2カ月半の長期インプレッション<後編>ヒルクライム、ロングライド… ROTORのQ-RINGSを付けてフィールドに飛び出した

  • 一覧

 ロードバイク歴2年未満のオッサン(44歳)がROTORの楕円リング「Q-RINGS」を2カ月半試用してのインプレッション。前回の「装着&ツーリング・通勤編(リンク挿入)」に続き、今回は第2弾「ロングライド&ヒルクライム編」として、様々なライドに出かけてのレポートをお届けする。 (中山順司)

ヒルクライムレースの前は、脚が売り切れないか不安だった Photo: Junji NAKAYAMAヒルクライムレースの前は、脚が売り切れないか不安だった Photo: Junji NAKAYAMA

<前編>意外なほど違和感がなかった楕円チェーンリング

前回のおさらい:楕円リングへの誤解について

普段、スペイン製の製品に縁がないので、「メードインスペイン」がなぜかうれしい Photo: Junji NAKAYAMA普段、スペイン製の製品に縁がないので、「メードインスペイン」がなぜかうれしい Photo: Junji NAKAYAMA

 楕円リングと聞いて、「ペダリングしにくいに決まっている」とイメージする方が多い気がするので、ひとつ誤解を解いておきたい。これは自分自身が勘違いしていたことだが、楕円リングだからといって、“脚が楕円に回る”わけではない。

 リングは楕円でも、脚は真円を描く。ここ、重要。負荷が3~4時でちょっと重くなるだけで、けっして足の動きが従来のクランクと異なる回り方をするのではない。

 筆者も、Q-RINGS を愛車に装着して手でクランクを持ってぐるぐる回してみるまでは、「クランクを楕円に回すって、相当慣れが必要だよな…」と勘違いをしていた。恥ずかしい。穴があったら入りたい。

 繰り返す。楕円リングで脚は楕円に回らない。負荷が大きくなるポイントがあるだけである。それではライドへと出発しよう。

ショートヒルクライム編 ~つまごいパノラマライン~

 JR吾妻線の長野原草津口駅(群馬県長野原町)から「つまごいパノラマライン」を抜け、北軽井沢を経由して再び草津長野原駅まで戻るルート(約80km)を走ってみた。えげつない斜度はないものの、最大斜度は9%程度あって楽ではない。平均はたぶん6度くらいか。

 Q-RINGS での登坂は不安だった。貧脚ということもあって軽めのギアで回して登るスタイルなのだが、トルクがかかる箇所のせいで「スムーズなペダリングができなかったらイヤだな」と心配していた。 ※ちなみにギア比は50-34T(フロント)×12-25T(リア)

長野原草津口駅からパノラマラインを目指します Photo: Junji NAKAYAMA長野原草津口駅からパノラマラインを目指します Photo: Junji NAKAYAMA
こんな平地はROTORにもってこい。これがずっと続けばいいのだが… Photo: Junji NAKAYAMAこんな平地はROTORにもってこい。これがずっと続けばいいのだが… Photo: Junji NAKAYAMA

 「途中で脚が売り切れるんじゃないか」、「25Tのギアすら回せなくなったらオシマイだ」と怯えながらのヒルクライムとなった。ところが、走ってみればとくに違和感も余計な疲労もなく、ふつうに登れる。もちろん、「楕円リングはヒルクライム向きか?」と問われたら、両手を上げて肯定はしない。高ケイデンスで登りたいのなら、真円リングのほうが走りやすいとは思う。

 ただ、たしかに一瞬ペダルが重くはなるけれど、脚に意識をすごく集中したら感じる程度であって、真円リングとさして違わない。貧脚の僕で問題ないのだから、脚のある人はなおさらだろう。

前半はひたすら上り。不安だったが問題なくクリアー Photo: Junji NAKAYAMA前半はひたすら上り。不安だったが問題なくクリアー Photo: Junji NAKAYAMA
激坂ではないものの、しんどい坂が延々と続きます Photo: Junji NAKAYAMA激坂ではないものの、しんどい坂が延々と続きます Photo: Junji NAKAYAMA

ロングヒルクライム編 ~ツールド妻有~

つまごいパノラマラインのときとは打って変わって、小雨が降って、ややウェットなコンディション Photo: Junji NAKAYAMAつまごいパノラマラインのときとは打って変わって、小雨が降って、ややウェットなコンディション Photo: Junji NAKAYAMA

 新潟県十日町市などで8月23日に開催されたサイクリングイベント「ツールド妻有(つまり)2015」の120kmコース(122km)でも試してみた。累計標高が約2000mというヒルクライム系ロングライドで、最大斜度は15%くらい。平均はたぶん7~8%。距離も長く、斜度もきつい、疲労度合いが読めないので、ペース配分がわからないままのスタートだった。

 序盤はQ-RINGSで気持よく走ることができた。しかし、50km地点を過ぎたあたりから疲労が溜まり、坂が苦しくなり始めた。延々と続くアップとダウン。S字カーブならではの「終りがわからない」心理的なキツさ。疲労が斜度によるものか、Q-RINGSによるものか、わからなくなってくる。斜度が10%以上になると、もはやリング形状云々の話ではない。楕円、真円どっちであろうがキツイのだ(笑)。

