国内外の強豪シクロクロッサーが参戦「Raphaスーパークロス野辺山」初日UCIレースの男子は竹之内、女子はジェイコブスが制覇

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 野辺山シクロクロスの名称で国内シクロクロスブームを作った「Raphaスーパークロス野辺山」が今年も11月28日に開幕した。2日間にわたり、のべ1100人以上が参加する国内最大規模の“お祭り”に参加するため、日本全国からシクロクロス愛好家たちが長野県南牧村の野辺山、滝沢牧場に集まった。 (Rapha Super Cross Nobeyama)

73人が一斉にスタートしたUCI男子エリート。野辺山高原を舞台に熱戦が繰り広げられた Photo: Kei Tsuji / Rapha Super Cross Nobeyama73人が一斉にスタートしたUCI男子エリート。野辺山高原を舞台に熱戦が繰り広げられた Photo: Kei Tsuji / Rapha Super Cross Nobeyama

 キッズレースやシングルスピードレース、そして 脚力別に分けられた各カテゴリーのレースが開催される本大会は、最上級クラスはUCI(世界自転車競技連合)認定のレースとして毎年、ハイレベルな戦いが毎年展開されている。今年は女子エリートレースにオーストラリアチャンピオンのリサ・ジェイコブス(ラファ・フォーカス)が、男子エリートにはベルギーのベン・ベルデン(WCupスタンパー)やアメリカのザック・マクドナルド(ストリームラインインシュランス)らが参戦し、国際レースにふさわしい顔が野辺山のスタートラインについた。

 迎え撃つのは豊岡英子(パナソニックレディース)と竹之内悠(ベランクラシック・エコイ)の全日本チャンピオン。男子エリートではMTB XCO全日本チャンピオンの山本幸平(トレック ファクトリーレーシング)の姿もあり、日本を代表する選手が揃い踏みした。

力を見せつけたジェイコブス

UCI女子エリートのスタート。コールされたジェイコブスが手を挙げて応える Photo: Kei Tsuji / Rapha Super Cross NobeyamaUCI女子エリートのスタート。コールされたジェイコブスが手を挙げて応える Photo: Kei Tsuji / Rapha Super Cross Nobeyama

 金色と緑色のオーストラリアナショナルチャンピオンジャージが野辺山を快走した。前日に来日したことを感じさせないフレッシュな走りで、リサ・ジェイコブス(RAPHA FOCUS)がUCI女子エリートレースを制覇。かつてジロ・ローザなど欧州のトップレースを走ったキャリアを持つその実力を見せつけた。

 レースは開始直後からオーストラリアチャンピオンがペースを作った。ジェイコブスに食い下がったのは、全日本チャンピオンの豊岡英子(パナソニックレディース)や、前週のUCIレースを制した與那嶺恵理(サクソバンクFX証券)、今シーズン好調の今井美穂(CycleClub.jp)ら日本のトップシクロクロッサーたち。

 しかし、「スタートしてすぐ周りの日本人選手が速いと感じたので、自分もペースを上げた」というジェイコブスは先頭を快走し、テクニックとパワーが要求される野辺山の2.5kmコースで後続とのタイム差を広げていった。

2位争いを繰り広げる與那嶺と今井 Photo: Kei Tsuji / Rapha Super Cross Nobeyama2位争いを繰り広げる與那嶺と今井 Photo: Kei Tsuji / Rapha Super Cross Nobeyama

 

力の差をみせて独走する現オーストラリア女王のジェイコブス Photo: Kei Tsuji / Rapha Super Cross Nobeyama力の差をみせて独走する現オーストラリア女王のジェイコブス Photo: Kei Tsuji / Rapha Super Cross Nobeyama

 「昨年の写真を見て、きっと今年も泥のレースになるんだろうなと予想していたものの、ほぼドライな状態だったのでバイク交換の必要もないほどだった」というジェイコブスは、平均スピード20.7km/hで走破。後続を1分以上引き離す圧勝を果たした。

 「今回初めて野辺山を走ったけど、観客の声援の大きさや会場の雰囲気の良さは予想外。楽しみながら走ることができた」。フルタイムの弁護士として働くかたわら3度のオーストラリア選手権制覇を果たしているジェイコブスは笑顔で語った。

 ジェイコブスの後方では與那嶺と今井が2位争いを繰り広げ、地脚の強さを見せた與那嶺が先着。3位の今井とともに表彰台に上がった。

UCI女子表彰。チャンピオンジャージはもちろんRapha製 Photo: Kei Tsuji / Rapha Super Cross NobeyamaUCI女子表彰。チャンピオンジャージはもちろんRapha製 Photo: Kei Tsuji / Rapha Super Cross Nobeyama

