ツール・ド・フランス2015 第9ステージ上りゴールのチームタイムトライアル、BMCがスカイに1秒差で勝利 フルームが首位を守る

  • 一覧

 ツール・ド・フランス第9ステージは、ヴァンヌからプリュムレックに至る28kmのチームタイムトライアル(TT)が行われ、BMCレーシングチームが32分15秒(平均時速52.05km/h)で優勝した。総合首位のマイヨジョーヌは、この日1秒差の2位に入ったチーム スカイのクリストファー・フルーム(イギリス)が、その座を守っている。

僅差でステージ優勝をものにしたBMCレーシングチーム(写真・砂田弓弦)僅差でステージ優勝をものにしたBMCレーシングチーム(写真・砂田弓弦)

 休息日の前日、第1週のラストを飾るチームTTは、レース時間は30分台と短めだが、序盤はコーナーが多く、中盤以降は長めの上りがあるという、チームTTとしてはタイムを伸ばしにくい難コースだ。ゴール直前は上りとなり、1.7kmで平均勾配は6.2%。チームで5番目ゴールの選手のタイムがチーム全体のタイムとなるため、いかにチームをまとめつつペースメイクを行うかが重要となる。総合成績を狙う選手のチームにとって、失敗が許されないステージだ。

チームTTの会場に入るフルーム(写真・柄沢亜希)チームTTの会場に入るフルーム(写真・柄沢亜希)

 本来のルールでは第7日までに行われるチームTTだが、今大会では特別に9日目に設定された。波乱の前半戦を経てすでに選手数を減らしているチームも多く、最初にスタートしたオリカ・グリーンエッジは3人が欠けた6選手でスタートした。チームの個人総合最上位の選手の順位の逆順に、マイヨジョーヌのフルーム擁するチーム スカイまで、5分刻みで各チームがスタートを切った。

 オリカ・グリーンエッジはこの日の成績は完全に諦めた様子で、淡々とした余裕のあるペースで37分13秒でゴールしたが、2番目スタートのブルターニュ・セシェ アンヴィロヌマンは34秒01と、これを大きく上回るタイムを記録。続く3番目スタートのランプレ・メリダが33分03秒の好タイムを記録すると、しばらくはこれが暫定トップタイムとなった。

 ほとんどのチームが最後の上りで、規定ギリギリの5人まで人数を減らした状態でゴールする。そして8番目スタートのイアム サイクリングがついに33分の壁を破り、ランプレ・メリダのタイムを10秒更新する32分53秒を記録した。

 さらに速いタイムを出したのが、昨年の個人総合覇者ヴィンチェンツォ・ニバリ(イタリア)擁するアスタナ プロチーム。中間計測ではイアムと拮抗していたが、ゴールでは3秒上回る32分50秒のタイムとなった。これを皮切りに、総合上位勢のチームによる、激しいタイム合戦が繰り広げられた。

上りでペースを上げて好タイムを記録したモビスター チーム(写真・砂田弓弦)上りでペースを上げて好タイムを記録したモビスター チーム(写真・砂田弓弦)

 強烈なタイムを叩き出したのが、ナイロアレクサンデル・キンタナ(コロンビア)のモビスター チームだ。序盤10.0km地点の第1計測ポイントではアスタナより4秒遅れたものの、上りが厳しくなる20.5km地点の第2計測では18秒と大きく逆転。最後の上りはアレハンドロ・バルベルデ(スペイン)が力強く牽引し、最終的にアスタナを31秒も上回る32分19秒を記録した。

 最終3チームもいよいよスタート。アルベルト・コンタドール(スペイン)擁するティンコフ・サクソ、ティージェイ・ヴァンガードレン(アメリカ)のBMCと続き、最後にフルームのチーム スカイがスタートした。

 3チームのなかで成功したのがBMCとスカイ、そうでなかったのがティンコフ・サクソだ。第1計測でBMCとスカイは、モビスターを13秒上回る同タイム。第2計測でもBMCが3秒、スカイが4秒、暫定首位のモビスターを上回った。これに対しティンコフ・サクソは、第2計測でモビスターから13秒遅れとなり、怪しい雲行きに。結局、ティンコフ・サクソはモビスターから24秒遅れの32分43秒でゴール。いっぽうBMCはモビスターを4秒上回る32分15秒でゴールした。

レース終盤、5人ギリギリで走るチーム スカイ(写真・砂田弓弦)レース終盤、5人ギリギリで走るチーム スカイ(写真・砂田弓弦)

