熊谷賢輔の「世界をつなぐ道」<3>道路もお店も快適な“ロードバイク向きの町” 米アラスカ州フェアバンクス

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 世界一周の旅のスタート地点であるアンカレッジを出発してから、10日間かけて約600kmを、北に向かって走った。そこには、アラスカ州で2番目に大きな町「フェアバンクス」がある。人口約3万5000人、近隣の自治体含めると約9万人になる。

旅路で出会った夫婦。一緒に2週間のロングツーリングなんて羨ましいなぁ Photo: Kensuke KUMAGAI旅路で出会った夫婦。一緒に2週間のロングツーリングなんて羨ましいなぁ Photo: Kensuke KUMAGAI
アウトドア専門店もあるので、必要な用品を揃えられる Photo: Kensuke KUMAGAIアウトドア専門店もあるので、必要な用品を揃えられる Photo: Kensuke KUMAGAI
「イラシャイ(?)」という日本料理店。食事も多様性に富んでいる Photo: Kensuke KUMAGAI「イラシャイ(?)」という日本料理店。食事も多様性に富んでいる Photo: Kensuke KUMAGAI
大きなスーパーがあり、モノの値段が安いのが嬉しい Photo: Kensuke KUMAGAI大きなスーパーがあり、モノの値段が安いのが嬉しい Photo: Kensuke KUMAGAI

ロード乗りが多いフェアバンクス

まばゆいばかりのドーナツコーナー。ちなみに僕が好きなのは「ボストンクリーム」 Photo: Kensuke KUMAGAIまばゆいばかりのドーナツコーナー。ちなみに僕が好きなのは「ボストンクリーム」 Photo: Kensuke KUMAGAI

 フェアバンクスには、マクドナルド、ケンタッキーフライドチキン、サブウェイなど大手飲食チェーン店が軒を連ね、活気がある。大きなスーパーもあるので、食料調達に困ることがなかった。ほぼ毎日、約100kmを走る僕の身体は、糖分を異様に欲する身体になってしまった。そのため、アメリカで売っているやたら甘いドーナツが、僕の身体を喜ばせてしまう。

 生活するうえでは、全く不自由が無い町フェアバンクス。さてサイクリストにとっては、どんな町だろう?

フェアバンクスに近づくと、サイクリングロードが出現 Photo: Kensuke KUMAGAIフェアバンクスに近づくと、サイクリングロードが出現 Photo: Kensuke KUMAGAI
町の中心街ダウンタウン近辺。市内をチェナ川が流れている Photo: Kensuke KUMAGAI町の中心街ダウンタウン近辺。市内をチェナ川が流れている Photo: Kensuke KUMAGAI

 基本的にクルマ社会のアメリカでは、自転車を中心に生活する人は少ない。それでも、町にはサイクリングロードがそこここに整備されている。上手くサイクリングロードを使えば、信号に捕まらないでポタリングを楽しむことができる。

 僕がフェアバンクスに来てから驚いたのは、ロードバイクに乗っている人々が多いことである。この町よりも、はるかに多い人口を有するアンカレッジと比べてである。僕の推測では、町から郊外へ出るのが簡単なので、ロードバイクのサイクリストにとっては、とても都合の良い町なのだろう。中心街から30分も走れば、自然が豊かな道路が出現する。郊外に出てしまえば、信号がないのでペダルを漕ぎ放題である。トレーニングをするにも、もってこいの町だ。

空が広いので天気の良い日に走ると本当に気持ちがいい Photo: Kensuke KUMAGAI空が広いので天気の良い日に走ると本当に気持ちがいい Photo: Kensuke KUMAGAI
ファミリーで走る姿も多数目撃した Photo: Kensuke KUMAGAIファミリーで走る姿も多数目撃した Photo: Kensuke KUMAGAI
もちろん市内にもサイクリングロードがある Photo: Kensuke KUMAGAIもちろん市内にもサイクリングロードがある Photo: Kensuke KUMAGAI
少し郊外に行けば開けた土地に出る Photo: Kensuke KUMAGAI少し郊外に行けば開けた土地に出る Photo: Kensuke KUMAGAI
郊外に出ると路肩も広く、本当に走りやすい道になる Photo: Kensuke KUMAGAI郊外に出ると路肩も広く、本当に走りやすい道になる Photo: Kensuke KUMAGAI

