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私の落車<カルテ4>ブレーキが効きすぎて… クロスバイクに乗り始めて即座に事故った15歳の春

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【落車カルテ4】

Cさん(22歳 男性)
ロードバイク歴:5年(高校2年生~)

<事故発生状況とその後>
・高校入学前、クロスバイクで坂を下る途中で転倒
・ブレーキがロックし、体ごと前方に吹っ飛ばされ、アザとキズだらけに
・幸いにも頭部は無傷(ヘルメット未装着)
・ディレーラーハンガーが折れ、ペダルは回らず、4時間かけて徒歩で帰宅

下り坂で急ブレーキをかけ、吹っ飛ぶ

車止めは人の後ろを走っていると見落としやすい(イメージ写真) Photo: Ikki YONEYAMA車止めは人の後ろを走っていると見落としやすい(イメージ写真) Photo: Ikki YONEYAMA

 中学生の頃からママチャリで友人と遠乗りするのが好きで、自宅(足立区)から鎌倉まで日帰りで“遠征”と称して遊びにいったものでした。高校へ進学する時、入学祝いに父からビアンキのクロスバイクを買ってもらいました。初めてスポーツバイクに乗れることが嬉しくて、いつものように友人と遠征に出かけたときに事故に遭いました。

 2人で縦に並んで坂道を下っていたとき、前を走っていた友人が、”車止めのポール”を避けるために急に横に進路変更したんです。が、それが見えていなかった僕は慌てて急ブレーキをかけました。当然ブレーキがロックし、気づいたら身体が宙を舞っていました。

 飛んでいる間は、動画をスローモーションで観ているようでした。「落ちたら痛いだろうな」とか考えていましたね。着地の仕方が良かったのか、骨折も頭部損傷もなく、手足の擦り傷とアザだけで済みました。でも頭から落ちていたら大変なことになっていたはずです。ちなみにそのときはヘルメットを被っていませんでした。

バイクを乗り換えたときは“性能差”に注意すべし

 ママチャリってブレーキの効きが甘くって、思い切り引いてもロックしなかったりするでしょう? それまでママチャリしか乗ったことがなく、クロスバイクの「Vブレーキ」の制動力を理解していませんでした。同じ感覚でクロスバイクのVブレーキを強く、しかも下り坂でかけてしまったんです。そりゃあロックもしますよね。

(イメージ写真)(イメージ写真)

 バイクは右に倒れ、ディレーラーハンガーが折れてペダルが回らなくなりました。当然、遠征は中止です。友人と4時間かけて バイク押して徒歩で帰宅しました。この事故体験が今も根深く残っていて、それ以来、安全運転には人一倍気を遣うようになりました。もちろん、ヘルメットやライト等の安全装備は欠かせません。その後、高校2年のときにロードバイクを買い、現在(22歳)まで5年間無事故で過ごせています。

 スポーツバイク初心者の方は、Vブレーキの制動力をご存知ない場合もあるでしょうから、バイクを乗り換えたときは“性能差”に注意してほしいです。マンガの影響で、「トレインを組んで車間距離を詰めて走ると、空気抵抗を減らせて速くなる!」と形だけのマネはしないでください。ロードバイクが出せるスピード、ブレーキ性能、制動距離といった“できること&できないこと”を理解して制御できるようにしておかないと、大事故につながります。

5年間、無事故で過ごせた理由

 この事故以来、無事故でいられた理由ですか? 心がけているのは「かもしれない運転」です。「たぶん大丈夫だろう」と楽観的に走ることの逆で、悪いシナリオを想像しながら走ります。

 たとえば、『止まれ』 の標識がなく、ノーブレーキで通過してしまってよいかどうかがわからない小さな交差点が連続する住宅街ってありますよね。左右の確認が面倒で、つい突っ走ってしまいたくなるものですが、僕はいちいち「車(&歩行者等)が飛び出してくるかも」って意識を持ってスローダウンします。交差点だけではなく、ダウンヒル時のコーナーとか、大きな交差点を走っているときも同じ意識で、「何かあったら止まれる」程度のスピードにコントロールします。

