2015 ジャパンカップ オープンレース高校生の梶原悠未がジャパンカップ女子で初優勝 男子は山本大喜、清宮洋幸が勝利

by 米山一輝 / Ikki YONEYAMA
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 「2015ジャパンカップ サイクルロードレース」のアマチュアのロードレースが10月17日、宇都宮市森林公園を会場とする周回コースで開かれ、オープン女子では今年の世界選手権ロード女子ジュニア4位だった梶原悠未(筑波大学附属坂戸高校)がエリート選手を打ち破って初優勝を遂げた。オープン男子の第1組は山本大喜(鹿屋体育大学)、2組は清宮洋幸(チャンピオンシステム)がそれぞれ優勝した。

残り200mからスプリントを開始した梶原悠未(筑波大学附属坂戸高校)が金子広美(イナーメ信濃山形)を下してジャパンカップ女子を初制覇 Photo: Ikki YONEYAMA残り200mからスプリントを開始した梶原悠未(筑波大学附属坂戸高校)が金子広美(イナーメ信濃山形)を下してジャパンカップ女子を初制覇 Photo: Ikki YONEYAMA

 翌日行われるプロのロードレースと同じ、1周回10.3kmのコースを使用してのレース。オープン女子は3周・30.9km、男子は7周・72.1kmで争われた。

上りを耐え切った梶原がスプリントで完勝

 オープン女子は、一昨年の優勝者の金子広美(イナーメ信濃山形)が上りで積極的にペースアップし、徐々に集団は絞られていった。2周目の古賀志林道の上り頂上では金子と梶原の2人となるが、下りで上野みなみ(鹿屋体育大学)、合田祐美子(BHアスティーフォ)、坂口聖香(パナソニックレディース)が追い付き、5人の先頭集団で最終周回へと突入した。

スタート直後から梶原が集団先頭に立ち積極的な姿勢をみせる Photo: Ikki YONEYAMAスタート直後から梶原が集団先頭に立ち積極的な姿勢をみせる Photo: Ikki YONEYAMA
古賀志林道の上りでは金子が先頭でペースを作る Photo: Ikki YONEYAMA古賀志林道の上りでは金子が先頭でペースを作る Photo: Ikki YONEYAMA
5人に絞られて最終周回に入った女子先頭集団 Photo: Ikki YONEYAMA5人に絞られて最終周回に入った女子先頭集団 Photo: Ikki YONEYAMA

 3周目の上りでも金子が強力にペースアップし、頂上では梶原をも離して単独で通過した。一時は独走での逃げ切りを狙った金子だが、下りで梶原が追い付き、そこからは協調してゴールを目指した。3番手を走る上野が2人を追い込むが届かず、先頭2人のゴールスプリント争いとなり、トラックレースでも活躍する梶原が金子を寄せ付けずこれを制し、ジャパンカップ初優勝を飾った。

東京五輪の金メダルが目標と明言する梶原 Photo: Ikki YONEYAMA東京五輪の金メダルが目標と明言する梶原 Photo: Ikki YONEYAMA

 ゴール後、「すごく嬉しい」と話した梶原。高校3年生で、まだジュニアカテゴリーに属しているが、「ジュニアのレースは世界選手権で終わったので、(来年昇格する)エリートへの挑戦、また昨年15位と惨敗したリベンジも含めて、今年は優勝を狙って走りました」とコメント。2位の金子とは4日前まで、全日本チームの合宿で練習を共にした。ライバルの脚質を熟知して攻撃をしのぎ、最後はイメージ通りの展開に持ち込んで勝利した。

 今年の全日本選手権ロード女子エリート3位の金子を破っての優勝だが、1位の萩原麻由子(ウィグル・ホンダ)、2位の與那嶺恵理(サクソバンクFX証券)は今大会に出場しておらず、“女王対決”は来年に持ち越された。梶原は「(萩原、與那嶺の)2人はとても強いと思うので、全日本選手権でしっかり勝負に加われるよう力をつけていきたい」と意欲をみせた。

 2020年の東京オリンピックでの金メダル獲得を最終的な目標に掲げる。大学に進学する来年の目標を聞かれると、「2月のアジア選手権で、しっかり萩原選手をアシストして金メダルを狙う。世界選手権にもエリート1年目から出場するのが目標です」と話した。

得意の逃げを決めた山本

後半に抜け出した2選手 Photo: Ikki YONEYAMA後半に抜け出した2選手 Photo: Ikki YONEYAMA

 ジュニアとU23の選手が争ったオープン男子第1組は、大学自転車競技の雄、鹿屋体育大学勢が序盤から積極的な展開を見せた。レース後半には山本が樋口峻明(京都産業大学)と2人で抜け出し、やがて山本が単独で先頭に立った。集団に30秒あまりの差を付けて最終周回に突入した山本が、そのまま追走をかわしてガッツポーズでゴールに飛び込んだ。

