仕事と両立し限界に挑戦“サラリーマン冒険家”大島義史さんが自転車で南極点へ 世界の果て目指し年内出発

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 「会社員でも夢みたいなことができると証明したい」。神戸市在住のごく普通の会社員が、南極大陸を自転車で走り、南極点を目指す夢に挑戦する。世界でも例のない試みだ。会社生活と夢の両立に悩み、練習では挫折も味わった。周囲の後押しを得て“サラリーマン冒険家”は12月24日、世界の果てを目指して日本を発つ。(産経新聞大阪社会部 川瀬充久)

自転車で南極点を目指す会社員の大島義史さん =2015年3月、北海道のサロマ湖(大島さん提供)自転車で南極点を目指す会社員の大島義史さん =2015年3月、北海道のサロマ湖(大島さん提供)

そり2台引き計200km走行

自転車で南極点を目指す会社員の大島義史さん自転車で南極点を目指す会社員の大島義史さん

 マイナス40~20℃の過酷な世界への冒険に挑むのは、輸送機器メーカー「川崎重工業」社員の大島義史さん(31)。4年前から準備を進め、有給休暇を目いっぱい使った約1カ月の日程を練った。

 当初は海岸線から南極点までの約1000キロを約2カ月かけて走破するルートを目指したが、休みが長期に及ぶことによる会社への負担を考えて冒険を圧縮。テントや食料の入ったそりを2台引きながら1日20~30kmのペースで計200kmを走るルートに決めた。

 大島さんは「自分が休むことで何人もの人に影響が出る。これが時間的にも費用面でも会社員ができる限界だと思う」と語る。

「本分はあくまでも会社員」

 南極にひかれた契機は大学時代に図書館で何気なく手にした本だ。南極を歩く冒険家の大場満郎(みつろう)氏の写真があった。視界の果てまで白い雪原が続く広大な世界、ウイルスすら存在しない過酷な環境で動くものは自分ただ1人―。「自分もこの地を踏みたい」と思ったと振り返る。

南極点を目指す装備

 同じ頃、大学の自転車部に入り、自転車の楽しさに目覚めた。単独行に夢中になり、夏季のオーストラリア大陸縦断(約3800km)など世界各地で無謀ともいえる自転車旅行を繰り返した。

 ただ、社会人になると考え方が変わった。「本分はあくまでも会社員」と考えるようになり、無理ばかりをする冒険とは一線を画した。仕事に打ち込み、たまの休暇で短い自転車旅行に出掛ける。すると、当初は冒険を異端視していた会社内の雰囲気も変わり、理解の輪が徐々に広がった。周囲の理解を得ながらできる範囲で南極自転車走破を夢見るようになった。

1月中旬~下旬に到着予定

 2013年11月、ツアー旅行を利用し南極の試走に挑戦。極度のパウダースノーで後輪が空転、無理に力を加えてペダルが折れるなど散々な内容で暴風雪も経験したが、夢見る契機の写真と同じ風景に「気持ちが奮い立った」という。

 帰国後、装備を見直し雪上でも空転しにくい幅30cmのタイヤを備えた自転車を新たに用意。カナダ遠征などで練習を重ね、改良を加えてきた。大場氏のもとにも2度訪問し、気候などについて教えを請うた。

南極での走行ルート南極での走行ルート

 12月24日、関西国際空港からパリ経由でチリに向かい、民間輸送機に乗り換えて南極西部の民間ベースキャンプ、ユニオン・グレーシャー基地へ。飛行機で約800km東の雪原まで移動し、そこから約200km先の南極点を目指す。天候次第だが、南極点到着は来年1月中旬~下旬の予定だ。

 大島さんは「プロでない以上、制限はある。その中で限界に挑戦してみたい」と話している。

産経WESTより)

本番を前に南極を訪れ自転車の走り心地を試す大島義史さん =2013年11月(大島さん提供)本番を前に南極を訪れ自転車の走り心地を試す大島義史さん =2013年11月(大島さん提供)

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