ツール・ド・フランス2015 第6ステージシュティバルが隙をつくロングスプリントで優勝 マイヨジョーヌのマルティンは鎖骨骨折

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 ツール・ド・フランス第6ステージは9日、アブヴィルからル・アーブルまでの191.5kmkmで争われ、残り1kmを過ぎてからズデニェック・シュティバル(チェコ、エティックス・クイックステップ)が牽制に入った集団から飛び出しステージ優勝を飾った。ゴール前1km地点で起きた落車にマイヨジョーヌを着用するトニー・マルティン(ドイツ、エティックス・クイックステップ)が含まれ鎖骨を骨折。翌日のステージへの出走が絶望的となっている。

区間賞を飾ったズデニェック・シュティバル(チェコ、エティックス・クイックステップ)区間賞を飾ったズデニェック・シュティバル(チェコ、エティックス・クイックステップ)

 この日のステージは4級山岳を3回、スプリントポイントを1回通過する平坦基調のコースレイアウトで争われた。コース中盤からは海岸線を走るため、横風を各チームが警戒した。また、フィニッシュ前1.5km付近からは平均勾配7%の上りがあり、ピュアスプリンター以外にも、クラシックレースを得意とする選手の走りにも注目された。

 レースはプロコンチネンタルチームの3選手が先行する形で展開した。ケネット・ヴァンビルセン(ベルギー、コフィディス ソリュシオンクレディ)、ダニエル・テクレハイマノット・ギルマジオン(エリトリア、MTN・クベカ)、そして今大会で逃げの姿を多く見せているペリグ・ケムヌール(フランス、チーム ヨーロッパカー)が集団と最大12分の差をつけて逃げをうった。

 メーン集団は連日のストレスフルなステージと異なりリラックスした様子を見せる。前方ではロット・ソウダル、チーム ジャイアント・アルペシン、エティックス・クイックステップなどスプリンターを擁するチームが固めるが、逃げ集団との差を縮めるのではなく、逃げ集団と残りの距離を考え、一定のタイム差を維持し、メーン集団をコントロールをする動きを見せた。

逃げグループのなかで積極的に山岳ポイントを取ったダニエル・テクレハイマノット・ギルマジオン。この日山岳賞を獲得逃げグループのなかで積極的に山岳ポイントを取ったダニエル・テクレハイマノット・ギルマジオン。この日山岳賞を獲得

 残り120km地点に設けられた今ステージ最初の山岳ポイントはテクレハイマノットがヴァンビルセンとの接戦に勝ち獲得。残り113kmの2つめの山岳ポイントもテクレハイマノットが先頭で通過しポイントを獲得した。この時点で合計2ポイントを獲得したテクレハイマノットは山岳リーダージャージを着用するホアキン・ロドリゲス(スペイン、チーム カチューシャ)と同ポイントとなる。

 後方の集団では海岸線に近づいてきたからか、リスクを警戒する総合系のチームがメーン集団前方へと上がった。数チームが前に上がることでペースもアップし、逃げ集団とのタイム差が一気に4分程になるも、再びペースは落ち、5分ほどのタイムギャップでレースは推移した。途中、アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター チーム)が落車したり、アルベルト・コンタドール(スペイン、ティンコフ・サクソ)がパンクするもゆっくりとした展開に助けられ無難に集団へと復帰している。その後は海岸線を走るも風は弱く、集団では攻撃を仕掛けるチームは無かった。

 残り50km地点からは総合系のチームの牽引が目立った。残り46km地点のスプリントポイントは逃げ集団のケムヌールが先頭通過。後方ではスプリンター達によるポイント争いが行われ、先頭をジョン・デゲンコルプ(ドイツ、チーム ジャイアント・アルペシン)、ブライアン・コカール(フランス、チーム ヨーロッパカー)、アンドレ・グライペル(ドイツ、ロット・ソウダル)の順で通過した。コカールを引き連れてきたトマ・ヴォクレール(フランス、チーム ヨーロッパカー)がスプリントポイント通過後に単独で逃げ集団へブリッジを試みるも、追いつくことができずその後吸収された。

 その後は約2分の差を保ち、逃げ集団とメーン集団はレースを進めた。残り30km地点に設けられた山岳ポイントでテクレハイマノットが再びポイントを獲得、山岳ポイントリーダーとなった。

終盤、単独攻撃に出たヴァンビルセン終盤、単独攻撃に出たヴァンビルセン

 ラスト12km付近で、メーンとの差が1分を切り、逃げ集団からヴァンビルセンが単独でアタックを試みた。後方ではダニエル・オス(イタリア、BMC レーシングチーム)を中心にBMC レーシングチームがグレッヒ・ヴァンアーヴェルマート(ベルギー、BMC レーシングチーム)のために集団を積極的に牽引。街中に入りコーナーも多く、集団は縦一列の状態が長く続く。逃げていたヴァンビルセンは残り3km地点で吸収された。

 ラストの上りも近づいて、残り1kmのゲートを過ぎようとした矢先、一瞬ペースが落ちた集団内でマイヨジョーヌを着用するマルティンが、コカールの後輪に前輪を“ハスり”落車。前方で起こった落車だけにヴィンチェンツォ・ニバリ(イタリア、アスタナ プロチーム)やナイロアレクサンデル・キンタナ(コロンビア、モビスター チーム)ら総合上位勢も巻き込まれた。

