホテルでディナーをとる選手たち Photo: Syunsuke FUKUMITSUホテルでディナーをとる選手たち Photo: Syunsuke FUKUMITSU
翌日のタイムトライアルに向けミーティング Photo: Syunsuke FUKUMITSU翌日のタイムトライアルに向けミーティング Photo: Syunsuke FUKUMITSU

キナンサイクリングチーム 監督・選手コメント

●石田哲也監督
「選手もスタッフも、まだマレーシアの暑さに慣れていない。今日のステージは、各チームの強い選手たちが先頭集団を形成した時点で、前のグループと後ろのグループとに大きく分かれてしまった。ジャイともう1人を前のグループに送り込みたかったが、結果自体は悲観するほどのものではない。明日のチームTTをクリアすれば、第3ステージからは少しずつレースを動かしやすくなるのではないかと思っている」

●ジャイ・クロフォード
「とにかく暑かったね。でも、まずまずのレースができたと思うよ。このレースはスプリント勝負になることが多いが、今回は上りもあって例年とは違った展開になった。調子は良いので、前半に3級山岳が控える第4ステージをターゲットに戦っていきたい」

●伊丹健治
「序盤はアタック合戦でレースが落ち着かなかった。何より暑さが厳しかった。ステージを重ねながら調子を上げていければと思っている」

●野中竜馬
「正直、走ってみての感覚がよくなかった。暑さはそれほど気にならないが、コンディションがよくならないことには話にならない。何とか終盤の2ステージで勝負できるくらいまでには上げていきたい」

●中西重智
「序盤から遅れてしまい、グルペットで完走を目指そうにも集団を引く選手が少なく、2~3人で回しているような感じだった。100km近く引き続けたので、最後はボロボロになってしまった」

●阿曽圭佑
「このレースに調子を合わせてきただけに、前方の集団には乗っておきたかった。ジャイがアタックして(逃げグループに)合流するところを見ていたので、その動きに合わせられたら違った展開になっていた。暑さについては、良い感じで汗が出ているので、今後のステージではもっと動けるようになると思う」

→【第2ステージ】チームTTでキナンは9位

ジェラジャ・マレーシア 第1ステージリザルト
1位 フランシスコ・マンセボ(スペイン、スカイダイブドバイ プロサイクリングチーム) 3時間31分55秒
2位 チュン・キンロク(香港、チーム ホンコンチャイナ) +1分03秒
3位 マルセロ・フェリペ(フィリピン、チーム セブンイレブン ロードバイクフィリピンズ)
4位 キム・オクチョル(韓国、韓国ナショナルチーム) +1分21秒
5位 サイフル・アヌアル・アジズ・モアド(マレーシア、テレンガヌ サイクリングチーム)
6位 ジャイ・クロフォード(オーストラリア、キナンサイクリングチーム)
7位 アンドレア・パリーニ(イタリア、スカイダイブドバイ プロサイクリングチーム)
8位 チューン・ヒュアト・ゴー(マレーシア、テレンガヌ サイクリングチーム)
9位 メヘル・ハスナウイ(チュニジア、スカイダイブドバイ プロサイクリングチーム)
10位 ムハンマド・ファウザン・アーマド・ルトフィ(マレーシア、ポリスディジャラマレーシア)
43位 阿曽圭佑(キナンサイクリングチーム) +10分41秒
75位 伊丹健治(キナンサイクリングチーム) +14分03秒
84位 野中竜馬(キナンサイクリングチーム)
タイムアウト 中西重智(キナンサイクリングチーム) +35分29秒

個人総合時間賞
1位 フランシスコ・マンセボ(スペイン、スカイダイブドバイ プロサイクリングチーム) 3時間31分43秒
2位 チュン・キンロク(香港、チーム ホンコンチャイナ) +1分06秒
3位 マルセロ・フェリペ(フィリピン、チーム セブンイレブン ロードバイクフィリピンズ) +1分11秒
4位 サイフル・アヌアル・アジズ・モアド(マレーシア、テレンガヌ サイクリングチーム) +1分30秒
5位 アリン・イスワラ(インドネシア、ペガサス コンチネンタルサイクリングチーム) +1分32秒
6位 キム・オクチョル(韓国、韓国ナショナルチーム) +1分33秒
7位 ジャイ・クロフォード(オーストラリア、キナンサイクリングチーム)
8位 アンドレア・パリーニ(イタリア、スカイダイブドバイ プロサイクリングチーム)
9位 チューン・ヒュアト・ゴー(マレーシア、テレンガヌ サイクリングチーム)
10位 メヘル・ハスナウイ(チュニジア、スカイダイブドバイ プロサイクリングチーム)
43位 阿曽圭佑(キナンサイクリングチーム) +10分53秒
75位 伊丹健治(キナンサイクリングチーム) +14分15秒
83位 野中竜馬(キナンサイクリングチーム)

ポイント賞
1位 フランシスコ・マンセボ(スペイン、スカイダイブドバイ プロサイクリングチーム) 18pts
2位 チュン・キンロク(香港、チーム ホンコンチャイナ) 17pts
3位 サイフル・アヌアル・アジズ・モアド(マレーシア、テレンガヌ サイクリングチーム) 11pts

山岳賞
1位 アミルル・マズキ・ヌル(マレーシア、テレンガヌ サイクリングチーム) 8pts
2位 ハミド・ベイッコルミジ(イラン、ピシュガマン・ジャイアントチーム) 4pts
3位 アリン・イスワラ(インドネシア、ペガサス コンチネンタルサイクリングチーム) 1pt

ヤングライダー賞(25歳以下)
1位 キム・オクチョル(韓国、韓国ナショナルチーム) 3時間33分16秒
2位 ディラン・ニューベリー(オーストラリア、データ#3シマンテックレーシング p/b スコディ) +05秒
3位 ソフィアン・ナビル・オマル・モフド・バクリ(マレーシア、ナショナルスポーツカウンシル・オブ・マレーシアサイクリングチーム) +07秒

チーム総合時間賞
1位 スカイダイブドバイ プロサイクリングチーム 10時間38分27秒
2位 チーム ホンコンチャイナ +2分06秒
3位 チーム セブンイレブン ロードバイクフィリピンズ +2分20秒
12位 キナンサイクリングチーム +23分23秒

アジアチーム総合時間賞
1位 チーム ホンコンチャイナ 10時間40分33秒
2位 チーム セブンイレブン ロードバイクフィリピンズ +14秒
3位 ピシュガマン・ジャイアントチーム +2分40秒
10位 キナンサイクリングチーム +21分17秒

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キナンサイクリングチーム ジェラジャ・マレーシア2015 ロードレース

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