さおりんの太魯閣チャレンジ<3>標高3000mに向かって一気にヒルクライム! …でも予想外、予定外が続いたレース当日

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 台湾で開催された「太魯閣国際ヒルクライム」のレポート、いよいよ大会当日編です。レースは朝6時スタート。当日は朝3時起きで、朝食を済ませて4時過ぎにスタート地点に向けて出発しました。まだ外は薄暗い、でもやっぱり蒸し暑い…。

スタート前のいくみん(左)と私スタート前のいくみん(左)と私

<2>初上陸の台湾は想像以上の蒸し暑さ

スタート前にボトルの水を半分消費

スタートを待つ大量の参加者たちスタートを待つ大量の参加者たち

 受付会場からスタート地点まで、自転車と共に運んでくれるバス(有料)がありましたが、集合時間が早かったのと、20kmくらいなら大丈夫!という思いがあったので、送迎バスの利用は申し込まずに自走。しかし出発してから、同行の“いくみん”の自転車にメカトラが発生し、スタート会場に着いたのは午前5時過ぎになってしまいました。すでにたくさんの自転車と参加者たちが集まっていました。

 前日の受付でもらった袋に下山荷物などを入れて預け、トイレを済ませ、記念撮影をしてスタート位置へ。いよいよスタートです!

 蒸し暑いけれど、まだ太陽が雲に隠れていたのでそんなに暑くもない。徐々に列が進んで、スタートゲートをくぐったとき、腕時計は6時4分でした。

 サイクルコンピューターのスタートボタンを押して、「行ってきまーす!!」

 このときの不安は、ホテルからスタート地点まで来るのに、ボトルの水を半分飲んでしまったこと。私の自転車はボトルが1個しか付かず、スタート地点はコンビニから遠かったために、補給ができないままスタートしたのでした…。

長距離なのでフロントバッグも装備。大量の補給食と予備チューブや工具など長距離なのでフロントバッグも装備。大量の補給食と予備チューブや工具など
サドルバッグには予備チューブを2本。フロントバッグと合わせて3本を用意サドルバッグには予備チューブを2本。フロントバッグと合わせて3本を用意
トップチューブバッグにはスマホ、wifi、モバイルブースタートップチューブバッグにはスマホ、wifi、モバイルブースター

サイクルコンピューターにトラブル発生

スタート直後は緩斜面をハイスピードで進みますスタート直後は緩斜面をハイスピードで進みます

 コースは全部で6つのセクションに分かれ、それぞれのセクションの終わりにエイドステーションがあります。74km地点の第4セクションのエイドは関門にもなっていて、インターナショナルコースの参加者は、ここを12時までに通過しなければその先のゴールへ向かうことができません。

 まずは第1セクションの30.5km(標高915m)のエイドを目指します。緩い上り坂がしばらく続くので、参加者はけっこうハイペース。街を一瞬で通り過ぎて、すぐに大自然の渓谷へと入っていきます。日本ではなかなか見られない風景で、岩がせり出ててトンネル風になっていたり、大小トンネルもたくさんあります。

 1つ目のトンネルに入った頃、第1の悲劇が発生。「ビロッ」って鳴ったまま、ガーミンのサイクルコンピューターが止まってしまったのです。どうやら、GPSが受信できなくなってしまったよう…これはマズイです。何km走ったかも、どれくらいのスピードで走っているのかも分かりません。はっきり分かる指標はエイドの位置と、腕時計の時間だけです。

第1エイドはまさかの水切れ…第1エイドはまさかの水切れ…

 とりあえず、第1セクションまで早く行かないと!! 第1セクション到着は7時21分で、自分の中ではまずまずのペース。ボトルの水が無くなったので、さて入れようとしたら…ここで第2の悲劇が!

