ツール・ド・フランス2015 第12ステージ終盤追い上げたロドリゲスが超級山岳ゴールを制し勝利 フルームがライバルの攻撃をしのぐ

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 ツール・ド・フランス第12ステージは7月16日、ラヌムザンからプラトー・ド・ベイユまでの195kmで争われ、最後の上りでトップに立ったホアキン・ロドリゲス(スペイン、チーム カチューシャ)が独走でステージ優勝。今大会2勝目、ツール通算3勝目を挙げた。総合首位のマイヨジョーヌは、クリストファー・フルーム(イギリス、チーム スカイ)がライバルたちの攻撃をしのぎ、その座を守った。

超級山頂ゴールを独走で制したホアキン・ロドリゲス(スペイン、チーム カチューシャ)がステージ優勝超級山頂ゴールを独走で制したホアキン・ロドリゲス(スペイン、チーム カチューシャ)がステージ優勝

 ピレネー3連戦の最後を飾るステージは、前半から中盤にかけて2級、1級、1級とカテゴリー山岳を通過。そして立ちはだかるのは、超級山岳プラトー・ド・ベイユ。登坂距離15.8km、平均勾配7.9%の難所は、3年ぶりに頂上フィニッシュが設定された。

 レースは、20km地点に中間スプリントポイントが設けられたことから、アクチュアル(正式)スタートと同時にロット・ソウダルがプロトンを先導。狙い通り、エーススプリンターのアンドレ・グライペル(ドイツ)をトップ通過させることに成功。ここを3位通過したポイント賞トップのペテル・サガン(スロバキア、ティンコフ・サクソ)に対し2ポイント差に迫り、マイヨヴェール争いも熾烈さを増している。

 中間スプリントポイントを通過すると、主役は逃げ狙いの選手や総合上位陣にバトンタッチ。リーウ・ウェストラ(オランダ、アスタナ プロチーム)、ブライアン・コカール(フランス、チーム ヨーロッパカー)、ルイ・メインティス(南アフリカ、MTN・クベカ)の飛び出しをきっかけに、次々とメーン集団からアタックがかかり、最大で22人の先頭集団が形成された。この中に、ロドリゲスやヤコブ・フルサング(デンマーク、アスタナ プロチーム)、ロマン・バルデ(フランス、アージェードゥーゼール ラモンディアル)といった実力者も多く含まれた。

 このステージ最初のカテゴリー山岳、2級ポルテ・ダスペ峠はゲオルグ・プライドラー(オーストリア、チーム ジャイアント・アルペシン)が1位通過。続く1級山岳ラ・コル峠は、クリスティアン・ドゥラセク(クロアチア、ランプレ・メリダ)が1位で頂上をクリア。ラ・コル峠の上り途中からは雨が降り始め、不安定な天候の中でレースが進んだ。

クフィアトコフスキーと共に逃げるヴァンマルククフィアトコフスキーと共に逃げるヴァンマルク

 先頭集団に動きがあったのは、残り80kmを切ったあたり。世界王者の証、マイヨアルカンシエルを身にまとうミハウ・クフィアトコフスキー(ポーランド、エティックス・クイックステップ)と、セップ・ヴァンマルク(ベルギー、チーム ロットNL・ユンボ)が抜け出すと、プライドラーが単独で合流。3選手での逃げが始まった。一方、メーン集団は、マイヨジョーヌのフルームがトイレ休憩を行ったことで全体のペースが落ち、クフィアトコフスキーらとの差が約13分にまで広がった。前日の第11ステージに続き、このステージも先行する選手の中からステージ優勝者が出ることは濃厚となった。

 この日3つ目の山岳、1級ポール・ド・レルスはクフィアトコフスキーが1位通過。追走グループをはさみ、メーン集団は約9分40秒差で頂上を通過。リーダーチームであるチーム スカイが淡々とペースメークを図った。

 25kmに及ぶダウンヒル、その後の平坦路を経て、いよいよプラトー・ド・ベイユの上りへと入っていく。クフィアトコフスキーとヴァンマルクに絞られた逃げグループは、ロドリゲスやフルサング、バルデらが含まれる追走グループに対し約2分のリード。ステージ優勝争いの行方は、最後の上りに委ねられることとなった。

 残り14kmとなったところでクフィアトコフスキーがヴァンマルクを引き離し、単独先頭に立つ。追走もロドリゲス、フルサング、バルデと力のある3選手に絞られ、ペースを上げる。すると、残り8kmを前にロドリゲスがアタック。みるみる間にフルサングとバルデを引き離し、先頭を走るクフィアトコフスキーも残り7.7kmでパス。ステージ優勝に向かって、力強いペダリングを見せる。

ロドリゲスが先行していたクフィアトコフスキーをパスするロドリゲスが先行していたクフィアトコフスキーをパスする

 ハイペースを刻んだロドリゲスは、ラスト1kmを切ったところで勝利を確信し何度もガッツポーズ。最後は雄叫びを挙げながら、両こぶしを高々と掲げフィニッシュラインを通過した。

