「安全」をテーマに全員が無事完走日本の原風景と山のグルメを1312人が満喫した「京都美山サイクルグリーンツアー」

  • 一覧

 日本の原風景といえる美しい景観と、ご当地のグルメを満喫できるサイクリングイベント「京都美山サイクルグリーンツアー」が京都府南丹市の美山町で8月1、2日に開催された。昨年の大会に参加していた南丹市の佐々木稔納市長が、オートバイと接触し大けがを負ってしまった事故を教訓に、「安全」をキーワードにして実施。1312人の参加者が無事に美山を走りきった。 (文・写真 中尾亮弘)

サイクル女子会で美山を走る皆さんサイクル女子会で美山を走る皆さん

「思いっきり走る」美山の夏を今年も

日本の“原風景”かやぶきの里で記念写真日本の“原風景”かやぶきの里で記念写真

 「美山の全てを走り切る!」

 そんな思いで大勢の参加者たちが集まった。茅葺きの家屋が建ち並び、「日本の原風景」を謳う美山町。美しい山、清らかな川、稲穂が広がる田んぼと、まさしく“日本のいなか”と言えるだろう。

 イベントは、子供向け自転車教室「ウィーラースクール」代表のブラッキー中島さんが中心となって企画し、4回目を迎えた。昨年の事故により今年は開催が危ぶまれたものの、佐々木市長の「10年は続けたい」との希望により、安全対策に重点を置おいて継続されることになった。

 コース上の要所に警備員を配置。参加者にサイクリングのマナーアップを啓蒙するため、パンフレットに安全走行のガイドを掲載し、クルマのドライバーに交通安全をアピールするためのゼッケンも配布された。参加費は前回より高くなったものの、その分が安全対策に充てられた。

 今大会はエントリーが始まるやいなやすぐに定員に達し、キャンセル後の追加募集も数時間で埋まるほどの人気ぶりだった。

美山の道は幹線から外れれば信号がなく走りやすい美山の道は幹線から外れれば信号がなく走りやすい
快晴の下で走るサイクリストたち快晴の下で走るサイクリストたち
自動車やバイクからマナーを訴えるゼッケン自動車やバイクからマナーを訴えるゼッケン

 サイクルグリーンツアーのメーンイベントは、美山の中心に位置する宮島小学校を起点に、放射状に設けられた11のチェックポイントを巡るロングライドチャレンジ。脚力や体力に合わせて自分の好きなコースを選択でき、走る距離も自由で、全てのチェックポイントを回ると約125kmになる。

 他にも、さまざまなサブイベントを通して美山を体感できる。大会前日はゲストライダーたちがサブイベントで活躍。元シンクロナイズドスイミング日本代表で、バルセロナ五輪銅メダリストの奥野史子さんと、シドニー、アテネ五輪銀メダリストの巽樹里さんは、シンクロナイズドスイミング教室を開いた。2人がデモンストレーションを披露すると、子供たちから歓声が上がった。

奥野史子さんによるシンクロナイズドスイミングスクール奥野史子さんによるシンクロナイズドスイミングスクール
子供たちはシンクロナイズドスイミングの面白さに感激していた子供たちはシンクロナイズドスイミングの面白さに感激していた

 また、元バレーボール全日本代表の山本隆弘さんによるバレーボール教室が、美山中学校と北桑田高校のバレーボール部を対象に開かれ、部員たちは気合いの入った指導を受けて汗を流した。

地元のバレーボール部員に向けた、山本隆弘さん(右)によるバレーボール教室地元のバレーボール部員に向けた、山本隆弘さん(右)によるバレーボール教室
将来活躍するバレーボール選手が現れるかも将来活躍するバレーボール選手が現れるかも
おいしくてきれいなケーキに感激しましたおいしくてきれいなケーキに感激しました

 さらに、奥野さんと元バレーボール全日本代表の益子直美さん、大会MCを務めるサイクルライフナビゲーターの絹代さんの3人による、女性参加者限定の「サイクル女子会」も。サイクリングを楽しんでからカフェに移動し、ケーキを食べながらのトークが弾んだ。「まるごと農家体験」や「清流さかな釣り教室」では、子供たちが美山での夏休み体験を楽しんだ。メーン会場では燻製されたニワトリの丸焼きが提供された。

