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栗村修の“輪”生相談<55>40代男性「長い下りで車体がブレる共振現象への対処法は?」

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長い下りを走っているとフロント周りが路面からの振動とは異なる感覚でブレはじめ、コントロール不能になってしまいそうな時があります。

 この現象は、共振現象と呼ばれているようで、ホイールバランスがどうの、フロントの剛性がどうのと色々要因が挙げられています。ただ、機材的対処法を施したとしても、長い下りを走ることにはためらいがあります。というのも、それらの対処で確実に収まると言いきれないように感じるからです。

 むしろ、いざそうなった場合の乗り方において、振動の収め方や、対処する技術はあるのでしょうか?

(40代男性)

 僕が選手時代に乗った色々なバイクの中に、そういう状態に陥るものが1台ありました。僕らのころはまだ、素材はスチールでしたね。

 フルオーダーのバイクでした。フレームのスケルトンもオーダーできるので、クイックなハンドリングを求めて攻めたオーダーをしたこともあります。それが原因だったんでしょうか? あるいは、フォークの剛性不足などもあったんでしょうか。質問者さんとはちょっと状況が違いますが、手放しをするとフロントが震えました。ちなみにこのバイクでチャレンジロードというレースで優勝したのですが、ゴールで手を挙げた時にこの共振現象が起きたのを今でも覚えています。

 素材がスチールでもカーボンでも、質問にあるような振動は特定の、ひとつの原因によるものではないと思います。フレームスケルトン、剛性、ホイールとのバランスなど、様々な要素が複雑に絡み合った結果だと思いますので、質問者さんが仰る通り原因の特定は簡単ではありませんね。

 ただひとつ、はっきり言えることがあります。それは、質問者さんはできればこのバイクを使わないでほしい、ということです。共振現象が起きてしまうと、仮にご自身が落車を回避できたとしても、集団走行時などには周囲の選手がもらい落車をしてしまう可能性もあります。

高速ダウンヒル中のバイクの不調は、文字通り「命取り」になりかねない<写真・砂田弓弦>高速ダウンヒル中のバイクの不調は、文字通り「命取り」になりかねない<写真・砂田弓弦>

 正常なロードバイクならば、たとえ時速100kmでも共振現象は起きてはならないトラブルです。僕も共振現象が起きたバイクは怖いのですぐに乗り換えました。フレームか、ホイールか、あるいは他の要因があるのかわかりませんが、ともかく、機材を替えるしかないと思います。酷なようですが、それが唯一の対処法ではないでしょうか。

 質問者さんが完成車でバイクを購入されたのならば、まずは購入されたショップに相談するのが良いと思います。もし、フレームに原因があるのならば、そのフレームがどんなに軽量で走りが軽かったとしても、安全面に於いては販売停止にするべき商品だといえるでしょう。クレーム扱いにできるレベルの重大な問題ですので、できるだけ早くプロの診断を受けることをお勧めします。

(編集 佐藤喬・写真 砂田弓弦)

回答者 栗村修(くりむら おさむ)

 一般財団法人日本自転車普及協会 主幹調査役、ツアー・オブ・ジャパン 大会副ディレクター、スポーツ専門TV局 J SPORTS サイクルロードレース解説者。選手時代はポーランドのチームと契約するなど国内外で活躍。引退後はTV解説者として、ユニークな語り口でサイクルロードレースの魅力を多くの人に伝え続けている。著書に『栗村修のかなり本気のロードバイクトレーニング』『栗村修の100倍楽しむ! サイクルロードレース観戦術』(いずれも洋泉社)など。

※栗村さんにあなたの自転車に関する悩みを相談してみませんか?
ml.sd-cyclist-info@sankei.co.jpまでお寄せください。

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