愛好家同士の交流の場にヴィンテージパーツの交換会「シクロジャンブル」 大阪・服部緑地で開催、来春で20周年

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 ヴィンテージ自転車の車体やパーツのスワップミート(交換会)、「シクロジャンブル」が11月23日、大阪府豊中市の服部緑地公園の民家集落南広場で開催され、多くの自転車愛好家が訪れた。来春で20周年を迎える歴史のある交換会で、購入や交換だけでなく来場者同士のマニアックな自転車談義でも盛り上がった。(岡田由佳子)

様々な年代、ブランドのヴィンテージパーツがずらりと並ぶ Photo: Yukako OKADA様々な年代、ブランドのヴィンテージパーツがずらりと並ぶ Photo: Yukako OKADA

世代を超えた自転車愛好家の集い

公園の広場を取り囲むように出店者が並んだ Photo: Yukako OKADA公園の広場を取り囲むように出店者が並んだ Photo: Yukako OKADA

 大きな広場をぐるりと出店ブースが囲んた会場は、午前10時にオープンする30分以上前からたくさんの人でにぎわった。皆のお目当ては、やはりヴィンテージのパーツ。完成車はもちろん、懐かしいウール素材のサイクルジャージ、サイクルキャップ、輪行バッグなども入手できる。

 来場者のほとんどがコアな自転車愛好家。男性が中心で、若い世代からおじいちゃんまで、幅広い年代の人がじっくりとパーツに目を凝らす。中には年代が古すぎて使い方が分からないものもあり、売り主に使い方を聞くなど、みな興味津々だ。

 古い自転車を修理して再び乗るために、あるいは新たなヴィンテージバイクを組み立てるためにと、パーツを手にとって購入する人々の思いは様々だ。その場にいる人同士、自転車を手に入れるまでの経緯や、青春時代に自転車旅行をしたこと、旅先での出来事など、思い出とともにいろいろなことを語り合う。

イタリアから買い付けているというウールジャージは3000円~ Photo: Yukako OKADAイタリアから買い付けているというウールジャージは3000円~ Photo: Yukako OKADA
1969年当時の自転車業界が分かる自転車雑誌ニューサイクリングは1000円 Photo: Yukako OKADA1969年当時の自転車業界が分かる自転車雑誌ニューサイクリングは1000円 Photo: Yukako OKADA
激安コーナーはリフレクター、バーエンドキャップ10円~錆びたヴィンテージパーツ50円~ Photo: Yukako OKADA激安コーナーはリフレクター、バーエンドキャップ10円~錆びたヴィンテージパーツ50円~ Photo: Yukako OKADA
アレックスモールトン、ウィリエール、ブリヂストン、ロードマックスと車体も販売しているが、価格は高いものほど値札を付けていない Photo: Yukako OKADAアレックスモールトン、ウィリエール、ブリヂストン、ロードマックスと車体も販売しているが、価格は高いものほど値札を付けていない Photo: Yukako OKADA
アルプスクイックエーススーパー26。スギノ、カシマ、サンツアーと、国産パーツで組まれている Photo: Yukako OKADAアルプスクイックエーススーパー26。スギノ、カシマ、サンツアーと、国産パーツで組まれている Photo: Yukako OKADA

フレームビルダーも出店

エンメ・イデアの玉山政義さん、自身が手掛けたロードフレームと Photo: Yukako OKADAエンメ・イデアの玉山政義さん、自身が手掛けたロードフレームと Photo: Yukako OKADA

 出店者のなかには自転車業界の関係者も多い。この日はフレームビルダーに2人も出会った。

 一人はM-idea(エンメ・イデア)で自転車フレームを手掛ける玉川政義さん。ネットやケータイが苦手、あまり顔出しもしたくないという玉川さんだが、なんとか自身の手掛けた自転車と共に写真に収まってもらった。

 とても美しく、繊細な鉄製フレームを手掛けている玉川さん。普段は主に競輪用のピストフレームを製作しているが、オーダーでロードフレームも作っている。塗装も溶接も全て手作業で製作したフレームは、レーサーだけでなく幅広いサイクリストから支持されている。