 「水、無くなったよ!!」

 「Oh my God…マジかー!!」

 数秒呆然としましたが、ここで終わるわけにはいかない! 出発の準備をしてたら、係の方が容器の底の方に残っていた200ml程の水を入れてくれました。エイドに到着してから私のそばにいた観光客であろう外国人の方が「女子で可哀相と思ってくれたんじゃない? ラッキーだったね♪」と声を掛けてくれました。

水しかないエイドに「ん?」

切り立った渓谷は壮観。各チームのサポートカーが並走します切り立った渓谷は壮観。各チームのサポートカーが並走します

 次の第2セクションは49km地点(標高1644m)。距離は約19km、平均勾配は4%です。

 かなり太陽が昇ってきて、前日のようなジリジリ日差しに。標高が上がってきているのに、気温は平地と変わりません。補給してもらったボトルの水はすぐに飲みつくし、よくないなぁ~と思いながらも、水代わりに補給ゼリーに手を伸ばし始めました。

 コースではいたることろで、サポートカーから補給を受けている選手の姿を見かけました。日本の自転車イベント一番違うところですが、チームそれぞれにサポートカーがつき、ハザードランプを点滅させながら並走して、補給やボトルの補充ができるんです。軽装で走れるし、これは本当にうらやましかったです。

 第1セクションをスタートしてから約55分、エイドらしき場所に到着しました。第2セクションでは軽食が出てるはずなのに、水しかない。係の人に「第2セクションなのか?」と聞いたら、「そうだ!」と答えたので、自分でも「ん?」と思いながらも、ここで5分ほど休憩。日差しは強く、気温も一向に下がる気配がない…汗もかなり出てるし、スタートの時点からやや脱水のまま走ってきたので何となくしんどい… 。

 ここでボトルの水は一杯にできたので一安心。でもこの辺りから身体の不調が出てきました。ずっとお腹に穴が開いてる感じで、空腹感を埋めるためにゼリーを摂取しますが、なかなかパワーが出ない…暑い…。唯一「涼しい!」と感じたのはトンネルの中。しかし、手掘りのトンネルの中は真っ暗で、必然的にスピードが落ちてしまいます。

 水を飲んでも飲んでも口の中はカラカラ、空腹感もひどくなってきて、スピードももう全然出すことができない…。次のエイドまであと何kmか…。

 そんな悲壮感漂う感じで走っていたら、台湾のチームのサポートカーの人がバナナを「食べる?」と!! すぐさま立ち止まり、バナナを頂きました、そして「コーラ飲む?」「水?ポカリあるよ!」と出てくる出てくる色々なもの。ここでしばらく休みました。会話はあまり通じませんでしたが、英語を話せる人を交えてコミュニケーションをし、体調が回復するまでの間、楽しみました。やがて体調も回復したので再スタート!! 本当に助けてもらって嬉しかったです。

 その後は自分の中でも順調に走っていき、10時頃に次のエイド到着。「何だか大きいエイドだな…」と思いつつ、バナナ、ロールケーキ、ゼリー補給食、水が貰えるので、ん?…まさか?と思って聞いてみたら…「ここが第2セクションだよ」との答え!

 唖然…。1つセクションを間違えたようです…。確認したところ、時間制限まではもうギリギリ。焦ります。

ここが“本物の”第2エイドステーションここが“本物の”第2エイドステーション
本物の第2エイドには色々な甘いものが本物の第2エイドには色々な甘いものが

記録票に「残念」のスタンプ

 第3セクションは64km地点(標高2150m)まで。距離15kmで全体の勾配は3%ですが、うねうね道で走り辛そう。12時の関門までに間に合うと思って走ってきたのに、全然違ったことになり、「マジか~! ショックだ…」と思いながら、ここのセクションは必死に走りました。

