工具はともだち<75>知っておきたい工具選びの基本 使用する「目的」に適した機能を

  • 一覧

 前回の「工具はともだち」では工具の選び方の基礎として、ドライバの選び方についてお話ししました。ドライバの先端形状やサイズ、それらの選び方がわかったら、次に重要な要素になるのがグリップです。でもグリップにはさまざまな材質や形状があり、どれが良いのか悩まれた方も多いのではないでしょうか。まずはその材質や形状の種類と特徴について簡単にご紹介します。

形状、素材ごとに異なる特長

木柄のドライバ木柄のドライバ

 「木柄」のドライバは温かみのある木の質感を生かした伝統的なドライバで、油のついた手でも滑りにくいという利点があります。次に樹脂グリップですが、この中でも素材の違いがあります。エラストマーなどを使用し、表面に弾力があって手にやさしい「ソフトタイプ」と、アセチロイドなど硬質樹脂を使用した、硬く耐久性があって汚れが付きにくい「ハードタイプ」です。

 つづいて形状ですが、ボールのようなグリップの「ラウンドタイプ」と一般的な「細長いタイプ」に大きく分けられます。さらに一般的なタイプは四角や六角、丸といったようにさまざまな形があります。

ハードタイプの樹脂グリップドライバハードタイプの樹脂グリップドライバ
ラウンドタイプのドライバラウンドタイプのドライバ

 「ラウンドタイプ」は、手のひらで包み込むように持てるので、押し回しがしやすく、木ネジ用としてよく使われますが、力の弱い方や女性にも適しています。一般的な「細長いタイプ」は、早回しに便利でグリップ付近が狭い場所でも使いやすくなっています。

 このように材質と形状という二つを掛け合わていけば、ドライバの種類はおのずと多くなるわけです。他にも先端にマグネットがついたドライバなどのオプションもありますから、種類はさらに豊富になります。

握り具合のチェックも重要

 さて、本題のドライバの選び方です。これは工具全般に共通することですが、結論から言うと、基本は作業の目的と環境に合わせることです。ドライバの場合は、木ねじを回すなら押し回しに向いているラウンドタイプを、油手で使用するなら木柄などすべりにくい素材や加工がほどこされた材質を、というように作業の対象や目的を考えて選んでください。

 ただし形状に関しては、用途に合わせた適正はありますが、いずれも握りやすさを考えて設計されているので、どれが一番とは一概に言えません。また、人の手には個人差がありますから、しっくりくるグリップは握ってみなければわからないことが多くあります。ですから、できれば、店頭で握り具合を確かめることがベストです。

 最後に注意とおすすめをご紹介します。注意点としては、電気製品を対象とする場合は、絶縁素材が使われている工具を必ず使用してください。

ボルスター付きでソフトタイプの樹脂グリップドライバボルスター付きでソフトタイプの樹脂グリップドライバ

 そしておすすめは「ボルスター」というパーツ付きのドライバです。軸の根元に六角のパーツが付いているので、高トルクが必要な場合にレンチを掛けて回せます。こうすれば、ドライバの基本である押し回しをする際に、より押す方に力を向けることができますので、硬いねじでも比較的緩めやすくなります。叩く方もいらっしゃいますが、ドライバやねじ、さらには本体にとっても良いことはあまりないので、ボルスターの使用をおすすめします。

重田和麻(しげた・かずま)

KTC(京都機械工具)入社後、同社の最高級ツール「nepros」(ネプロス)の立ち上げに携わった後、販売から企画、商品開発とさまざまな立場で同商品と歩みを共にしてきた。スポーツ自転車は初心者だが、工具についてはプロフェッショナル。これまでの経験を生かして、色々な角度からサイクリストに役立つ工具の情報を提供する。

この記事のコメント

利用規約順守の上ご投稿ください。

関連記事

この記事のタグ

KTC 工具はともだち

  • 一覧

新着ニュース

もっと見る

ピックアップ

e-BIKE最新特集

スペシャル

自転車協会バナー

ソーシャルランキング

インプレッション

インプレッション一覧へ

連載