男子エリートスタートから独走でV7山本幸平が王座奪還、末政実緒はダウンヒルとWタイトル獲得 全日本MTB選手権XCO

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 全日本MTB選手権は7月19日、長野県富士見町の富士見パノラマリゾートで、前日のダウンヒルに続いてXCO(クロスカントリー)の競技を行い、男子エリートは山本幸平(トレック ファクトリーレーシング)が昨年2位の雪辱を果たして7回目の全日本制覇を達成した。女子エリートは末政実緒(スラム / ライテック)がクロスカントリーを初制覇し、ダウンヒルとのダブルタイトルを獲得した。(レポート 中尾亮弘)

男子エリートで優勝した山本幸平(トレック ファクトリーレーシング)。自身7度目の全日本制覇を果たした (中尾亮弘撮影)男子エリートで優勝した山本幸平(トレック ファクトリーレーシング)。自身7度目の全日本制覇を果たした (中尾亮弘撮影)

別格の走りで後続に3分以上の大差

 ワールドカップで戦う山本が、全日本チャンプ獲得のため日本に戻ってきた。今季からトレック ファクトリーレーシングに移籍した山本に優勝させるため、チームは過去に全日本タイトルを獲得している野口忍、鈴木雷太、ビンセント・フラナガンをレース会場へ送り込む鉄壁のサポート体制を整えた。

 前日の大荒れの天候とは打って変わって晴れ間が広がった富士見パノラマ。レースは4.41kmを6周回で行われ、富士見パノラマで最も難易度の高いコース設定となった。

男子エリートがスタート (中尾亮弘撮影)男子エリートがスタート (中尾亮弘撮影)

 スタートから先頭に飛び出してペースを上げる山本に対し、前回王者の武井享介(フォルツァ・ヨネックス)をはじめ斉藤亮、平野星矢(ともにブリヂストンアンカー)といった有力選手はなすすべがない。山本は周回を重ねるごとにギャップを広げ、後続の選手たちとは別格の走りを見せつけた。そのままフィニッシュラインまで走り抜け、後続に3分以上の差をつけての独走勝利。2位争いは武井が斉藤を制した。

圧倒的な力を見せた山本幸平(トレック ファクトリーレーシング)。スタートからゴールまで独走した (中尾亮弘撮影)圧倒的な力を見せた山本幸平(トレック ファクトリーレーシング)。スタートからゴールまで独走した (中尾亮弘撮影)
昨年王者の武井享介(フォルツァ・ヨネックス)は2位に入った (中尾亮弘撮影)昨年王者の武井享介(フォルツァ・ヨネックス)は2位に入った (中尾亮弘撮影)
落車の跡が厳しい戦いを物語る斉藤亮(ブリヂストンアンカー)。3位でフィニッシュ (中尾亮弘撮影)落車の跡が厳しい戦いを物語る斉藤亮(ブリヂストンアンカー)。3位でフィニッシュ (中尾亮弘撮影)

チーム移籍が好影響

 レース後、山本は「勝ててよかった。去年は2位になってしまったので、今年は勝たなくてはいけなかった。練習も充実して挑めたので、不安なく先頭を走れた」と振り返った。

かつて全日本MTB選手権を制した(左から)ビンセント・フラナガン氏、野口忍氏、(1人おいて)鈴木雷太氏らが山本幸平のサポートに集まった (中尾亮弘撮影)かつて全日本MTB選手権を制した(左から)ビンセント・フラナガン氏、野口忍氏、(1人おいて)鈴木雷太氏らが山本幸平のサポートに集まった (中尾亮弘撮影)

 昨年までのスペシャライズドから今季、トレックへとチームを移籍したことについては、「バイクもパーツも全て変わったが、『トレックファミリー』という言葉があるように、家族愛のようなものを感じてストレスなく過ごせている」と述べ、好影響との認識を示した。

 今季のワールドカップでの走りについては、「初戦と第2戦は全く走れなくて、こんな成績なら出る意味はないというぐらいに思った。第3戦は気持ちを高めて臨み、24位という結果だった。やることをやらないとワールドカップでは成績は出ないと感じた」と神妙に語った。

 また来年のリオオリンピックに向けては、「自分もしっかりUCIポイント獲得しにいく。一年はすぐなので、一日一日無駄のない日々を過ごせれば、自分の納得のいく走りをして満足できると思う」と、五輪出場を見据えて語った。