 トンネルが多いセクションで、手掘りの真っ暗なトンネルは壁も天井もボコボコ。中ではコウモリも飛んでいました。

 そしてエイド到着! 腕時計を見たら…11時40分。係の人に確認します。

 「ここ、第3セクションですよね?」

 「そうだよ! あと20分で10km先の関門まで行かないとアウトだよ!」

 「(絶望的)Oh my God…」

 そんな私の言葉を聞いて、係の人は笑ってましたね、「まぁしょうがないじゃん!!」という感じ。あと20分で10kmの上りはムリ。私の集中力も一気に切れました。そこからはエイドに居た人たちと話して、ゆっくり水分補給をしました。エイドのそばにはレストランのようなものがあって、早々にあきらめた人のなかには、そこで食事をしている方もいました。

もう余裕なので写真を撮りながらもう余裕なので写真を撮りながら

 でも、「もしかしたら、74km地点のチャレンジコースなら時間内に完走できるかも!」と思い、再び走り出すことにしました。

 第4セクションは74km地点(標高2375m)までの10kmで、勾配は3%→-3%→2%という感じです。

 集中力が切れているので、無駄に止まって写真を撮ってみたり、他のライダーに話しかけてみたり、そんなゆっくりポタリングヒルクライムをしながら、チャレンジコースのゴールとなる第4セクションのエイドに到着しました。

 チャレンジコースの制限時間7時間に対して、私の時間は6時間51分46秒。一応、記録票が貰えましたが、私がエントリーしたのはインターナショナルコースだったので、アウトです。記録票には大きく「残念」スタンプが…。

 とりあえず、残念記念写真をパチリ。標高2375mなのに全く変わらない気温…。とにかく暑かったです。

「残念」付きの記録票をもらいました!「残念」付きの記録票をもらいました!

 下山ですが、台湾のチームの方々は自分のチームカーで帰っていきます。サポートカーがない人向けには、自転車も一緒に運んでくれる下山バス(有料1500元)があります。下山バスはコースの途中途中で停車し、下山バスを予約している人はそこで回収されます。日本のヒルクライムでは、遅い人は回収車でいったんゴール地点まで行きますが、全く異なるシステムでした。

遥か彼方のゴールよ…遥か彼方のゴールよ…
容量たっぷりの自転車回収車容量たっぷりの自転車回収車

 このバスの中で最後の悲劇が…。走ってる時はあまり気づかなかったのですが、コースの路面…かなり凸凹のようで、バスが跳ねる跳ねる…。しかも運転が荒い…。トンネルの前では急停車ぎみ…ということで、74kmの下山中に2回も…。ちょうど袋を持っていたので良かったですが、悲惨でした。何度「自転車で下山すれば良かった…」と思ったことか…。

「加油~!」の応援が新鮮!

無事ゴールした仲間たちは、日が暮れてから帰ってきました無事ゴールした仲間たちは、日が暮れてから帰ってきました

 無事に完走した友人たちは、私がホテルに戻ってから3時間後くらい経って、辺りが真っ暗になってから帰ってきました。

 それから私たちは今回のライドの話などで盛り上がり、「第4回 MAXXIS太魯閣国際ヒルクライム2015」が終了しました。

《記録》

キクミミさん 6時間28分
桑野さん 6時間33分
いくみん 7時間19分

 もう一度、参戦したいか?って聞かれたら、「ん~、暑くなければ良いかも…?」ですね。でも、こんな超ロングヒルクライムはなかなかありません。そして、走っていると皆、「加油~!(頑張って!)」って言ってくれるのはなかなか新鮮でした。台湾のチームのサポートカーに助けられたのも良い思い出になりました。

 装備はボトル2本付けられる自転車じゃないとダメね。予備チューブ3本は要らなかったわ。アルミシートも…。サイコンはGPS計測じゃないやつにした方が良い…。それにしても、途中間違えた謎のエイドは何だったんだろう…。ホテルに帰って確認しても載っていませんでした。

◇      ◇

 これにてレポートは終わり…ではありません! 最後に「台湾観光編」をお届けします。お楽しみに!

(レポート ポタガール埼玉・後口沙織)

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