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ブエルタ・ア・エスパーニャ2015 第19ステージグジャールが24人の大逃げを制しステージ優勝 総合争いはドゥムランがリードを広げる

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 ブエルタ・ア・エスパーニャ第19ステージは9月11日、メディナ・デル・カンポからアビラまでの185.8kmで争われ、序盤から逃げグループでレースを進めたアレクシー・グジャール(フランス、アージェードゥーゼール ラモンディアル)がラスト22kmを独走しブエルタ初勝利。今季3勝目を挙げた。逃げメンバーを見送ったメーン集団は、ラスト2kmを切って大きく動き、マイヨロホのトム・ドゥムラン(オランダ、チーム ジャイアント・シマノ)が石畳の上りでアタックに成功。総合上位陣では最上位でフィニッシュし、ファビオ・アール(イタリア、アスタナ プロチーム)との総合タイム差を6秒に広げた。 (福光俊介)

見事な独走で勝利を挙げたアレシクー・グジャール(フランス、アージェードゥーゼール ラモンディアル) Photo: Yuzuru SUNADA見事な独走で勝利を挙げたアレシクー・グジャール(フランス、アージェードゥーゼール ラモンディアル) Photo: Yuzuru SUNADA

 熱戦続くブエルタは残り3ステージ。この日のコースはスタートから緩やかな上り基調が続き、105km地点で3級山岳が登場。約35km下ったのち、2級山岳アルト・デ・ラ・パラメーラを上る。頂上をクリアすると再び下り、アビラの街へと入る。ラスト2kmからは大きな石畳が敷き詰められた急斜面が待ち構える。2009年の第18ステージでもフィニッシュ地となっており、その時はフィリップ・ダイグナン(アイルランド、当時サーヴェロテストチーム)が勝利している。

 リアルスタートから6kmで24人の大きな逃げグループが形成。あっという間にメーン集団とのタイム差が開き、31km地点で10分20秒差に。その後もメーン集団がゆったりとしたペースを保ったこともあり、80km地点で16分もの大差がついた。

 淡々と進むかに見えたメーン集団ではトラブルが発生。マイヨロホのドゥムランと総合2位のアールが、落車に巻き込まれてしまったのだ。ドゥムランは数選手のアシストを受けながら集団に復帰したが、アールは2度にわたってドクターカーのチェックを仰ぎ、少なからずダメージを受けた様子だ。

 快調にペースを刻む逃げグループに対し、メーン集団はチーム ジャイアント・アルペシンがコントロールを担い、タイム差をコントロール。そのまま先行するメンバー逃げ切りを決めることが濃厚な状況となった。

世界遺産に登録されているアビラの街を行くプロトン Photo: Yuzuru SUNADA世界遺産に登録されているアビラの街を行くプロトン Photo: Yuzuru SUNADA

 残り40kmを前に、逃げメンバーの間にステージ優勝を意識した動きが起こり始める。ティアゴ・マシャド(ポルトガル、チーム カチューシャ)のアタックをきっかけに、マルケル・イリサル(スペイン、トレック ファクトリーレーシング)、グジャール、レオナルドファビオ・ドゥケ(コロンビア、コロンビア)らが次々と追走を試みる。イリサルはパンクでストップを余儀なくされたが、グジャールとドゥケがマシャドに追いつき、そのまま先頭グループを形成した。

 やがてドゥケが遅れ、グジャールとマシャドが先行するが、2級山岳途中の残り22kmでグジャールがマシャドを引き離し単独先頭に立った。その後方ではマキシム・モンフォール(ベルギー、ロット・ソウダル)、アンドレイ・アマドール(コスタリカ、モビスター チーム)、アマエル・モワナール(フランス、BMCレーシングチーム)がマシャドを吸収し、追走グループを形成した。

 残り10kmでは10秒差だったグジャールと追走グループだったが、下りで勢いを増したグジャールがタイム差を広げ、追撃の芽を摘むことに成功。フィニッシュ手前の石畳区間も力強いペダリングで上りきり、そのままステージ優勝のフィニッシュを迎えた。最終的に、後続とのタイム差は40秒以上に広げた。

 フランス期待の若手、22歳のグジャールにとってはうれしいグランツール初勝利。今季3勝目だが、これまで2回の勝利も終盤のアタックで勝負を決めており、今回も得意のパターンに持ち込んでステージ優勝を手に入れた形だ。

 レース後半に入っても先頭から17分以上の差となるなど、静かに進んだメーン集団だが、2級山岳の上りに入ってからモビスター勢がペースアップ。アレハンドロ・バルベルデ(スペイン)が再三アタックを試みるなど揺さぶりをかけたが、総合上位陣を振り落すところまでは至らない。バルベルデはやがて単独で飛び出し、集団に10秒近い差をつけるが、徐々にその差も縮まってきた。

総合首位のドゥムランがゴール前で鮮やかなアタック Photo: Yuzuru SUNADA総合首位のドゥムランがゴール前で鮮やかなアタック Photo: Yuzuru SUNADA