鶏肉でカンパイ!鶏肉でカンパイ!
会場で振る舞われた燻製ニワトリの丸焼き会場で振る舞われた燻製ニワトリの丸焼き

素晴らしい晴天 景色とグルメに感動

 そして大会当日の8月2日、空にもやがかかる幻想的な雰囲気のなか、朝7時にスタート。楽しそうに走り出していく参加者の姿を佐々木市長が見送った。

1300人を超える参加者がスタートした1300人を超える参加者がスタートした
参加者を見送る佐々木稔納南丹市長(右)参加者を見送る佐々木稔納南丹市長(右)
大野の赤橋から見える由良川に感激するゲストのみなさん大野の赤橋から見える由良川に感激するゲストのみなさん

 グリーンツアーの魅力はやはり景色と食べ物。今回初めてコースに組み込まれた肱谷から萱野までの林道は、クルマ一台ほどの幅しかない道だが、きつい坂を上り切ると眼下に由良川が広がり、美山を一望できる絶景を楽しめる。益子さんや、夫でキナンサイクリングチームの山本雅道さんらゲストたちも、由良川にかかる大野の赤橋から、きれいな川に住む魚たちを見つけて歓声を上げていた。茅葺き家屋が並ぶ「かやぶきの里」を通る区間もあり、美山の風景を隅々まで堪能することができた。

新コースの林道は走りごたえあり新コースの林道は走りごたえあり
上った林道から見える景色にご満悦上った林道から見える景色にご満悦

 日中は気温が40度近くまで上昇し、いつもは涼しい美山とは思えないほどの猛暑。雲の日陰さえないほどの晴天で、あまりの暑さに参加者や益子さんらゲストたちが、川にサイクルジャージのまま入って涼んでいた。

限定メニューの鹿肉バーガー限定メニューの鹿肉バーガー

 地元の特産品が振る舞われるエイドステーションは、5カ所それぞれの限定メニューが提供された。鯖にぎり、ミニケーキ、美山の地卵プリン、鹿コロッケ、鮎の天ぷらなどなど、全種類を食べるのは不可能なほどの充実ぶりだ。出場者の多くが、走った以上に“余分なカロリー補給”をしたことだろう。

限定メニューの鮎のてんぷら限定メニューの鮎のてんぷら
エイドステーションでは冷たいぜんざいをふるまってくれたエイドステーションでは冷たいぜんざいをふるまってくれた

 子供から年配の方まで、「自転車で美山を走る」という楽しみを共有している姿が印象的だった。リミットの午後3時30分までに参加者全員が無事に帰還し、昨年のような事故もなく「安全に開催する」という目標を達成して終了。今回参加できた人、そして参加できなかった人も、また来年、美山に走りに来てほしいと思えるイベントだった。

回ったチェックポイントに応じた認定シールを貼って完走証がもらえる回ったチェックポイントに応じた認定シールを貼って完走証がもらえる
参加者の安全を確保するために活躍したボランティアスタッフのみなさん参加者の安全を確保するために活躍したボランティアスタッフのみなさん

初参加の畑中選手「頭を使うし、すごく面白い」

初めてサイクルグリーンツアーに参加したチームUKYOの畑中勇介選手初めてサイクルグリーンツアーに参加したチームUKYOの畑中勇介選手

 チームUKYOの畑中勇介選手は初めてゲスト参加。全てのチェックポイント・エイドを回り「このようなサイクルイベントに参加したことはありませんでしたが、おそらく他のイベントとはかなり違う設定が面白かったです。自分でコースを選ぶことや、エイドステーションが充実しているだけでなく時間によって出てくるメニューが違うので、そのあたりで頭を使うことも要求されます。すごく面白い」と、サイクルグリーンツアーならではの楽しさを満喫した。

 畑中選手は「ウィーラースクールなど、ブラッキー中島さんの活動のおかげで町の人たちが協力的ですし、チェックポイントの受付が民家の前にあったりして、すごく温かさを感じました」と、美山に根付いたサイクリング文化を実感していた。

「京都美山サイクルグリーンツアー」を走りきった参加者、ゲストたち「京都美山サイクルグリーンツアー」を走りきった参加者、ゲストたち

この記事のコメント

利用規約順守の上ご投稿ください。

関連記事

この記事のタグ

イベント 美山町

  • 一覧

新着ニュース

もっと見る

ピックアップ

e-BIKE最新特集

スペシャル

自転車協会バナー

ソーシャルランキング

インプレッション

インプレッション一覧へ

連載