県が新設した保険には4万人が加入安全守れ! 自転車保険の義務化が兵庫県でスタート 加入率低く「PR必要」の声も

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 自転車をめぐるマナーや事故の社会問題化を受け、全国で初めて、自転車利用者に保険加入を義務付ける取り組みが10月1日、兵庫県で始まった。自転車は健康志向や手軽さで人気が高まっている半面、悪質運転や事故に伴う高額賠償の問題などがあり、安全運転への意識を高めるのが狙い。県交通安全協会が制度導入に合わせて新設した保険には4万人以上が加入したが、県民の自転車保有台数からみると、普及にはほど遠く、利用者からは「周知不足だ」との声も聞かれる。

自転車販売店で自転車保険について説明する男性店員(右)=10月1日午前、神戸市中央区のヤマダサイクルセンター(沢野貴信撮影)自転車販売店で自転車保険について説明する男性店員(右)=10月1日午前、神戸市中央区のヤマダサイクルセンター(沢野貴信撮影)

どこで手続きをしていいのか…

 「保険には入ってません」

 1日朝、銀行に自転車でやってきた神戸市長田区の無職の男性(74)はこう話した。加入義務化のことは知らなかったといい、「どこで手続きをしていいかもわからない。義務化を知っていれば入るかどうか考えた。もっとPRが必要ではないか」と話した。

 条例は、自転車利用者の保険加入や、販売店に対して利用者の保険加入の確認などを義務付けた。4月施行で、半年の周知期間の後、1日に義務化が始まった。

 条例は、自転車と歩行者の事故が増加したり、多額の賠償が発生する深刻なケースがあったりするために制定された。兵庫県内では、自転車と歩行者の事故は2004年に93件だったが、14年には179件に増加している。

「けんみん自転車保険」4万2000人が加入

 条例の施行に合わせ、県交通安全協会は、損保会社と連携して「ひょうごのけんみん自転車保険」を創設、加入者は1日時点で約4万2000人に達した。

 だが、県内の自転車保有台数は約330万台。13年調査で自転車保険の加入率は24.3%で、自転車を複数保有していたり、民間の保険を利用している数を考慮しても、まだまだ普及にはほど遠いといえる。

 神戸市中央区三宮町のヤマダサイクルセンターではこの日、店員が修理などに訪れた客に、自転車保険の加入の有無を確かめたり、保険加入の義務化を説明したりしていた。同店の藤本一宏マネジャー(26)は「条例施行の4月以降、購入者の加入率はほぼ100%。ただ、店に来て初めて義務化を知る人が約半数なので、もっと周知が必要だと思う」と話していた。

■相次ぐ重大事故、高額賠償のリスクも

 警察庁によると、自転車が絡む交通事故は平成26年に約10万9000件発生し、うち542件で死者が出た。車が相手の事故が8割超だが、自転車同士や歩行者との事故も約5400件あり、4人が死亡している。
 
道路交通法上、自転車は軽車両で、法令違反すれば刑事罰が科される。事故を起こし、相手にけがをさせると賠償責任を負うことになるが、近年は訴訟で高額賠償を命じられるケースも相次いでいる。
 
神戸地裁は平成25年、自転車に乗っていた当時小学5年の男児が歩行者の60代女性に衝突し、重傷を負わせた事故をめぐり、男児の母親に約9500万円の支払いを命令。横浜地裁も17年、携帯電話を操作しながら自転車を運転していた女子高生が女性に衝突した事故で、女子高生側に約5000万円の賠償を命じた。
 
兵庫県警交通企画課の枡田教利次席は「自転車は一歩間違えれば人を死なせるリスクがある乗り物。自転車保険に加入することで、リスクから身を守る意識を強く持ってほしい」としている。

《兵庫県の自転車条例》
歩行者や自転車が安全に通行し、安心して暮らすことなどを目的とし、自転車の適正利用や自転車損害賠償保険などへの加入の義務付けを盛り込んだ。保険は、未成年者の場合は保護者が、従業員が業務で自転車を利用する際は、事業者に加入義務がある。自転車事故の際に相手の損害を補償できる保険であれば種類は問わない。罰則は設けられていない。

産経WESTより)

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