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ブエルタ・ア・エスパーニャ2015 第7ステージリンデマンが逃げメンバーの攻防を制する フルーム、ランダ、ヴァンガードレンが遅れる

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 ブエルタ・ア・エスパーニャ第7ステージは8月28日、ホダルからラ・アルプハラまでの191.1kmで争われ、序盤から逃げグループでレースを進めたベアトヤン・リンデマン(オランダ、チーム ロットNL・ユンボ)がステージ優勝。グランツール初勝利を挙げた。1級山岳頂上フィニッシュが設けられたこのステージ、総合優勝候補ではファビオ・アール(イタリア、アスタナ プロチーム)が、ライバルに7秒差をつけて先着。一方で、クリストファー・フルーム(イギリス、チーム スカイ)、ミケル・ランダ(スペイン、アスタナ プロチーム)、ティージェイ・ヴァンガードレン(アメリカ、BMCレーシングチーム)といった有力選手が後れを喫した。

ステージ優勝を飾ったベアトヤン・リンデマン(オランダ、チーム ロットNL・ユンボ)ステージ優勝を飾ったベアトヤン・リンデマン(オランダ、チーム ロットNL・ユンボ)

 アンダルシア州の内陸部の街・ホダルをスタートした一行は、一路南へと針路をとり、中盤に3級山岳ポイントを通過。その後はシエラネバダ山脈の西側を迂回するようにめぐり、終盤は同山脈の一角、ラ・アルプハラの頂上を目指すコースがとられた。最後の上りである1級山岳アルト・デ・カピレイラは、登坂距離18.7km、平均勾配5%。中腹でいったん平坦になるが、再び急坂が登場。フィニッシュまでのラスト約9kmだけだと、平均勾配7%を超え、残り約1km地点で最大勾配14%となる。今大会最初の上級山岳頂上フィニッシュであり、これから先の戦いで総合上位を見据える選手にとっては、遅れることが許されないステージとなった。

 レースは、スタート直後に11人の逃げグループが一度は形成されたが、これはメーン集団の容認が得られず吸収されてしまった。その後、集団から飛び出した5選手が容認され、この日の逃げが決定した。メーン集団が淡々とペースを刻んだこともあり、先頭を走る5名との差が残り80km地点でこの日最大の13分にまで広がった。

 メーン集団のペースが少しずつ上がったことで、タイム差こそ縮まっていたものの、逃げるグループも快調に先を急いだ。アルト・デ・カピレイラの上りに入っても勢いは衰えず、残り10kmのアーチを通過する時点でその差は3分25秒。徐々に逃げ切りの可能性が膨らんできた。

ゴール直前の上りゴール直前の上り

 逃げメンバーが動きを見せたのは残り7km。ジェローム・クザン(フランス、チーム ヨーロッパカー)がスピードを上げると、少しずつ5選手の消耗度合いが見えてきた。残り6kmからはイリア・コシェヴォイ(ベラルーシ、ランプレ・メリダ)がスルスルと抜け出し、単独で先頭に立った。

 そのままの逃げ切りを図ったコシェヴォイだったが、残り3km地点でクザンが追いついてきた。2人が牽制を開始しペースが落ちると、ラスト2kmでリンデマンが合流。直後にクザンがアタックを成功させたかに見えたが、リンデマン、コシェヴォイが相次いで追いつき、そのままラスト1kmのフラムルージュを通過した。

このステージでもリーダーの座を守ったチャベスこのステージでもリーダーの座を守ったチャベス

 クライマックスに差し掛かろうというタイミングで、クザンにアクシデントが発生。先頭で振り返ってライバル2人の動きをチェックしていたコシェヴォイの後輪と、クザンの前輪が接触。クザンはバイクから投げ出されてしまった。これにより、ステージ優勝はリンデマンとコシェヴォイとに絞られた。そして残り200m。リンデマンが仕掛けると、もうコシェヴォイには追うだけの余力は残されていなかった。

 最後まで力強いペダリングを続けたリンデマンは、高々と両手を掲げてフィニッシュラインを通過。うれしいグランツール初優勝の瞬間だ。たびたび見せ場を作ったコシェヴォイは最後に力尽き、9秒差の2位でフィニッシュした。

 リンデマンは今年がプロ4年目の26歳。ヴァカンソレイユ・DCMでデビューしたが、2013年限りでチームは解散。昨シーズンは、オランダの育成チームであるラボバンク デヴェロップメントチームに所属し、UCIヨーロッパツアーで好リザルトを連発、今年から現チームでトップシーンに復帰していた。グランツールは2012年ブエルタ以来の出場となったが、巧みな駆け引きで見事に勝利を手繰り寄せた。

