日向涼子さん「エタップへの道」秘蔵映像も公開ヒルクライムを楽しみ、工具に愛を感じた「KTC工具セミナー&TOJ先取りライド」

by 後藤恭子 / Kyoko GOTO
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 小春日和の穏やかな空のもとでサイクリングを楽しみ、トップメーカーが生産する工具について学ぶ―。11月28日に京都府で開かれた「KTC工具セミナー& TOJ先取りライド」は、本格コースでのライドと、工具セミナーを組み合わせた新しいスタイルのイベントとなった。応募・当選した28人の参加者は、ゲストの日向涼子さんとともに、自転車を楽しみながら工具の魅力を再発見していった。

ゲストの日向涼子さんも「デジラチェ体感キット」にチャレンジ。課題の10ニュートンに近い値を出すことに成功した Photo: Kyoko GOTOゲストの日向涼子さんも「デジラチェ体感キット」にチャレンジ。課題の10ニュートンに近い値を出すことに成功した Photo: Kyoko GOTO

←【イベント速報】日向涼子さんと一緒に快走(11月28日掲載)

一足早く「TOJ」京都ステージを体感

 今回のイベントは、工具の国内トップメーカー「京都機械工具(KTC)」と産経デジタル「Cyclist」がコラボレーションして企画。日向さんと一緒に走れることや、KTC本社工場(京都府久御山町)の施設「ものづくり技術館&匠工房」を見学できることから注目を集め、11月中旬の募集開始後すぐに定員を超える盛況となった。

 参加者の期待は、「『ものづくり技術館』を見学したかった」「サイクリングを楽しみながら日向さんに会えて、工具のことも学べるなんて一石三鳥」―などさまざま。中には埼玉県から訪れた参加者もいた。

3つのグループを率いたシルベストサイクルの先導ライダー(右の3人)と、各グループの最後尾を走ったKTCのスタッフ Photo: Kyoko GOTO3つのグループを率いたシルベストサイクルの先導ライダー(右の3人)と、各グループの最後尾を走ったKTCのスタッフ Photo: Kyoko GOTO

 この日のサイクリングのコースは、毎年初夏に開催される日本最大のステージレース「ツアー・オブ・ジャパン(TOJ)」で、来年5月30日に初めて実施される「京都ステージ」の予定コースの一部を組み込んだ約45km。大阪・京都に展開するサイクルプロショップシルベストサイクルの京都店から派遣されたライダーによる先導のもと、参加者は3つのグループに分かれて自転車を走らせた。

木津川沿いでサイクリングを楽しむ日向涼子さん(前から2番目)と参加者たち Photo: Yoshiyuki KOZUKE木津川沿いでサイクリングを楽しむ日向涼子さん(前から2番目)と参加者たち Photo: Yoshiyuki KOZUKE

 一行はKTC本社から木津川沿いの道を走り、約17km地点に現れた「普賢寺 ふれあいの駅」で最初の休憩。ここはTOJ京都ステージのスタート地点となる。店舗内のテレビには「TOJ」の映像が流れていたり、訪れたサイクリストに名物の玉露がふるまわれたりと、早くもTOJ京都ステージを盛り上げようという意気込みが感じられた。

 参加者たちは束の間の休憩を利用してゲストの日向さんと写真撮影をしたり、日ごろのサイクリングへの取り組みについて会話を弾ませたりして打ち解けていった。日向さんは休憩のタイミングで時間調整をしながら3つのグループすべてに加わって走り、参加者との交流を楽しんだ。

休憩地点の普賢寺「ふれあいの駅」。ここがTOJのスタート地点となる Photo:Kyoko GOTO休憩地点の普賢寺「ふれあいの駅」。ここがTOJのスタート地点となる Photo:Kyoko GOTO

 ふれあいの駅から先は、アップダウンが待ち受けていた。TOJ京都ステージの周回コースでは、勝負どころとなる丘越えの区間だ。それまでのんびりとサイクリングを楽しんでいた参加者も、長い坂道のヒルクライムが始まると真剣な表情に。そのままコースの最高標高地点まで上って、一気に駆け下りた。

