title banner

ブエルタ・ア・エスパーニャ2015 第14ステージ“山岳逃げのスペシャリスト”デマルキが頂上フィニッシュ制覇 マイヨロホはアールがキープ

  • 一覧

 ブエルタ・ア・エスパーニャ第14ステージは9月5日、ビトリアからアルト・カンポオ. フエンテ・デル・チボまでの215kmで争われ、序盤から逃げ続けた5選手がステージ優勝争いを展開。アタック合戦の末、アレッサンドロ・デマルキ(イタリア、BMCレーシングチーム)が超級山岳頂上フィニッシュを制し、ブエルタ通算2勝目を挙げた。総合上位陣も終盤で動きが起きたが、ファビオ・アール(イタリア、アスタナ プロチーム)がステージ9位とまとめ、総合首位のマイヨロホを守っている。 (福光俊介)

区間優勝したアレッサンドロ・デマルキ(イタリア、BMC レーシングチーム) Photo: Yuzuru SUNADA区間優勝したアレッサンドロ・デマルキ(イタリア、BMC レーシングチーム) Photo: Yuzuru SUNADA

 大会のヤマ場となるであろう難関山岳3連戦。スペイン北部のカンタブリア山脈が勝負の地に設定された。その初日は、今大会最長のレース距離215km。中盤に最大勾配15%の1級山岳プエルト・デル・エスクードをクリアし、ラスト18kmは超級山岳アルト・カンポオを上る。5%前後の勾配が続いた先、ラスト4kmで8%、6%、9%、7%と急斜面に変わる。総合上位陣にとって、まずは大きな遅れを喫しないことが重視されるステージとなった。

 序盤から逃げグループを形成したのは、デマルキ、サルヴァトーレ・プッチョ(イタリア、チーム スカイ)、ホセホアキン・ロハス(スペイン、モビスター チーム)、ミカエル・シュレル(フランス、アージェードゥーゼール ラモンディアル)、カルロスフリアン・キンテロ(コロンビア、コロンビア)の5人。メーン集団は彼らを容認。8分から9分のタイム差で先行した。

 快調に逃げる5人は協調体制が整い、先頭交代のローテーションもスムーズだ。最後の上りであるアルト・カンポオの入口でメーン集団とのタイム差は9分以上に開き、逃げ切りが濃厚となった。

最初の山を上る集団 Photo: Unibublic最初の山を上る集団 Photo: Unibublic

 ステージ優勝に向けた動きが活性化したのは残り4km。シュレルのアタックをきっかけに、5人が攻撃態勢に入った。一度遅れたかに見えたプッチョも再合流を果たし、先頭に出る場面も。そして、残り1.8kmでのロハスのアタックにプッチョとデマルキが反応。プッチョが先にロハスをパスし先頭に立ったが、落ち着いて対応したデマルキがプッチョに追いつくと、そのまま前へ出た。プッチョが抜き返すシーンこそあったものの、登坂力と余力に勝ったデマルキがリードを広げた。

 大勢の観客が押し寄せる中を縫い、さらには濃い霧が立ち込める中を進んだデマルキがそのまま最後の直線へとやってきた。最後は高らかに右手を挙げてフィニッシュラインを通過した。

この日も総合首位の座を守ったアール Photo: Yuzuru SUNADAこの日も総合首位の座を守ったアール Photo: Yuzuru SUNADA

 29歳のデマルキにとって、ブエルタの勝利は昨年の第7ステージ以来の2勝目。トラックでの実績が豊富で、チームパシュート(団体追抜)でイタリアチャンピオンに輝くこと2度。ロード転向後は山岳での逃げを得意とし、大きなレースでの好リザルトは多数。なかでもキャノンデールで走った昨年は大ブレイクの年となり、ツール・ド・フランスでは再三の逃げで総合敢闘賞を獲得し、続くブエルタでも勝利を挙げた。現チーム入りした今シーズンは、けががありシーズン前半を棒に振ったが、カムバックした後半戦でしっかりと結果を残している。チームはエースのティージェイ・ヴァンガードレン(アメリカ)とサムエル・サンチェス(スペイン)がともに負傷リタイアする厳しい戦いを強いられていたが、それを払拭する明るいニュースとなった。

 一方、メーン集団も終盤に入り熾烈を極めた。モビスターやアスタナのアシストたちがプロトン牽引を担ったが、ミケル・ランダ(スペイン、アスタナ プロチーム)の強烈なペースアップで状況が一変。ランダに発射されるようにマイヨロホのアールが飛び出すと、イェスパー・ハンセン(デンマーク、ティンコフ・サクソ)とナイロアレクサンデル・キンタナ(コロンビア、モビスター チーム)が続いた。その後ハンセンが下がり、アールとキンタナがライバルを引き離しにかかったが、ホアキン・ロドリゲス(スペイン、チーム カチューシャ)ら数人もペースを上げ、ラスト1kmを目前に追いついた。
 ラスト1kmのフラムルージュを通過した直後、キンタナがアタック。これに反応したのはロドリゲス。さらに、ヨアンエステバン・チャベス(コロンビア、オリカ・グリーンエッジ)やアールも追い上げてきた。最後は、ラスト数百メートルで再びペースアップを図ったキンタナが総合上位陣では最上位となる6位。6秒差でロドリゲス、7秒差でチャベスとアールがフィニッシュ。総合3位につけるトム・ドゥムラン(オランダ、チーム ジャイアント・アルペシン)は遅れを最小限にとどめ、アールから19秒差のステージ15位で終えた。

