ツール・ド・フランス2015 第18ステージバルデが超級山岳で抜け出し優勝 ローラン2位でフランス勢がワン・ツーフィニッシュ

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 ツール・ド・フランス第18ステージは7月23日、ガップからサン=ジャン=ド=モーリエンヌまでの186.5kmで争われ、序盤からの大きな逃げに乗ったロマン・バルデ(フランス、アージェードゥーゼール ラモンディアル)が超級山岳でさらにアタックを決め、独走で優勝した。バルデを単独で追走したピエール・ローラン(フランス、チーム ヨーロッパカー)が2位に入った。マイヨジョーヌは危なげなくクリストファー・フルーム(イギリス、チーム スカイ)が守っている。

逃げを成功させたロマン・バルデ(フランス、アージェードゥーゼール ラモンディアル)が第18ステージを制した逃げを成功させたロマン・バルデ(フランス、アージェードゥーゼール ラモンディアル)が第18ステージを制した

 この日のステージは7つの山岳ポイントを通過するハードステージ。終盤に登場する超級山岳のグランドン峠を越え、クリテリウム・ドゥ・ドーフィネでも登場した九十九折のラセ・ド・モンヴェルニエを上り、最後の10kmは下りと平坦でフィニッシュするコースレイアウトだ。

 レースは29人という大きな逃げが決まり、メーン集団とは約5分の差をもって進んだ。この先頭集団には山岳ポイント2位の繰り上げで山岳ジャージを着用するホアキン・ロドリゲス(スペイン、チーム カチューシャ)が含まれ、序盤に登場する山岳ポイントを1位で通過しポイントを重ねた。また、総合11位以降の比較的上位に位置する選手も多く含まれ、ジャンプアップをかけた動きとステージ優勝を目指す走りに注目が集まった。

前半から逃げ続けたバルデ前半から逃げ続けたバルデ

 レースが残り100kmになると、総合10位につけるワレン・バルギル(フランス、チーム ジャイアント・アルペシン)の順位を落としたくないチームジャイアント・アルペシンとバウケ・モレマ(オランダ、トレック ファクトリーレーシング)をアシストするトレック勢がメーン集団の前方に位置しコントロール。下りでペースの上がった集団では一時的にバラける場面が見られた。同様に、逃げる先頭集団でも人数が絞られ19人ほどに人数が減る。

 その後登場したスプリントポイントではトマス・デヘント(オランダ、ロット・ソウダル)が飛び出して1位通過。デヘントはそのままの速度を維持し逃げを試みた。大人数での逃げを嫌い、さらに数人に絞ることを狙った早めの動きであったが、先頭集団からは追走がなく単独でしばらく走った後に吸収。一行はステージ山場の超級山岳・グランドン峠に入る。

 登坂距離が20kmを超えるグランドン峠に入ると、ダニエル・マーティン(アイルランド、チーム キャノンデール・ガーミン)らが堪らず脱落。ティボ・ピノー(フランス、エフデジ)も遅れる場面も見せるが、辛くも復帰した。先頭集団は名のある選手も脱落していき、約10人まで人数を減らした。山岳ポイントを狙うホアキンやヤコブ・フルサング(デンマーク、アスタナ プロチーム)らの牽引が目立つ。

 メーン集団ではチーム スカイが3分ほどの差を許してコントロール。先頭集団とのタイム差が、ある程度より開きすぎなければ良しとする動きだ。ここから少しでもタイムを稼ぎ総合成績を上げたいバルギルや、アルベルト・コンタドール(スペイン、ティンコフ・サクソ)がアタックを試みた。しかしチーム スカイはこれを容認。フルームの成績に影響を与える選手以外は見送り、アシストを含めてチームで脚を温存するような動きに見受けられた。

チームメートに守られて走るフルームチームメートに守られて走るフルーム

 先頭が頂上付近に差し掛かるとホアキンがペースに耐えられず脱落した。集団先頭をフルサングが走るもバイクと接触して落車。すぐに起き上がり集団へ戻ったが、山岳ポイント上位のフルサングにとっては痛恨のトラブルとなった。同じタイミングでペースをあげたバルデが先頭で頂上を通過し下りに入ると、スムーズなバイクコントロールで快調に飛ばし後続に40秒のアドバンテージを得た。山頂から共にしたウィナーアンドルー・アナコナ(コロンビア、モビスター チーム)は速さに追従できず、集団へと後退した。メーンでは飛び出していたコンタドールが、この下りまでに吸収されている。

 この日最後の2級山岳に差し掛かると、ヘアピンが続く上りをバルデが勢いが落ちないままハイペースで上り、頂上を単独先頭で通過。後方ではこの山岳の上り口からシリル・ゴティエ(フランス、チーム ヨーロッパカー)がローランの為にペースを上げ、応えるかたちでローランがアタック。単独でバルデを約40秒差で追走した。

