高い完走率を目指す公道レース若手ロード選手の育成を地域と企業がサポート 「益田チャレンジャーズステージ」開催

by 松尾修作 / Shusaku MATSUO
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 U23(23歳以下)とジュニアカテゴリーの選手の育成を目的としたサイクルロードレース「Audi presents(アウディプレゼンツ)益田チャレンジャーズステージ」が11月15日、島根県益田市で開催された。U23クラスは柴田雅之(龍谷大学)が実業団チーム「コラッジョ川西」の3人の追撃を振り切って独走で優勝。U19カテゴリーは亀谷昌慈(岐阜第一高校)、U17カテゴリーは谷和也(市立堺高校)が制した。

「Audi presents 益田チャレンジャーズステージ」U23クラスのスタート Photo:Shusaku MATSUO「Audi presents 益田チャレンジャーズステージ」U23クラスのスタート Photo:Shusaku MATSUO

エントリーは2年連続で増加

 益田チャレンジャーズステージは、2013年のプレ大会を含めて3回目の開催で、今大会は「全日本学生ロードレースカップ・シリーズ第10戦西日本ラウンド」との併催となった。

ドイツの高級車「アウディ」がサポートカーを提供した Photo:Shusaku MATSUOドイツの高級車「アウディ」がサポートカーを提供した Photo:Shusaku MATSUO

 エントリー数は2年連続で増加し、86人の若手選手が益田の特設コースに集まった。全クラスとも距離は71km。起伏に富みながら、コーナーや平坦がバランス良く組み合わさった14.2kmのコースを5周して争われた。なお、日本自転車連盟(JCF)の主管大会となり、10位までに入った選手には全日本選手権への参加資格が与えられた。

若手育成のコンセプトを徹底

 レース当日は朝まで降った雨が路面を濡らし、落ち葉などでタイヤが滑りやすいコースコンディションに。スタートすると、1周目に各クラスで落車が散発し、序盤から集団がバラける展開となった。U23クラスはコラッジョ川西の選手が先頭に集まってチームプレーを見せるも、隙をついて飛び出した柴田がラスト2周を独走してフィニッシュした。

独走でフィニッシュラインを切る柴田雅之 Photo:Shusaku MATSUO独走でフィニッシュラインを切る柴田雅之 Photo:Shusaku MATSUO
U23の終盤、逃げる柴田雅之を追うコラッジョ川西勢 Photo:Shusaku MATSUOU23の終盤、逃げる柴田雅之を追うコラッジョ川西勢 Photo:Shusaku MATSUO

 U19、U17クラスの勝敗は300m以上を見通せる最終ストレートでの集団スプリントに持ち込まれた。U19クラスは、亀谷が先行して仕掛けるなか、吉岡衛(奈良北高校)が並びかけ、フィニッシュラインで両者が競り合うも、ハンドルを投げた亀谷が僅差で制した。

 若手育成というコンセプトは、大会の随所で徹底されている。例えば、他の公道レースでは、スタート直後に集団から1分遅れれば足切り(リタイア)となる場合もあるが、今大会ではコースの占有時間を長く取っていることもあり、たとえ1周遅れになっても選手に完走してもらえるよう主催者側が配慮した。

僅差となったU19クラスのゴールスプリント Photo:Shusaku MATSUO僅差となったU19クラスのゴールスプリント Photo:Shusaku MATSUO
斜度7%の上り区間で集団はバラバラになっていった Photo:Shusaku MATSUO斜度7%の上り区間で集団はバラバラになっていった Photo:Shusaku MATSUO

誰にもチャンスがある“バランス型”コース

 UCIアジアツアーでコミッセール経験が豊富な菊池津根徳審判長は、「若手を育成するうえでレースの“完走”経験は重要。道路使用の許可が厳しく、足切りのリミットがタイトな日本のレース環境において、選手によっては益田が初めての完走になる場合もあるでしょう。それをきっかけに成長し、他のレースでの結果につなげてもらいたい」と、完走率アップを目指す理由を明かした。

 大会に協賛した学研ホールディングスの古岡秀樹取締役は、「2020年に東京五輪の開催を控え、スポーツに励む若手選手のための大会を、教育に関わる企業として応援している。環境に優しい自転車の分野をサポートできる機会と捉え、今後も支援していきたい」と期待を込めて語った。

U17の表彰式。(左から)2位の奥村十夢(榛生昇陽高校)、優勝した谷和也(市立堺高校)、3位の日野秦静(チームグロシャ) Photo:Shusaku MATSUOU17の表彰式。(左から)2位の奥村十夢(榛生昇陽高校)、優勝した谷和也(市立堺高校)、3位の日野秦静(チームグロシャ) Photo:Shusaku MATSUO
U19の表彰式。(左から)2位の吉岡衛(奈良北高校)、優勝した亀谷昌慈(岐阜第一高校)、3位の平林楓輝(松山聖陵高校) Photo:Shusaku MATSUOU19の表彰式。(左から)2位の吉岡衛(奈良北高校)、優勝した亀谷昌慈(岐阜第一高校)、3位の平林楓輝(松山聖陵高校) Photo:Shusaku MATSUO
U23の表彰式。(左から)2位の下島正輝(コラッジョ川西)、優勝した柴田雅之(龍谷大学)、3位の米田彰(コラッジョ川西) Photo:Shusaku MATSUOU23の表彰式。(左から)2位の下島正輝(コラッジョ川西)、優勝した柴田雅之(龍谷大学)、3位の米田彰(コラッジョ川西) Photo:Shusaku MATSUO

 コース監修は日本ナショナルチームの浅田顕監督が行った。上りが得意な選手、平坦が得意な選手の両方に活躍のチャンスがある“バランス型”のコースも、完走率が高い要因の一つだろう。菊池審判長は、このコースで全日本選手権やUCI 1クラスのレース開催も可能だと語る。

 今大会を主催した「益田市・町おこしの会」では、「最寄りの萩・石見空港から東京の羽田空港までは約1時間45分、空港からコースまではクルマで15分。往復航空券は事前予約すれば1万3000円台で購入でき、関東から遠征するハードルは高くない。今後もこのコースで全国大会クラスのレースを開催していきたい」と、益田市でロードレースを盛り上げていく意気込みを語り、選手たちにさらなる参加を呼びかけた。

U23クラスリザルト
1 柴田雅之(龍谷大学) 1時間56分51秒
2 下島正輝(コラッジョ川西) +46秒
3 米田彰(コラッジョ川西) +1分6秒
4 柳瀬慶明(コラッジョ川西) 1分49秒
5 井上奉紀(島根大学サイクリング部) +3分10秒
6 谷順成(関西大学) +3分11秒

U19クラスリザルト
1 亀谷昌慈(岐阜第一高校) 2時間1分32秒
2 吉岡衛(奈良北高校) +0秒
3 平林楓輝(松山聖陵高校) +1秒
4 菅原悠斗(岐阜第一高校) +2秒
5 浜田大雅  +2秒
6 村田雄耶(VC fukuoka) +3秒

U17クラスリザルト
1 谷和也(市立堺高校) 2時間1分33秒
2 奥村十夢(榛生昇陽高校) +0秒
3 日野秦静(チームグロシャ) +0秒
4 平林飛都(松山聖陵高校) +4秒
5 松田祥位(岐阜第一高校) +6秒
6 小笠原匠海  +5分1秒

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