さおりんの太魯閣チャレンジ<1>台湾で標高差3000m超のヒルクライムに挑戦! 出発前に低酸素室で呼吸法を学ぶ

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 台湾で6月28日に開催された「太魯閣国際ヒルクライム」に初挑戦した、ポタガール埼玉の“さおりん”こと後口沙織(うしろぐち・さおり)さんのレポートを連載します。海抜0mから3000m超までを一気に駆け上がる世界屈指のスーパーヒルクライムレースだけに、事前準備が大切。まずは出発前、6月下旬に体験した低酸素トレーニングの様子をお届けします。

高地でのヒルクライムに向け、低酸素室で事前トレーニングを行いました!高地でのヒルクライムに向け、低酸素室で事前トレーニングを行いました!

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 ポタガール埼玉の後口沙織です。今回は、日本では経験できない標高差のヒルクライムに参戦します! そのすごさはコース概要を見るだけで明らかです。

台湾ヒルクライムシリーズ 第4回 MAXXIS太魯閣国際ヒルクライム2015

コース名(距離 / 標高差 / 制限時間)
★インターナショナルコース(88.83Km / 3275.4m / 8時間)
★チャレンジコース(74.09Km / 2374m / 7時間)
★太魯閣サイクリングコース(44.78Km / 480m / 6時間)

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 私は一番距離の長いインターナショナルコースに挑戦します。しかし、以前富士山の6合目で高山病になった私が、こんな標高差を駆け上がっても大丈夫なのか、という不安が…

 事前に低酸素状態でトレーニングする場所がどこかにないのか?と探してたどり着いたのが、80歳でエベレストに3度目の登頂を果たした三浦雄一郎さんが代表を務める「ミウラドルフィンズ」です。出発前に、こちらで低酸素トレーニングを行いました。

踏み台昇降だけでフラッ…

常圧低酸素室についての説明。エベレストまで想定しています常圧低酸素室についての説明。エベレストまで想定しています

 低酸素を体験するメニューは、滞在標高が富士山以上の、海外の高所へ行く方を対象としたテスト「海外高所テスト」と、富士山や、アルプスなど国内登山を目指す方対象とした「富士山テスト」があります。私は「富士山テスト」を体験してきました。

 こちらの施設の低酸素室は、気圧は変化しませんが、特殊な装置を使って部屋の酸素濃度を低くすることで、酸素の量を高所と同じように低くしています。この日は2回に分けてトレーニングを行うことになりました。事前に低酸素室についてレクチャーを受け、いざ、部屋の中へ!

特殊な装置で、室内の酸素濃度を低下させます特殊な装置で、室内の酸素濃度を低下させます
低酸素状態における身体の変化など、事前にレクチャーを受けます低酸素状態における身体の変化など、事前にレクチャーを受けます

 このとき指に付ける装置は「パルスオキシメーター」というもので、身体の中の血中酸素濃度を測る機器です。看護師をしている私は、仕事で患者さんの状態を看るために常に使っていて、慣れ親しんでいる機器。数値が示す身体の状態もわかります。今回は自身の変化をリアルに数値で見られるとあって、とても楽しみです。ちなみに健康な方の血中酸素濃度は97%くらいです。

 標高3500mの酸素濃度に設定された低酸素室に入り、しばらく安静に座って身体の変化をみます。

低酸素室で踏み台昇降運動。簡単な動作でも息切れします低酸素室で踏み台昇降運動。簡単な動作でも息切れします

 続いて、踏み台昇降運動です。初めはゆっくりペースで。しかし、やはり酸素が薄いので、簡単な動作でもなんとなく息切れ…メーターを見ると80%台に! これが医療現場なら酸素吸入開始です。

 自身の身体の変化を実感したところで、先生から教わった呼吸法を実践します。この呼吸は実に簡単で、動きに合わせてしっかり呼吸をすること。動作を行いながら実践すると、メーターの数値が上がり、身体も呼吸法を実践する前より楽になります。

 慣れたところで、踏み台昇降運動のペースを速くします。数値は70%台まで低下した時があり、身体がフラッとする実感がありました。そこでもすかさず、意識的に呼吸法を実践して回復を図ります!

 1回目のトレーニングはこんな感じで、低酸素における身体の変化を実感し、呼吸法を学びました。簡単な運動にもかかわらず、やはり低酸素状態では筋肉の疲労や体力の消耗が激しいことを実感しました。

酸素不足の感覚を記憶

 2回目は、実際に低酸素室で自転車に乗ってみました。ミウラドルフィンズは固定ローラーがあり、自分の自転車を持ち込んでもOKでしたが、この日は雨予報だったため持参せず、施設のバイクマシンでトレーニングしました。バイクマシンはペダルの重さを調節できるので、慣れたらどんどん重くして負荷をかけていきます。

パルスオキシメーターを装着してトレーニングを開始パルスオキシメーターを装着してトレーニングを開始
徐々に負荷をかけていきます徐々に負荷をかけていきます

 運動を開始すると、いきなりメーターは80%台後半に、部屋にはTVがあり、DVDを見ながらトレーニングができます。お話を聞くと、有名選手も何人かここへトレーニングに来ていたことがあり、自転車レースのDVDなどが置いてありました。順調に負荷をかけていくと、やはり一定の数値より下がると視界がくすんだり、頭がボーッとしました。私の場合、82%より下がると結構しんどくなりました。この感覚を身体で覚えておくことが大事だそうです。

 そして、呼吸法を実践すると90%前半まで回復。途中でバイクマシンの下に鉄板を入れて、少し傾斜をつけてヒルクライム風に。やはりちょっとでも乗り方が変化すると、すぐ数値の変化がありました。

血中酸素濃度は62%! これは大変な数値です!血中酸素濃度は62%! これは大変な数値です!

 運動する中で、一度息を止めてみると、みるみるうちに数値は60%台へ。爪の色もチアノーゼ(身体の中の酸素不足により爪や唇が紫色になること)になり、それをカメラで撮ろうとしても、何度撮ってもブレて撮れない…この時は結構自分でもびっくりしました。ペダルを回しながら、いくら呼吸法を実践してもなかなか上がらず、この時はさすがにペダルの回転数をぐっと落としました。

 2回目のトレーニングは90分で終了。この低酸素状態における身体の変化を知り、呼吸法を実践して、台湾の事前トレーニングが終了しました。

 次回は、台湾・花蓮へ移動します。実は初台湾でワクワクドキドキ…

(レポート ポタガール埼玉・後口沙織)

→<2>初上陸の台湾は想像以上の蒸し暑さ 

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