サイクリングショップも点在

アウトドア総合ショップ「REI」 Photo: Kensuke KUMAGAIアウトドア総合ショップ「REI」 Photo: Kensuke KUMAGAI

 僕が調べた限りだと、フェアンバクスの町には3軒のサイクリングショップがある。ひとつはアンカレッジにもあったアウトドア総合ショップ大手の「REI」。ひと通りの自転車パーツ、アウトドア関連商品があるので、このお店一軒で用事を全て終わらせることができるのが魅力だ。

 もうひとつが「ビーバースポーツ」。フェアバンクス大学近くにあるアウトドアショップで、サイクリング以外にもカヌーや登山などのアウトドア用品を数多く取り揃えている。

 そして、最後に僕がオススメする「Gold stream」。町の中心街から西へ10kmほど離れたところにある。中心街のみで過ごすなら、まず訪れないようなお店…今回はこちらのお店に突撃取材をした。

「ビーバースポーツ」http://www.beaversports.com Photo: Kensuke KUMAGAI「ビーバースポーツ」http://www.beaversports.com Photo: Kensuke KUMAGAI
「Gold stream」http://goldstreamsports.com Photo: Kensuke KUMAGAI「Gold stream」http://goldstreamsports.com Photo: Kensuke KUMAGAI

ショップスタッフはアイアンウーマン

 町の中心街から必死に漕いで、1時間ほどかけて「Gold stream」にやっと到着した。本当なら30分ほどで到着するところだが、中心街で出会ったサイクリストに道を聞いて行ったら、見当違いの場所に出てしまったのだ(こら!どこを教えたんだ!)。

 敷地内ではさっそく、マウンテンバイクやファットバイクなどの自転車たちがお出迎え。郊外だけあって、土地を広く使っている。駐車場も広い。

外には多くの種類の自転車が展示してあった Photo: Kensuke KUMAGAI外には多くの種類の自転車が展示してあった Photo: Kensuke KUMAGAI
天井が高いので、自転車本体は空中展示 Photo: Kensuke KUMAGAI天井が高いので、自転車本体は空中展示 Photo: Kensuke KUMAGAI
Gold streamは、トレックのコンセプトストアだ Photo: Kensuke KUMAGAIGold streamは、トレックのコンセプトストアだ Photo: Kensuke KUMAGAI
カタログを見ながら商品を選ぶお客 Photo: Kensuke KUMAGAIカタログを見ながら商品を選ぶお客 Photo: Kensuke KUMAGAI

 店内を見渡すと、フェアバンクスの3つのサイクリングショップの中ではダントツで自転車の種類が揃っていた。4人のスタッフは、自転車部門のセールスが2人、スキースノーボード部門が1人、オーナーが1人。自転車担当のステーシー(34)に色々話を聞いた。

今回話をさせてもらったステーシー Photo: Kensuke KUMAGAI今回話をさせてもらったステーシー Photo: Kensuke KUMAGAI

 彼女は先日、ロングディスタンスのトライアスロン「アイアンマンレース」に完走し、鉄人の仲間入りを果たしたという。アイアンウーマンである。同店オーナーのジョエル(45)も完走したというのだから驚きだ。僕にとって、アイアンマンになることも夢の一つ。どんなポテンシャルを持っているのか気になったので、失礼ながら彼女の身体を上から下まで見てしまった。もちろん憧れの目を持ってだ。

 アイアンマンレースに出ているスタッフ達の声には、大きな説得力がある。このアクティブな姿勢が、お店の信頼にもつながっているのだろう。僕が訪問している間にも、クルマにロードバイクを積んだ人たちが多く訪れていた。

商品の品出しをするスタッフのマルコム(51) Photo: Kensuke KUMAGAI商品の品出しをするスタッフのマルコム(51) Photo: Kensuke KUMAGAI
メンテナンススタッフの方は不在だった Photo: Kensuke KUMAGAIメンテナンススタッフの方は不在だった Photo: Kensuke KUMAGAI
オーナーのバイク。プロジェクトワンで電動デュラエース仕様のマドン! Photo: Kensuke KUMAGAIオーナーのバイク。プロジェクトワンで電動デュラエース仕様のマドン! Photo: Kensuke KUMAGAI
レースに使用したステーシーの愛車 Photo: Kensuke KUMAGAIレースに使用したステーシーの愛車 Photo: Kensuke KUMAGAI
ファットバイクに試乗させてもらいました! Photo: Kensuke KUMAGAIファットバイクに試乗させてもらいました! Photo: Kensuke KUMAGAI
帰り際にマルコムが見送りにきてくれた Photo: Kensuke KUMAGAI帰り際にマルコムが見送りにきてくれた Photo: Kensuke KUMAGAI

