ツール・ド・フランス2015 第15ステージ大集団スプリントでグライペルが今大会3勝目 サガン再三の逃げも実らず4位敢闘賞

  • 一覧

 ツール・ド・フランス第15ステージは7月19日、マンドからヴァランスまでの183kmで行われ、大集団でのゴールスプリントを制したアンドレ・グライペル(ドイツ、ロット・ソウダル)が今大会3勝目を挙げた。総合各賞での順位変動はなく、クリストファー・フルーム(イギリス、チーム スカイ)が総合首位のマイヨジョーヌを守っている。

ゴールスプリントを制し、今大会3勝目を挙げたアンドレ・グライペル(右:ドイツ、ロット・ソウダル)ゴールスプリントを制し、今大会3勝目を挙げたアンドレ・グライペル(右:ドイツ、ロット・ソウダル)

 この日は中央山塊からアルプスに向け、東へと進むステージ。スタート直後に3級山岳を上り、中盤に4級山岳を続けざまに2つ上ると、一気に中央山塊から20km以上をダウンヒル。中間スプリントを経て126.5km地点の2級山岳を越えると、ゴールまでの60km近くは、下りと平坦のみとなる。逃げが予想されるとともに、ある程度上りをこなせるスプリンターを抱えるチームも、ゴールを狙ってくることが予想された。

 レースはスタート直後から逃げを狙ってのアタックが頻発した。一時は30人近くがメーン集団から先行していたが、3級山岳を過ぎて9人の逃げに落ち着いた。いっぽう上りを苦手とするマーク・カヴェンディッシュ(イギリス、エティックス・クイックステップ)ら一部スプリンターはこの時点で遅れ、完走狙いのグルペット集団を形成している。

この日も大きな逃げグループが形成されたこの日も大きな逃げグループが形成された

 逃げはティボ・ピノー(フランス、エフデジ)、マイケル・ロジャース(オーストラリア、ティンコフ・サクソ)、ペテル・サガン(スロバキア、ティンコフ・サクソ)、ラースユティング・バク(デンマーク、ロット・ソウダル)、シモン・ゲシュケ(ドイツ、チーム ジャイアント・アルペシン)、アダム・イェーツ(イギリス、オリカ・グリーンエッジ)、ミハウ・クフィアトコフスキー(ポーランド、エティックス・クイックステップ)、マッテーオ・トレンティン(イタリア、エティックス・クイックステップ)、ライダー・ヘシェダル(カナダ、チーム キャノンデール・ガーミン)という豪華メンバー。連日逃げに入るサガンは、中間スプリントポイントとともに今大会初勝利を狙う。

 いっぽうメーン集団は、チーム カチューシャが先頭でコントロール。繰り上がりで山岳賞ジャージを着るホアキン・ロドリゲス(スペイン、チーム カチューシャ)も牽引に加わり、この日はアレクサンドル・クリツォフ(ノルウェー、チーム カチューシャ)でのスプリント狙いであることをうかがわせる。逃げとの差は1分半から2分程度に抑えられた。

 4級山岳を2つ越えてからの下りでは、小雨気味の濡れた路面でのダウンヒルとなったが、大きなトラブルは発生せず。メーン集団は一旦カチューシャが下がったため、リーダーチームのチーム スカイがコントロールしたが、マイヨジョーヌのフルームを含め笑顔を見せるリラックスムードだ。下りを終えて再びカチューシャが先頭に立つと、一旦3分まで広がったタイム差は再び減少に転じた。

日曜日ということもあり、多くの観客が沿道に詰めかけた日曜日ということもあり、多くの観客が沿道に詰めかけた

 中間スプリントは、逃げ集団ではサガン、メーン集団ではジョン・デゲンコルプ(ドイツ、チーム ジャイアント・アルペシン)が先頭通過。ポイント賞上位勢の静かな攻防が続く。後半の2級山岳、エスクリネ峠の上りも、先頭の9人は崩れずに通過。メーン集団では上りでチーム ヨーロッパカー勢が前方に揃って姿をみせ、ブライアン・コカール(フランス)でのスプリント争いに向けてのアピールを開始した。

 ここからの下りで、先頭を行く逃げ集団に異変が起きた。トレンティンが若干先行し、それを追う8人では、しばらく先頭交代に加わらなくなっていたバクに対し、先頭交代を要求するかたちで集団がストップ。後ろにスプリンターエースのグライペルを抱えるバクは要求に完全に応じることはなく、結果的にここで逃げは崩壊することになった。しびれを切らしたヘシェダルが単独アタックしトレンティンに合流したが、残る7人はほどなくメーン集団に吸収された。

 トレンティンとヘシェダルは逃げ切りを試みるが、すでにメーン集団はカチューシャ、ヨーロッパカーに加え、ロット・ソウダルも牽引に加わっており、数十秒のリードはあっという間に削りとられ、2人は残り30kmを切ったところで吸収された。

 残り20km地点を過ぎて、スプリンター系、総合系それぞれのチームが、位置取りのために集団前方に上がっていく。終盤に集団先頭を占めたのはBMC。いくつか単発のアタックはかかるが決まることはなく、大集団はゴール地点のヴァランスの市街地へと突入した。

 残り3kmから、今大会すでに1勝しているズデニェック・シュティバル(チェコ、エティックス・クイックステップ)が単独アタックするものの、残り1kmで吸収。最後のスプリント争いは、この日長く働いたカチューシャのリードアウトから、クリツォフ有利の態勢からスタートした。