 メーン集団は、終盤に入りティンコフ・サクソやモビスター チームが牽引を開始。特にイェスパー・ハンセン(デンマーク、ティンコフ・サクソ)の強烈なペースメークによって、集団の人数が減っていった。そんななか、有力選手で真っ先に仕掛けたのがアールだ。追ってくるライバルたちを尻目に、攻めの姿勢を貫いた。ゴール手前で失速したクザンを追い抜き、3位でフィニッシュラインを通過。その7秒後に総合有力選手を含んだグループが続いた。

ステージ3位に入ったアールステージ3位に入ったアール

 最終局面で動きを見せた有力選手たちだが、フルーム、ランダ、ヴァンガードレンと、総合成績が期待された選手たちが集団から遅れる波乱もあった。いずれもステージ優勝したリンデマンからは1分以上のタイム差で終えている。

 総合首位のマイヨロホを着るヨアンエステバン・チャベス(コロンビア、オリカ・グリーンエッジ)は、安定した走りでその座を守った。ステージ6位でフィニッシュしたことでポイントを加算し、グリーンジャージのプントス争いでもトップに立った。複合賞のコンビナーダと合わせ、4賞中3つを手中にしている。なお、新城幸也(チーム ヨーロッパカー)は、16分45秒差のステージ99位。グルペットで終盤の上りをこなした。総合では27分32秒差の65位につけている。

 翌29日の第8ステージは、プエブラ・デ・ドン・ファドリケからムルシアまでの182.5km。開幕から7日間走り続けたアンダルシア州に別れを告げる。ムルシア市街地の周回コースを走るレース後半、2度の3級山岳が登場。最後の上りからフィニッシュまでの約17kmが勝負の行方を左右することとなりそうだ。

(文 松尾修作/写真 砂田弓弦)

第7ステージ結果
1 ベアトヤン・リンデマン(オランダ、チーム ロットNL・ユンボ) 5時間10分24秒
2 イリア・コシェヴォイ(ベラルーシ、ランプレ・メリダ) +9秒
3 ファビオ・アール(イタリア、アスタナ プロチーム) +29秒
4 ジェローム・クザン(フランス、チーム ヨーロッパカー) +34秒
5 ラファウ・マイカ(ポーランド、ティンコフ・サクソ) +36秒
6 ヨアンエステバン・チャベス(コロンビア、オリカ・グリーンエッジ) +36秒
7 アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター チーム) +36秒
8 ナイロアレクサンデル・キンタナ(コロンビア、モビスター チーム) +36秒
9 ルイ・メインティス(南アフリカ、MTN・クベカ) +36秒
10 ニコラ・ロッシュ(アイルランド、チーム スカイ) +36秒
99 新城幸也(日本、チーム ヨーロッパカー) +16分45秒

個人総合(マイヨロホ)
1 ヨアンエステバン・チャベス(コロンビア、オリカ・グリーンエッジ) 27時間6分13秒
2 トム・ドゥムラン(オランダ、チーム ジャイアント・アルペシン) +10秒
3 ダニエル・マーティン(アイルランド、チーム キャノンデール・ガーミン) +33秒
4 ニコラ・ロッシュ(アイルランド、チーム スカイ) +36秒
5 アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター チーム) +49秒
6 ホアキン・ロドリゲス(スペイン、チーム カチューシャ) +56秒
7 ナイロアレクサンデル・キンタナ(コロンビア、モビスター チーム) +57秒
8 ファビオ・アール(イタリア、アスタナ プロチーム) +57秒
9 ダニエル・モレノ(スペイン、チーム カチューシャ) +1分18秒
10 ドメニコ・ポッツォヴィーヴォ(イタリア、アージェードゥーゼール ラモンディアル) +1分19秒
65 新城幸也(日本、チーム ヨーロッパカー) +27分32秒

ポイント賞(プントス)
1 ヨアンエステバン・チャベス(コロンビア、オリカ・グリーンエッジ) 66 pts
2 ペテル・サガン(スロバキア、ティンコフ・サクソ) 61 pts
3 アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター チーム) 56 pts

山岳賞(モンターニャ)
1 オマール・フライレ(スペイン、カハルラル・セグロス RGA) 13 pts
2 ベアトヤン・リンデマン(オランダ、チーム ロットNL・ユンボ) 13 pts
3 ウァルテルフェルナンド・ペドラサ(コロンビア、コロンビア) 7 pts

複合賞(コンビナーダ)
1 ヨアンエステバン・チャベス(コロンビア、オリカ・グリーンエッジ) 8 pts
2 トム・ドゥムラン(オランダ、チーム ジャイアント・アルペシン) 17 pts
3 ダニエル・マーティン(アイルランド、チーム キャノンデール・ガーミン) 21 pts

チーム総合
1 チーム スカイ 81時間31分23秒
2 モビスター チーム +3分59秒
3 アスタナ プロチーム +4分4秒

敢闘賞
アメツ・チュルカ(スペイン、カハルラル・セグロス RGA)

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