ロベルト・ヘーシンク(オランダ、チーム ロットNL・ユンボ)を先頭にゴール前の急坂を行くメーン集団ロベルト・ヘーシンク(オランダ、チーム ロットNL・ユンボ)を先頭にゴール前の急坂を行くメーン集団

 グランドン峠で下りの速さを見せていたバルデは、ラスト10kmの下りも危なげなくまとめて逃げ切り。フィニッシュ直前まで踏み止めなかったが、最後はジャージを正し、笑顔でゴールラインを切って優勝を飾った。バルデはこのステージの敢闘賞も獲得している。2位にはローランが入り、フランス人がワン・ツーフィニッシュを果たしている。

 バルデはフィニッシュ後のコメントで「この地はトレーニングキャンプで走っていたのでよく知っていた。レースの中ではアタック合戦中が一番辛かった。グランドン峠では大勢の観客の声援が聞こえて励みになった」と話している。ホアキンと山岳ポイントが同ポイントで1位になったが、ホアキンの獲得したポイントのカテゴリーがバルデよりも高いため、山岳ジャージはホアキンが着用している。

 マイヨジョーヌを守ったフルームは「チームはこの日も機能し、速すぎも遅すぎもしないスピードでコントロールができた。しかし、ゲラント・トーマス(イギリス、チーム スカイ)がレース中辛そうだったのが心配だ。明日はツアーの中でも大事な日になるだろう」とコメントした。

 翌日行われる第19ステージはサン=ジャン=ド=モーリエンヌからラ・トゥッスイール – レ・スィベルまでの138kmで争われる。距離は比較的短いが、2級、超級、1級山岳が2回とハードなステージに変わりはない。総合上位勢が数少ないチャンスをものにすべく、頂上ゴールに向けて激しい争いが予想される。高いカテゴリーの山岳が登場することで、山岳ジャージ争いも見所だ。

(文 松尾修作/写真 砂田弓弦)

第18ステージ結果
1 ロマン・バルデ(フランス、アージェードゥーゼール ラモンディアル) 5時間3分40秒
2 ピエール・ローラン(フランス、チーム ヨーロッパカー) +33秒
3 ウィナーアンドルー・アナコナ(コロンビア、モビスター チーム) +59秒
4 ボブ・ユンゲルス(ルクセンブルク、トレック ファクトリーレーシング) +59秒
5 ヤコブ・フルサング(デンマーク、アスタナ プロチーム) +59秒
6 セルジュ・パウェルス(ベルギー、MTN・クベカ) +1分1秒
7 シリル・ゴティエ(フランス、チーム ヨーロッパカー) +1分50秒
8 ダミアーノ・カルーゾ(イタリア、BMC レーシングチーム) +1分50秒
9 アンドルー・タランスキー(アメリカ、チーム キャノンデール・ガーミン) +1分55秒
10 ワレン・バルギル(フランス、チーム ジャイアント・アルペシン) +3分2秒

個人総合(マイヨジョーヌ)
1 クリストファー・フルーム(イギリス、チーム スカイ) 74時間13分31秒
2 ナイロアレクサンデル・キンタナ(コロンビア、モビスター チーム) +3分10秒
3 アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター チーム) +4分9秒
4 ゲラント・トーマス(イギリス、チーム スカイ) +6分34秒
5 アルベルト・コンタドール(スペイン、ティンコフ・サクソ) +6分40秒
6 ロベルト・ヘーシンク(オランダ、チーム ロットNL・ユンボ) +7分39秒
7 ヴィンチェンツォ・ニバリ(イタリア、アスタナ プロチーム) +8分4秒
8 マディアス・フランク(スイス、イアム サイクリング) +8分47秒
9 バウケ・モレマ(オランダ、トレック ファクトリーレーシング) +12分6秒
10 ロマン・バルデ(フランス、アージェードゥーゼール ラモンディアル) +12分52秒

ポイント賞(マイヨヴェール)
1 ペテル・サガン(スロバキア、ティンコフ・サクソ) 420 pts
2 アンドレ・グライペル(ドイツ、ロット・ソウダル) 316 pts
3 ジョン・デゲンコルプ(ドイツ、チーム ジャイアント・アルペシン) 281 pts

山岳賞(マイヨアポワ)
1 ホアキン・ロドリゲス(スペイン、チーム カチューシャ) 68 pts
2 ロマン・バルデ(フランス、アージェードゥーゼール ラモンディアル) 68 pts
3 ヤコブ・フルサング(デンマーク、アスタナ プロチーム) 64 pts

新人賞(マイヨブラン)
1 ナイロアレクサンデル・キンタナ(コロンビア、モビスター チーム) 74時間16分41秒
2 ロマン・バルデ(フランス、アージェードゥーゼール ラモンディアル) +9分42秒
3 ワレン・バルギル(フランス、チーム ジャイアント・アルペシン) +9分58秒

チーム総合
1 モビスター チーム 223時間36分8秒
2 MTN・クベカ +36分23秒
3 チーム スカイ +39分38秒

敢闘賞
ロマン・バルデ(フランス、アージェードゥーゼール ラモンディアル)

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