旅の新アイテムを購入

 アンカレッジからフェアバンクスまでの約600kmの道のりは、途中、観光地で有名なデナリパークに寄って、ゆっくりとした時間を過ごした。自然の広さや奥行き、山々の大きさは、日本では見ることができないスケール感。そんな贅沢な景色を観ることができるオススメコースだった。

今回の旅で初のキャンプ。久しぶりのキャンプだったので、少し緊張した Photo: Kensuke KUMAGAI今回の旅で初のキャンプ。久しぶりのキャンプだったので、少し緊張した Photo: Kensuke KUMAGAI
カメラの三脚を持っていないので、自撮りが大変。苦心の1枚 Photo: Kensuke KUMAGAIカメラの三脚を持っていないので、自撮りが大変。苦心の1枚 Photo: Kensuke KUMAGAI
雄大な自然の中、必死にペダルを漕ぎ進めた Photo: Kensuke KUMAGAI雄大な自然の中、必死にペダルを漕ぎ進めた Photo: Kensuke KUMAGAI

 フェアバンクスに到着してから新しく購入したアイテムは「自転車ミラー」だ。後ろから接近してくる車を確認する際、それまでは身体を反転させて後ろを向いてたが、僕の場合は車体のバランスを崩す可能性が大きく危険だった。実際、転びそうになった経験がある。ミラーを使うことで、目線を動かすだけで安全に後方確認ができる。とても良い買い物をした。テープでヘルメットに固定するタイプで、22ドルだった。

ミラーはヘルメットにテープで付けるタイプ Photo: Kensuke KUMAGAIミラーはヘルメットにテープで付けるタイプ Photo: Kensuke KUMAGAI
前回の記事で書いた濾過ポンプが活躍。ボトル1本に30プッシュで満杯 Photo: Kensuke KUMAGAI前回の記事で書いた濾過ポンプが活躍。ボトル1本に30プッシュで満杯 Photo: Kensuke KUMAGAI

自転車に乗って外へ飛び出そう

バケーションを利用してフェアバンクスに来た夫婦 Photo: Kensuke KUMAGAIバケーションを利用してフェアバンクスに来た夫婦 Photo: Kensuke KUMAGAI

 まだ夏の時期だったので、多くのサイクリストがロングツーリングやトレーニング、ポタリングを楽しんでいた。普段は見ることができない大自然を感じるために、バケーションを利用する人。仕事を退職したので、夢の一つであるロングツーリングを実現させている人。冬は積雪が多いので、雪が降っていない夏にこそトレーニングをする人。走る理由は人それぞれ違う。それでも「楽しいから走る」ということは、皆一緒だった。

 歩くよりも遠くへ、車を運転するよりも近くへ。今まで行ったことがない場所を目指して、自分の力をペダルに込めて走ってみよう。自転車だからこそ辿りつける場所に「楽しい」が待っているはずだ。

トレーング中のサイクリスト Photo: Kensuke KUMAGAIトレーング中のサイクリスト Photo: Kensuke KUMAGAI
キャンプ場を案内してくれたオッチャン Photo: Kensuke KUMAGAIキャンプ場を案内してくれたオッチャン Photo: Kensuke KUMAGAI
熊谷 賢輔(くまがい・けんすけ)熊谷 賢輔(くまがい・けんすけ)

1984年、横浜生まれ。法政大学文学部英文学科を卒業後、東京3年+札幌3年間=6年間の商社勤務を経て、「自転車で世界一周」を成し遂げるために退社。世界へ行く前に、まずは日本全国にいる仲間達に会うべく「自転車日本一周」をやり遂げる。現在はフリーライターの仕事をする傍ら、3年をかけて自転車世界一周中。
オフィシャルサイト「るてん」 http://ru-te-n.com/

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