意地でも前へ 末政は粘り勝ち

 女子エリートは4周回で争われ、末政と小林可奈子(MTBクラブ安曇野)とデッドヒートを繰り広げた。昨年覇者の與那嶺恵理(サクソバンクFX証券)はコースの難易度に対応できず、先行する2人に絡めない。

女子エリートは末政実緒(スラム/ライテック)と小林可奈子(MTBクラブ安曇野)の対決に (中尾亮弘撮影)女子エリートは末政実緒(スラム/ライテック)と小林可奈子(MTBクラブ安曇野)の対決に (中尾亮弘撮影)
女子エリートを制した末政実緒(スラム / ライテック)。ダウンヒルとのダブルタイトルを獲得した (中尾亮弘撮影)女子エリートを制した末政実緒(スラム / ライテック)。ダウンヒルとのダブルタイトルを獲得した (中尾亮弘撮影)

 最終周回で先にフィニッシュラインに戻ってきたのは、ダウンヒル女王の末政。クロスカントリーに参戦し始めてから3年目での初制覇となった。女子のダブルタイトルは、2位の小林が1994年にポイント総合での全日本タイトルを獲得して以来となる。

 末政は「ダブルタイトルを取りたいと思いつつ、本当に取れるのかなと心配だったので、取れて嬉しい。小林選手には前回は抜かれたので、意地でも前に出る粘り勝ち。これからのアジア選手権や世界選手権にもクロスカントリーで出場したい」と語った。

U23を制した沢田時(ブリヂストンアンカー)。3連覇を達成した (中尾亮弘撮影)U23を制した沢田時(ブリヂストンアンカー)。3連覇を達成した (中尾亮弘撮影)

 U23は沢田時(ブリヂストンアンカー)が3連覇を飾った。沢田は「思い通りの落ち着いた良いレースができた」と語った。

男子エリートの表彰式 (中尾亮弘撮影)男子エリートの表彰式 (中尾亮弘撮影)
女子エリートの表彰式 (中尾亮弘撮影)女子エリートの表彰式 (中尾亮弘撮影)
男子U23の表彰式 (中尾亮弘撮影)男子U23の表彰式 (中尾亮弘撮影)


男子エリート
1位 山本幸平(トレックファクトリーレーシング) 1時間32分40秒82
2位 武井享介(フォルツァ・ヨネックス)+3分14秒67
3位 斉藤亮(ブリヂストンアンカー)+3分19秒27
4位 平野星矢(ブリヂストンアンカー)+4分29秒84
5位 恩田祐一(BHレーシングMTBチーム)+6分53秒85
6位 門田基志(チームジャイアント)+7分51秒96
7位 小野寺健(ミヤタ・メリダ)+8分14秒19
8位 小笠原崇裕 (ザ バイクジャーナル)+9分09秒91
9位 松尾 純(ミヤタ・メリダ)9分43秒40
10位 品川真寛(チームユーキャン)+9分59秒69


女子エリート
1位 末政実緒(スラム/ライテック)1時間17分45秒57
2位 小林可奈子(MTBクラブ安曇野)+39秒80
3位 與那嶺恵理(サクソバンクFX証券)+2分19秒40
4位 ケリー美枝子(ケリー)+3分01秒58
5位 中込由香里(maillot SY-Nak)4分08秒67


男子U23
1位 沢田時(ブリヂストンアンカー)1時間02分46秒11
2位 中原義貴(BHレーシングMTBチーム)1分04秒24
3位 前田公平(BiORACER)1分46秒49


男子ジュニア 
1位 平林安里(ウェストベルグ/プロライド)1時間04分57秒84
2位 竹内遼(ウェストベルグ/プロライド)+1分57秒92
3位 山田将輝(リミテッド846/ライテック)+4分28秒74


男子ユース
1位 平林 力(ウェストベルグ/プロライド)35分03秒09
2位 山口創平(ウェストベルグ/プロライド)+2分37秒82
3位 村上功太郎(こけむしろ)+2分56秒61


女子ジュニア
1位 佐藤寿美(チームBG8)1時間03分59秒88
2位 石田 恵(リミテッドチーム846)+12分42秒46


女子ユース
1位 山田夕貴(チームBG8)44分47秒50
2位 小林あか里(MTBクラブ安曇野)+1分03秒27
3位 中島悠里(maillot SY-Nak)14分45秒52


男子マスターズ
1位 竹谷賢二(スペシャライズドレーシング)1時間12分35秒70
2位 植川英治(キヤノンCC)+3分16秒91
3位 小田島貴弘(maillot SY-Nak)+4分06秒15


女子マスターズ
1位 真川好美(チームニポポ)1時間10分26秒11

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