トニー・マルティンは7位に沈むヴァシル・キリエンカが序盤からハイペースを維持し完勝 世界選男子エリート個人TT

by 福光俊介 / Syunsuke FUKUMITSU
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 アメリカ・バージニア州リッチモンドで開催されているUCIロード世界選手権は9月23日、個人タイムトライアル(TT)競技の最後を飾る男子エリートが行われ、ヴァシル・キリエンカ(ベラルーシ、チーム スカイ)が53.5kmのコースを平均51.368km/hで駆け抜けて初優勝を飾った。2位は9秒差でアドリアーノ・マローリ(イタリア、モビスター チーム)が、3位には27秒差でジェローム・コッペル(フランス、イアム サイクリング)が続いた。一方、この種目を2011年から3連覇し、今大会は2年ぶりの王座奪還を目指したトニー・マルティン(ドイツ、エティックス・クイックステップ)は7位に終わった。

ロード世界選手権の男子エリート個人タイムトライアルで初優勝を飾ったヴァシル・キリエンカ Photo: Yuzuru SUNADAロード世界選手権の男子エリート個人タイムトライアルで初優勝を飾ったヴァシル・キリエンカ Photo: Yuzuru SUNADA

 前回覇者ブラッドリー・ウィギンス(イギリス、チーム ウィギンス)の不参加により、第一人者のマルティンと、初優勝を狙う有力選手との戦いに注目が集まった男子エリート個人TT。エントリーした70選手のうち65選手が、キングス・ドミニオン・アミューズメント・パークのスタート台に立った。

 レース距離は53.5kmと個人TTとしては長く、細かなアップダウンが連続するものの、TTを得意とする選手には比較的走りやすいコースプロフィールだ。天候にも恵まれ、第1走者のマイケル・ヘップバーン(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ)から順に、1分30秒置きに選手がスタートしていった。

一時トップに立つ好タイムをマークし、3位に入ったジェローム・コッペル Photo: Yuzuru SUNADA一時トップに立つ好タイムをマークし、3位に入ったジェローム・コッペル Photo: Yuzuru SUNADA

 最初に平均時速が50kmを超えたのはマルチン・ビアロブロスキ(ポーランド、ワンプロサイクリング)。これをきっかけに好タイムが続出し、やがてコッペルが暫定1位に立った。

 優勝候補と目された選手たちは、いずれも最終盤でのスタート。ラスト10選手はグランツールやUCIワールドツアーでの活躍が光る選手たちだ。なかでも、ひときわハイペースで進んだのがマローリとキリエンカ。中盤以降、コッペルのタイムを上回りはじめたマローリと、第1計測地点からトップに立っていたキリエンカは、フィニッシュを目前に僅差の争いとなった。

トップと9秒差の2位になったアドリアーノ・マローリ Photo: Yuzuru SUNADAトップと9秒差の2位になったアドリアーノ・マローリ Photo: Yuzuru SUNADA

 先にマローリがフィニッシュ地点へとやってくると、コッペルのタイムを18秒更新し、暫定1位に立った。そして注目のキリエンカ。最終局面で現れる約300mの急坂も難なく上りきり、最終コーナーを曲がると、より一層ペダリングに力を込める。マローリの記録を9秒更新しトップに浮上した。

2年ぶりの優勝を狙うもタイムが伸びなかったトニー・マルティン Photo: Yuzuru SUNADA2年ぶりの優勝を狙うもタイムが伸びなかったトニー・マルティン Photo: Yuzuru SUNADA

 その後にスタートした優勝候補たちは、マルティンは序盤からペースが上がらず、トム・ドゥムラン(オランダ、チーム ジャイアント・アルペシン)は前日に臀部を痛めた影響でタイムが伸びない。またローハン・デニス(オーストラリア、BMCレーシングチーム)は中盤でバイクトラブルに見舞われ、いずれも首位に1分以上遅れてしまい、キリエンカの優勝が決まった。

マイヨアルカンシエルを着用してベラルーシ国旗を掲げるヴァシル・キリエンカ Photo: Yuzuru SUNADAマイヨアルカンシエルを着用してベラルーシ国旗を掲げるヴァシル・キリエンカ Photo: Yuzuru SUNADA

 山岳でのアシストや逃げでグランツールを沸かせるキリエンカだが、世界選手権との相性も抜群。個人TTではここ3年間、3位1回、4位2回となっており、今回ついにマイヨ・アルカンシエルを手繰り寄せた。2008年のトラック世界選手権でポイントレースを勝っており、キャリア通算では2枚目のアルカンシエルとなった。34歳とベテランの域に入っているが、年々円熟味を増している印象だ。

 2位マローリ、3位コッペルも、それぞれジュニア時代から将来を嘱望されてきた選手。大舞台でしっかりと結果を残し、キリエンカ同様に表彰台では笑顔がはじけた。

ロード世界選手権男子エリート個人タイムトライアルの表彰式。(左から)アドリアーノ・マローリ、ヴァシル・キリエンカ、ジェローム・コッペル Photo: Yuzuru SUNADAロード世界選手権男子エリート個人タイムトライアルの表彰式。(左から)アドリアーノ・マローリ、ヴァシル・キリエンカ、ジェローム・コッペル Photo: Yuzuru SUNADA

 ロード世界選手権はタイムトライアル種目が終了し、24日は休息日。ロードレースの公式練習が行われる。翌25日から競技が再開され、午前に女子ジュニア(64.9km)、午後に男子アンダー23(162.2km)が行われる。日本勢は、女子ジュニアに梶原悠未(筑波大学附属坂戸高)、男子アンダー23には小石祐馬(CCT p/b チャンピオンシステム)、徳田優(鹿屋体育大学)、岡篤志(エカーズ)、小橋勇利(JPスポーツテストチーム・マッサ・アンデックス)、面手利輝(エカーズ)がエントリーしている。

ロード世界選手権 男子エリート 個人TT(53.5km)
1 ヴァシル・キリエンカ(ベラルーシ、チーム スカイ) 1時間2分29秒 51.368km/h
2 アドリアーノ・マローリ(イタリア、モビスター チーム) +9秒
3 ジェローム・コッペル(フランス、イアム サイクリング) +27秒
4 ホナタン・カストロビエホ(スペイン、モビスター チーム) +29秒
5 トム・ドゥムラン(オランダ、チーム ジャイアント・アルペシン) +1分1秒
6 ローハン・デニス(オーストラリア、BMCレーシングチーム) +1分8秒
7 トニー・マルティン(ドイツ、エティックス・クイックステップ) +1分17秒
8 マチェイ・ボドナル(ポーランド、ティンコフ・サクソ) +1分17秒
9 マルチン・ビアロブロスキ(ポーランド、ワンプロサイクリング) +1分22秒
10 モレノ・モゼール(イタリア、チーム キャノンデール・ガーミン) +1分32秒

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