ピンクの地に朱鷺(とき)が描かれ、金色がちりばめられている Photo: Yukako OKADAピンクの地に朱鷺(とき)が描かれ、金色がちりばめられている Photo: Yukako OKADA
線が細く、繊細なフレーム。塗装は心が澄みきるよう Photo: Yukako OKADA線が細く、繊細なフレーム。塗装は心が澄みきるよう Photo: Yukako OKADA

 もう一人、会場の視線をさらっていたのが、木製のオリジナルフレームを作るブラジル出身のハラ・ジョルソン・アイザワさん。自身で全て作っているというフレームは、京都から取り寄せた竹なども使用。木の特性を生かした、美しいロードフレームだ。

 「一つ作るのに100時間はかかっているけれど、これでも随分早くなった。その人に合った自転車を作りたい」とジョルソンさん。知り合いも多いようで、友人たちとともに自転車の話で盛り上がっていた。

木製フレーム「ジェルワークス」のビルダーのハラ・ジョルソン・アイザワさん Photo: Yukako OKADA木製フレーム「ジェルワークス」のビルダーのハラ・ジョルソン・アイザワさん Photo: Yukako OKADA
木を組み合わせて作ったフレーム Photo: Yukako OKADA木を組み合わせて作ったフレーム Photo: Yukako OKADA
シートステーは竹が使用されている Photo: Yukako OKADAシートステーは竹が使用されている Photo: Yukako OKADA
漆は自身で塗り、コラムスペーサーも竹製 Photo: Yukako OKADA漆は自身で塗り、コラムスペーサーも竹製 Photo: Yukako OKADA

ずっと童心でいられる場所

 約20年前に開かれたシクロジャンブルの第1回目は、ヴィンテージ自転車好きの仲間たちが公園広場に集まって、自慢の自転車を展示したり、互いに足りないパーツを交換し合う、純粋な自転車愛好家の集まりだった。それでも、初開催ながら100人程度が集まり盛況に。その後、毎年春と秋に開催し、規模も年々大きくなっていったという。

グランコンペのブレーキセット18000円 Photo: Yukako OKADAグランコンペのブレーキセット18000円 Photo: Yukako OKADA
フランス・ユーレーの変速機セット38000円 Photo: Yukako OKADAフランス・ユーレーの変速機セット38000円 Photo: Yukako OKADA
もはや骨董品級のサンツアーパーツ Photo: Yukako OKADAもはや骨董品級のサンツアーパーツ Photo: Yukako OKADA
「左側一列通行」はホーロー製。構造からして実用車、ロッドハンドルブレーキを使用していた時代のものだろうと出店者 Photo: Yukako OKADA「左側一列通行」はホーロー製。構造からして実用車、ロッドハンドルブレーキを使用していた時代のものだろうと出店者 Photo: Yukako OKADA
今はなきフランスのMAFAC(マファック)のブレーキセット28000円 Photo: Yukako OKADA今はなきフランスのMAFAC(マファック)のブレーキセット28000円 Photo: Yukako OKADA
中央左側にあるサンツアーのsimplex(シンプレックス)は18000円。次の瞬間に探していた人が購入していった Photo: Yukako OKADA中央左側にあるサンツアーのsimplex(シンプレックス)は18000円。次の瞬間に探していた人が購入していった Photo: Yukako OKADA
主催者の安田実さん(左) Photo: Yukako OKADA主催者の安田実さん(左) Photo: Yukako OKADA

 シクロジャンブルを主催する安田実さんに話を聞いた。

 「元々、ランドナーが好き。20年前もやはり自転車を組み立てるのにパーツが足りなかった。日本人の感覚にはなぜかフランスのパーツが合ったんです。レーサー仕様ならイタリアのカンパニョーロですが、僕自身は強いて言うなら日本製サンツアーが好きです」

 普段は大学教授だという安田さんだが、その口調や表情は童心そのものだ。パーツも入手できる、マニアックな自転車の話もできるシクロジャンブル。ぜひ、訪れてみてはいかがだろう。次回開催は2016年春を予定している。

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