 男性陣に交じってペースを落とすことなく走り切った日向さんは、「一般のサイクリストが走っても十分楽しめる坂ですね。でも、あの上り坂を選手たちがアウターギアで上ると聞いて、すごいと思いました」と、早くも来年のTOJの様子に思いを馳せていた。

日向さんの「エタップ・デュ・ツール」トークに釘付け

 昼食休憩に続き、午後には日向涼子さんのトークショーが開催された。日向さんは今年7月19日に出場したフランスの過酷な山岳レース「エタップ・デュ・ツール」を映像で振り返りながら、さまざまなエピソードを披露した。

KTC「ものづくり技術館」で行われた日向涼子さんのトークショー Photo: Kyoko GOTOKTC「ものづくり技術館」で行われた日向涼子さんのトークショー Photo: Kyoko GOTO

 この日のイベントに、エタップで実際に着用したジャージやウインドブレーカーを着用して参加した日向さん。スクリーンに、雨の中で峠を走る練習の秘蔵映像や、エタップ本番で撮影された映像が映し出されると、参加者は食い入るように見つめていた。さらに日向さんは、エタップに向けた体づくりの過程や、臨場感あるエタップ当日の様子についてトークを展開していった。

「エタップ・デュ・ツール」について語る日向さん Photo:Kyoko Goto「エタップ・デュ・ツール」について語る日向さん Photo:Kyoko Goto

 「エタップは難易度の高いイベントです。それでも、しっかりトレーニングを積めば私のような女性でも完走できます。すべての人に可能性がある。人生の目標にし得る素晴らしいイベントなので、もっと多くの人に知ってほしいし、挑戦してほしい」と話す日向さん。

 「エタップを走ったことで、より“ガチな人”になったと思われがちですが、いまはむしろ、いろんな走りをする人がいて良いと考えるようになりました。エタップの経験をもとに、ひとりでも多くの人が楽しく走れるお手伝いができたらと思っています」と心境の変化があったことを語った。

参加者からの質問に答える日向涼子さん。真剣な、そしてときにユーモアを交えた回答で会場を引きつけた Photo: Kyoko GOTO参加者からの質問に答える日向涼子さん。真剣な、そしてときにユーモアを交えた回答で会場を引きつけた Photo: Kyoko GOTO

 トーク終了後に寄せられた参加者からの質問は、内容がヒルクライムに集中。ヒルクライマーとしての印象が定着した日向さんに、関西エリアの峠や激坂を勧める声が相次いだ。日向さんが「激坂は根性を鍛えるのには良いけれど、自転車のトレーニングにはならないので苦手」と率直に回答し、参加者の共感を得る場面も。

 また六甲山でのヒルクライムを勧める声に対しては、「知人が『ラルプデュエズ(ツール・ド・フランスの名所とされる峠)より六甲山の方がきつい』と言っていたので、六甲を制する者はフランスを制するかもしれませんよ」と答えるなど、軽妙な“ヒルクライムトーク”で会場の笑いを誘っていた。

「工具選びの大切さを知った」

 その後、KTCが本社敷地内に構える工具の総合展示館「ものづくり技術館」と、ベテラン職人による工具の修理を間近で見られる「匠工房」を訪れて、工具の歴史や仕組みを学んだ。

「匠工房」でベテラン職人がトルクレンチを修理する様子を見学 Photo: Kyoko GOTO「匠工房」でベテラン職人がトルクレンチを修理する様子を見学 Photo: Kyoko GOTO
「ものづくり技術館」の内観。ずらりと展示される工具類は、もはや芸術品 Photo:Kyoko GOTO「ものづくり技術館」の内観。ずらりと展示される工具類は、もはや芸術品 Photo:Kyoko GOTO

 特に参加者の関心を引いたのは、デジタル式トルクレンチ「デジラチェ」の使い方講座。デジタル式トルクレンチとは、ボルトを締める力の強度をデジタル表示する工具だ。そのデジラチェの体感キットを用いて、面白い実験が行われた。

