ツール・ド・フランス2015 第16ステージ大逃げのメンバーからさらに飛び出したプラサが優勝 サガンは今大会5回目の2位で敢闘賞

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 ツール・ド・フランス第16ステージは7月20日、ブール=ド=ペアージュからガップまでの201kmで争われ、大逃げを決めた集団から飛び出したルーベン・プラサ(スペイン、ランプレ・メリダ)がステージ優勝を飾った。得意の下りを攻めたペテル・サガン(スロバキア、ティンコフ・サクソ)が今大会5回目の2位に入り、2日連続の敢闘賞を受賞した。総合成績首位のマイヨジョーヌは変わらずクリストファー・フルーム(イギリス、チーム スカイ)が堅持した。

上りで独走に持ち込んだルーベン・プラサ(スペイン、ランプレ・メリダ)が優勝上りで独走に持ち込んだルーベン・プラサ(スペイン、ランプレ・メリダ)が優勝

 この日はコース全体を上り基調で進み、2級山岳を2カ所越え、最後は道幅が狭くコーナーが続くテクニカルなマンス峠を下ってフィニッシュするステージ。過去には幾度もこの下りで勝負が繰り広げられたことから、ダウンヒラーが活躍するステージと予想された。

 レースはサガンを含む12人の逃げ集団が形成され、それを追うかたちで12人の追走集団が作られた。メーン集団はこの大きい2つの集団を容認。ペースはゆったりと進み、逃げとの差はみるみるうちに広がった。この日の気温は30度を超え、選手はチームカーから頻繁にボトルを運ぶ様子が見受けられた。

ひまわり畑を行く逃げ集団ひまわり畑を行く逃げ集団

 レースの残り距離が95kmで先頭12人に追走12人が合流。1人メーン集団に下がり23選手の集団が新たに形成された。この中にはプラサ、トマ・ヴォクレール(フランス、チーム ヨーロッパカー)、エドヴァルド・ボアッソンハーゲン(ノルウェー、MTN・クベカ)、アダム・ハンセン(オーストラリア、ロット・ソウダル)らが含まれる。メーン集団とは10分以上の差を築き、レースが進むにつれてさらに開いていった。

 残り70km地点に設けられた2級山岳を終えて下りに差し掛かるとサガンが先頭に上がりペースアップ。バイクのトップチューブへと座り、ハイスピードで下りをこなした。一時はバラけた先頭集団も下りが終わると再び一つへまとまる。しかし、残り距離60km地点の緩い上りで再びサガンが先頭でペースを上げ、人数を減らそうと試みた。これをきっかけに先頭集団では動きが活性化した。

 後ろのメーン集団ではパンクが同時多発的に起こり、路肩に選手が止まるも、原因は高い気温により路面のアスファルトがタイヤに付着したことと判明。落車はなかったが、終盤のマンス峠の下りの路面状況が心配された。メーン集団は下りでペースを落とし、先頭集団との差は15分に開いた。

アタックを決め、単独でゴールを目指すプラサアタックを決め、単独でゴールを目指すプラサ

 人数が多い先頭集団ではフィニッシュまで50kmを切り、ボアッソンハーゲンやサガンが頻繁にアタックを繰り返した。ここで抜け出したのがハンセンで、しばらく単独で逃げるが、マルコ・ハラー(オーストリア、チーム カチューシャ)が合流。2人で約30kmを逃げ続けた。残りの距離は20kmを切り、マンス峠の上りへと突入。ハンセンらは50秒ほどのタイム差で先行していたが、サガン、シモン・ゲシュケ(ドイツ、チーム ジャイアント・アルペシン)らの激しいペースアップがあり吸収。スピードアップに耐えられない選手が脱落していき、ヴォクレールも残ることができなかった。

 ここで飛び出したのがプラサで、上り途中で単独でアタックを仕掛け、頂上通過までに後続に1分のリードを持ち下りへと入った。後方は10人ほどの集団でプラサを追う。さらに後ろメーン集団では上り口に向けての位置取り争いが始まり、先ほどのゆったりペースがなかったかのようにBMCがペースアップ。ハイスピードで上りへと突入した。

 コーナーが連続する下りを単独でまとめるプラサだったが、後方からは下りの速さに定評のあるサガンが猛烈なスピードで追った。サガンのスピードについてこれたのはハルリンソン・パンタノ(コロンビア、イアム サイクリング)のみで、他の選手は追従できない。サガンはプラサまでの差を30秒まで縮めるも、TTが得意なプラサが振り切り独走でステージ優勝を飾った。追いきれなかったサガンは今大会5回目となる2位に入り悔しさをあらわにした。

