新チームの監督らと記者会見「歴史あるチームの経験を感じたい」 新城幸也がランプレ・メリダ移籍の抱負語る

by 米山一輝 / Ikki YONEYAMA
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 2016年シーズンにUCIワールドチーム「ランプレ・メリダ」に移籍する新城幸也(チーム ヨーロッパカー)が10月16日、「ジャパンカップ サイクルロードレース」出場のため滞在中の宇都宮市内で記者会見を行った。15日の移籍発表から一夜明けて、新チームの監督らとともに登壇した新城は、移籍に至った経緯と心境を語り、「まだ走っていないレースも、もっと走りたいレースもある」と新天地での活躍に意欲を見せた。

ランプレ・メリダへの移籍発表会見を行った新城幸也。来シーズン着用するジャージを手に笑顔を見せた Photo: Naoi HIRASAWAランプレ・メリダへの移籍発表会見を行った新城幸也。来シーズン着用するジャージを手に笑顔を見せた Photo: Naoi HIRASAWA

ステップアップを目指し移籍を決断

スーツ姿で会見に登場した新城幸也 Photo: Naoi HIRASAWAスーツ姿で会見に登場した新城幸也 Photo: Naoi HIRASAWA

 2009年のBbox・ブイグテレコム(当時)加入以来、チームスポンサーが変わっても一貫して、ジョンルネ・ベルノドーGMが率いるチームで走り続けてきた新城。しかし、チームのメーンスポンサーであるヨーロッパカーが今季限りで撤退することになり、次のスポンサーがなかなか決まらなかったことや、新城自身が今年のツール・ド・フランスの出場メンバーから漏れたことから、移籍先を探すことになった。

 その後、チームの来季のメーンスポンサーに、ダイレクトエナジー社が決定。新城も一時はチーム残留を考えたという。しかし、チームの予算規模が縮小される点や、現在のチームカテゴリー(上位から2番目のUCIプロコンチネンタルチーム)では、新城が得意とするアムステルゴールドレースなど、多くのワールドツアーレースに出場できない点、そして新城とチームの同期で親交が深かったピエール・ローラン(フランス)ら親しい選手が次々移籍を決めたことで、新城もチームを去る決心をした。新チームとの契約発表が遅くなったのは、日本国内の個人スポンサーとの調整に時間がかかったためだという。

ランプレ・メリダに移籍する来シーズンに向け意気込みを語った新城幸也 Photo: Naoi HIRASAWAランプレ・メリダに移籍する来シーズンに向け意気込みを語った新城幸也 Photo: Naoi HIRASAWA
新城幸也のランプレ・メリダ移籍発表会見 Photo: Naoi HIRASAWA新城幸也のランプレ・メリダ移籍発表会見 Photo: Naoi HIRASAWA

 新城は「7年間、フランスのチームで走って、グランツール8回など、たくさんの大きなレースでいろんな経験をしてきたが、まだまだ走っていないレースも、もっと走りたいレースもある。今あるワールドチームで一番歴史があるのがランプレ・メリダ。長い間ワールドツアーでいる経験を感じたく、また自分も違う国のチームも経験したいと思った」と移籍に至った心境を語った。

 アマチュア時代から13年間をフランスで過ごしてきた新城にとって、イタリアはほとんど未知といっていい土地だ。イタリア語に関しては「今年の冬にがんばって身につけたい」というが、「自転車チームは、走って脚で会話できるので不安はない」とも話した。移籍先を決める際には、言葉や住む場所よりも、チームが出場できるレースや、チームの運営体制が重要だったという。

「逃げを決められるのが魅力」ブルーノ・ヴィチーノ監督

ジャパンカップでランプレ・メリダを指揮するブルーノ・ヴィチーノ監督が会見に出席 Photo: Naoi HIRASAWAジャパンカップでランプレ・メリダを指揮するブルーノ・ヴィチーノ監督が会見に出席 Photo: Naoi HIRASAWA

 ランプレ・メリダで10年来スポーツディレクター(監督)として指揮をとるブルーノ・ヴィチーノ氏は、今年のブエルタ・ア・エスパーニャの指揮を執った際に、チーム上層部より新城の走りをチェックするよう伝えられていたという。

