激しさと美しさを持つ魅惑の競技ドイツU19選手と交流 サイクルサッカーとサイクルフィギュアの「ジャパンカップ」

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 室内自転車競技の国際交流試合「ジャパンカップ」が9月20、21日、大阪市北区の梅田東コミュニティ会館で開かれ、強豪国ドイツのジュニア選手たちが来日して参戦。日本のトップ選手たちと競い、技を磨きあった。またドイツの選手たちは近郊の養護学校や小学校を訪問し、生徒・児童たちとの交流会で室内自転車競技の技を披露した。(中尾亮弘)

室内自転車競技のサイクルフィギュア(左)とサイクルサッカー Photo: Akihiro NAKAO室内自転車競技のサイクルフィギュア(左)とサイクルサッカー Photo: Akihiro NAKAO

“サイクルポロ”から発展

 室内自転車競技には「サイクルサッカー」と「サイクルフィギュア」の2つの種目がある。

 サイクルサッカーは、普通のサッカーと同様に、ボールを自転車の車輪で蹴ってゴールに入れ、勝敗を決める競技だ。その歴史は古く、1891年にイギリスでサイクルポロとして考案され、1918年にサッカー用のボールを使用してサイクルサッカーとなり、天候に左右されずに開催される室内競技となった。1927年にヨーロッパ選手権がドイツで行われ、1930年にはUCI(国際自転車競技連合)の公認競技になった。

ゴール際のせめぎ合い Photo: Akihiro NAKAOゴール際のせめぎ合い Photo: Akihiro NAKAO
ゴールに向けてシュートを放つ Photo: Akihiro NAKAOゴールに向けてシュートを放つ Photo: Akihiro NAKAO

 ゲームは2人1組でボールを自転車の前輪で蹴りあいゴールにシュートして得点を競いあう。試合は7分間の2ゲーム制、おおまかなルールはサッカーと同じで、ペナルティーエリアでは手でボールを扱うことができる。特徴的なのは自転車から落車したらファールを取られることだ。

スケートと同様にペア競技も

 一方、サイクルフィギュアはアイススケートのフィギュア競技と同じく自転車に乗って演技し、採点で勝敗が決まる。サイクルフィギュアも歴史が古く、19世紀から始まり1928年にドイツ選手権が開かれ、1956年から世界選手権へと発展してきた。

ドイツ選手の演技レベルは高い Photo: Akihiro NAKAOドイツ選手の演技レベルは高い Photo: Akihiro NAKAO
サイクルフィギュアではペア競技も行われる Photo: Akihiro NAKAOサイクルフィギュアではペア競技も行われる Photo: Akihiro NAKAO

 演技者は30種目の中から演技科目を選び音楽と共に提出し、5分間の間に演じなくてはなくてはならない。提出された演技科目の点数から技術点と演技点が評価され、減点方式で採点が決まる。一人での演技の他にペア競技もあり高い技術力が求められる。

 日本では1957年に学生からサイクルサッカーの普及がスタート。サイクルフィギュアの方は1978年に日本サイクルサッカー連盟内から委員会が立ち上がり、後に日本室内自転車競技連盟へと発展した。現在、競技人口は約200人と言われている。2001年に鹿児島県加世田市で世界選手権を、千葉県沼南町でアジア選手権大会を開催するなど国際試合も多く行われ、日本はアジアとヨーロッパの中においても室内自転車競技に力を入れている国といえる。

見ごたえあるテクニック 驚きの連続

 今回の大会は、強豪国ドイツのジュニア選手との交流試合として10年前から行われてきた。ジュニアといえども技術力は高く、サッカー、フィギュアともに見ごたえのあるテクニックが繰り出され、観客も驚きの連続だった。

