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RENの「自転車のススメ」<17>信号のない田舎道を満喫した「益田INAKAライド」 まぶしい緑の中を500人が疾走

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足首の調子はかなり良くなってきています。イベント会場でも温かいお言葉をもらい嬉しいです! Photo: REN足首の調子はかなり良くなってきています。イベント会場でも温かいお言葉をもらい嬉しいです! Photo: REN

 すっかり涼しくなりサイクリングの秋到来!…ですが、前回の記事でも書いたとおり、モーターサイクルで足首をけがして思うように走り回れないRENです(完治までもう少しかかりそうです)。今回は島根県益田市で9月7日に行われた、私の秋の恒例参加イベントとなっている「益田INAKA(イナカ)ライド」のレポートをお届けします。

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スタート時には降っていた雨もすっかり上がり、沿道から温かい応援をもらう。この地でこのイベントが開催されるのは4度目。変わらない景色がある Photo: RENスタート時には降っていた雨もすっかり上がり、沿道から温かい応援をもらう。この地でこのイベントが開催されるのは4度目。変わらない景色がある Photo: REN

全国から500人以上がエントリー

 私が「益田INAKAライド」を訪れるのは今年で3回目。すでに故郷に帰るような気分になっています。昨年一昨年の大会には「青春18きっぷ」を使って延々電車に揺られる輪行の旅でしたが、今回は飛行機でバビューンと移動です。眼下に関東地方ではなかなかお目にかかれない赤瓦の屋根を見下ろしつつ、萩・石見空港へ降り立ちました。

先程、飛び立った飛行機に想いを馳せ、現役の飛行場を走る。この益田INAKAライドの最大のハイライトでもあります(写真は2014年大会) Photo: REN先程、飛び立った飛行機に想いを馳せ、現役の飛行場を走る。この益田INAKAライドの最大のハイライトでもあります(写真は2014年大会) Photo: REN

 益田市は島根県の西に位置し、山と木々に包まれた緑豊かな場所です。日本最西端の豪雪地帯である匹見地区を擁し、河川はとても澄んでいて、国土交通省の水質ランキング1位の川「高津川」があるほどです。天然の鮎が名物であることも納得ですね。

 大会は今年で4回目となり、比較的アクセスが楽な関西・中部地方を中心に、知名度と参加人数はどんどん増えています。今年はなんと!全国から500人を超えるエントリー。もちろん私と同じように関東からの参加者もいます。行きの羽田からの飛行機には、座席数が約150と決して大きくはないエアバスA320に、10個以上の輪行バッグが載っていました。

 今回、私はまだ走れないため、カメラマンに徹しました。それでも、前回大会の記事を読んでくれたCyclistの読者に、何人もめぐり合うことができました。

 益田に少し恩返しをできたかなと思っています。

 昨年の大会は台風一過の晴天に恵まれましたが、今回は残念ながら雨に見舞われてしまいました。台風も迫っていましたが、幸いなことにその影響は秋雨前線を刺激する程度で、風が強くならなかったのが救いでした。これなら何とかなりそうだと大会は決行の判断。ホッと一安心です。ただ、事故防止のために難易度の高い下りコースはキャンセルとなりました。

田舎を味わうライドイベント

前日の受付をしてくれたのは、地元の美女達。「お兄さんはどこから来たの?」「何回目?」質問攻めです Photo: REN前日の受付をしてくれたのは、地元の美女達。「お兄さんはどこから来たの?」「何回目?」質問攻めです Photo: REN

 大会前日の受付で、すでに慌しく奔走する人が…。

 「自転車ライドイベントを開催するというのは、とってもハードルが高いんです」と話すのはNPO法人益田市・町おこしの会理事長の吉村修さん。これまでにない参加人数にかなり緊張している様子です。

 500人の参加者が走るとなると、落車はもちろん、コースを間違えて行方不明になるトラブルも起きやすくなります。ライドイベント中の迷子って、実はかなり多いのだそうです。疲れてくると判断力が鈍くなり、それで道を間違えてしまうのだとか。

 また、益田市の方々がボランティアスタッフとして協力してくれているとはいえ、スタッフの人数には限りがあり、エイドでのおもてなしが行き届くかどうか心配だそうです。来年も再来年もという気持ちでアテンドしようとする姿勢が伝わってきます。嬉しいですね。

今回は「チャリダー」の収録も。堤下敦さんと朝比奈彩さん Photo: REN今回は「チャリダー」の収録も。堤下敦さんと朝比奈彩さん Photo: REN

 大会当日のスタートは午前8時と、ロングライドイベントにしては比較的ゆっくりとしたスケジュールです。かなり雨足は強いのですが、「それでも走る!」と心に決めた沢山のライダーたちが、続々とスタート地点に集まってきます。肌寒い天候となりましたが、スタート地点は熱気であふれかえっていました。NHKの自転車番組「チャリダー」の撮影クルーも準備万端。タレントの堤下敦さんと朝比奈彩さんの姿もありました。