 ヴィチーノ監督は「とてもアクティブな選手で、逃げを決められるのが魅力」と新城の印象を話す。チームにとって初めての日本人選手となるが、「チームには現在タイ、中国、ポルトガルや東欧出身の選手もおり、国際色が豊かなので問題ない。価値のある選手に満足している」と語った。

「日本人初のグランツール1勝を」高谷信一郎ミヤタサイクル社長

メリダを日本で取り扱うミヤタサイクルの高谷信一郎社長 Photo: Naoi HIRASAWAメリダを日本で取り扱うミヤタサイクルの高谷信一郎社長 Photo: Naoi HIRASAWA

 日本国内でメリダの自転車を輸入販売するミヤタサイクルの高谷信一郎社長は、「日本、さらにはアジアを代表するトップライダーとして活躍する新城選手が、メリダファミリーの一員になるということに喜びを感じています」と歓迎した。

 また、ランプレ・メリダが昨今、チームに絶対的エースを置かず、伸び盛りの若手や熟練のベテランをバランス良く配置していることに触れ、「新城選手のグランツールでの日本人初の1勝も、可能性が高まっているのでは」と期待を寄せた。そして新城に対し、「ぜひ1勝を勝ち取って、日本のサイクルスポーツの転機にしてほしい。私たちミヤタサイクル、メリダも新城選手の活躍を全面的にバックアップします」とエールを送った。

日本国内のレースにも意欲

 ランプレ・メリダに正式に契約の意思を伝えたのは、わずか2日前だという新城。来季のスケジュールに関しては現時点で全く白紙というが、「チームが決まったことで、来年に向けてのモチベーションはすごくあります」と目を輝かせた。来年はリオデジャネイロ・オリンピックをはじめ、今年出られなかったツール・ド・フランスでの活躍も狙う。

 ほかにも、これまで出場した経験のないドバイやオマーンのレース、そして得意とするアムステルゴールドレースやツアー・ダウンアンダーなど、ワールドツアーのレース出場に意欲を見せた。イタリア籍のチームに移籍することで、イタリア国内で行われる未経験のレースにも参戦してみたいという。

ジャパンカップなど、日本で行われるレースでの活躍にも意欲をみせる Photo: Naoi HIRASAWAジャパンカップなど、日本で行われるレースでの活躍にも意欲をみせる Photo: Naoi HIRASAWA

 ランプレ・メリダが今年まで3年連続で5月のツアー・オブ・ジャパン(TOJ)に参戦しているため、同レースへの新城の凱旋出場も期待される。新城は「(同じ5月開催の)ジロ・デ・イタリアに出てしまうとTOJには出られないし、その後ドーフィネに出るとなると(間隔が)1週間と近すぎる」と指摘。その上で「年間プログラムを立てて、実際に大丈夫なら出たい。日本人なので日本のレースで勝ちたい」と意気込んだ。チームはジャパンカップでも常連であることから、ジャパンカップでの勝利にも意欲を見せた。

 チームの印象については「ブエルタで逃げに乗った2回とも、ランプレ・メリダの選手に勝たれて悔しかった」と笑いながら、「僕が狙ったステージでもランプレ・メリダは3人逃げに選手を乗せていて、脚の似た選手が多いのかなといった印象がある」と語る。チームにはイタリア人が多いため、これまでほとんど話す機会はなかったというが、「明日から早速コミュニケーションしていきたい」と語った。

ジャパンカップに向け「体はフレッシュ」

 18日に開かれるジャパンカップサイクルロードレースに向け、新城は「昨年90レース走ったところを、今年は56レースと少ないので体はフレッシュ。昨日の夜に着いたばかりで時差ぼけもありますが、日曜日にはしっかりコンディションを合わせたい」と抱負を語った。

 注目すべきライバル選手としては、ランプレ・メリダのディエーゴ・ウリッシ(イタリア)を挙げた。「アブダビの頂上ゴールでも5位と成績を残しているので、ひとつ飛び抜けている印象。明後日はランプレトレインにちょっとだけ入れてもらって走ろうかな」と笑顔で語った。

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2015 ジャパンカップ メリダ 新城幸也

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