メーン集団の先頭、6位でゴールしたキンタナ Photo: Yuzuru SUNADAメーン集団の先頭、6位でゴールしたキンタナ Photo: Yuzuru SUNADA

 アールはマイヨロホをキープ。ロドリゲスが26秒差、ドゥムランが49秒差で続く。そのほか、ポイント賞のプントスはチャベスが、山岳賞のモンターニャはオマール・フライレ(スペイン、カハルラル・セグロス RGA)が、複合賞のコンビナーダはドゥムランがそれぞれ守っている。新城幸也(チーム ヨーロッパカー)は、アルト・カンポオの上りで集団前方に位置し、エースのロマン・シカール(フランス)をアシスト。任務を果たし、トップから18分7秒差の98位でフィニッシュ。総合では72位につけている。

 9月6日の第15ステージは、コミージャスからソトレス. カブラレスまでの175.8km。序盤から中盤にかけて海沿いを走り、後半から山岳地帯へ。最後に上る1級山岳アルト・デ・ソトレスは、登坂距離12.7km、平均勾配9.5%、最大勾配13.3%の難所。第14ステージ同様、有力選手たちによるアタックの応酬が見られることだろう。

第14ステージ結果
1 アレッサンドロ・デマルキ(イタリア、BMC レーシングチーム) 5時間43分12秒
2 サルヴァトーレ・プッチョ(イタリア、チーム スカイ) +21秒
3 ホセホアキン・ロハス(スペイン、モビスター チーム) +32秒
4 ミカエル・シュレル(フランス、アージェードゥーゼール ラモンディアル) +38秒
5 カルロスフリアン・キンテロ(コロンビア、コロンビア) +1分0秒
6 ナイロアレクサンデル・キンタナ(コロンビア、モビスター チーム) +3分32秒
7 ホアキン・ロドリゲス(スペイン、チーム カチューシャ) +3分38秒
8 ヨアンエステバン・チャベス(コロンビア、オリカ・グリーンエッジ) +3分39秒
9 ファビオ・アール(イタリア、アスタナ プロチーム) +3分39秒
10 ラファウ・マイカ(ポーランド、ティンコフ・サクソ) +3分44秒
98 新城幸也(日本、チーム ヨーロッパカー) +18分7秒

個人総合(マイヨロホ)
1 ファビオ・アール(イタリア、アスタナ プロチーム) 57時間20分10秒
2 ホアキン・ロドリゲス(スペイン、チーム カチューシャ) +26秒
3 トム・ドゥムラン(オランダ、チーム ジャイアント・アルペシン) +49秒
4 ヨアンエステバン・チャベス(コロンビア、オリカ・グリーンエッジ) +1分29秒
5 ラファウ・マイカ(ポーランド、ティンコフ・サクソ) +1分33秒
6 ミケル・ニエベ(スペイン、チーム スカイ) +2分10秒
7 アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター チーム) +2分11秒
8 ダニエル・モレノ(スペイン、チーム カチューシャ) +2分13秒
9 ナイロアレクサンデル・キンタナ(コロンビア、モビスター チーム) +3分0秒
10 ロマン・シカール(フランス、チーム ヨーロッパカー) +3分39秒
72 新城幸也(日本、チーム ヨーロッパカー) +1時間29分40秒

ポイント賞(プントス)
1 ヨアンエステバン・チャベス(コロンビア、オリカ・グリーンエッジ) 87 pts
2 アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター チーム) 77 pts
3 トム・ドゥムラン(オランダ、チーム ジャイアント・アルペシン) 75 pts

山岳賞(モンターニャ)
1 オマール・フライレ(スペイン、カハルラル・セグロス RGA) 55 pts
2 ルーベン・プラサ(スペイン、ランプレ・メリダ) 27 pts
3 ミケル・ランダ(スペイン、アスタナ プロチーム) 25 pts

複合賞(コンビナーダ)
1 トム・ドゥムラン(オランダ、チーム ジャイアント・アルペシン) 15 pts
2 ファビオ・アール(イタリア、アスタナ プロチーム) 18 pts
3 ヨアンエステバン・チャベス(コロンビア、オリカ・グリーンエッジ) 25 pts

チーム総合
1 チーム スカイ 172時間10分21秒
2 モビスター チーム +10分56秒
3 アスタナ プロチーム +14分53秒

敢闘賞
カルロスフリアン・キンテロ(コロンビア、コロンビア)

関連記事

この記事のタグ

ブエルタ・ア・エスパーニャ2015 ブエルタ2015・レース詳報

  • 一覧

新着ニュース

もっと見る

ピックアップ

e-BIKE最新特集

スペシャル

自転車協会バナー

ソーシャルランキング

インプレッション

インプレッション一覧へ

連載