 参加者は最初に締め付けトルク「10ニュートン」をデジラチェで体感・確認したうえで、次に数値の表示ディスプレーを隠し、自分の感覚だけで10ニュートンを再現するゲームに挑戦。なかには13ニュートンを超えてしまう参加者もいるなど、数値を見て一喜一憂していた。

KTCスタッフによる「デジラチェ」の説明。初めて聞く話に皆、真剣な表情 Photo:Kyoko GOTOKTCスタッフによる「デジラチェ」の説明。初めて聞く話に皆、真剣な表情 Photo:Kyoko GOTO
「デジラチェ体感キット」。トルクを締め付ける力の値が手元のデジタル計に表示される Photo:Kyoko GOTO「デジラチェ体感キット」。トルクを締め付ける力の値が手元のデジタル計に表示される Photo:Kyoko GOTO

 参加者の1人、村上治さんは「普段はこの10ニュートンをはるかに超える力で締め付けていました。とにかく強く締め付ければ良いと思っていたけれど、カーボン素材などデリケートな自転車パーツは破損する恐れがある。そのために工具を選ぶ必要があると感じた」と体験後の感想を話していた。

女性も楽しめるイベント

 イベント参加者の中には、「夫からの誘い」で来場した女性の姿もあった。

夫婦で参加した大橋孝広さん、純子さん。「サイクリングを交えたイベントなので、夫婦で一緒に参加しやすかった」と話した Photo: Kyoko GOTO夫婦で参加した大橋孝広さん、純子さん。「サイクリングを交えたイベントなので、夫婦で一緒に参加しやすかった」と話した Photo: Kyoko GOTO

 大橋孝広さんは妻の純子さんと一緒に参加。「講座のみのイベントでなく、サイクリングもあったので妻を誘いやすかったですね。このイベントを機に、工具に興味のなかった妻も少し関心を持ったようです」と、2人でイベントを楽しめた様子だった。

 参加者と一緒にすべての見学コースを回った日向さんも、「いままで工具のことはよく知らなかったけれど、一つひとつの工具の話がとても興味深く、工具に対してちょっと愛を持てるようになりました」と笑顔で語っていた。

「ものづくり技術館」内にある「オフィシャルグッズショップ」。ユニークなKTCのオリジナルアイテムが並ぶ Photo: Kyoko GOTO「ものづくり技術館」内にある「オフィシャルグッズショップ」。ユニークなKTCのオリジナルアイテムが並ぶ Photo: Kyoko GOTO
女性陣からはボルトの形をしたサーモマグ、その名も「ボルトマグ」が人気を集めていた Photo: Kyoko GOTO女性陣からはボルトの形をしたサーモマグ、その名も「ボルトマグ」が人気を集めていた Photo: Kyoko GOTO
サイクリング後にKTC「匠工房」の前で記念撮影 Photo:Kyoko GOTOサイクリング後にKTC「匠工房」の前で記念撮影 Photo:Kyoko GOTO

Cyclistロゴ入りエプロン付き「デジラチェ工具セット」発売

日向涼子さんが着用しているのが「Cyclistロゴ入りショートエプロン」 ※サンプルのため、商品ではCyclistのロゴの位置が異なります Photo: Yoshiyuki KOZUKE日向涼子さんが着用しているのが「Cyclistロゴ入りショートエプロン」 ※サンプルのため、商品ではCyclistのロゴの位置が異なります Photo: Yoshiyuki KOZUKE

 CyclistとKTCとのコラボレーションによる自転車メンテナンス向け「オリジナルデジラチェ工具セット」が産経netShopから発売されました。

 デジタル式トルクレンチに、収納用ブローケースや、自転車整備に活躍する5つの付替え用ビットソケット、ソケットホルダー、さらにCyclistとKTCのロゴが入ったオリジナルショートエプロンが付属しています。価格は4万3869円(税込)で、セット内容を別々に購入するよりもグッとお得な設定になっています。

 特にカーボン製のフレームやパーツを使用している方は、ボルトの締め過ぎによる破損リスクも高いため、これを機にデジラチェを導入してみてはいかがですか?(産経デジタル)

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KTC TOJ2016・その他 イベント ツアー・オブ・ジャパン2016 日向涼子

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