 レース距離を追うごとに天候が悪化、ときにひょうが降り、気温も一気に下がる難しいコンディションの中、強さを発揮したロドリゲス。今大会は総合優勝候補の一角として乗り込んだが、ここまで思うような走りができず、総合首位のフルームから20分以上の遅れで上位進出が絶望的な状況となっていた。前日のレース後には、総合成績を諦めステージ優勝狙いに切り替えることを明言。普段拠点とするアンドラ公国からほど近いプラトー・ド・ベイユでの有言実行の走りに、「ピレネー初日(第10ステージ)ではハンガーノックで遅れ、2日目(第11ステージ)ではクラッシュに見舞われた。それでも、よいコンディションでツールに参戦できていたので、このステージで勝てることを夢見ていた」とコメント。今後の戦いについては、「ステージ勝利が目標。(アルプスが舞台の)最終週でも勝てるチャンスがあると思っている」と活躍を誓った。

 終盤は、メーン集団にも動きが見られた。ここまで精彩を欠いていたアルベルト・コンタドール(スペイン、ティンコフ・サクソ)のアタックに始まり、ヴィンチェンツォ・ニバリ(イタリア、アスタナ プロチーム)、アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター チーム)が立て続けに攻撃。これらはいずれもフルームの脇を固める、リッチー・ポート(オーストラリア)、ゲラント・トーマス(イギリス)がしっかりとチェックした。

マイヨジョーヌを守ったフルームマイヨジョーヌを守ったフルーム

 残り3.5kmでは、ナイロアレクサンデル・キンタナ(コロンビア、モビスター チーム)がアタック。これに反応したフルームが自らペースを上げるなど、総合上位陣の動きが活性化した。しかし、アタックと牽制を繰り返したため、結果的に大きな差は生まれず、一団のままフィニッシュへ。マイヨジョーヌはフルームが守っている。

 そのフルームはピレネーステージを終え、「チームが終始レースコントロールしてくれたおかげで、よいポジションで走ることができた」とアシスト陣に感謝の言葉を述べた。特に、自身も総合5位につけるトーマスについて、「クラシックレースで経験を積んできたが、総合系ライダーとしても実力があることを示している。将来的はエースとして走る日がやってくるかもしれない」と評した。

 17日の第13ステージは、ミュレからロデズまでの198.5km。後半に3級と4級のカテゴリー山岳が3つ控える、アップダウンに富んだレイアウトだ。狙い目となるのは、上れるスプリンターや逃げのスペシャリストと予想されている。そして、このステージからしばらくは中央山塊が戦いの場に。大会のクライマックスとなるアルプス山脈を目指し、一路東を目指していく。

(文 福光俊介/写真 砂田弓弦)

第12ステージ結果
1 ホアキン・ロドリゲス(スペイン、チーム カチューシャ) 5時間40分14秒
2 ヤコブ・フルサング(デンマーク、アスタナ プロチーム) +1分12秒
3 ロマン・バルデ(フランス、アージェードゥーゼール ラモンディアル) +1分49秒
4 ゴルカ・イサギレ(スペイン、モビスター チーム) +4分34秒
5 ルイ・メインティス(南アフリカ、MTN・クベカ) +4分38秒
6 ヤン・バルタ(チェコ、ボーラ・アルゴン 18) +5分47秒
7 ロマン・シカール(フランス、チーム ヨーロッパカー) +6分3秒
8 ミカエル・シュレル(フランス、アージェードゥーゼール ラモンディアル) +6分28秒
9 アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター チーム) +6分46秒
10 クリストファー・フルーム(イギリス、チーム スカイ) +6分47秒

個人総合(マイヨジョーヌ)
1 クリストファー・フルーム(イギリス、チーム スカイ) 46時間50分32秒
2 ティージェイ・ヴァンガードレン(アメリカ、BMC レーシングチーム) +2分52秒
3 ナイロアレクサンデル・キンタナ(コロンビア、モビスター チーム) +3分9秒
4 アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター チーム) +3分58秒
5 ゲラント・トーマス(イギリス、チーム スカイ) +4分3秒
6 アルベルト・コンタドール(スペイン、ティンコフ・サクソ) +4分4秒
7 ロベルト・ヘーシンク(オランダ、チーム ロットNL・ユンボ) +5分32秒
8 トニー・ガロパン(フランス、ロット・ソウダル) +7分32秒
9 ヴィンチェンツォ・ニバリ(イタリア、アスタナ プロチーム) +7分47秒
10 バウケ・モレマ(オランダ、トレック ファクトリーレーシング) +8分2秒

ポイント賞(マイヨヴェール)
1 ペテル・サガン(スロバキア、ティンコフ・サクソ) 254 pts
2 アンドレ・グライペル(ドイツ、ロット・ソウダル) 252 pts
3 ジョン・デゲンコルプ(ドイツ、チーム ジャイアント・アルペシン) 201 pts

山岳賞(マイヨアポワ)
1 クリストファー・フルーム(イギリス、チーム スカイ) 61 pts
2 ホアキン・ロドリゲス(スペイン、チーム カチューシャ) 52 pts
3 ヤコブ・フルサング(デンマーク、アスタナ プロチーム) 41 pts

新人賞(マイヨブラン)
1 ナイロアレクサンデル・キンタナ(コロンビア、モビスター チーム) 46時間53分41秒
2 ワレン・バルギル(フランス、チーム ジャイアント・アルペシン) +6分34秒
3 ロマン・バルデ(フランス、アージェードゥーゼール ラモンディアル) +13分56秒

チーム総合
1 モビスター チーム 141時間52分29秒
2 チーム スカイ +5分19秒
3 ティンコフ・サクソ +25分27秒

敢闘賞
ミハウ・クフィアトコフスキー(ポーランド、エティックス・クイックステップ)

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