UCIエリート女子リザルト
1位 リサ・ジェイコブス(ラファ・フォーカス) 44分10秒
2位 與那嶺恵理(サクソバンクFX証券)     +1分12秒
3位 今井美穂(CycleClub.jp)        +1分37秒
4位 豊岡英子(パナソニックレディース)     +2分31秒
5位 武田和佳(Liv)              +2分48秒

復活した竹之内が全日本連覇へ弾み

 「良かった。本当に良かったです」と話したのは先頭でフィニッシュラインを切った竹之内悠(ベランクラシック・エコイ)。肉離れによってヨーロッパ遠征を切り上げて帰国した全日本チャンピオンが、Raphaスーパークロス野辺山の舞台で輝きを放った。

先頭を飛ばしていたマクドナルドだが、体調不良で脱落 Photo: Kei Tsuji / Rapha Super Cross Nobeyama先頭を飛ばしていたマクドナルドだが、体調不良で脱落 Photo: Kei Tsuji / Rapha Super Cross Nobeyama

 すっかり雪化粧した八ヶ岳に太陽が沈み始めた土曜日の午後2時45分、大会初日の最後を飾るUCIエリート男子レースがスタート。73人の中から飛び出したザック・マクドナルド(ストリームラインインシュランスサービス)が主導権を握って序盤の周回を重ねるものの、「標高の影響で急に気分が悪くなった」ために失速。ペースを落として数周回をしのいだマクドナルドだったが、その後のパンクによって完全に戦線から離脱してしまった。

 マクドナルドに代わってレースをリードしたのは竹之内。「小坂光選手(宇都宮ブリッツェンシクロクロス)と一緒に走っていたんですが、その後ろの選手たちが近づいていたので、力の差を見せつけたくてアタックした」という竹之内が一気にペースを上げて先頭へ。小坂が食らいつくが、両者の距離は周回を重ねるごとに開いていった。

天気に恵まれた野辺山高原のコースを疾走する、全日本王者の竹之内悠(ベランクラシック・エコイ) Photo: Kei Tsuji / Rapha Super Cross Nobeyama天気に恵まれた野辺山高原のコースを疾走する、全日本王者の竹之内悠(ベランクラシック・エコイ) Photo: Kei Tsuji / Rapha Super Cross Nobeyama

 「キャリアの中で最悪のスタートだった」というベン・ベルデン(WCupスタンパー)が、「レース序盤はまだシクロクロスバイクに乗れていなかった」という山本幸平(トレックファクトリーレーシング)とともに追撃。やがてベルデンと山本は最終周回を前に小坂にジョインするものの、先頭の竹之内とのタイム差は20秒。全日本チャンピオンがそのまま観客とハイタッチしながら独走でフィニッシュラインを駆け抜けた。

観客とハイタッチしながらゴールする竹之内 Photo: Kei Tsuji / Rapha Super Cross Nobeyama観客とハイタッチしながらゴールする竹之内 Photo: Kei Tsuji / Rapha Super Cross Nobeyama

 帰国後はローラー台でのトレーニングにしか取り組めず、前日の試走で久々に野外のライドを行ったという竹之内。試走で痛みが再発し、朝の時点でもスタートするかどうか迷っていたというが、「スタッフとの連携を含め、(来週の)全日本選手権のリハーサルのためにも走っておきたかった」という竹之内が、痛みを感じることなく1時間超のレースを走り切った。

2位争いはベルデン(左)に軍配 Photo: Kei Tsuji / Rapha Super Cross Nobeyama2位争いはベルデン(左)に軍配 Photo: Kei Tsuji / Rapha Super Cross Nobeyama

 「けがを契機にペダリングを一から見直しました。クランクの長さも変更し、どうすれば自転車に乗れるのかという地点から再スタート。その変更が良い形であることを確認できたので、ここから身体を作っていけば明日(29日)のUCIレースや全日本選手権、世界選手権でも良い走りができると思う」と、竹之内は不安を抱えていたフィジカルに自信を得た様子だ。

 最終周回にかけて熾烈さを増した2位争いは、小坂光の脱落によってベルデンと山本の一騎打ちに。山本が持ち前のパワーで先行するが、テクニックで勝るベルデンがスプリントで差し込んで先着した。

 Raphaスーパークロス野辺山は11月29日(日)も、男子エリートと女子エリートレースが開催される。

表彰台を多くの報道陣・観客が取り囲んだ Photo: Kei Tsuji / Rapha Super Cross Nobeyama表彰台を多くの報道陣・観客が取り囲んだ Photo: Kei Tsuji / Rapha Super Cross Nobeyama

UCI 男子エリートリザルト
1位 竹之内悠(ベランクラシック・エコイ) 1時間05分00秒
2位 ベン・ベルデン(WCupスタンパー)     +21秒
3位 山本幸平(トレック ファクトリーレーシング)
4位 小坂光(宇都宮ブリッツェンシクロクロス)  +25秒
5位 沢田時(ブリヂストンアンカー)      +1分34秒

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