小児がんのためのチャリティーに協力フェイスブック「いいね!」に応じて自費で寄付 ベルギーの一家がVWバスで巡るツール

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 谷の町ミヨーは、7月18日に開かれたツール・ド・フランス第14ステージ、ロデーズからマンドまで178.5kmのコースの100km地点にあたる。切り立った岩壁もさることならがら、谷をまたぐように架かる全長2460m、主塔の高さ343mのミヨー橋も見ものだ。この目で見たいと町に宿をとると、古いフォルクスワーゲンバス「T1」でツールを追いかけている一家に出会った。なんでも、フェイスブックページの「いいね!」の数に応じて、小児がんのためのチャリティーに寄付しているのだという。(マンド 柄沢亜希)

ペルマンスさん一家のフォルクスワーゲンバス「T1」は、“ブレケ(Bulleke)”というニックネーム。バートさんがベトナムでツアーガイドをしていた時に出会ったニュンさんは今回初参加だそうだ。「いつも家で心配だったから一緒にいられて幸せ」ペルマンスさん一家のフォルクスワーゲンバス「T1」は、“ブレケ(Bulleke)”というニックネーム。バートさんがベトナムでツアーガイドをしていた時に出会ったニュンさんは今回初参加だそうだ。「いつも家で心配だったから一緒にいられて幸せ」

このバスは、いたるとろで人気者

 一家で旅をしているのは、ベルギーで高校の教師をしているバート・ペルマンスさん(Bart Pelemans)と妻のニュン・レさん(Nhung Le)、娘のリンちゃん(Linh、10歳)と、アンちゃん(Anh、7歳)。今回が5回目となるツール・ド・フランス観戦の旅だ。

壮大なミヨー橋(右)は、この場所に到着する8kmも手前から見えた。左に見えるのがミヨーの町。ツール・ド・フランス第14ステージでは選手たちがこの下の道を走行した壮大なミヨー橋(右)は、この場所に到着する8kmも手前から見えた。左に見えるのがミヨーの町。ツール・ド・フランス第14ステージでは選手たちがこの下の道を走行した

 毎日のスケジュールは、だいたい午前中に出発して、コースが封鎖される前にめぼしい観戦場所を見つけ、待機する。ツールの到来を待っている間には、バドミントンをしたりお絵かきをしたりと有意義な時間を過ごしているそうだ。

絵が得意なリンちゃん(左)とアンちゃんが、沿道で描いたという最新作を見せてくれた絵が得意なリンちゃん(左)とアンちゃんが、沿道で描いたという最新作を見せてくれた

 チャリティーのきっかけは、「フェイスブックページの『いいね!』を増やすこと」とバートさん。ニックネームを“ブレケ(Bulleke)”と名づけたバスの、ファンページだ。「ブレケは2016年で“60歳”を迎える。誰もに親しまれるこのバスは、いたるとろで人気者で、僕の教え子が『だったらフェイスブックページを作ったら?』と提案してきたんだ。ところが、作ったはいいけれどページのファンが増えなくて…」

月収丸ごと寄付「いい気分だよ!」

 ある時、リンちゃんにファン数を聞かれ「20」と答えると、とてもがっかりされたという。「何かいいことをしたら増えるかもね」と話しているうちに、当時リンちゃんが映画で観て関心を持っていたがんをテーマにチャリティーをするという発想を得た。

 そこで、フェイスブックページに「1いいね!で0.1ユーロ(10ユーロセント)をチャリティーします」と記したところ、2週間で200いいねほどに増えた。地元紙などで紹介されるごとに徐々にその数を増やし、2014年のツールも残すところあと2ステージというところで、TV番組に取り上げられた。

 「いいね!の数が一気に2万に増え、娘たちも驚き喜んでいたよ。ただし、チャリティーは僕が勝手にやっていることで、すべて自費。2万ということはつまり、2千ユーロ(およそ28万円)――僕の月収を丸ごと寄付するということになるんだ。それでも、いい気分だよ! いまは“目指せ5万いいね!”と、娘たちと張り切っているんだ」

選手が走る山道を進むペルマンスさん一家選手が走る山道を進むペルマンスさん一家

◇         ◇

 最後に、「家族が健康であることが幸せ。がんだった兄弟を亡くした経験があるので、小児がんをサポートするためのチャリティーは僕にとって必然的とも言える」と話したバートさん。支出が増えることになっても困った顔を見せるどころか、いいね!獲得へまい進する様子は、とても清々しかった。

※フォルクスワーゲンバス“ブレケ”に乗ってツール・ド・フランスを訪れ、家族と沿道で楽しむ写真が英語、オランダ語、フレミッシュの各言語とともにアップされています。

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