 自らアタックしたという山本は、「スプリントでは絶対に勝てないので、逃げ切りで勝ってやろうと思っていました」と勝利のポイントを語る。今年の学生個人タイムトライアル王者とあって独走力は抜群。「平坦なら追い付かれないという自信があった。(最終周回で)下りきってからは勝てると思いました」と話した。

集団を振り切ってガッツポーズでゴールする山本 Photo: Ikki YONEYAMA集団を振り切ってガッツポーズでゴールする山本 Photo: Ikki YONEYAMA
レース後の山本(左)。鹿屋体育大学自転車競技部の黒川剛監督(中央)、オープン女子3位の上野みなみ(右)と Photo: Ikki YONEYAMAレース後の山本(左)。鹿屋体育大学自転車競技部の黒川剛監督(中央)、オープン女子3位の上野みなみ(右)と Photo: Ikki YONEYAMA

 山本は大学2年生。4歳年上の兄・元喜(NIPPO・ヴィーニファンティーニ)が目標と語る。兄と同じくアタックが身上で、今季はツール・ド・北海道や国体ロードであわや勝利かという逃げをみせたが、あと一歩で届かなかった。念願の逃げ切り勝利を挙げると同時に、大学進学後、初めて大きなロードレースでの勝利を手にした。

スプリントに賭けた清宮

 エリート(23歳以上)の選手が争ったオープン男子第2組では、アタックと吸収を繰り返しながら、徐々にスタート時の大集団が細分化されていった。最終の7周目には、佐野千尋(サイクルフリーダムレーシング)が単独で先行し、15秒差で11人の集団が追う展開に。佐野が捕まったあと、今度は才田直人(レモネード・ベルマーレ)が抜け出すが、これも捕まり、ゴールスプリント勝負となった。中村龍太郎(イナーメ信濃山形)が力強いスプリントをみせたが、これを後ろから差し切った清宮が優勝した。

上りを走る序盤のオープン男子第2組の集団 Photo: Ikki YONEYAMA上りを走る序盤のオープン男子第2組の集団 Photo: Ikki YONEYAMA
残り1周に入る男子第2組のメーン集団 Photo: Ikki YONEYAMA残り1周に入る男子第2組のメーン集団 Photo: Ikki YONEYAMA
ゴールスプリントで清宮洋幸(チャンピオンシステム)が、現・全日本個人タイムトライアル王者の中村龍太郎(イナーメ信濃山形)を下して優勝 Photo: Ikki YONEYAMAゴールスプリントで清宮洋幸(チャンピオンシステム)が、現・全日本個人タイムトライアル王者の中村龍太郎(イナーメ信濃山形)を下して優勝 Photo: Ikki YONEYAMA
優勝した清宮。笑顔があふれる Photo: Ikki YONEYAMA優勝した清宮。笑顔があふれる Photo: Ikki YONEYAMA

 清宮は2013年にツール・ド・おきなわの市民210kmを制した経験のある強豪市民レーサー。レース後は「ビッグレース2勝目。狙っていたので嬉しいですね」と喜びをあらわにした。本来は逃げて勝負するタイプだが、レース展開で逃げが決まらないと判断し、残り2周から完全にゴールスプリント狙いに切り替えて、脚を溜めながら走ったという。

 最後は中村の後ろという絶好の位置から、完璧なスプリントを決めた。清宮は「おきなわ、ジャパンカップと勝ったので、あとは乗鞍を獲りたい」と目標を語った。

オープン女子(30.9km)
1 梶原悠未(筑波大学附属坂戸高校) 57分16秒
2 金子広美(イナーメ信濃山形) +2秒
3 上野みなみ(鹿屋体育大学) +3秒
4 坂口聖香(パナソニックレディース) +46秒
5 合田祐美子(BHアスティーフォ)
6 西加南子(ルミナリア) +2分04秒

オープン男子 第1組(72.1km)
1 山本大喜(鹿屋体育大学) 1時間57分55秒
2 岡本隼(日本大学) +9秒
3 中井唯晶(京都産業大学)
4 塩田航平(早稲田大学)
5 小林泰正(日本体育大学)
6 米谷隆志(ウォークライド)

オープン男子 第2組(72.1km)
1 清宮洋幸(チャンピオンシステム) 1時間59分00秒
2 中村龍太郎(イナーメ信濃山形) +0秒
3 辻本尚希(スミタ・エイダイ・パールイズミ・ラバネロ)
4 佐野千尋(サイクルフリーダムレーシング)
5 ⻘木峻二(ウォークライド)
6 平野真一(東京ヴェントス) +4秒

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