 ところで、アップダウンを無数に繰り返したせいで、数えきれないほどフロントディレイラーを操作したのだが、楕円リングであっても操作感は変わらない。ガチャガチャと音がすることもなく、レバーで何度も押しこむ必要もなく、終始スムーズに変速してくれたのは助かった。

終わりの見えない坂に心がやられそうになりつつも、休憩ポイントの補給食をモチベーションに頑張る Photo: Junji NAKAYAMA終わりの見えない坂に心がやられそうになりつつも、休憩ポイントの補給食をモチベーションに頑張る Photo: Junji NAKAYAMA
70kmを越えたあたりから、心が無の境地になっていく。楕円リング云々のことは、とっくに忘れてしまっていた Photo: Junji NAKAYAMA70kmを越えたあたりから、心が無の境地になっていく。楕円リング云々のことは、とっくに忘れてしまっていた Photo: Junji NAKAYAMA

 あと、ダウンヒルと平地はQ-RINGS が得意とする舞台。クランクが3~4時の位置になる瞬間に、ほんの少しトルクをかけるようにすると、気持ちよく回る。楕円であることで脚が混乱することはないどころか、楕円リングに乗っている感覚すらなく、無意識に高ケイデンスで回せる。ということで無事に完走。

ロングライド編 ~物見山~

妻有のエンドレスな坂に比べたら、物見山などカワイイものだ Photo: Junji NAKAYAMA妻有のエンドレスな坂に比べたら、物見山などカワイイものだ Photo: Junji NAKAYAMA

 東京近郊のサイクリストには有名な物見山(埼玉県東松山市)にも出かけた。埼玉県川口市から荒川を北上し、ホンダエアポート~川島町というルートの往復(120km)である。

 物見山までの道中はほぼ平地オンリー。やはりQ-RINGSは平地が一番気持ちよい。通常のシマノ・アルテグラの真円チェーンリングよりも巡航速度が少し高く(1~2km/hくらい)キープしやすい気がする。そのままずっと走っていたい気分だ。

 物見山は斜度がマイルドで距離は短い。けっして楽ではないけれど、ツールド妻有のエンドレスな坂で味わった絶望感はなく、楽しみながら上ることができた。調子に乗って周回コースを2周してみたが、さすがにしんどくなった(笑)。復路は下り基調なこともあり、Q-RINGSが本領を発揮してくれた。

坂を上り切った場所で一休み Photo: Junji NAKAYAMA坂を上り切った場所で一休み Photo: Junji NAKAYAMA
荒川はひたすら平地なので、行き帰りはROTORの恩恵を十分に受けることができた Photo: Junji NAKAYAMA荒川はひたすら平地なので、行き帰りはROTORの恩恵を十分に受けることができた Photo: Junji NAKAYAMA

このままずっと使いたい!

黒いシャマルミレのホイールとマッチしたROTORが、惚れ惚れするほどカッコイイ Photo: Junji NAKAYAMA黒いシャマルミレのホイールとマッチしたROTORが、惚れ惚れするほどカッコイイ Photo: Junji NAKAYAMA

 Q-RINGSを装着していると、行く先々でサイクリング仲間から「お、ローター使っているんだ!」とか「それ、もしかして楕円リングってヤツ?」と声をかけられた。チェーンリングの交換なんて気づかれないだろうと思っていたが、ローディの皆さんは目ざといですな。

 Q-RINGSでもヒルクライムではややキツイものの、ロングヒルクライムもこなせるし、なにより平地と下りがとにかく楽しい。しかも、マットブラックでレーシーなデザインが男らしくてカッコいい。フレームとホイールは「デザインで選べ」とはよく言うけれど、チェーンリングもそうだと思う。

 踏み心地にもすっかり慣れたことだし、元の真円チェーンリングには戻さず、このままずっとQ-RINGSを使いたい(笑)。

中山 順司中山 順司(なかやま・じゅんじ)

ロードバイクをこよなく愛するアラフォーブロガー。ブログ「サイクルガジェット」を運営。”徹底的&圧倒的なユーザー目線で情熱的に情報発信する”ことがモットー。ローディーの方はもちろん、これからロードバイクを始めようかとお考えの方が、「こんなコンテンツを読みたかった!」とヒザを打って喜ぶ記事をつくります。

この記事のコメント

利用規約順守の上ご投稿ください。

関連記事

この記事のタグ

ローター

  • 一覧

新着ニュース

もっと見る

ピックアップ

e-BIKE最新特集

スペシャル

自転車協会バナー

ソーシャルランキング

インプレッション

  • タイム
    アルプデュエズ01 ディスク

    ディスクブレーキで伝統の走りを進化

  • リブ
    AVAIL ADVANCED

    走る好奇心を止めない リブの新型‟無敵”ロードバイク

  • インプレッション一覧へ

    連載