 大会の趣旨が「田舎を味わってもらおう」ということなので、参加スタイル(バイク&ウェア)は多種多様。ロードバイクはもちろん、クロスバイクやリカンベントの姿も見られました。かなり自由な雰囲気です。

スタート前、気持ちが折れそうな大雨。だが程なく小康状態に。日頃の行いが良いからか!? Photo: RENスタート前、気持ちが折れそうな大雨。だが程なく小康状態に。日頃の行いが良いからか!? Photo: REN
先導は島根県警の交通機動隊。大会スポンサーであるアウディがその後ろを走る。豪華! Photo: REN先導は島根県警の交通機動隊。大会スポンサーであるアウディがその後ろを走る。豪華! Photo: REN

レベルに合わせて選べるさまざまなコース

相川将インストラクターを先頭に益田の地を走る。信号がないのでスーッと気持ちよく走れる Photo: REN相川将インストラクターを先頭に益田の地を走る。信号がないのでスーッと気持ちよく走れる Photo: REN

 コースは参加者それぞれのレベルに応じ、4kmから160kmまでさまざまな距離が用意されています。

 景色とコース、益田の全てを味わいたい人には最長の160kmコースがオススメです。日本代表ロードチームの監督も務めるエキップアサダの浅田顕監督が監修するレース「益田チャレンジャーズステージ」のコースも途中で通過します。さらに刺激が欲しい人は、元プロ選手の相川将さん(エキップアサダインストラクター)が牽引する本格的なトレインに加わって、たっぷり身体を追い込むことも可能です。

 一方、ロングライドを走ったことがない人や、スポーツサイクルに乗り始めたという人にピッタリなのが、最短の4kmコース。これは萩・石見空港の全長2kmの滑走路を往復するというもの。とっても気軽で、これなら補助輪が外れたばかりの子でも貴重な体験を共有できます。長い人生、楽しく走って自転車を好きになってもらいたいですよね!

稲刈り前の田園を行く。緑が眩しい。市街地を過ぎればこのような景色がずっと続く Photo: REN稲刈り前の田園を行く。緑が眩しい。市街地を過ぎればこのような景色がずっと続く Photo: REN
萩・石見空港では地元の高校生ブラスバンド部が参加者達を応援してくれる Photo: REN萩・石見空港では地元の高校生ブラスバンド部が参加者達を応援してくれる Photo: REN
高津川は、全国でも珍しいダムのない一級河川。刻々と表情を変化させる Photo: REN高津川は、全国でも珍しいダムのない一級河川。刻々と表情を変化させる Photo: REN
雨は止んだが巻き上げる雨水が恨めしい…。なんだこれくらい!と雨だが走る参加者がとても多かった Photo: REN雨は止んだが巻き上げる雨水が恨めしい…。なんだこれくらい!と雨だが走る参加者がとても多かった Photo: REN
空港ではANAのグランドスタッフまでもがお出迎え Photo: REN空港ではANAのグランドスタッフまでもがお出迎え Photo: REN
滑走路のみを走る4kmコースのスタート。老若男女、誰でもチャレンジできる距離です Photo: REN滑走路のみを走る4kmコースのスタート。老若男女、誰でもチャレンジできる距離です Photo: REN

 そして、そして!

 このCyclist読者である女性にオススメしたいのは…今回新たに設定された「ホッとHot70」というコース!

 なんと70kmのライドと温泉がセットになっています。ちょうど良い距離を走り、そのままザブンと温泉につかり、帰りはバスに乗って帰ってくる…なんと贅沢な。温泉の後のバス移動では、昼寝必至。これを極楽と言わず何と言いますか?(笑)

 乗ってきた自転車は、専用の段ボールで運搬されます。これは流行するかも!

待ちに待った日差しが! コースは秘境へ

匹見峡をゆく。見たことのない景色に思わず笑みがこぼれる Photo: REN匹見峡をゆく。見たことのない景色に思わず笑みがこぼれる Photo: REN

 100kmを走っても信号が一つもないというコースは、ストップ&ゴーがないおかげで、とても楽に距離を稼げます。

 中国地方は平野部が少ない地域。少し走れば住居もまばらになります。緑の中、川は大きくゆったりと湾曲し、わずかな上り勾配が心地よい。いつの間にか雨が上がり、待ちに待った日差しが! 参加者の皆さんの顔も晴れてきました。日頃の行いが良かったからかな?

