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ブエルタ・ア・エスパーニャ 現地レポート大舞台で祖国の英雄を称える熱狂的ファン 重みと輝きを増すスペイン一周レース

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 熱狂が続いたブエルタ・ア・エスパーニャは、9月13日に最終ステージが行われ、3週間にわたる戦いの幕を閉じた。灼熱のアンダルシアを出発し、おおよそ反時計回りにめぐったスペインの旅は、2年ぶりに首都マドリードが終着地となった。現地レポートの最終回は、選手たちを応援する各国のファンの熱狂ぶりに注目。また、マドリードで普及が進む最新レンタサイクルについてもお伝えしたい。 (マドリード 福光俊介)

首都マドリードで閉幕したブエルタ・ア・エスパーニャ2015 Photo: Yuzuru SUNADA首都マドリードで閉幕したブエルタ・ア・エスパーニャ2015 Photo: Yuzuru SUNADA

祖国の英雄を称えるファンの存在

 ブエルタの取材を通して日々感じていたことの1つに、コロンビア人応援団の多さが挙げられる。スタート地点にもフィニッシュ地点にも、どこへ行っても黄・青・赤のトリコロールがはためいている。コロンビア人ライダーがコースに姿を現すと、選手の名を呼んでの大合唱。多くの観客の中でも、コロンビア人応援団はひときわ盛り上がりを見せていた。

 コロンビアもスペイン語圏の国であり、また同国人選手が近年目覚ましい活躍を見せていることから、応援にも熱が入るのだろう。なかでもナイロアレクサンデル・キンタナ(モビスター チーム)への声援が圧倒的に多い。今大会はキンタナと同年齢のヨアンエステバン・チャベス(オリカ・グリーンエッジ)も総合5位に食い込んだが、ファンに聞くと「チャベスはこれからの選手だね」とのこと。

ファンが持つコロンビア国旗にサインするヨアンエステバン・チャベス。コロンビア人ファンが今後に期待をかける選手だ Photo: Syunsuke FUKUMITSUファンが持つコロンビア国旗にサインするヨアンエステバン・チャベス。コロンビア人ファンが今後に期待をかける選手だ Photo: Syunsuke FUKUMITSU

 コロンビア人応援団が多い理由を、今大会の取材に訪れていた同国の全国ネット局「カラコルTV」のクルーに質問してみた。スタッフのマリリンさんいわく、「応援団はスペイン在住のコロンビア人」なのだとか。このところスペインでは南米からの移民が多く、社会問題にもなっているが、彼らも職を求めてスペインへと渡ってきた人たちのようだ。

 ただ、応援が過熱するシーンも。最終ステージを無事に完走してチームバスへ戻ってきたロドルフォアンドレス・トレス(コロンビア、コロンビア)は、ファンに取り囲まれ、ボトルを強引に抜き取られそうになってしまった。トレスはさすがに呆れ顔で、「この状況には本当にビックリしているよ」と話した。

総合3位に入ったラファウ・マイカは表彰式を終えた足でポーランド人応援団の元へ Photo: Syunsuke FUKUMITSU総合3位に入ったラファウ・マイカは表彰式を終えた足でポーランド人応援団の元へ Photo: Syunsuke FUKUMITSU

 コロンビア以外にも、個人総合優勝に輝いたファビオ・アール(イタリア、アスタナ プロチーム)の出身地サルデーニャ島からやって来たファンや、ラファウ・マイカ(ポーランド、ティンコフ・サクソ)の大応援団など、国単位での応援活動は盛んだ。もちろん、日本からのファンもマドリードを訪れ、レースを終えた新城幸也(チーム ヨーロッパカー)を囲んで談笑を楽しんでいた。

最新レンタサイクルはすべて電動アシスト車

 マドリードもロンドン、パリといった各国の大都市と同様にレンタルサイクルが充実している。筆者がブエルタに帯同していた1週間は、大きな都市と言えば第17ステージのブルゴスくらいだったこともあり、街の中で自転車に乗る人を見かける機会は少なかったが、やはり首都マドリードは事情が違う。

BiciMADのレンタルサイクルスタンド。すぐに乗ることができ、自由に乗り捨てができる Photo: Syunsuke FUKUMITSUBiciMADのレンタルサイクルスタンド。すぐに乗ることができ、自由に乗り捨てができる Photo: Syunsuke FUKUMITSU
BiciMADの設置箇所マップ。約200カ所のレンタルスタンドが設けられている Photo: Syunsuke FUKUMITSUBiciMADの設置箇所マップ。約200カ所のレンタルスタンドが設けられている Photo: Syunsuke FUKUMITSU

 そのレンタルサイクルは2014年に導入された「BiciMAD」(ビシマド)と呼ばれるもので、最大の特徴はすべての自転車が電動アシスト車であることだ。当初は1500台が用意されサービスがスタートしたが、市民に好評ということもあり、少しずつ台数を増やしているそうだ。

 利用料金は30分0.5ユーロから。使用時間によって料金が変わるほか、1日、3日、5日の使い放題プランも設定。いまでは市内約200カ所もの貸出場所が設けられ、必要なときにすぐ乗ることができ、目的地の最寄スタンドで乗り捨てができるよう整えられている。

 マドリードへ旅行する際はこのレンタサイクルを活用してみてはいかがだろうか。鉄道や地下鉄など交通網は発達しているものの、各路線が複雑に折り重なって分かりにくいので、市内散策ではレンタルサイクルを利用した方が案外効率がいいかもしれない。何より、エコで健康的な乗り物であることがポイントだ。

来年はピレネー山脈やバスク州でのステージを計画

シベーレス広場に位置するコムニカシオス宮殿が、2年ぶりのブエルタ帰還に合わせてきらびやかにライトアップされた。来年もこの光景が選手・関係者、ファンの帰りを待つことになる Photo: Syunsuke FUKUMITSUシベーレス広場に位置するコムニカシオス宮殿が、2年ぶりのブエルタ帰還に合わせてきらびやかにライトアップされた Photo: Syunsuke FUKUMITSU

 ブエルタ・ア・エスパーニャ2015は、シベーレス広場の華やかなライトアップの中でフィナーレを迎えた。創設から80年を数え、開催回数も70回の節目となったスペイン一周レース。積み重ねてきた歴史は、これからもどんどんを重みと輝きを増していくことだろう。

 次回大会は2016年8月20日、スペイン北西部ガリシア州の都市オウレンセで開幕する。大会を主催するイベント会社のウニプブリクは少しずつ計画を具体化している段階で、ガリシア州では4ステージが行われる見通しだ。数々の名勝負が生まれたピレネー山脈でのルートや、バスク州のステージなどが今後明らかにされていく。プロトンが訪れるさまざまな街に思いを馳せつつ、熱き戦いを楽しみにしたい。

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