住宅街はスローダウンして走ろう(イメージ写真)住宅街はスローダウンして走ろう(イメージ写真)

 あと、当たり前のことですが、交通ルールをしっかり守る。モラルの問題としてだけではなく、ルールを守ることで、万が一事故ったとしても「相手(&警察)にキッチリ主張できる」じゃないですか。自分が不利にならないよう、己の身を守る意味でも交通ルールを順守しています。

ソロで走るときもハンドサインを出す

 それ以外にも個人的な心がけがいくつかあります。まず、グループライドで走るとき、知らない人がいたら出発前に積極的に声をかけてコミュニケーションをとっておきます。仲良くなりたいのはもちろん、事前にひと言でも声を交わしておくことで、走行中のコミュニケーションがとりやすくなるんです。名前を知らず、話したこともない相手と走りながら会話をするのは難しいですし、声をかけるかどうか迷うことにもなり、良いことはありません。

 走行中、仲間との間の意思疎通はすごく重要です。真後ろや真横を走っている人と意思疎通ができないって、不安に感じますよね? 僕は積極的にハンドサインと声で周囲とやりとりするタイプで、たとえばハンドサインはなるべく大きな動作で目立つようにします。

周囲とのコミュニケーションが重要(イメージ写真) Photo: Junji NAKAYAMA周囲とのコミュニケーションが重要(イメージ写真) Photo: Junji NAKAYAMA

 仲間内のグループライドはもちろん、ソロで走っているときもやりますよ。後ろにいるのはアカの他人ですけれど、サイクリストとして当然のマナーだと思うので。ロードバイクだから出す、ママチャリだから出さないって区別もいちいちしません。照れがあるのか、やろうとしないローディが少なくないですが、絶対にやるべき。

 公道を走る軽車両同士なんですし、お互い事故を起こしたくありませんからね。車を運転するときを考えてみてください。他人も知人も車種も走行スピードも関係なくウインカーを常に出すでしょう? 出すべきか出さざるべきかなんて迷いません。それと同じです。

 ただし、峠を下っているときはハンドサインを出せないときもあるので、そういうときは、大声でやり取りします。あと、夜間を走るときはハンドサインがそもそも目視されにくいので、穴ボコや障害物の存在を知らせるために声を多用します。

初めは照れるけど、すぐに慣れるハンドサイン

 実は、ハンドサインを使うようになったとき、「あいつ、なに大げさなことやってんだ」って思われるんじゃないかって、照れがありました。でも、何事も慣れですよ。習慣にすればどうということもありません。ハンドサインの種類はさほど多くなく、「右左折、止まれ、スピード落とせ、(歩行者や停車した車を避けるために)左右に寄れ」くらいで事足ります。

 あと、サイクリングロードで“車止めのポール”を前方に見つけたとき、「道路幅が狭くなっているから一列になれ」って伝えていることですね。ハンドサインは、人差し指を腰に当てて示しています。

 ハンドサインって覚えられないほど種類があるわけじゃないし、直感的にわかるものばかり。常にハンドサインを出すってマイルールにしておくといいですよ。

 

<今回の教訓>

「ハンドサイン 出さざるべきか 出すべきか 迷っているなら 出していこうよ」

(取材・編集 中山順司)

中山 順司中山 順司(なかやま・じゅんじ)

ロードバイクをこよなく愛するアラフォーブロガー。ブログ「サイクルガジェット」を運営。”徹底的&圧倒的なユーザー目線で情熱的に情報発信する”ことがモットー。ローディの方はもちろん、これからロードバイクを始めようかとお考えの方が、「こんなコンテンツを読みたかった!」とヒザを打って喜ぶ記事をつくります。

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