元MTB-XCアジア王者の野口忍さんがレポートトレック「新型マドン」をテスト 高速性能と快適性を両立した新ジャンルのロードバイク

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 オランダ・ザイストで6月30日に発表されたトレックの新型エアロロードバイク「Madone」(マドン)を、その翌日にトレック・ジャパンの野口忍さんがさっそくライドし、レポートを寄せてくれた。現在は同社のマーケティングマネージャーを務める野口さんだが、元プロマウンテンバイクレーサーで、アジアチャンピオンの経歴をもつトップアスリート。そんな野口さんが感じた新マドンの印象は?

新マドンに乗り、上りでダンシングする野口忍さん(左)新マドンに乗り、上りでダンシングする野口忍さん(左)

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バリバリのレーサーたちとテストライド

 新マドン発表から一夜明けた7月1日、オランダで各国のサイクルジャーナリスト達と一緒に100kmライドに参加した。欧米のサイクルジャーナリストは、元プロ選手だったり、現役バリバリでレースに参加していたりするアスリートが多いが、究極のレーシングバイクを謳う新マドンにとって、そのような状況の方がむしろテストにはもってこいだ。今回はなんと、昨年までロードレースの頂点で戦っていたあのイェンス・フォイクト氏も参加。皆の鼻息がやや荒かったように感じられた。

各国のジャーナリストが集まった各国のジャーナリストが集まった
ずらりと並んだ新型マドンずらりと並んだ新型マドン
見るからに只者ではない皆さんとのライド見るからに只者ではない皆さんとのライド
ライドには、あのフォイクト氏も参加ライドには、あのフォイクト氏も参加

エアロ+IsoSpeed=究極のエアロバイク

 新型マドンは究極のエアロバイクとして誕生。シートチューブを2重にした「チューブインチューブ」構造で、外側はエアロ効果を生み出し、そして内側の円形チューブには、しなることで衝撃や振動をいなすIsoSpeed(アイソスピード)テクノロジーが採用されている。今回は、特にエアロ効果と快適性の2点を中心にお伝えしたい。

ライドがスタート。もちろん全員が新マドンに乗車ライドがスタート。もちろん全員が新マドンに乗車

 走行前、ボントレガーR3/25Cのクリンチャータイヤを90PSIに設定。ちなみに私の現体重は約73kgで、いつもこれくらいの空気圧で走行している。バイク重量はフレームサイズ52cmのペダル無しで6.8kgだったので、身長172cmの自分が乗る54cmだとペダル込みで7.2kgくらいだろうか。

 いよいよライドがスタート。まずゼロ発進のダンシング加速だが、パワーロスは全く感じない。ステムと一体型のハンドルバーや、フロント周りの剛性がしっかりしているおかげだろう。そしてIsoSpeedだが、これはトレックの別シリーズのロードバイク「ドマーネ」で実証済みの衝撃吸収機構だ。新型マドンに乗ると、初めてドマーネに乗ったときの驚きを思い出した。ドマーネ同様、側溝の段差などに進入する際も通常のロードバイクほど気を使う必要がなく、衝撃を上手くいなしてくれている。段差があるところにカーペットでも敷いてあるかのような印象だ。

郊外に出ると、気持ちの良い高速巡航郊外に出ると、気持ちの良い高速巡航
ドロップを持って巡航する筆者ドロップを持って巡航する筆者
さまざまなポジションを試す筆者さまざまなポジションを試す筆者

IsoSpeedはコーナーリングにも効果

集団の先頭を走るフォイクト氏(中央)集団の先頭を走るフォイクト氏(中央)

 郊外に出ていくにつれて集団のペースも上がり、平均40kmを維持しながら進んだが、空気抵抗は明らかに通常のロードバイクより少ないと感じられた。トライアスロンにも参加する私は、トレックのタイムトライアル(TT)用バイク「スピードコンセプト」に乗る機会がしばしばあるが、今回のマドンはそれに近い印象だ。TTバイクにドロップハンドルを装着してハンドリング性能を高めた感じだろうか。パワーメーターは装着しておらず、正確な数値ではないが、同じ40km走行であっても出力をよりセーブできているように感じた。

 また、高速のままコーナーに進入しても、自分が思い描くラインでスムーズに攻めることができた。その理由の一つにはIsoSpeedの効果がある。フォイクト氏いわく、「剛性が高すぎるバイクはコーナーではねるような動きになるが、IsoSpeed搭載の新マドンにはそれがない」のだそうだ。IsoSpeedによって地面からの突き上げをダイレクトにサドルや身体に伝えることがないので、コントロール性も高まっているのだろう。

フォイクト氏とも並んでライドフォイクト氏とも並んでライド

すべてを持ち合わせているバイク

 今回のテストで感じたのは、新型マドンは高いエアロ効果、快適な乗り心地、見た目の美しさ、疲労を軽減してくれるテクノロジーなど、バイクに要求される要素をすべて持ち合わせているということだ。

 強いて欠点を挙げるとすれば、低速からの立ち上がりの加速性能に関しては、重量が軽いエモンダに分がある。しかし、軽さはこのバイクに求める本来の目的ではない。ロードバイクの醍醐味である高速巡航性能に快適を組み込んだ、新しいジャンルのバイクが登場したと感じている。

野口忍 野口忍(のぐち・しのぶ)

トレック・ジャパン株式会社 マーケティングマネージャー
1973年8月3日生(41歳) 172cm/73kg
2000、2002、2003年マウンテンバイク・クロスカントリーアジアチャンピオン
2004年全日本マウンテンバイク・クロスカントリーチャンピオン

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