選手は狭いコートを自転車でボールを操る Photo: Akihiro NAKAO選手は狭いコートを自転車でボールを操る Photo: Akihiro NAKAO

 サイクルサッカーはボールのせめぎ合いの展開が速く、各チーム2人ずつしかいないので同時に攻める際に気を配らないと、ゴールの空いている隙をついてボールが入ってしまう。サッカーのドリブルと同じくボールの奪い合いに、選手が勢い余ってコートのサイドに激突することもあり、激しい試合展開で目が離せない。

サイクルサッカーはボールを前輪で操る Photo: Akihiro NAKAOサイクルサッカーはボールを前輪で操る Photo: Akihiro NAKAO
全日本選手権女王の佐藤凪沙選手 Photo: Akihiro NAKAO全日本選手権女王の佐藤凪沙選手 Photo: Akihiro NAKAO

 それとは打って変わり、音楽に乗せて演じられるサイクルフィギュアは優雅そのもの。自転車の上で立つ演技も様々あり、それぞれが常識では考えられないポーズなので見るものを圧倒。一つ一つの演技が決まると会場から拍手が起こる。ペア演技も披露され、2人が自転車に乗りながらの演技、それから1台の自転車に2人が乗っての演技は予想がつかない演技のたびにどよめきが起こった。日本とドイツの国際試合ということもあり、観客からの応援に力が入る。

一台の自転車に二人が乗って演技をする Photo: Akihiro NAKAO一台の自転車に二人が乗って演技をする Photo: Akihiro NAKAO

固定ギアの専用自転車

ジャパンカップは梅田東コミュニティ会館で行われた Photo: Akihiro NAKAOジャパンカップは梅田東コミュニティ会館で行われた Photo: Akihiro NAKAO

 大会はサッカーとフィギュアともにドイツ選手団が勝利して交流大会は終了となった。室内自転車競技はマイナーと言われるものの、今回大阪の中心部である梅田という多数の人が行き交う繁華街で、興味を持って見にこられる方も多く、そして競技の面白さに気づいたのではないだろうか。練習場所すら少ない競技ではあるものの、見る人たちを魅了する技は必見だろう。大会があれば是非観戦してほしい。

サイクルフィギュアの自転車に挑戦 Photo: Akihiro NAKAOサイクルフィギュアの自転車に挑戦 Photo: Akihiro NAKAO
日本とドイツの交流試合は盛況で終了した Photo: Akihiro NAKAO日本とドイツの交流試合は盛況で終了した Photo: Akihiro NAKAO

 競技の合間に体験コーナーとして各競技自転車に乗ることができたので、サイクルサッカーの自転車に乗る事ができた。固定ギアなので逆回転をすれば後退やブレーキがかけれる事、またツノのようなハンドルで素早く動く事ができる。しかしボールを扱うとなるとこれは相当難しい。前輪を上げシュートと打つ動作は選手の練習によるたまもの。そしてあんなに激しく相手とボールの奪い合いをすると思うととても選手を尊敬できるのではないだろか。

ドイツ選手にはハチマキがプレゼントされた Photo: Akihiro NAKAOドイツ選手にはハチマキがプレゼントされた Photo: Akihiro NAKAO

養護学校と小学校を訪問

 またドイツ選手団は来日の際に交流試合の間に学校訪問をした。

奈良県立奈良養護学校でのドイツ選手との交流会 Photo: 日本室内競技連盟提供奈良県立奈良養護学校でのドイツ選手との交流会 Photo: 日本室内競技連盟提供

 一つ目の訪問先は奈良県立奈良養護学校で、恒例となった「サイクルサッカーvs電動車椅子サッカー」では、電動車椅子に座った生徒とドイツ選手との試合や、生徒からパスを受けてドイツ選手がシュートするといった交流会が行われた。

 また二つ目の訪問先である神戸市立だいち小学校では、生徒達はサイクルフィギュアの演技に驚き、ドイツ人選手達は生徒から質問攻めにあった。

「はじめて見た自転車」に乗せてもらう児童 Photo: 日本室内競技連盟提供「はじめて見た自転車」に乗せてもらう児童 Photo: 日本室内競技連盟提供

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