 迎えた最終局面。アビラ市街地へと入る石畳の上りで動いたのはジャイアント・アルペシンだ。スプリンターのジョン・デゲンコルプ(ドイツ)が一気にペースを上げバルベルデを捕まえると、ラスト1kmのフラムルージュ通過と同時にローソン・クラドック(アメリカ)がドゥムランを発射。この動きに対応できたのはダニエル・モレノ(スペイン、チーム カチューシャ)ただ1人だった。そのまま最終コーナーをクリアし、フィニッシュラインを通過。集団から飛び出し、追い上げたアールは3秒差にとどめるのがやっと。その他総合上位陣はドゥムランから9秒差でフィニッシュした。

ドゥムランに3秒引き離されてゴールした総合2位のアール Photo: Yuzuru SUNADAドゥムランに3秒引き離されてゴールした総合2位のアール Photo: Yuzuru SUNADA

 これにより、総合首位ドゥムランとのタイム差は2位アールが6秒、3位ホアキン・ロドリゲス(スペイン、チーム カチューシャ)は1分24秒に広がった。ドゥムランはレース後、「アシスト陣が素晴らしかった。私自身も調子のよさを感じていた。誰もが疲れを感じていた様子だったので、最終局面でトライしようと思った。この3秒は決め手となる可能性あるだけに、とても満足できるものだ」と話し、作戦が成功したことを強調した。

 新城幸也(チーム ヨーロッパカー)は、18分40秒差の66位でフィニッシュ。総合では76位とし、残る2ステージに臨む。

 続く第20ステージは、サン・ロレンソ・デ・エル・エスコリアルからセルセディリャまでの175.8km。序盤にセルセディリャのフィニッシュ地点を過ぎたのち、往復のルートが取られる。4つ登場する1級山岳は、2つの山を往路と復路で2回ずつ通過する。2015年グランツール最後の上りは、登坂距離11km、平均勾配5.4%、頂上手前1kmで最大勾配8.5%のプエルト・デ・コトスだ。フィニッシュまでの約10kmのダウンヒルも含めた攻防は最後まで目が離せない。最終日はパレード走行が慣例であることから、このステージで総合優勝者が事実上決定する見通しだ。

第19ステージ結果
1 アレシクー・グジャール(フランス、アージェードゥーゼール ラモンディアル) 4時間19分20秒
2 ネルソン・オリヴェイラ(ポルトガル、ランプレ・メリダ) +40秒
3 マキシム・モンフォール(ベルギー、ロット・ソウダル) +44秒
4 アンドレイ・アマドール(コスタリカ、モビスター チーム) +44秒
5 ティアゴジョセピント・マシャド(ポルトガル、チーム カチューシャ) +44秒
6 アマエル・モワナール(フランス、BMC レーシングチーム) +44秒
7 ファビオアンドレス・デゥアルテ(コロンビア、コロンビア) +53秒
8 ダビ・アロヨ(スペイン、カハルラル・セグロス RGA) +1分3秒
9 クリスティアン・クネース(ドイツ、チーム スカイ) +1分17秒
10 フランシスコホセ・ベントソ(スペイン、モビスター チーム) +1分17秒
66 新城幸也(日本、チーム ヨーロッパカー) +18分40秒

個人総合(マイヨロホ)
1 トム・ドゥムラン(オランダ、チーム ジャイアント・アルペシン) 78時間20分51秒
2 ファビオ・アール(イタリア、アスタナ プロチーム) +6秒
3 ホアキン・ロドリゲス(スペイン、チーム カチューシャ) +1分24秒
4 ラファウ・マイカ(ポーランド、ティンコフ・サクソ) +2分31秒
5 ナイロアレクサンデル・キンタナ(コロンビア、モビスター チーム) +3分2秒
6 アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター チーム) +3分24秒
7 ヨアンエステバン・チャベス(コロンビア、オリカ・グリーンエッジ) +3分39秒
8 ダニエル・モレノ(スペイン、チーム カチューシャ) +3分46秒
9 ミケル・ニエベ(スペイン、チーム スカイ) +4分19秒
10 ルイ・メインティス(南アフリカ、MTN・クベカ) +7分0秒
76 新城幸也(日本、チーム ヨーロッパカー) +2時間26分22秒

ポイント賞(プントス)
1 ホアキン・ロドリゲス(スペイン、チーム カチューシャ) 116 pts
2 アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター チーム) 114 pts
3 ヨアンエステバン・チャベス(コロンビア、オリカ・グリーンエッジ) 108 pts

山岳賞(モンターニャ)
1 オマール・フライレ(スペイン、カハルラル・セグロス RGA) 82 pts
2 フランク・シュレク(ルクセンブルク、トレック ファクトリーレーシング) 30 pts
3 ルーベン・プラサ(スペイン、ランプレ・メリダ) 27 pts

複合賞(コンビナーダ)
1 ホアキン・ロドリゲス(スペイン、チーム カチューシャ) 15 pts
2 トム・ドゥムラン(オランダ、チーム ジャイアント・アルペシン) 18 pts
3 ファビオ・アール(イタリア、アスタナ プロチーム) 23 pts

チーム総合
1 モビスター チーム 235時間58秒
2 チーム スカイ +22分39秒
3 チーム カチューシャ +29分30秒

敢闘賞
アレシクー・グジャール(フランス、アージェードゥーゼール ラモンディアル)

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