ボトルを持って走るフルーム。この日も危なげなくマイヨジョーヌを守ったボトルを持って走るフルーム。この日も危なげなくマイヨジョーヌを守った

 最終コーナーで先頭に出ようとするクリツォフに対して、外側から一気に加速して先頭に躍り出たのはグライペルだ。グライペルの後ろに付けていたデゲンコルプも加速して並びかけるが届かない。クリツォフも最後追い込むが距離が足りず、グライペル、デゲンコルプ、クリツォフ、そしてサガンの順でゴールした。逃げていたサガンはこの日の敢闘賞を獲得した。

 グライペルは今大会3勝目。「一日中働いたカチューシャに敬意を表したい。序盤の上りは本当に辛く、ここで終わりになるのではとすら思った。今日は普段リードアウトする選手がおらず(グレゴリー・ヘンダーソンはリタイア、マルセル・ジーベルクはグルペット)、いつもと異なる組み立てが必要だった。残り250mの看板を見て加速し、100mのところで11Tのギアに入れた」とこの日のレースを振り返った。「次のスプリントはシャンゼリゼ(最終ステージ)になりそうだけど、そこまでにこなす上りの量を考えると、次の日曜日はとても遠く感じる。まずは休息日を目標に走るよ」と今後の見通しを語った。

 翌第16ステージは、アルプスへの入り口とも言える、ブール=ド=ペアージュからガップへの201kmのレース。後半130kmと189km地点で2級山岳を越えると、ゴールまで10kmのダウンヒルをこなしてのゴール。2度目の休息日を前に、逃げ切りを狙う動きはもちろんだが、メーン集団での上りの攻防、そして最終ダウンヒルでのせめぎ合いも目が離せない。

(文 米山一輝/写真 砂田弓弦)

第15ステージ結果
1 アンドレ・グライペル(ドイツ、ロット・ソウダル) 3時間56分35秒
2 ジョン・デゲンコルプ(ドイツ、チーム ジャイアント・アルペシン) +0秒
3 アレクサンドル・クリツォフ(ノルウェー、チーム カチューシャ) +0秒
4 ペテル・サガン(スロバキア、ティンコフ・サクソ) +0秒
5 エドヴァルド・ボアッソンハーゲン(ノルウェー、MTN・クベカ) +0秒
6 ラムーナス・ナヴァルダウスカス(リトアニア、チーム キャノンデール・ガーミン) +0秒
7 クリストフ・ラポルト(フランス、コフィディス ソリュシオンクレディ) +0秒
8 マイケル・マシューズ(カナダ、オリカ・グリーンエッジ) +0秒
9 ダヴィデ・チモライ(イタリア、ランプレ・メリダ) +0秒
10 フロリアン・ヴァション(フランス、ブルターニュ・セシェ アンヴィロヌマン) +0秒

個人総合(マイヨジョーヌ)
1 クリストファー・フルーム(イギリス、チーム スカイ) 59時間58分54秒
2 ナイロアレクサンデル・キンタナ(コロンビア、モビスター チーム) +3分10秒
3 ティージェイ・ヴァンガードレン(アメリカ、BMC レーシングチーム) +3分32秒
4 アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター チーム) +4分2秒
5 アルベルト・コンタドール(スペイン、ティンコフ・サクソ) +4分23秒
6 ゲラント・トーマス(イギリス、チーム スカイ) +4分54秒
7 ロベルト・ヘーシンク(オランダ、チーム ロットNL・ユンボ) +6分23秒
8 ヴィンチェンツォ・ニバリ(イタリア、アスタナ プロチーム) +8分17秒
9 トニー・ガロパン(フランス、ロット・ソウダル) +8分23秒
10 バウケ・モレマ(オランダ、トレック ファクトリーレーシング) +8分53秒

ポイント賞(マイヨヴェール)
1 ペテル・サガン(スロバキア、ティンコフ・サクソ) 360 pts
2 アンドレ・グライペル(ドイツ、ロット・ソウダル) 316 pts
3 ジョン・デゲンコルプ(ドイツ、チーム ジャイアント・アルペシン) 264 pts

山岳賞(マイヨアポワ)
1 クリストファー・フルーム(イギリス、チーム スカイ) 61 pts
2 ホアキン・ロドリゲス(スペイン、チーム カチューシャ) 52 pts
3 ヤコブ・フルサング(デンマーク、アスタナ プロチーム) 41 pts

新人賞(マイヨブラン)
1 ナイロアレクサンデル・キンタナ(コロンビア、モビスター チーム) 60時間2分4秒
2 ワレン・バルギル(フランス、チーム ジャイアント・アルペシン) +7分53秒
3 ロマン・バルデ(フランス、アージェードゥーゼール ラモンディアル) +10分0秒

チーム総合
1 モビスター チーム 181時間14分18秒
2 チーム スカイ +15分39秒
3 ティンコフ・サクソ +30分28秒

敢闘賞
ペテル・サガン(スロバキア、ティンコフ・サクソ)

この記事のコメント

利用規約順守の上ご投稿ください。

関連記事

この記事のタグ

ツール・ド・フランス2015 ツール2015・レースレポート

  • 一覧

新着ニュース

もっと見る

ピックアップ

e-BIKE最新特集

スペシャル

自転車協会バナー

ソーシャルランキング

インプレッション

インプレッション一覧へ

連載