 この落車をくぐり抜けた先頭集団では、シュティバルが残り700m付近からロングスプリントを開始。2番手にはエドヴァルド・ボアッソンハーゲン(ノルウェー、MTN・クベカ)が付けていたが、残りの距離がまだ長いことと、3番手にはペテル・サガン(スロバキア、ティンコフ・サクソ)が付いていたことで牽制に入った。その間にシュティバルがフィニッシュを目指し独走。ホアキンがアレクサンドル・クリツォフ(ノルウェー、チーム カチューシャ)を引き連れてゴールを目指すも、集団は2秒届かずシュティバルが逃げ切りでステージ優勝を飾った。サガンは2日連続の2位に入っている。

腕をかばいながら表彰台に立ったマルティン腕をかばいながら表彰台に立ったマルティン

 シュティバルは「ツールのためにとにかくトレーニングを積んできたので勝ててうれしい。夢がかなったよ。マルティンの落車が深刻な状況なので心配している」とコメントしている。

 翌日行われる第7ステージはリヴァロからフジェールまでの190.5kmで行われる。細かいアップダウンをこなすレイアウトだが、平坦ステージに分類され、ゴール前ではピュアスプリンター同士の争いが見どころとなるだろう。

(文 松尾修作/写真 砂田弓弦)

第 6ステージ結果
1 ズデニェック・シュティバル(チェコ、エティックス・クイックステップ) 4時間53分46秒
2 ペテル・サガン(スロバキア、ティンコフ・サクソ) 4時間53分48秒 + 00′ 02”
3 ブライアン・コカール(フランス、チーム ヨーロッパカー) 4時間53分48秒 + 00′ 02”
4 ジョン・デゲンコルプ(ドイツ、チーム ジャイアント・アルペシン) 4時間53分48秒 + 00′ 02”
5 グレッヒ・ヴァンアーヴェルマート(ベルギー、BMC レーシングチーム) 4時間53分48秒 + 00′ 02”
6 トニー・ガロパン(フランス、ロット・ソウダル) 4時間53分48秒 + 00′ 02”
7 エドヴァルド・ボアッソンハーゲン(ノルウェー、MTN・クベカ) 4時間53分48秒 + 00′ 02”
8 ダヴィデ・チモライ(イタリア、ランプレ・メリダ) 4時間53分48秒 + 00′ 02”
9 ジュリアン・シモン(フランス、コフィディス ソリュシオンクレディ) 4時間53分48秒 + 00′ 02”
10 ゴルカ・イサギレ(スペイン、モビスター チーム) 4時間53分48秒 + 00′ 02”

個人総合(マイヨジョーヌ)
1 トニー・マルティン(ドイツ、エティックス・クイックステップ) 22時間13分14秒
2 クリストファー・フルーム(イギリス、チーム スカイ) 22時間13分26秒 + 00′ 12”
3 ティージェイ・ヴァンガードレン(アメリカ、BMC レーシングチーム) 22時間13分39秒 + 00′ 25”
4 ペテル・サガン(スロバキア、ティンコフ・サクソ) 22時間13分41秒 + 00′ 27”
5 トニー・ガロパン(フランス、ロット・ソウダル) 22時間13分52秒 + 00′ 38”
6 グレッヒ・ヴァンアーヴェルマート(ベルギー、BMC レーシングチーム) 22時間13分54秒 + 00′ 40”
7 リゴベルト・ウラン(コロンビア、エティックス・クイックステップ) 22時間14分0秒 + 00′ 46”
8 アルベルト・コンタドール(スペイン、ティンコフ・サクソ) 22時間14分2秒 + 00′ 48”
9 ズデニェック・シュティバル(チェコ、エティックス・クイックステップ) 22時間14分18秒 + 01′ 04”
10 ゲラント・トーマス(イギリス、チーム スカイ) 22時間14分29秒 + 01′ 15”

ポイント賞(マイヨヴェール)
1 アンドレ・グライペル(ドイツ、ロット・ソウダル) 161 pts
2 ペテル・サガン(スロバキア、ティンコフ・サクソ) 158 pts
3 ジョン・デゲンコルプ(ドイツ、チーム ジャイアント・アルペシン) 120 pts

山岳賞(マイヨアポワ)
1 ダニエル・テクレハイマノット・ギルマジオン(エリトリア、MTN・クベカ) 3 pts
2 ホアキン・ロドリゲス(スペイン、チーム カチューシャ) 2 pts
3 ミヒャエル・シャール(スイス、BMC レーシングチーム) 1 pts

新人賞(マイヨブラン)
1 ペテル・サガン(スロバキア、ティンコフ・サクソ) 22時間13分41秒
2 ワレン・バルギル(フランス、チーム ジャイアント・アルペシン) 22時間14分33秒 + 00′ 52”
3 ナイロアレクサンデル・キンタナ(コロンビア、モビスター チーム) 22時間15分22秒 + 01′ 41”

チーム総合
1 BMC レーシングチーム 66時間41分19秒
2 エティックス・クイックステップ 66時間41分41秒 + 00′ 22”
3 ティンコフ・サクソ 66時間43分3秒 + 01′ 44”

敢闘賞
ペリグ・ケムヌール(フランス、チーム ヨーロッパカー)

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