 最終ゴールのスカイの走りに注目が集まる。前半は全員揃っての美しい隊列を見せたスカイも、最後の上りでは5人にまで人数を減らした。上りの後半、フルームが先頭に立ってペースを上げるが、タイム基準となる5人目を走るニコラ・ロッシュ(アイルランド)が、苦しい表情で離れてしまう。フルームが下がって励ますが、チームはペースダウンを余儀なくされ、最後のゴールラインでのタイムは32分16秒。この瞬間にBMCのステージ優勝が確定した。

マイヨジョーヌを守ったフルーム(写真・砂田弓弦)マイヨジョーヌを守ったフルーム(写真・砂田弓弦)

 優勝が決まったBMCはお祭り騒ぎ。個人総合でもヴァンガードレンが3位から2位に、グレッヒ・ヴァンアーヴェルマート(ベルギー)が5位から3位に、それぞれ順位を上げた。総合上位を争うチームでは、BMC、スカイ、モビスターが拮抗し、ティンコフ・サクソが遅れ、アスタナがさらに遅れるという結果となった。個人総合首位はフルームが、ステージ優勝は惜しくも逃したものの、危なげなくキープしている。

 波乱の第1週を終えたツールは、最初の休息日を迎える。休息日明けの第10ステージは7月14日のフランス革命記念日、タルブからラ・ピエール=サン=マルタンまでの167kmで行われる。厳しい山岳コースが続く第2週の幕開けとなるこのステージは、レース後半まで小さなアップダウンにとどまるものの、ラスト15kmから一気に標高差1100mの超級山岳を駆け上がる頂上ゴールだ。ここまでの激戦でついたタイム差が一気に逆転することもあり得る、第2週初日から注目のステージだ。

(文 米山一輝/写真 砂田弓弦、柄沢亜希)

第9ステージ結果
1 BMC レーシングチーム 32分15秒
2 チーム スカイ +1秒
3 モビスター チーム +4秒
4 ティンコフ・サクソ +28秒
5 アスタナ プロチーム +35秒
6 イアム サイクリング +38秒
7 エティックス・クイックステップ +45秒
8 ランプレ・メリダ +48秒
9 チーム ロットNL・ユンボ 33分29秒 +1分14秒
10 アージェードゥーゼール ラモンディアル +1分24秒

個人総合(マイヨジョーヌ)
1 クリストファー・フルーム(イギリス、チーム スカイ) 31時間34分12秒
2 ティージェイ・ヴァンガードレン(アメリカ、BMC レーシングチーム) +12秒
3 グレッヒ・ヴァンアーヴェルマート(ベルギー、BMC レーシングチーム) +27秒
4 ペテル・サガン(スロバキア、ティンコフ・サクソ) +38秒
5 アルベルト・コンタドール(スペイン、ティンコフ・サクソ) +1分03秒
6 リゴベルト・ウラン(コロンビア、エティックス・クイックステップ) +1分18秒
7 アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター チーム) +1分50秒
8 ゲラント・トーマス(イギリス、チーム スカイ) +1分52秒
9 ナイロアレクサンデル・キンタナ(コロンビア、モビスター チーム) +1分59秒
10 ズデニェック・シュティバル(チェコ、エティックス・クイックステップ)

ポイント賞(マイヨヴェール)
1 ペテル・サガン(スロバキア、ティンコフ・サクソ) 213 pts
2 アンドレ・グライペル(ドイツ、ロット・ソウダル) 210 pts
3 マーク・カヴェンディッシュ(イギリス、エティックス・クイックステップ) 159 pts

山岳賞(マイヨアポワ)
1 ダニエル・テクレハイマノット・ギルマジオン(エリトリア、MTN・クベカ) 4 pts
2 ホアキン・ロドリゲス(スペイン、チーム カチューシャ) 2 pts
3 アレクシー・ヴュイエルモーズ(フランス、アージェードゥーゼール ラモンディアル) 2 pts

新人賞(マイヨブラン)
1 ペテル・サガン(スロバキア、ティンコフ・サクソ) 31時間34分50秒
2 ナイロアレクサンデル・キンタナ(コロンビア、モビスター チーム) +1分21秒
3 ワレン・バルギル(フランス、チーム ジャイアント・アルペシン) +2分05秒

チーム総合
1 BMC レーシングチーム 95時間48分4秒
2 ティンコフ・サクソ +4分04秒
3 エティックス・クイックステップ +7分28秒

この記事のコメント

利用規約順守の上ご投稿ください。

関連記事

この記事のタグ

ツール・ド・フランス2015 ツール2015・レースレポート

  • 一覧

新着ニュース

もっと見る

ピックアップ

e-BIKE最新特集

スペシャル

自転車協会バナー

ソーシャルランキング

インプレッション

インプレッション一覧へ

連載