 コースは全体的に整備が行き届いていましたが、匹見峡という渓谷へ突入すると、車1台がやっと通れる程度の道幅となり、ガードレールがプツリと途切れます。眼下に流れる清流日本一の匹見川は、雨で増水し、茶色く濁った荒々しい姿を見せていました。まさに秘境といった趣きに、少し身がすくむ思い。大自然を感じる非日常がここにはあります。

匹見峡の大自然の中に道路だけ敷いたような景色。圧倒されます Photo: REN匹見峡の大自然の中に道路だけ敷いたような景色。圧倒されます Photo: REN
エイドステーションでは地元のボランティアスタッフが今か今かと参加者の到着を待っている Photo: RENエイドステーションでは地元のボランティアスタッフが今か今かと参加者の到着を待っている Photo: REN
お待ちかねのランチタイム。このボリューム感…。左がうずめ飯。ご飯の下に薬味が隠れている。この地方を訪れた時は必ず食べてもらいたい Photo: RENお待ちかねのランチタイム。このボリューム感…。左がうずめ飯。ご飯の下に薬味が隠れている。この地方を訪れた時は必ず食べてもらいたい Photo: REN
地元の食材をふんだんに使った料理はどれも美味しい。きっと満足することができるでしょう Photo: REN地元の食材をふんだんに使った料理はどれも美味しい。きっと満足することができるでしょう Photo: REN
ナスの味噌漬けにサムアップ!言うことナス! Photo: RENナスの味噌漬けにサムアップ!言うことナス! Photo: REN
手作りのおいなりさん。疲れてきた身体に染み渡る良い塩梅で、つい食べ過ぎてしまいます Photo: REN手作りのおいなりさん。疲れてきた身体に染み渡る良い塩梅で、つい食べ過ぎてしまいます Photo: REN

走りに景色に食…田舎を満喫!

 「益田INAKAライド」の魅力は、走るだけではありません。大会の名物と言える各エイドステーションでは、トマト、きゅうり、ナス、杏仁豆腐、かき揚げ、うずめめし(豪華な薬味をご飯の下に隠し、慎ましく見せた時代からの郷土料理)といった食べ物が、「これでもか!」とばかりに振る舞われます。

 どれくらいかと言うと、周りには食べ過ぎて身動き出来なくなる人がいるほどです(笑)。この手のライドイベントでは補給食を持って走るのが一般的かもしれませんが、もしかしたら必要ないかも…。うっかりすると、カロリーオーバー必至です。

 中盤までは上り基調で、帰りは下り基調という嬉しいコースプロフィール。そして、信号がないことは思った以上に所要時間を短縮するようです。ゴール地点は、田舎を満喫しつつ、初めてのロングライドを完走をできたライダーたちであふれかえりました。

クロスバイクで気軽に参加できるところも良いところ。様々な距離を選ぶことができる Photo: RENクロスバイクで気軽に参加できるところも良いところ。様々な距離を選ぶことができる Photo: REN
参加者のみなさん。カメラを向けると皆さんニコリ Photo: REN参加者のみなさん。カメラを向けると皆さんニコリ Photo: REN
びっくりする位に沿道に並んで地元の方が応援してくれる。なんだか嬉し恥ずかしな気分です Photo: RENびっくりする位に沿道に並んで地元の方が応援してくれる。なんだか嬉し恥ずかしな気分です Photo: REN
中にはリカンベントで完走する人も Photo: REN中にはリカンベントで完走する人も Photo: REN
チャリダーのお二人のライドの結果は如何に?この模様は12月に放送されるそうです Photo: RENチャリダーのお二人のライドの結果は如何に?この模様は12月に放送されるそうです Photo: REN
トップ集団の記念撮影。全く違った場所から集まった方々、一緒に走ればこの通り一瞬で仲間になれますね! Photo: RENトップ集団の記念撮影。全く違った場所から集まった方々、一緒に走ればこの通り一瞬で仲間になれますね! Photo: REN

 皆、いい顔です。迎えるスタッフも同じようにいい顔。田舎で親戚同士が集まるような感覚とでもいうのでしょうか? ゆったりした時間がとても心地いいのです。

 来年の開催も楽しみですね! 天気が良くなることを祈って。

 「おばちゃん、おじちゃん、おばあちゃん、おじいちゃん、また会いましょう!」

小林 廉(こばやし・れん)/REN小林 廉(こばやし・れん)/REN

数々のCM・雑誌・ファッションショーで活躍するトップモデル。08年より本格的にスポーツサイクルに乗り始める。自転車媒体で見ない日はないというほどの“乗れるモデル”。アイアンマン北海道完走。特技はウィリー(映像を見る)。身長188cm、体重74kg。千葉県在住。オフィシャルブログ「REN’s World」。取材のお問い合わせはStudioREN(http://studio-ren.jimdo.com)まで

2015年益田INAKAライド公式ムービー

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