最後の上りで集団の中から攻撃を仕掛けるコンタドール最後の上りで集団の中から攻撃を仕掛けるコンタドール

 メーン集団ではマンス峠の上りで総合成績争いが起こり、フルームをはじめ、ナイロアレクサンデル・キンタナ(コロンビア、モビスター チーム)、ヴィンチェンツォ・ニバリ(イタリア、アスタナ プロチーム)、アルベルト・コンタドール(スペイン、ティンコフ・サクソ)がペースを上げ、10人ほどにまで集団は絞られた。コンタドールが鋭いアタックを見せリードするもすぐに吸収。この動きにカウンターをかけたニバリが飛び出し単独で山頂を通過。得意の下りでタイムを稼ぐための動きだ。総合上位の中では総合タイムが遅れているニバリを集団は見送った。ニバリは下りで30秒ほどのリードを築き、そのままフィニッシュ。後方の集団ではコンタドールを先頭にレースを終えている。

 優勝したプラサは「とにかく下りが難しかった。逃げている最中にコンディションの良さを確認できたので、最後は狙って動いた」とコメントしている。

 第17ステージは休息日を挟み、いよいよ最終決戦のアルプスの山岳へと向かう。ディーニュ=レ=バンからプラ・ルーまでの161kmで争われ、距離は短いが5つの山岳が登場する。終盤の1級山岳では総合上位勢の動きが注目だ。

(文 松尾修作/写真 砂田弓弦)

第16ステージ結果
1 ルーベン・プラサ(スペイン、ランプレ・メリダ) 4時間30分10秒
2 ペテル・サガン(スロバキア、ティンコフ・サクソ) +30秒
3 ハルリンソン・パンタノ(コロンビア、イアム サイクリング) +36秒
4 シモン・ゲシュケ(ドイツ、チーム ジャイアント・アルペシン) +40秒
5 ボブ・ユンゲルス(ルクセンブルク、トレック ファクトリーレーシング) +40秒
6 クリストフ・リブロン(フランス、アージェードゥーゼール ラモンディアル) +40秒
7 ダニエル・テクレハイマノット・ギルマジオン(エリトリア、MTN・クベカ) +53秒
8 トマス・デヘント(オランダ、ロット・ソウダル) +1分0秒
9 ルイスアンヘル・マテ(スペイン、コフィディス ソリュシオンクレディ) +1分22秒
10 トマ・ヴォクレール(フランス、チーム ヨーロッパカー) +1分22秒

個人総合(マイヨジョーヌ)
1 クリストファー・フルーム(イギリス、チーム スカイ) 64時間47分16秒
2 ナイロアレクサンデル・キンタナ(コロンビア、モビスター チーム) +3分10秒
3 ティージェイ・ヴァンガードレン(アメリカ、BMC レーシングチーム) +3分32秒
4 アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター チーム) +4分2秒
5 アルベルト・コンタドール(スペイン、ティンコフ・サクソ) +4分23秒
6 ゲラント・トーマス(イギリス、チーム スカイ) +5分32秒
7 ロベルト・ヘーシンク(オランダ、チーム ロットNL・ユンボ) +6分23秒
8 ヴィンチェンツォ・ニバリ(イタリア、アスタナ プロチーム) +7分49秒
9 バウケ・モレマ(オランダ、トレック ファクトリーレーシング) +8分53秒
10 ワレン・バルギル(フランス、チーム ジャイアント・アルペシン) +11分3秒

ポイント賞(マイヨヴェール)
1 ペテル・サガン(スロバキア、ティンコフ・サクソ) 405 pts
2 アンドレ・グライペル(ドイツ、ロット・ソウダル) 316 pts
3 ジョン・デゲンコルプ(ドイツ、チーム ジャイアント・アルペシン) 264 pts

山岳賞(マイヨアポワ)
1 クリストファー・フルーム(イギリス、チーム スカイ) 61 pts
2 ホアキン・ロドリゲス(スペイン、チーム カチューシャ) 52 pts
3 ヤコブ・フルサング(デンマーク、アスタナ プロチーム) 41 pts

新人賞(マイヨブラン)
1 ナイロアレクサンデル・キンタナ(コロンビア、モビスター チーム) 64時間50分26秒
2 ワレン・バルギル(フランス、チーム ジャイアント・アルペシン) +7分53秒
3 ロマン・バルデ(フランス、アージェードゥーゼール ラモンディアル) +10分0秒

チーム総合
1 モビスター チーム 195時間23分31秒
2 MTN・クベカ +20分50秒
3 ティンコフ・サクソ +29分36秒

敢闘賞
ペテル・サガン(スロバキア、ティンコフ・サクソ)

 

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